先生も授業もテストもない!? 自分らしさを伸ばす教育「サドベリースクール」とは
■大家族のような学校閑静な住宅街にある大きな洋風の一軒家。リビングでは小さな子どもたちがゲームで遊び、キッチンでは中学生くらいの子がケーキを焼いています。2階では映画を鑑賞している子や、ipadを片手に真剣に話し合っている子も。中には大人もいますが、「ゲームばっかりやってちゃダメ! 勉強しなさい!」と叱る気配もありません。ここは一体何なのでしょうか?
実はここ、学校なんです! 米国ボストンにあるサドベリーバレースクールをモデルに、2009年に開校した「東京サドベリースクール」です。この学校には、先生も授業もテストもなく、生徒たちは自ら興味のあることを探して学びます。
「人は自分が学びたいと思ったときに最もよく学ぶ」という考えに基づき、スタッフは生徒が必要とした時だけ手伝います。今、こうした学校が非常に注目を集めています。
■何も決まっていない自由の中で現在、東京サドベリースクールには、7歳~17歳までの14名の生徒が在籍しています。10時~11時の間に登校し、16時の下校まで、朝夕のミーティングと掃除の時間以外、生徒たちは思い思いに過ごします。
昼食も各自、自由に取ります。学校通信を発行しているメンバーのレターミーティングや経営ミーティングなど、やりたいことを同じにするメンバーが集まって開かれるミーティングやクラブ活動もあります。
この学校には、とにかく決められたことがまったくないのです。最初は掃除もなかったそうですが、必要性を感じて話し合い、毎日全員で掃除することに決めたそうです。
学校のルールも自分たちで決め、変更したければ、また話し合います。コンサートを開きたければ、自分たちで企画します。
専門的なことを学びたければ、専門知識のあるアドバイザーやボランティアにサポートを求めます。
生徒たちは「ほかの人の自由を尊重した上で、自分のやりたいことをするのが自由であり、自由と自分勝手は違う」と語ります。彼らは、コミュニティの一員としての自覚が強く、社会性に富んでいます。