2021年12月15日 15:30
「違うよ、お母さん」私の本当の気持ちを母は知らなかった… #HSPがHSCを育てています 23
「お母さん、いまから私を怒るな……」って顔。
「いま私が言ったひとことが嫌だったんだろうな……」って顔。もう、この顔をされたら自分の話なんか到底できる気持ちじゃなかった。自分の気持ちを聞いてもらうより、母の機嫌が治る方が優先だ。母の機嫌が悪いこと以上に怖いものもないし、嫌なこともない。
実母は母親(私の祖母にあたる人)に恵まれなかったせいか、理想の家庭像をひと一倍強くもっていた人である。 「自分が幼少期満たされなかった分、子どもはいっぱい愛情で満たしてあげるんだ! そうすれば、素直で明るくて子どもらしいおおらかでいい子になる!」そう信じていた。
でも、娘である私はどんなに手を掛けたって何かしら不満を言う。
せっかく旅行に連れていったって、子どもらしくはしゃがずにブチブチと暗い顔をしている。実母にそのときの心境を聞くと、
「母としてこんなに頑張っているのに、娘はどうしていつも文句ばっかり言うんだろう。いつになったら素直で明るい子になるんだろう。そんなに私のやることがいけない?私の育児が間違ってる?」
と思っていたみたいだ。
「お母さんの何がそんなにそんなに気に入らないの!!」
そういえば、実母からよく言われていた。
私が「あれが嫌だ」「これが苦手だ」なんて話しかけるたびに、実母は娘である私から母として至らないと言われ、責められる気分だったんだろう。今だったら分かる。実母が私の話を聞きたがらなくなったこと。
怒られたくなくて、嫌われたくなくて、母に笑っていてほしくて「なんでもない」
と言った。
もう、母には頼れない、幼いながらにそう思った。余計なことは言わない、余計に動かない、じっと。ただ毎日なんとかやり過ごしていた。
そして私が5歳のとき弟が生まれた。弟は母の望む子どもそのものだった。
明るい!素直!!子どもらしい!!!
生まれたときから寛容でおおらかでやさしい男の子。
細かいことがすぐ気になり目について日々振り回されて頭の中が忙しい私。本当は明るくておおらかな女の子になりたい。(ちなみに今も理想はこんな女子だが、微塵もかすらない)