■忙しくてもこれだけは!子どもの自己肯定感を育むコツ
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「好きなことを見つけてあげる」以外にも、子どもの自己肯定感を育む方法はいろいろあります。
「基本的には
何があっても受けとめてあげることですね。何かができたらほめるという条件付きではなくて、別にできなくても失敗しても、どんなことがあっても存在そのものを認めて愛してあげる。
具体的には『大好きだよ』とか『愛してるよ』と言葉がけしたり、手紙を書くのもいいですね。あとは子どもの話を関心をもって聞き、一緒に話をして、いろいろ聞きだしてあげる。そういう
シンプルなことがまずは大事ですね。
言葉に加えて態度も大切なので、特に幼少期はスキンシップを積極的にとってあげるとよいと思います。
小さいうちは抱っこ、少し大きくなってきたら手をつないだり、遊びの中でスキンシップをとったり、意識的に機会を作ってみてください」
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たしかにどれもシンプルなこと。でも時間に追われている日々のなかでは、そんなシンプルなことすら、案外難しかったりします。
「そんなときは、
短い時間でも楽しくできるように工夫するとよいですよ。私は家で運動系のスキンシップを担当することが多いんですが、子どもが大きくなると“高い高い”も大変。かわりに『バランス平均台のチャレンジだ~』なんていって背中を歩いてもらっています。ちょっとしたマッサージになりますよ。
もう少し大きくなったら、実際にマッサージや肩たたきをしてもらってもいいと思います。そんなに本格的じゃなくても、ちゃんと『気持ちいい』『上手だね』と伝えれば、子どもも親が喜んでいることがわかってうれしい気持ちになれます。
疲れているときは、そんな感じでよいと思います」
寝かしつけのときの絵本の読み聞かせタイムも、スキンシップのいいチャンスだそう。でも、読み聞かせだからといって、かたくるしく「言葉を覚えさせなきゃ」と考える必要はないとのこと。寝そべって肌を触れ合わせる親子のコミュニケーションタイムとして楽しむのがよいそうです。
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「私自身も5人兄弟で、母親はとても忙しく、子どものころはあまり一緒に過ごす時間はなかったのですが、夜寝る前の読み聞かせがすごく楽しみでした。兄弟みんなで母親を奪い合うように聞いていたんですが、それでもすごく幸せでしたし、思い出に残っています。のちに母も、忙しい日々のなかの幸せな時間だと感じてくれていたことを知りました」
寝かしつけや読み聞かせも、どうせやるなら義務感でやるより、忙しい一日のなかで子どもと気持ちを通わせ合える幸せな時間だととらえれば、気持ちも軽くなりそうです。
「もちろん子どもがなかなか寝てくれなくて、先に眠くなってしまう日もありますよ(笑)。あんまり意気込みすぎないで、子どもと一緒に楽しい時間を過ごそうと思えばよいのではないでしょうか」
ちなみに本山さんが好きなのは『パパだいすき』という絵本。
ぎゅうっとだっこするシーンがあり、読み聞かせしながらそのシーンでは実際に子どもを抱きしめるそうです。
■「認めてほしい」ママの気持ちを満たすには?
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自己肯定感を育むには、小さいときほど影響が大きいといわれます。大人になると変わりづらいのは事実ですが、変わらないことはないそうです。
「大人になっても家族や友人や先輩など
周囲の人に愛されたり、しっかり気にかけてもらったりすることで高まることは大いにありえますね」
ママであれば、一番身近なパパが育児や仕事のがんばりを認めてくれれば、自己肯定感が上がるチャンスがありそうです。育児に協力的なパパは増えているものの、まだ「育児はママがやって当たり前」と思っているパパがいるのも事実。ほめてもらえないママも多いと思います。
「子ども一人を生み育てることって、本当に一大事業です。子どもを産んで大人にするだけで、絶対的にほめられるべきことだと思うんですね。
ママでいる、親でいる、それだけですばらしいことだと、私は声を大にしていいたいですし、社会全体がそう思うべきだと思っています。ですからママたちには『こんな大変なことをやっているのだから、私はがんばってるよね』と自分で自分をほめてほしいですね。
ママが笑顔でいることが、子どもや旦那さんの幸せにもつながります。だから笑顔でいるために、ママも自分を甘やかすじゃないですけど、
好きなことをやる時間をとって充電することも必要です」
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子どもの自己肯定感を培う方法のひとつに
「好きなことを見つけてあげる」がありますが、
ママ自身にも好きなことに没頭できる時間をつくることが大切だといえそうです。
「あとは、あんまりまじめになりすぎないことも必要かなと思います。多少適当でいいや、と思うくらいでちょうどいい。他人と比較したり、自分のできていないことを気にして不安になったりする必要はないと思いますよ」
幸せな人生を切りひらいていくために大事な自己肯定感。ママの意識がほんの少し変わるだけでも、育児に対する気持ちや日々の親子の時間にいい変化が生まれ、親子の自己肯定感を高めることにつながりそうです。
『自力でできる子になる好奇心を伸ばす子育て』(本山勝寛 著/大和書房)
今回、お話を伺った本山さんの著書。公立校から独学で東大、そしてハーバードで学んだ本山さんの合格の原動力は「好奇心」でした。本書では子どもの好奇心を伸ばすヒントを、国語・理科・保健体育・算数・社会のカテゴリにわけて紹介。自分の教育方針に自信がもてない人や世界の最新教育事情を知りたい人にもおすすめの一冊です。
「子ども第三の居場所」とは
自己肯定感を育むには家庭環境が重要となりますが、現代は孤立や生活面などさまざまな困難に直面している子どもも少なくありません。本山さんが携わる「子ども第三の居場所」は、そうした子どもたちに温かい家庭のような“第三の居場所”を提供する施設。現在までに全国に39拠点が開設されています。
「おもに小学校低学年の子どもたちが放課後に通い、信頼できる大人や友だちと安心して過ごせる場所です。
さまざまなプログラムや食事を一緒に食べることなど、活動全般を通して、自己肯定感や社会と関わる力など、将来の自立に向けた生き抜く力を育んでいくことを目指しています」(本山さん)
「褒める」も「叱る」も大事 サッカーで子どもを伸ばすために必要な「叱る」の定義や適切な声掛けは? 保護者の悩みに回答