2021年12月27日 11:00|ウーマンエキサイト

【医師監修】編集部A子のリアルな不妊治療体験談! 専門医に気になる「コロナ禍の妊活」についても聞いてみた

[PR]

「不妊治療」と聞くと、心身だけでなく金銭的にも負担が大きいイメージがあると思います。そして、実際に経験しなければわからない苦労や悩みが多いため、当事者になるまでは「他人事」と感じてしまう方も多いはず。

【医師監修】編集部A子のリアルな不妊治療体験談! 専門医に気になる「コロナ禍の妊活」についても聞いてみた
今回は、実際に不妊治療を行った私・編集部のA子が体験した治療のこと、感じたことを赤裸々にレポートします! 不妊治療を始めるべきかどうかと悩んでいる方の一助となれば幸いです。

また、後半では不妊治療を専門とする「桜十字渋谷バースクリニック」の井上院長にも、さらに詳しいお話を伺いました。
※体験談で登場する治療方針は、あくまでも筆者個人の場合となります。ご自身の体調やクリニック、医師の判断によって治療方針が異なることを予めご了承ください。

<目 次>
【編集部 A子(32歳)の不妊治療ストーリー】 

・不妊治療を始めたきっかけ
・不妊治療でやったこと&その時の気持ち
・治療にかかった費用、仕事との両立は?
・病院選びのポイントはこれ!

【教えて! 井上先生 もっと知りたい「不妊治療」のこと】
Q. 不妊治療を始めるタイミングはいつ?
Q. コロナ禍の妊活は控えるべき? ワクチンのリスクは?
Q. 通院回数はどのくらい?
Q. ずばり「妊娠への近道」は?

編集部 A子(32歳)の不妊治療ストーリー
私が不妊治療を始めたきっかけ

私が妊活を始めたのは32歳。結婚して1年、子育てをする友人が増えていく中で「子どもを持つことは、ごく自然なこと」だと当時は感じていました。

しかし、いざ妊活を始めると…「排卵日がまったく予想できない!」。排卵検査薬もなかなか反応しないという日々が3ヶ月間ほど続きました。もともと生理不順気味だったため「たまたまズレただけ」と、さほど気には留めていなかったのですが、あるとき生理周期が60日に…。

これはさすがにマズい! と思い、近所の婦人科を受診。すると「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)※」であり、不妊症の可能性を告げられました。

※多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):1)月経が不順である、2)卵巣に小さな嚢胞(卵胞)がたくさんある、3)男性ホルモンが高くなるなどホルモン値のアンバランスがみられる、の3つが揃うと診断。妊娠が可能な年代の女性の約5~8%に発症。はっきりした原因は不明。(参考:日本内分泌学会)


…ショックでした。妊娠する上で32歳という年齢が決して若くはないことは知っていたので、年齢を重ねてさらに確率が下がってしまう前に動き出さなくては! と不妊治療専門クリニックへの通院を決意したのです。

私が不妊治療でやったこと&その時の気持ち

私(と夫)が実際に行った、おもな治療や検査は以下のとおり。
血液検査 2回

妊娠が成立する時期(黄体期)に十分な女性ホルモンが分泌されているかどうかを調べておく必要もあるため、一般的には月経周期にあわせて2回の検査を行います。


精液検査(初診・人工授精・体外受精のときに)

採取した精液を検査し、精子の数や運動率などを調べます。不妊症を診ている産婦人科や泌尿器科で検査できます。


タイミング法 1回

排卵の2日前ごろ、最も妊娠しやすいと言われている時期に性交を持つようにする方法です。卵胞の大きさや尿中のホルモンを測定し、排卵日を推定します。


フーナーテスト 1回

排卵直前の最も妊娠しやすい日に性交を行い、翌日、女性の子宮頸管粘液を採取し、その中に運動精子を認めるかどうかを調べます。


人工授精 4回

採取した精液から良好な精子を取り出して、最も妊娠しやすい時期に子宮内に注入する方法です。


体外受精 1回

膣の方から細い針を穿刺して卵巣から卵子を取り出し、体外で精子と受精させ、数日後に子宮内に受精卵(胚)を戻す方法です。
※参考:日本産科婦人科学会


それ以外にも、「卵管通水検査」といって生理食塩水を子宮の入り口から注入し、卵管の通りを確認する検査や、排卵日を特定するために「卵子が育っているか」を確認するだけの通院なども必要で、1年ちょっとで50回弱通院しました。

【医師監修】編集部A子のリアルな不妊治療体験談! 専門医に気になる「コロナ禍の妊活」についても聞いてみた
治療中、一番苦労したのは「自分の心との向き合い方」でした。

注射・採血の多さ、排卵誘発剤の副作用による頭痛などで一気に生活が変わり、気持ちが追いつかなかったのです。SNSや街なかで子どもや赤ちゃんを見かけるたびに羨ましく感じ、精神的にも不安定に。夫に「もっと私を労って欲しい!」と当たり散らしてしまったことも…。しかし、次第にそんな生活にも慣れていきます。

「子どもが欲しいと思う気持ちは変わらないので、先生と相談しながらひとつひとつステップを踏んでいくのみ!」

私がこんな風に前向きになれたのは、「不妊を意識しすぎない」と決めて、毎日を過ごせるようになったことが影響しているかもしれません。夫としっかり話し合い「後悔しないためにやれるところまでやって、それでもダメだったら大好きな犬を飼って、一緒に楽しく過ごそうね」と二人で決めました。あとは、ゴルフを始めたり韓国ドラマに没頭したりと、日々の暮らしのなかで趣味もちゃんと楽しみ、心にゆとりを持つようにしたのです。

4度目の人工授精でも授からなかったときは、さすがにガクッと落ち込みましたが、次は体外受精にステップアップすることを決めていました。体外受精の採卵は噂に聞いていたよりも痛くはなく(私の場合)、モニターに映る自分の卵子が取り出される様子を、「どうか無事に育って〜!」と祈るような気持ちで見届けました。

採取した卵子と精子はクリニックで受精・培養してもらい、無事に発育した受精卵は子宮内に戻しました(胚移植)。そして、不妊治療クリニックに通い続けて1年半、1回目の体外受精で妊娠判定が出たのです。

治療にかかった費用は? 仕事との両立は?

私がクリニックに通い始めて妊娠するまでにかかった費用は、総額約90万円ほど。東京都の場合は、
不妊検査等助成事業(各種検査・人工授精など)で5万円まで
特定不妊治療費助成(体外受精・顕微授精など)で1回につき30万円まで
※2021年12月現在

…が助成されます。(詳しくは各自治体のHPをご参照ください)

助成金はとてもありがたいのですが、それでもやはり治療費には到底足りず、家計には大きな痛手です…。「この先、いくらかかるのかわからない」という不安と常に隣り合わせでしたが、「お金が許す限りはがんばろう」と考えていました。

「治療と仕事の両立」については、私は幸いなことに恵まれていました。時間をどんなに工面していても、急な通院で半日休暇などを取らざるを得ず、迷惑をかけてしまうこともあったため、不妊治療中であることをきちんと伝えました。まわりに理解してもらえたという環境は、本当にありがたかったです。

ストレスが多い仕事や、休暇が取りづらい環境で働く方たちからは「治療との両立が本当に難しい」という声をよく耳にします。社会や組織における不妊治療への理解がもっと広まり、安心して妊活ができる柔軟な世の中になって欲しいと切に願うばかりです。

私が考える「病院選び」のポイントはこれ!

私の場合は、仕事との両立を考えて「通勤経路内」「自宅から30分以内」「駅近」であることを優先して選びました。月に3~6回ほどの通院が約1年ほど続いたたため、やはり “通いやすさ” は重要だったと感じています。

不妊治療は病院の産婦人科でも受けることができますが、私は不妊治療専門のクリニックを選びました。最初は不安な気持ちでいっぱいでしたが、専門クリニックの先生に診ていただけたことは、やはりとても心強かったです。院内でお腹の大きな妊婦さんや子連れママさんに遭遇する確率も低いため、通院時の精神状態も安定していたように感じます。

体外受精の実績を、公式サイトで公表しているクリニックもあるので、そういった観点でチェックしてみるのもひとつの方法です。

【医師監修】編集部A子のリアルな不妊治療体験談! 専門医に気になる「コロナ禍の妊活」についても聞いてみた
また、清潔な空間で、少しでも心が安らぐよう工夫されていて、待ち時間も心地よく過ごせるようなクリニックもおすすめ。公式サイトなどで確認できるので、事前に病院の雰囲気を調べておくとよいですね。

仕事をしながら治療する方なら、
・WEBで簡単に予約が取りやすいかどうか
・勤務時間帯の前後、土曜日にも対応しているかどうか

…なども重要な判断基準になると思います。

教えて! 井上先生
もっと知りたい「不妊治療」のこと

ここまでは、私の体験した不妊治療のお話。不妊治療のきっかけや、たどるステップは人によってさまざまです。とくに「コロナ禍での妊活」も気になるところ…。そこで、不妊治療について多くの方が気になるであろうさらなる疑問を、桜十字渋谷バースクリニックの井上院長に伺ってみました!

【医師監修】編集部A子のリアルな不妊治療体験談! 専門医に気になる「コロナ禍の妊活」についても聞いてみた桜十字渋谷バースクリニック院長 井上治先生

医学博士。2005年、福岡大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院産婦人科医局入局。東京歯科大学市川総合病院をへて、2018年、桜十字渋谷バースクリニック院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本生殖医学会認定生殖医療専門医、母体保護法指定医。
>>桜十字渋谷バースクリニック 公式サイト


Q. 不妊治療を始めるタイミングは、いつがよいのでしょうか?

A. まず妊娠・出産においてゴールは元気な赤ちゃんを産むこととすると、年齢は妊娠においても出産においても重要となります。“産科領域における安全対策に関する研究“より初期妊娠リスク自己評価表というものがあります。
【初期妊娠リスク自己評価表】

※4点以上がハイリスク妊娠に対応可能な病院での妊婦健診・出産を推奨


・年齢
35−39歳:1点
40歳以上:5点

・その他
未経産:1点
排卵誘発剤の注射を受けた:1点
体外受精:2点

当院で体外受精を行なっている方のほとんどが4点以上になります。女性の年齢が上がれば妊娠しにくくなり、流産率も上昇することは知られてきていますが、妊娠後の合併症も増加します。

【医師監修】編集部A子のリアルな不妊治療体験談! 専門医に気になる「コロナ禍の妊活」についても聞いてみた

出典:公益社団法人 日本産科婦人科学会「ART妊娠率・生産率・流産率 2019」


また女性だけでなく、男性も高齢化すると流産率が上昇します。20代の男性と比較すると、35歳以上の男性のパートナーから出産した児の先天異常は上昇すること、また精子のDNA損傷率の増加や精神疾患の児が上昇するということもいわれています。

そのため妊娠を試みるのは男女共に早めに越したことはありません。ただ、そんなことを言ってもライフプランニングもあり、なかなか思い通りにはいかないと思います。いつの時期でも出産できるような社会ではない、制度の問題だと思われます。不妊治療については、35歳以下なら6ヶ月~1年、35歳以上なら6ヶ月妊娠しなければ、そして38歳以上ならすぐにでも、クリニック受診を推奨します。

ただし、年齢を問わず「月経不順の方」はとくに早めの受診をおすすめします。

Q. コロナ禍での妊活は控えるべきでしょうか? ワクチンのリスクは?

A. 2021年12月現在は、かなり新規感染者数も少ないため、妊娠を試みるのを控えなくてもよいのではないでしょうか。ただ、感染予防は徹底してください。また、厚生労働省が推奨するように妊娠を希望している女性だけでなく、男性やまわりのご家族も、家庭内感染を防ぐためにワクチン接種をおすすめします。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)によるとCOVID-19ワクチン接種は、妊娠中、授乳中、現在妊娠しようとしている人、または将来妊娠する可能性のある人を含む、12歳以上のすべての人に推奨されます。ワクチンで胎児の奇形や発育障害などを引き起こす報告はありません。また、不妊のリスクが増えるということも報告されていません。

【医師監修】編集部A子のリアルな不妊治療体験談! 専門医に気になる「コロナ禍の妊活」についても聞いてみた

Q. 通院回数はどのくらいになるのでしょうか?

A. 当院の場合は土曜診療もあり、WEB予約ができるため予定を立てやすく、JR渋谷駅から徒歩5分という好立地であることからも、9割以上の患者さまは働きながら通院されています。

どうしても通う回数が多くなる体外受精周期の通院イメージは、以下当院のスタッフブログをご参照ください。
・体外受精(IVF)の通院スケジュール・通院回数
・体外受精周期の通院の流れについて(YouTube)

Q. ずばり「妊娠への近道」を教えてください!

A. まずは生活習慣を整えることから始めていただきたいです。タバコは卵子にも精子にも悪影響しかありません。不飽和脂肪酸が多く、抗酸化作用のある食物を摂取する「地中海式食事」が妊娠率を上昇させるという報告(※)もありました。

(※参考:Karayiannis D et al., Adherence to the Mediterranean diet and IVF success rate among non-obese women attempting fertility. Hum Reprod. 2018; doi: 10.1093/humrep/dey003)



精子は温度の上昇に弱いため、長風呂やサウナ、自転車通勤、膝の上でのパソコン操作などは避けた方がよいでしょう。

男性の精液検査の代わりにアプリなどで精子をみることもできます。病院で行うよりも正確ではありませんが、ある程度参考にはなります。ただ、月経が不順な方や年齢が35歳以上の方で、6ヶ月間妊娠することがなければ病院を受診した方がよいでしょう。特に女性の年齢が40歳以上で妊娠を希望される方は、できるだけ早く病院を受診してください。

また、一人で悩まずに各都道府県にある不妊相談センターやクリニックに相談してみてもよいかもしれません。

【医師監修】編集部A子のリアルな不妊治療体験談! 専門医に気になる「コロナ禍の妊活」についても聞いてみた
桜十字渋谷バースクリニック
公式サイト


子どもが欲しいと思ったら…早めの検査を!(編集部 A子より)

私はハイペースで治療を進めたほうなのですが、それでもやはり1年半かかりました。「不妊治療をすぐに開始したい」と思っても事前の検査なども必要となり、すぐに始められるとも限りません。

「子どもを授かりたい」という夢のために努力することは、とても素晴らしいことだと私は思います。治療には様々なハードルがありますが、不妊治療に「早すぎる」ということはありません。なかなか授からない…という方は、まずはクリニックでご夫婦ふたりで検査を受けてみてほしいですね。

井上先生が院長を務める桜十字渋谷バースクリニックのご紹介


JR渋谷駅より徒歩約5分、渋谷PARCO隣の好立地に、2018年開業した渋谷エリア唯一(※)の不妊治療専門クリニック
日本生殖医学会認定生殖医療専門医である井上治院長をはじめ、体外受精を数多く手掛けるクリニックで経験を積んだ培養室長など高い技術を持った医師・スタッフがそろい、胚(受精卵)へのストレスを最小限にした最新型培養器「タイムラプス」や培養液の工夫、卵子凍結技術の向上など、ソフトとハード両面で患者さまを支えています。

※2021年12月現在


【住所】
東京都渋谷区宇田川町3-7 ヒューリック渋谷公園通りビル4階(Google Map
※JR山手線 渋谷駅 ハチ公口 徒歩5分/東京メトロ 渋谷駅 6番出口 徒歩4分
【診療日】
月~土 ※水土午後・日祝休診(詳細はこちら
【TEL】
03-5728-6626

桜十字渋谷バースクリニック
公式サイト

[PR] 医療法人社団 東京桜十字

※体験談で紹介した治療方針は、あくまでも筆者個人3場合となります。ご自身の体調やクリニック、医師の判断によって治療方針が異なることを予めご了承ください。

読者アンケートにご協力ください (全1問)

Q.1 記事についての感想をお寄せください (必須) (最大1000文字)

 
新着子育てまとめ
もっと見る

ウーマンエキサイトで人気のコミックが動画でも!

チャンネル登録よろしくお願いします!

記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.