いずれやってくる子どもの巣立ち、今しかない時間を大切に
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春は進級、進学の季節。子どもの成長をもっとも実感する時期かもしれません。
子どもが進学や就職を機に家から旅立つ日は意外に早く訪れます。子育てがひと段落すると、親には自分のために使える時間がたっぷりできます。今までやりたかったことのできる時間を多く持てるようになります。
そうした状況がうれしいはずなのに、なんだか気持ちが沈んでしまう。むしろ、あまりうれしくない。ときどき涙がでる。
どうしてだろう? それは「empty-nest syndrome」、空の巣症候群と呼ばれる症状です。
■空の巣症候群とは
「空の巣症候群」とは、子どもが巣立った後、空になった巣に取り残されたと感じた母親が、心身ともに不調を抱えてしまうことです。子どもの旅立ちを、ひな鳥が巣から飛びだす様子になぞらえ、こう呼びます。
空の巣症候群に陥りやすい時期=子どもの巣立ちを迎える時期が40代後半~50代という更年期の時期に重なることもあり、不眠が続いたり、わけもなく泣けてきたりすることもあるようです。なかには、うつを発症したり、お酒に逃げてしまったりする人もいます。
小さい子どものいるママたちは、こう言われても「私には関係ない」「まだ、うちの子は巣立ちまで何年もあるから大丈夫」と思うかもしれませんね。
たしかにそうですが、実は子どもが巣立ちを迎えるだいぶ前から、空の巣症候群について考えることは、現在のあなたと子どもとの関係に大きな影響を及ぼすのです。
■巣が空になる前に
あなたにもきっと、待ち合わせをしたのに約束の時間になっても相手が来なくて、待ちぼうけを食った、という経験があると思います。
子どもが巣立ち、空の巣でひとり身を置くのは、待ちぼうけをすることと似ています。