ラク&正しい姿勢が◎!妊婦さんにおすすめの座り方と避けるべき座り方
椅子や床にあぐらなどで座る場合は、坐骨で座り、骨盤を立てて座りましょう。自然と背筋が伸びて猫背を予防できます。骨盤がうまく立たない場合は、タオルや座布団などを骨盤の下に敷いたり、腰の後ろにタオルやクッションを置き当てて、体の自然な湾曲を支えましょう。
椅子に座るときや立ち上がるときは、動作の途中に重心が足の裏にあることを意識しましょう。突然どさっと座ったり、腹筋を使ったり、勢いで動くのではなく、ゆっくりとコントロールして座りましょう。座っている間は、両手を太もも前面に置いたり、テーブルやひじ掛けなどを利用して、安定した支えとなるものに片手、あるいは両手を置いて上半身のサポートをしても良いでしょう。
床に座る場合は、正座やあぐら、長座位(両足を伸ばして座る)など、妊婦さんにとってラクな座り方を見つけましょう。
正座は骨盤の仙腸関節の動きが自由になるので、腰痛がある妊婦さんのなかには、ラクに感じる方もいるかもしれません。
正座のときは、両足の指を無理に重ねない、両膝間を無理にくっつける必要はありません。膝に痛みがある場合は、無理に正座はしないでください。
あぐらは妊婦さんにとって比較的ラクな姿勢ですが、猫背になりやすいので坐骨で座り、骨盤を立てて座るように心がけましょう。尾骨や仙腸関節部分に痛みがあれば、タオルやクッションなどをおしりの下に敷きましょう。
長座位では、両脚を伸ばして肩幅より少し広めに開いて座りましょう。尾骨や仙腸関節部分に痛みがあれば、タオルやクッションなどをおしりの下に敷きましょう。背もたれが必要であれば、背後にソファーなど支えになるものがある場所に座りましょう。ラクな姿勢で座っていても、長時間同じ姿勢で過ごすことは避けましょう。
連続して座ったまま過ごす場合でも、20~30分間に1回は立ち上がる、姿勢を変える、ストレッチをするなど、体全体のこわばりが起きないように心がけましょう。
まとめ
体を動かしているとき常に重心が上下左右に変化しますが、妊娠中は特に体型の変化や体重増加によって、体への負担が増す状態になります。普段の姿勢から見直して、腰痛やおなかまわりの圧迫感などの不快症状を引き起こさないように心がけましょう。
■参考文献
・マタニティ・エクササイズ・マニュアル
監修:進純郎発行:社団法人全国保健センター連合会2010年初版
・ウィメンズヘルスリハビリテーション
編集:ウィメンズヘルス理学療法研究所メジカルビュー社2014年
監修者:医師 三鷹レディースクリニック院長 天神尚子 先生
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。