■おっぱい卒業の影には、ママの苦労あり
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次に、「断乳・卒乳に苦労した」ママたちのエピソードをご紹介します。ママにはそれぞれおっぱい卒業をしなければならない理由があるけれど、おっぱいを求めて泣き叫ぶ子どもの姿を見たら、決心も揺らいでしまいそうです。
一人目の娘の断乳。3日ほど夜も大泣きし続け、その後5日間39度越えの熱が続きました…。熱の原因は検査してもわからず、ショックでの高熱だったのではないかと思っています。あのときは、断乳の時期を間違えてしまったと(1歳0ヶ月の時)本当に後悔しました。高熱の娘に母乳をあげることもできず、悲しくつらい思いをさせてしまったことは、いま思い出しても胸が締め付けられる思いです。
2歳半の息子と生後2ヶ月の娘を育てています。
お兄ちゃんはおっぱいが大好きで、何度か卒乳を試みましたが失敗。
「おっぱいちょうだいよー」と泣き叫ぶわが子の姿に、私の方が心折れました。そして妊娠中も授乳を続け、2人目出産後は
タンデム授乳に突入しました。妹が生まれてから、息子はますますおっぱいへの執着が強くなったように思います。外出先でも妹がおっぱいを飲んでるのを見たら、「僕にもおっぱいちょうだいよー」と泣くので困っています。母乳育児は情緒を安定させると聞きますが、
やめるときは母子ともに逆に情緒不安定…。
断乳2日目の夜、おっぱいがガッチガチになって痛くて痛くて…。夜中眠れず真冬の寒い中、洗面所でおっぱい丸出しにして泣きながら乳首は触らずに母乳を絞ったこと。
なんてまぬけなんだって気持ちと、妊娠出産で散々痛い思いして授乳中も乳腺炎になったり乳首切れたりして、
なんでこんな痛い思いをしなきゃいけないんだって気持ちになり、涙が出ました。あの気持ち、一生忘れない。
ママたち、本当によくがんばっていますよね。子どもがつらい思いをしたら自分のせいだって後悔したり、どんなに痛い思いをしても我慢したり…。おっぱい卒業の影には、ママたちのいろんな想いが隠されているんだと思います。
■ママが健康じゃないと授乳は続けられない
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また、授乳を続けたくてもママの体の事情や赤ちゃんの発育状況で続けられなくなることもあります。次は“事情があって断乳に踏み切った”ママたちのエピソードをご紹介します。
感染症で強い抗生物質を飲むことになり1歳2ヶ月で断乳しました。
急だったので言い聞かせや準備なんてできませんでしたが、当時は必死でした。人それぞれなのに断乳の仕方を否定されちゃうと切ないですね。
長女が1歳になる月に仕事復帰、それに伴いその前の月に断乳を決行しました。泣こうが暴れようがなんとか抱っこやらおんぶやらで長い夜を乗りきり、3日目くらいには諦めて寝てくれるようになりました。ただ、そのかわり始まってしまった指しゃぶり…。これはこれで後々苦労しました。
断乳後のおっぱいはセルフケアではどうにもならず、産婦人科のマッサージへ。そこで助産師さんに「夜間だけでもおっぱいあげればいいのに~」と言われ、「あははー」と適当に返しましたが、
「仕事始まるのに夜中起きてらんねーよ」と心の中で突っ込みました。
ご飯をほぼ食べず、新生児並みにおっぱいを欲しがる娘が1歳半になったとき、胸に小さなしこりを発見しました。乳がんでした。しっかりと説明をしてから迎えた断乳初日、わかっていないふりをしながらおっぱいに寄ってきた娘に「バイバイしたよね?」というと、「あっ! そっか!」みたいにおどけた顔で笑ったかと思うと、みるみる顔が曇り、いつも掛けていた授乳ケープを握りしめ、悔しそうに泣き出しました。上の子はミルクで育てたので母乳育児ができるのがうれしくて、何より幸せな時間でした。あの日の娘の姿を思い出す度に涙が出ます。
「何歳までは授乳すべき」「正しい断乳のやり方」など、ちまたにはいろいろな情報があふれ、またその方法を押し付けてくる人もいます。
しかしなかには、ここで紹介したエピソードのように、
おっぱいをあげたくてもあげられない、そんな事情の人もいます。おっぱいはママの健康が成り立たないと出ません。
薬が飲めないと体調不良はなかなか治らないし、ママには十分な睡眠が必要です。できればそういったことを周りの人が少しでも想像してくれるようになれば…と願わずにはいられません。