連載記事:食で心を育む
炭水化物抜きはNG? 子どものために身につけたい、基本の食習慣(食で心を育む Vol.15)
安易に炭水化物を減らさないほうが良い理由
1日の摂取カロリーの内訳で、脂質の比率が高いと、カロリーが燃えにくくなる、つまりエネルギー効率が悪く、代謝が落ちるとされます。
カロリーについては、摂取量(何kcal食べたか)を気にされている方が多いですが、実は、カロリーの多少もさることながら、「炭水化物からのカロリーをしっかり摂っているか」が、エネルギーをしっかり燃焼する、つまり“元気に生き生き活動する”のには大切なポイントなのです。
ちなみに、現代の日本人の、1日平均の摂取カロリーは、戦後の頃よりも少なくなっています。けれど、肥満や糖尿病、高脂血症など、いわゆる現代病は圧倒的に多くなっていますね。これは、食べる量ではなく、その中での脂質の割合が増えていることも要因のひとつとされています。
炭水化物の割合を意識して食べるというのは、健やかな体作りはもちろん、ダイエットにもつながる、重要なポイントです。
特に、育ちざかりの子どもたちにとって炭水化物は、脳の働きを促すのにも、運動のエネルギーを蓄え元気に活動するのにも、欠かせない要素です。
脂質の少ない炭水化物=ごはん食がおすすめ
そして、毎日の食事は、「ごはん食」をベースにするのがいちばんです!
ごはん(お米)は、9割が炭水化物で、脂質はわずか2%しか含まれていません。肉や魚など脂っこいおかずと組み合わせても、献立全体の脂質の割合を抑えられます。
パンやパスタなどは、そのものに塩分や糖分、油が含まれてしまいますが、ごはんにはそれがないのです。
そのため、「ごはん食」を基本にすることで、食事での塩分、糖分、脂質の摂り過ぎを押さえ、また、いろいろなおかずとの組み合わせで、栄養バランスもよく、味のバリエーションも楽しめる献立が作りやすくなります。
新生活を元気にスタートできる食習慣。子どもたちはもちろん、家族みんなの健康維持に、基本の「ごはん食」をしっかり身につけたいですね!
(あまやゆか)