【医師監修】子どもの近視進行には“太陽”が関係していた!「あなたの子どもの目大丈夫?2」

目次

・近視になる子、ならない子で違っていることとは
・どうやってバイオレットライトを生活に取り入れればいいのか
・外遊びは近視予防だけでなく健康への道しるべにもなる
【医師監修】子どもの近視進行には“太陽”が関係していた!「あなたの子どもの目大丈夫?2」

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子どもの近視が増えているといわれています。予防するために、ママは何ができるのでしょうか?

今回は具体的な近視の予防策について、NHK『あさイチ』でも話題となった『あなたのこども、そのままだと近視になります。』の著者で慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授に話を聞きました。

「【医師監修】子どもの近視が増えている!?「あなたの子どもの目大丈夫?1」」の続きです。

■近視になる子、ならない子で違っていることとは

――スマホが近視の原因というエビデンスはないとお聞きしました。それでは、近視になる原因として、現在わかっていることはありますか?

近視に影響すると考えられているエビデンスのなかでも、世界各国のさまざまな研究で同様の結果として報告されているのは、「外で遊ぶと近視になりにくい」というものです。

ウェスタンオーストラリア大学とシンガポール大学による共同研究グループが、シンガポールに住んでいる中国人とオ―ストラリアに住んでいる中国人を比較する研究を行いました。シンガポールは近視の人が急増している一方、オーストラリアは近視の子どもがとても少ないことがわかったのです。

【医師監修】子どもの近視進行には“太陽”が関係していた!「あなたの子どもの目大丈夫?2」

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決定的に違ったのが、「外にいる時間」です。オーストラリアでは平均して1日2時間くらい屋外で過ごしていましたが、シンガポールでは10~20分程度だったのです。

この研究以外にも、「屋外で太陽にあたる時間が長い環境のほうが近視は少ない」という報告がいくつかあります。また、私たちの研究では、「照度の高いブラジルと照度の低い東京とを比べるとブラジルの子どもに近視が少ない」という結果が出ています。


――なぜ、外で遊ぶと近視になりにくいのでしょうか?
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体を動かすことよりも、太陽の光が良いらしいことがわかってきましたが、光の何がどう良いのかがわかりませんでした。

私たちは、あることをきっかけに、「バイオレットライト」(紫の波長の光)に近視の予防効果があるのではないかということを発見しました。そして、5年をかけてヒヨコを用いてそのメカニズムを突き止め、そして臨床研究でもその可能性を支持する結果を得ました。
「バイオレットライト」

「バイオレットライト」(提供:坪田一男教授)


「バイオレットライト」とは、可視光の中でもっとも紫外線に近い、360~400ナノメートルの波長の光のことです。実際にヒヨコでバイオレットライトの有無による研究を行い、バイオレットライトがない環境では近視を抑制する効果が低いことを突き止めました。さらに、バイオレットライトのある環境のヒヨコは、近視の進行を抑える遺伝子の働きが活発化していることもわかったのです。


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