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連載 「幸せ力」の育て方

子どもの学力格差は幼児期に決まる? 親の「しつけスタイル」が重要な理由(「幸せ力」の育て方 Vol.11)

ウーマンエキサイト
知らず知らずのうちに行っている子どもへの「しつけ」によって、子どもの能力に大きな差が出てしまうことがわかりました。
発達心理学が専門の内田伸子先生に、詳しく説明していただきました。

子どもの学力格差は幼児期に決まる? 親の「しつけスタイル」が重要な理由(「幸せ力」の育て方 Vol.11)

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しつけスタイルは大きく2種類



●共有型しつけ
子どもの気持ちを中心に考え、子どもとのふれあいや会話を大切にし、楽しい経験を子どもと共有しようとする、しつけスタイル。

●強制型しつけ
大人中心で、言いつけ通りに子どもを従わせようとする、しつけスタイル。罰を与えたり、力によるしつけを行ったりすることもある。

似たような家庭環境で、しつけスタイルだけが違うとどうなるのか


「年収900万円以上の高所得層で、母親が四年制大学あるいは大学院を卒業し、現在は専業主婦をしている家庭の中から、共有型しつけと強制型しつけの極端な例を30組ずつ計60世帯選び、親子のやりとりを観察しました。

すると、図形を組み合わせるブロックパズル課題で、こんな場面が見られました。

共有型しつけを行っているお母さんは、お子さんをじっと見守っています。


一方、強制型しつけを行っているお母さんは、何かと口を出し、指図します。
子どもがパズルをやろうとすると、『そっちは難しいわよ。こっちからにしなさい』『左右の色を同じにしたらキレイでしょう』などと言うのです。

また『きつねのおきゃくさま』という絵本の読み聞かせにおいても、違いが見られました。
『きつねのおきゃくさま』は、優しいきつねがほかの動物たちを守るために死んでしまうお話です。

共有型しつけを行っているお母さん方は、子どもがどんな反応をするかと子どもの顔を心配そうに見ています。
子どもは『きつねさん、どうして死んじゃったの? あんなに親切なのにかわいそう』などと言います。
それを受けてお母さんは『そうね、かわいそうね』と共感的なサポートをします。


一方、強制型しつけを行っている母親は『はい。今のお話はどういうお話だった? 言ってごらん』、子どもが答えると『違うでしょ。お話の記憶、テストに出るわよ』などと勝ち負けの言葉を投げ付けます」

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