連載記事:いつから? どうやって? 疑問だらけの子どもの足育
抱っこ、ハイハイ、よちよち別の足育法「骨を強くするデコボコ、足を育てるグラグラ」【いつから? どうやって? 疑問だらけの子どもの足育 第2回】
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前回は、足育アドバイザーの高階貴子さんに、なぜ足育が必要なのかをお聞きしました。足育の柱は、「足を守って(=靴)育てる(=運動)こと」。今回は、どのように足を育てるのかをご紹介したいと思います。
お話をうかがったのは…
高階貴子(たかしな・たかこ)さん
日本足育プロジェクト協会認定足育アドバイザー。自身の足のトラブルをきっかけに若石リフレクソロジストに。正しい知識で足を守ってほしいと足育講座を開催している。
・若石リフレ・足育 KICO
・日本足育プロジェクト協会
■ママの抱きクセが赤ちゃんの発育に影響?
――足を育てるには、具体的に何をすればいいのでしょうか? まず、赤ちゃん時代にできることを教えてください。
高階貴子さん(以下、高階さん):大切なのは、赤ちゃんがずっと同じような姿勢でいないようにすることです。
例えば、抱っこひもでずっと抱っこしていたり、ベビーカーやベルトで留めるイスなどに長時間座らせること。ずっと同じ姿勢、窮屈な姿勢になってしまわないように、床に寝かせて自由にバタバタする時間を確保しましょう。
また、利き腕側など、クセで片側でばかり抱っこしてしまうママがいますよね。
そうすると、赤ちゃんも同じ姿勢が続きますし、ママも片方の骨盤が上がった状態となります。ママの姿勢とリンクして、赤ちゃんにもクセがついてしまうのです。
そうした抱っこが続くと、赤ちゃんはハイハイのときに片足ばかりでけるなど、発育にも影響が出ることがあります。バランスよく左右両側で抱っこする、また正面に抱くのがおすすめです。
片側での抱っこが長くなってしまったら、おろしたときに赤ちゃんの足の付け根のリンパ部分を軽くさする、足がギュッと曲がって窮屈な姿勢が続いたと思ったら、足を伸ばしてさすってあげるなど、リセット、リラックスの時間をもってあげましょう。
■ハイハイをする子、しない子「ケガのリスクも変わる?」
床をけって指を使う練習にもなるハイハイ。指を使っていなかったら、使うようにうながしてあげよう(写真提供:足育Lab Ta.Ta.Ta)
――ハイハイ期に入った赤ちゃんはいかがですか?
高階さん:ハイハイは歩くための準備なので、たくさんさせてください。スポーツに準備運動が大事なように、ハイハイもすごく大事なのです。
最初のズリばい、手と足をついてする四つばい、ひざをつかずに四つ足で歩く高ばいと、ハイハイにも段階があります。しかし、今の赤ちゃんはほとんど高ばいをしないそうです。
生活の環境にもよると思いますが、狭いスペースにテーブル、棚など、赤ちゃんがつかまれるものがすぐそばにあると、少しハイハイをしたらつかまって手や腕の力で立てるようになってしまいます。
立ち上がって景色が変わるというのは赤ちゃんにとって興味深いので、高ばいをとばして立つ。そして、立てたらつかまり歩きに移行と、十分にハイハイの期間をへない子が多いのです。
転んだ時、顔のケガをしたり、歯を折ってしまったりする子どもが多くなっているのは、赤ちゃんの頃のハイハイが少なかったからではないかといわれています。
ハイハイは、背筋、腹筋をきたえてまっすぐ立つ力をつける練習になります。転んだときに顔や頭を守る準備でもあるのです。
足の指を使いながら木製滑り台を高ばいで登る(写真提供:足育Lab Ta.Ta.Ta)
――赤ちゃんの頃に十分にハイハイをしなかった子どもでも、今からできる対策はありますか?
高階さん:トンネルくぐりのようにハイハイの姿勢を取る遊びをたくさんするようにしてください。足の指でけりながら雑巾がけをしたり、窓ガラスを拭きながらかかとの上下運動をしたりするのもいいですね。おそうじを足育タイムにしてはいかがでしょうか。