大阪市立大学の研究グループが、睡眠障害と糖尿病の関係性に関する新たな事実を発表しました。それによると、不眠の治療が心筋梗塞や脳梗塞の予防につながるかもしれません。この研究は、米オンライン科学誌プロスワンに発表されたもの。その研究内容についてご紹介します。
睡眠障害と糖尿病
今年4月に大阪市立大学医学研究科のグループは、「糖尿病によって血糖値をコントロールできなくなると、睡眠障害が起こることを脳波計による実験で立証した」と発表しました。
以前から、睡眠障害を患っている人は糖尿病を抱えていたり、将来的に高確率で糖尿病を発症するということはわかっていたそうです。
糖尿病患者には、健常者に比べて約2倍の不眠が見られると言われています。これは肥満による睡眠時無呼吸症候群を除いた数字で、これまでいろいろな原因が指摘されてきました。
過去の研究では、睡眠障害と糖尿病の関連が示唆されていたものの、糖尿病による血糖コントロールと睡眠障害の直接の関与は明らかにされていませんでした。
血糖コントロールとは?
大阪市立大学の研究グループが、糖尿病の血糖コントロール指標のHbA1cが睡眠第1相の時間、および深睡眠である徐波睡眠の時間と関連があるかどうかを調べたそうです。