2歳を過ぎた頃から「もうパンツにしないといけないかな」と気になってくるトイレトレーニング。「いつから始めるのか」「上手に進める方法はないものか」まわりはとあれこれ悩むことも多いものです。
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今回は、大きな壁にもなりやすいトイレトレーニングをお子さんと一緒に上手に進めていくための方法やコツ、まわりの皆さんの体験談をご紹介します!
トイレトレーニングとは
トイレトレーニングとは、赤ちゃんが大人と同じようにトイレで排泄できるようになるためのトレーニングのことですね。
トイレトレーニングをしなくてもいつの間にかできるようになる子もいれば、気合をいれてあれこれママやパパがサポートしてもなかなか上手くいかない子もいる、ひとつの成長過程でもあります。
トイレトレーニングを始める時期や完了するまでにかかる期間、終了時期は個人差が大きいものです。
「できれば3歳までには」「幼稚園に入園する前に」といった、ママやパパの期待通りにはいかないことも多く、思い詰めてしまうと大きな悩みやストレスとなってしまうケースも見られます。
気負いすぎると子どもにも張りつめた緊張が伝わり、余計上手くいかないということも。できるだけママやパパは気楽に、「いつかはできるようになる」と構えているのが最大のコツだといえるでしょう。
■オムツはずれ
トイレトレーニングとは、オムツははずれのことでもあります。トレーニングが完了する前にオムツはをはずしてしまい、パンツをたくさん洗うことを覚悟する方法、家のなかではオムツはもパンツを履かせずに過ごしてみる、などさまざまなトイレトレーニング方法がありますが、基本的には「トイレトレーニング終了=オムツははずれ完了」となります。
オムツも日々進化してきているため、濡れても気にならないものやトイレトレーニング用に外には漏れないものの、おしっこをしてしまうと濡れた感触があるものなどさまざまなタイプがあります。
トイレトレーニング用のものを必ず購入しなければならないわけではありませんが、便利なものは取り入れて乗り越えていくのもひとつの手だと考えて進めていきましょう!
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トイレトレーニングはいつから始めたらいいの?
トイレトレーニングでの大きな悩みとなることのひとつが、「いつから始めたらいいの?」ということではないでしょうか。
個人差が大きいトイレトレーニングは、一斉にこの時期から始めましょうというものではありません。その子なりのタイミングを見極めてスタートすることが大切です。
タイミングを逃してしまっても、気づいた時点で始めれば問題ありません。まずはトイレトレーニングができるかどうかを判断する基準を押さえておきましょう。
■トイレトレーニング開始の時期&タイミングの見極めポイント
トイレトレーニングは1歳半頃から開始するケースもありますが、2歳前後からスタートすることが多いようです。
なかには、子どもがおむつの快適さに気づいてしまい、なかなかトレーニング開始の合図が出ない子もいますが、3歳過ぎ頃までを目処にスタートしてあげるようにするのがおすすめです。
【ポイント1】歩けるようになっている
膀胱にある程度おしっこを貯めておけるようになったかどうかは、歩けるようになっているかで判断することができます。
“膀胱におしっこを貯めてトイレで出す”ためには、脳の発達が必要で、大脳皮質という思考などをつかさどる部分がしっかり“おしっこをしたい”という指令を出せるようにならなければなりません。
大脳皮質は、“足を前に出して歩く”という指令も出しているところです。“歩けるようになっている=大脳皮質が発達している”ことになるため、しっかり歩けるようになっているかがトイレトレーニングを開始するひとつの目安となっているのです。
【ポイント2】トイレの間隔が2時間以上空いている/空くことがある
紙オムツの場合、トイレトレーニングを考え始めたら、2時間置きにおむつをチェックするようにしてみましょう。
毎回オムツを交換しなければならないようならまだトイレトレーニングには早いと判断できます。
トイレトレーニングは膀胱におしっこを貯めておけるようにならないと、開始しても失敗が多くなり、本人もママやパパもつらくなってしまいます。
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濡れていないときにはトイレに連れていきおしっこをさせてみるようにする、くらいの気持ちでトイレトレーニングを徐々にスタートさせていきましょう。
【ポイント3】「トイレ」「おしっこ」と伝えられるようになる
自分の思いをまだ上手に伝えられないうちは、トイレトレーニングを無理に始めても「トイレに行きたい」と言えずに、漏らしてしまうことが多くなってしまいます。
トイレの間隔が2時間以上空いていても、上手に思いを言葉などで表現できていないようなら、トレーニングの開始を待ってあげるのがおすすめです。
言葉がまだ上手に出てこない子どもには、おしっこやうんちをする前兆が見られたときに「トイレ行きたいの?」「おしっこしたい?」と声をかけてあげましょう。
声掛けを続けていくことで、いまの自分の状態が「トイレに行きたい」「おしっこしたい」ことであると少しずつ理解できるようになっていきます。
子ども自身が言葉にして伝えられるようになったらトイレトレーニングを開始しましょう。
トイレトレーニングの進め方
トイレトレーニングの進め方は、その子や家庭の事情に合わせて柔軟に変えていくのが1番ですが、一般的な進め方についてご紹介します。流れをチェックしたうえで、そのときの状況に合わせてあれこれ試してみてくださいね。
【1】トイレトレーニング開始のポイントをクリアしている
まずは開始できる状態であるかを、上記のトイレトレーニングスタートが可能かのポイントでチェックしてみましょう。
ポイントをクリアできていても、本人にやる気がないとなかなか始められないこともあるので、最低限ポイントをクリアできていたら、やる気が出るように工夫してみるのがおすすめです。
【2】まずはトイレに誘うことから
オムツを見たら濡れていなかった、というときや寝起きすぐ、などのタイミングでトイレに誘って、出る・出ないに関わらず座らせてみます。
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男の子の場合も始めのうちは座ってする子が多いので、立ってすることを教えるのはトイレでできるようになってからで十分です。
「上手にできたらラッキー、できなくて当然」という気持ちで始めるとママやパパも気軽に誘えます。できたら思いっきり褒めてあげることも忘れずに!
【3】トイレでできるようになってきたら家にいるときだけパンツにしてみる
トイレに誘うと、おしっこができるようになってきて、自分からも「トイレに行きたい」と言うようになってきたら、家にいるときだけでもパンツに切り替えていきましょう。
はじめは失敗も多くなるので、できれば枚数を多めに用意して、濡らしたパンツを入れておくバケツなどがあると便利です。
【4】うんちの成功を達成する
おしっこは上手くできても、うんちは上手くできない…、という子もたくさんいます。
うんちのタイミングや前兆を把握できているときには、ママやパパが見ていて「怪しい」と思ったらすぐにトイレに連れていき、うんちの成功を経験させてあげましょう。
一度トイレでできると、気持ちいいことがわかり、それからはすんなりできる子もいれば、なかなか続けて成功できない子もいます。
時間がかかっても、徐々に回数は増えていくので諦めずに何度も連れていってあげるようにしましょう。
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【5】お外パンツデビューをする
家ではバッチリできるようになり、自分から「トイレに行きたい」とちゃんと言えるようになっていれば、外出先でのパンツデビューも可能です。
はじめは近所のトイレのある公園などがおすすめです。お出かけのときには多めにパンツとズボンを持っていき、念のためオムツも持っていくとパンツをすべて使い切ってしまったときも安心できます。
【6】夜寝るときもパンツで
深夜におもらしで起きるのはママやパパもつらいものです。オムツを濡らさずに寝られる日が1週間以上続いたらパンツで寝始めてみましょう。
お外パンツデビューよりも遅くなっても問題ありません。できれば、万一に備えて防水シーツやカバーを使っておくとより安心してパンツデビューを果たせますよ。
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トイレトレーニングのコツ
トイレトレーニングを上手に進めていくには、いくつかのコツがあります。その子なりのやる気をアップさせるものがあるならそれを上手く活用して、スムーズなトレーニングを目指しましょう。
■グッズを上手に使おう
トイレトレーニング用のグッズはさまざまなものが販売されています。トレーニング用のオムツやパンツ、パンツにつけるタイプのシートにおまる、トイレに設置する踏み台など種類も多岐にわたっているため、家庭の方針やトレーニングの進め方に合わせて取り入れていきましょう。
「これはあったほうが便利!」というおすすめグッズは、トイレに設置する踏み台です。便座にのぼるとき、降りるときはもちろん、足を置いて踏ん張るときにも活躍します。他のグッズはなくとも、踏み台はあると重宝するアイテムになるはずです。
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■シール作戦
よく見かけるトイレトレーニング方法のひとつですが、“トイレで成功したら壁に貼った台紙にシールを1枚貼れる”などのシール作戦は、子ども心をくすぐり、やる気をアップさせられます。
専用台紙でなくともカレンダーや広告を裏返してトイレに貼り、子どもの好きなキャラクターや形のシールを下げておき、トイレに成功したら1枚貼らせます。
シール貼りたさに何度もトイレに行くようになればしめたもの! 他のところではシール遊びができないようにしてれば効果もアップします。
同じように、トイレに子どもの好きな絵を貼っておき楽しい場所にすることも、やる気をアップさせてトイレトレーニングを成功に導くコツです。
その子に合った「トイレにいくといいことがある/楽しい」という方法を試してみましょう。
■うんちの乗り越え方
トイレトレーニングの大きな壁となるのが“うんち”です。うんちだけはなかなか成功しないという子も多いため、“うんち”ができないから外パンツデビューができないという声もよく聞かれます。
うんちは、足で踏ん張って力を入れないと出ないことが多いため、踏ん張れるような踏み台や専用台座を用意してあげることですんなりできるようになることがあります。
うんちをしたそうにしていたからトイレに連れていったけど出ず、その後すぐにパンツにしてしまった、ということが続くようなときには足を踏ん張れるようにしてあげてみましょう。
また、うんちは朝出る子や食事のあと○分/○時間後に出る、など規則的なタイミングで出る子もいます。“どんなときに出ているのか”に着目して見てあげ、そのタイミングで連れて行き、成功体験を増やしてあげることもコツのひとつです。
みんなはどうしていたの? 先輩ママのトイレトレーニング体験談
やまもとりえさんは、インターネットに書いてあったシール作戦や大好きなキャラクターでトイレをデコレーションするなど試したものの全く効かず、ある質問でそれが解決したとか。
ちゅいママさんの、3人の息子のトイレトレーニングは、「いきなりパンツ」で始めたそうで、トイレトレーニング完了まで大変ではなかったものの、その子それぞれで「時期」の見極めが必要だったと話しています。トイレトレーニングはさっと完了できたけど、その後のおもらしや、飛び散り、ズボンに付くなど大変なことも多々あるそうです。
ぺぷりさんは、トイレトレーニングが成功した「ほめ方」を教えてくれました。大人に憧れるお子さんにはピッタリの方法ですね。
こめこさんは、夜のオムツ外れについて教えてくれています。4歳2か月で夜もおむつを外したけれど、おねしょの連続…しかしある日突然おねしょがなくなったそうです。
トイレトレーニングってついつい気合いをいれて親ががんばってしまいますよね。でも5人産んでいるホリカンさんは、長男のトイレトレをかなり頑張ったようですが、2人目が産まれて、「そのうち外れるだろう」とがんばらないトイレトレーニングを実行。保育園に通っているのもあり、全員3歳すぎくらいには外れたそうです。
▼もっと知りたい! 漫画で読むみんなのトイレトレーニング体験談はこちら
トイレトレーニングはどうやった? みんなのトイトレ日記
ママ・パパ必見! イライラしないための心構え
トイレトレーニング中は、汚れ物も多くなり、イライラしがちです。
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「トイレ行こう」と誘ったら拒否されたのに直後に失敗、なんてことも日常茶飯事になるため、イライラしないほうが難しいもの。でもできれば怒らずに過ごしたいのも共通した思いではないでしょうか。
トイレトレーニング中にイライラしてしまうときには、その原因がどこにあるのかを考えて解決に向けて工夫をしてみましょう。
たとえば、汚れ物をいちいち洗うのが大変なら、ぽいぽいバケツに汚れたものを入れて、やる気があるときに一気に洗うようにしたり、部屋の掃除が大変なら家具の配置などを変えて掃除をしやすくしたりなどで気楽になれることもあります。
また、「絶対○歳までにはオムツを外したい」などと気合いを入れすぎたり、「周りの子はできているのにどうしてまだ取れないの」と比較してしまったりするとイライラも募りやすくなります。
トイレトレーニングにはいつか終わりが来る、となるべくおおらかに構えて、ゆったりとその子に寄り添う気持ちで進めてあげ、上手くいかないときにはオムツに戻ってもいいので、そのときどきに合わせて柔軟に対応していくようにしましょう。
トイレトレーニングはあれこれ気も遣い、「しっかりやらないと!」と気持ちも強くもちやすいものですが、ママやパパが気を張り詰めていると緊張が伝わって、子どもも失敗しやすくなってしまうことも。
気長に付き合ってあげながら、やる気を上手く引き出していき、トイレで成功できる回数を増やしていってあげましょう!
<参考>
『今求められる質の高い乳児保育の実践と子育て支援』ミネルヴァ書房・2007年4月20日初版第4刷発行・榊原洋一、今井和子編著者
『AERA with Baby 09 6月号』朝日新聞出版2009年6月1日発行