もともと潔癖症だった私は、育児においても除菌ウェットティッシュを欠かさず持ち歩き、オムツ替えの前後には、台をピッカピカにしなければ気が済まないタイプでした。
久しぶりの赤ん坊だった息子には人一倍神経を使い、仕事から帰ってきた夫が近づいてくることにも抵抗があったくらいです。
落ちた食べ物は即処分、哺乳瓶を落とせば中身を捨て、即洗い直し。
乳児湿疹がひどかったこともあり、息子を怖いウイルスや細菌にさらしてはいけないと、必死でした。
しかし、そんな潔癖女の価値観を一変させる出来事が起こります。
…起こりますというか、それは当たり前の日常の一部でした。
“お姉ちゃんの保育園の送迎”です。
産後1か月間の実母の助けが終わり、家族四人での新生活が始まったことで、そこからまた私の、娘の送迎が始まりました。(夫は出勤が早すぎるので、私の役目でした)
もちろん息子を家に置いていくわけにもいかず、私は抱っこ紐、もしくはベビーカーで息子を連れていきます。
むらがる子どもたち。
それはもう、エサにむらがる金魚のように、さまざまな子が息子に興味を持ってやってきます。
「なんさい?」「おとこのこ?」「だっこしたい!」
妊娠中から「いつ産まれるの~?」と楽しみにしてくれていた子も、息子とのご対面に大喜び。
その様子には思わず顔がほころびます…
しかし、同時にべたべたと触られている息子。泥だらけの手で。
ベビーカーにおもちゃをつけようものなら、一瞬で泥だらけ。
そして時に、目を離した隙に唇を奪われる息子。
あぁ…と思いながらも、そんな毎日を繰り返しているうちに、思うようになりました。
なぁに、かえって免疫がつく。
保育園ですから、たまに怖い風邪がはやっていたりもします。
そんな時はひやひやしつつも、兄弟が園に通っている限りは…
というか、育児している限りは、感染症は避けられませんよね。
それよりも、送迎のたびに笑顔で迎え入れてくれる園のお友だちが、息子に与えてくれる良い影響は、かけがえのないものです。
みんなとのスキンシップのおかげか、息子はすっかり丈夫に、それでいて人懐っこく育っています。
そして潔癖症だった私も、息子の落としたものを平気で食べられるようになりました。
三秒も十秒も変わりません。
母は強くなりますね。
(ものすごく風邪もらってます。マネしないでね!)
親になって強くなったこと