下の子が生まれてから、以前にも増して慌ただしい日々。気がついたらいつの間にか上の子をかわいく思えない…。そんな心の動きに戸惑ったり、困ったり、悲しい思いをしたことがありませんか?
このような心の動きは「上の子かわいくない症候群」と呼ばれています。ママたちは、「こんなことを感じる私は母親失格だ…」と落ち込んだ気持ちで悩んでいることが多いのです。
今回は、心理カウンセラーで、2人姉妹の母である筆者が、「上の子かわいくない症候群」の原因と対策をレクチャーします。
ママが「上の子かわいくない症候群」になる原因
まずは「上の子かわいくない症候群」の原因をお話ししましょう。「上の子かわいくない症候群」は、いくつかの要因が絡まって生じてしまう、ほとんど自然現象のようなものなのです。
下の子が生まれてしばらくは、天使のような赤ちゃんが家の中にいるので、幸せな気持ちになりますね。
しかし同時に、赤ちゃんに手がかかり、上の子の面倒までなかなか見きれないのが実情です。
いっぽうで上の子から見れば、今まで自分ひとりに手間を注いでくれたママが、急に赤ちゃんにかかりきりになってしまう状態は、寂しくて仕方ありません。ママに自分の方を振り向いてもらおうと、わざと反抗したり、トラブルを起こしたり、自分でできることもママにやってもらいたいとダダをこねたり…。そうでなくても、下の子が生まれるころ、上の子には自主性が芽生えたり、自我が強くなったりして、第一次反抗期を迎えていることが多いものです。
赤ちゃんのお世話も加わり、忙しいときの反抗は、ママにとって当然イライラのモトになってしまいます。せめて自分でできることは自分でやってもらいたいのに、できるはずのことを「できない!やって!」なんてグズグズと言われるのはつらいですね。
さらに、赤ちゃんには、本能的に大人に「他のものより優先して守りたい」と感じさせるかわいさが備わっています。このかわいさは、他の動物に比べても無力で何もできないヒトの赤ちゃんが、自分を守るために身につけている能力の1つ。
同時にママの側にも、産んだばかりの赤ちゃんを守ろうとする本能が働きます。反対に上の子は元々持っていたはずの赤ちゃん特有の能力を失っていますので、優先順位が下がるというワケ。こうした複合的な要因から、下の子が生まれて何年かの間は、本能的な「上の子かわいくない症候群」にとらわれて悩むママがたくさんいるのです。