2021年8月13日 11:00
急に激痛が…40以降の女性に多い「変形性股関節症」とは
「関節軟骨は一度失われると、基本的に再生することはない、いわば“消耗品”のようなもの。激しいスポーツや過度の肥満による負担に加え、単純に年齢を重ねるだけでもすり減っていってしまうのです。そのすり減りやすさは、それぞれの人の生活習慣や関節の形などに左右されます」
日本で女性に変形性股関節症が多いのは、股関節の形に原因があるという。
「本来、大腿骨の先端を3分の2ほど覆っている臼蓋が十分に発達していない『臼蓋形成不全』の人が、日本の女性に多い。関節軟骨同士が触れている面積が小さいと、そのぶん負担が大きくすり減りやすくなります」
軟骨自体には神経がないので、すり減っても痛みを感じることはない。削られて出た軟骨の破片を処理するための免疫反応で炎症が起きたり、骨同士が触れたりすることで初めて痛みが出る。
「臼蓋形成不全を抱えていた人が、加齢によって軟骨を失って、痛みが症状として出ることが多いのが40代〜50代ということです」
病院を受診するほど痛みが出たら、重症化していることも多い。
「『痛みがあるかも』と異常に気づいても、発症初期であれば痛みに波があり受診に至らない人も。痛みを我慢できなくなり、医療機関を受診したときには、ほとんど軟骨がない状態にまで重症化。