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逆子だと診断されたらびっくりすることでしょう。しかし、逆子のままで生まれてくる赤ちゃんはわずか3~5%で、ほとんどが自然に直ります。
それでも、逆子を直すための対策がしたくなるというのがママの心理というもの。ここでは逆子体操の方法や取り組む時期、注意すべきポイントをご紹介します。
【監修】
イシハラクリニック副院長 石原新菜 先生
小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。
著書に、13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』(アスコム健康BOOKS)をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』(PHP研究所)等30冊を数える。
■逆子体操の効果とは
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逆子とは
おなかの中にいる赤ちゃんは、頭を下にして丸くなっています。反対に、おなかの中で頭を上にして、足が下になっている赤ちゃんのことを逆子といいます。頭が上になっているのは人間にとって正常な状態ですが、おなかの赤ちゃんは反対。赤ちゃんの頭は大きくて重いので、頭が下になるのです。
妊娠26週ごろまでは子宮にゆとりがあり羊水の量も多いので、赤ちゃんはくるくると動き回っています。なんと、妊娠中期には50~70%もの赤ちゃんが逆子なのだとか! 妊婦健診のときに逆子になっていても、状況が変わることもあります。
逆子の種類
胎児の姿勢によって、逆子にもさまざまな種類があります。逆子といえば帝王切開で出産するイメージがありますが、赤ちゃんの姿勢や産院の方針によっては経腟(けいちつ)分娩が可能な場合もあります。
経腟分娩ができる可能性がある逆子
単臀位(たんでんい)……お尻を子宮口に向け、両足が上に伸びている状態。逆子のなかでもっとも多い姿勢です。
複臀位(ふくでんい)……ひざを曲げていて、お尻とつま先を子宮口に向けている状態。逆子のなかでも2番目に多いケースです。
帝王切開分娩になる逆子
足位(そくい)……伸ばした足が下になり、子宮口に向いている状態。
膝位(しつい)……曲げられたひざが子宮口を向いている状態。
横位(よこい)……体が横向きになっている状態。逆子とは区別されるのですが、足位や膝位のように経腟分娩は不可能で帝王切開になります。
ごくまれなケースです。
これらの逆子に対して、頭を下にした理想的な胎児の状態を「頭位(とうい)」といいます。
逆子体操は効果ある?
逆子を直すための方法として、ツボを刺激する鍼(はり)や灸(きゅう)、医師が行う外回転術などがあります。そのなかでも逆子体操はもっとも知られていて、自分でできる手段なのではないでしょうか。
逆子の赤ちゃんが、頭を下にできるような動きを助けるのが逆子体操です。しかし、逆子体操には十分な医学的根拠がありません。そもそも、逆子になる理由さえも原因がわかるもののほうがごく一部なのだとか。
だからといって、逆子体操には効果がまったくないというわけでもありません。
産科医によって方針は異なるものの逆子体操をすすめられる場合が多く、実際に逆子が直ることも。逆子体操は医師の指導のもと、無理なく行いましょう。
逆子体操はいつまでやればいい?
赤ちゃんは羊水の中を動き回っているので、頭が下になっているときもあれば、足が下になっていることもあります。羊水の量が徐々に減り、赤ちゃんも大きくなって子宮の中での位置が固定されるようになる妊娠28~30週ごろになっても逆子の場合は、逆子体操の指導を行う産院もあります。
ただし、逆子体操をするのは臨月に入るまで。もし子宮口が開いている状態で破水をすると、赤ちゃんよりも先にへその緒が子宮口から出てきてしまうおそれがあります。そうすると、赤ちゃんは危険な状態に。安全のためにも、臨月に入ったら逆子体操はおしまいにしましょう。