オムツの外し方から話題の出産法・ヒプノバージングまで 「いっしょにママになろう」取材レポート 【後編】
プレママと0歳児ママに楽しいお産と育児のコツを教えてくれるイベント『いっしょに「ママ」になろう』。レポート後編は、オムツはずしや離乳食、出産準備法などのお話です。
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子どもと笑顔で向き合うには、まず生活リズムを整えよう
「本来、オムツは子どもには必要ないものです」と話すのはさくら幼稚園副園長の千野郁子先生。たしかに江戸時代には紙オムツはなかったはず。赤ちゃんにオムツをはかせるのは「外出が大変」「家の中を汚したくない」など文化的生活をしたい大人の事情からです。
最近の紙オムツは高性能なので、汚れてもすぐに変えない人もいます。しかし、敏感な部分に汚物をつけっぱなしにするのは、赤ちゃんの五感を鈍らせかねません。確かに紙オムツは楽なので、親もなかなかとろうとせず、使用年齢は昔に比べて広がる傾向に。
近年、ビッグよりも大きい小学生サイズの子ども用も発売しているのだとか。
「最近は、小学生が病院の排泄(はいせつ)外来に通う子どももいます。ずっとオムツをしていたせいで、トイレで排泄ができない子がいるんです。子ども自身も恥ずかしいと思っていて、かわいそうなんですよね」と千野先生。
そんなふうに子どもを悩ませないためには、生後5カ月くらいからオムツはずしをはじめるとスムーズにいくことが多いとのこと。ちなみに、さくらキッズガーデンの保育園では、もれたら子どもが不快感をおぼえる布オムツを使っているそうです。
オムツをはずすには、まず生後4カ月あたりから生活リズムを整えることからはじめます。食事や睡眠の時間が整うと、自然と排泄のタイミングも決まってくるからです。
生活リズムは、夜は午後8時までに寝かせ、朝は6時に起こし、昼寝は午後2時半ごろまでに終えるくらいを目安に、子どもの様子をみながら調節。ちなみに生活リズムは2週間ほどで整えられるそうです。
オムツを外す際は、ママが「そろそろかな?」と思うタイミングで、タオルを広げたり、風呂場につれていったりすると、開放感からおしっこをする子が多いようです。
このように早くからオムツはずしに挑戦するのは、紙オムツに比べて時間も手間もかかるので、はじめは面倒に感じるかもしれません。しかし、育児には手間をかけることが必要不可欠。そうやって手をかけたことは必ず子どもに愛情として伝わるのだと千野先生は強調します。
「面倒な事をするという出発点は、“子どもを慈しむ気持ちから”うまれているんです。子どもの生活リズムを整えることは、結果として、健康になる、オムツが取れる、家事の時間や手作りの食事の準備ができるなど、非常に効率的です。
しかし、これらは効率的な育児を目指すために行うのではなく、どれも子どもといる時間を豊かに過ごすために自然と必要になっていたことのように思います」と千野先生。
確かに、子どもが泣いているのにご飯の支度をしているから遊んであげられない、オムツを変えてあげられないというのは、大人の事情に子どもを付きあわせていること。ママも泣いている子どもを横目に家事をする毎日が続けば精神的にも辛くなってきます。
それならば、毎日子どもの昼寝の時間に夕ごはんを準備をする、夜寝た後に食器を洗うなど、子どもの生活習慣に合わせていけば、慌ただしく家事をすることもなくなり、より子どもと向き合う時間が充実したものへと変わります。何よりも、子育てで一番大切とも言える、“ママが笑顔で子育てをすること”ができるのです。
ちなみに、参加していたママたちもおまるに挑戦してみたところ、「なんとなくおしっこのタイミングがわかってきた」「初めておまるでキャッチできた」といった報告がたくさんありました。子どものサインがわかり、ママたちもより育児を楽しんでいるようです。