連載記事:「みんなの学校」から親の意識を変える
子どもが言うことを聞かないのは、ママとの信頼関係に問題があった!【「みんなの学校」から親の意識を変える 第1回】
■子どもと信頼関係を結ぶために知っておきたいこと

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―おっしゃることはわかります。でも、なかなか、そう切り替えられません。
高山:子どもが大人の言うことを聞く、つまりは子どもがスムーズに学ぶためには、
子どもの心身が安定していないと難しいんです。これに関して、私はよく「マズローの欲求階層図」のお話しをしています。難しい理論のように聞こえるかもしれませんが、これは大学の教育系学部では必ず学ぶ、教育のベーシックな知識なんですよ。
●マズローの欲求階層図

『「みんなの学校」から社会を変える: 障害のある子を排除しない教育への道』より抜粋。ウーマンエキサイト編集部にて作成
高山:アメリカの心理学者マズローは、人間には基本となる欲求が5つあり、それは階層になっていて、下から順に満たされると良いと考えました。(上記の図参照)
ここでのポイントは、「欲求には優先順位があり、下から順に満たしていくことが大切」という点です。どういうことかというと、人はまず図の①から④までの欲求が満たされてから、⑤の「自分の能力を発揮して何かを成し遂げたいという気持ち(自己実現欲求)」が起こる、という考え方なんです。
つまり、ママが子どもと信頼関係を結ぶことができれば、「②(安全欲求)」「③(所属・愛情欲求)」、「④(自己承認欲求)」が満たされます。そうして初めて、「子どもが言うことを聞く耳を持つ」状態になるんです。この理論が頭に入っていると、急がば回れ、子どもが言うことを聞くためには、
「親子関係の土台づくりから」という気持ちになりませんか?
いかがでしたか? ママは、溢れかえる育児情報の中で、ついつい「アレもコレも」と思ってしまいがち。けれども教育学の知識が少しあるだけで、情報を「間引き」するヒントになりそうです。
<親の意識を変えるポイント>
1)子どもは、信頼関係が築けている大人の言うことは聞く
2)子どもと信頼関係を築くには、「寄り添う」ことが大事
3)マズローの欲求階層図で、「子どもが言うことを聞く耳を持つ」までの過程を理解する

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