2015年12月31日 04:15|ウーマンエキサイト

子どもの学力格差は幼児期に決まる? 親の「しつけスタイル」が重要な理由(「幸せ力」の育て方 Vol.11)


強制型しつけのもとでは、高所得層であっても語彙得点・リテラシーともに低い

「この子どもたちの学力を調査したところ、共有型しつけを受けている子どもは語彙得点、リテラシー(読み書き能力)ともに高く、強制型しつけを受けている子どもは語彙得点もリテラシーも低かったのです」

しつけスタイルと語彙力は関連する

しつけスタイルと語彙力は関連する(内田・浜野,2012より)


なぜ、しつけスタイルが学力に影響するのでしょうか。

「子どもの学力を高めるためには、お父さんやお母さん、保育者たちが、子どもの主体性を大事にするかかわり方をすることが重要です。

共有型しつけをしている親は、こどもに考える余地を与える援助的なサポートが多く、子どもをよく褒め、子どもに合わせて柔軟な対応をしていました。
そうした親のもとで、子どもは伸び伸びと活動していました」

叱られながらやる勉強はなぜ身に付かないのか ~「幸せ力」の育て方vol.6~でご紹介したように、自分から興味を持ち、楽しいと感じているときは脳の働きが活発になります。

「強制型しつけは逆に、子どもに考える余地を与えない、指示的・独断的な介入が多い、しかも過度に介入する、情緒的なサポートが少ない、褒め言葉が少ないという特徴がありました。
こうした親のもとでは、子どもは主体的に行動することができず、親の顔色を見ながらおどおどと行動していました」

これでは脳の働きが低下するうえ、言われたことしかできない「指示待ち族」になる危険性があります。

しつけスタイルは母親の思いひとつで変えることができます。
子どもが伸びる共有型しつけを心がけていきたいですね。


(佐々木月子)

今回取材に協力してくださったのは
内田 伸子先生
内田伸子先生
十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。
専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『子育てに「もう遅い」はありません』(冨山房インターナショナル)など多数。

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