コミックエッセイ:おかっぱちゃんの子育て奮闘日記
「1歳10ヶ月の息子、レコードにはまる」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.47
夫が会社を辞めて1年半が過ぎたころ、夫があることを提案してきた。
「レコードプレーヤー、買ってもいい?」
このデジタル化社会でアナログに戻ろうというのか。今はCDもなかなか売れない時代。レコードと言ったらわたしたちの親世代が聞いていたものだ。わたしたち昭和生まれはレコードは通っていなくて、カセットだった。
好きな曲をテープに落とし込んで、編集、タイトルも自分で書いたりして、好きな人にダビングしてプレゼントしたりしていた。あぁ、懐かしい。アナログ感。
レコードも、カセットも、数年前から音楽好きの層にまた流行りだしているという。
もともと音楽が大好きで、学生時代からジャンル問わずCDを買いあさってきた夫にとって、レコード収集は男のロマンらしい。
しかしながら、今更レコードか……。
30代からのレコード収集。楽しそうではあるが物が増えて困りそうな気もする。物欲を捨てた、ミニマリストが流行っているこの現代で、今から物に囲まれるというのか。
夫の仕事は飲食業とイベントスペースの企画・運営。
「店でイベントやったりするなら、お客さんにも喜ばれるし、DJブースがあったほうがいいと思うんだよね!」
うーん…たしかに。あったら楽しそうではあるけれど。そんなものより、息子の養育費に蓄えておいたほうがいいのではないか? 家族会議をした結果、普段はあまりリクエストをしない夫なので、今回は了承することにした。
わが家の家計の話をすると、結婚してからずっと夫はおこづかい制で頑張ってくれている。理由は、夫の気質にある。
夫は給与が入った途端、あればあるほど使ってしまうタイプで貯金ができない人だった。サラリーマン時代は銀行員だったのに、お金の管理が不得意なんて笑ってしまう。
こうした大きな買い物だけは、相談して買うことにしているわが家。こうして、好きなものが買えるようになったことは感慨深い。
夫が脱サラしてから一度も就職せずに、こうして生活が成り立っていることに驚く。よくもまぁ、夫婦で仕事を続けてこれたものだなぁ。