癇癪、パニック、発語、身辺自立…自閉症児の音楽療法とホースセラピー、期待される効果は?小児科医と連携した療育例からーー【マンガ専門家体験】
もうすぐ年長なのに…自閉スペクトラム症(ASD)と知的発達症のある子ども
発達障害の専門家が出会った子どもたちや、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。
みなさんは音楽療法やホースセラピーをご存じでしょうか。今回は、自閉スペクトラム症(ASD)と知的障害のある子どものエピソードをお届けします。
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解説:医療と連携した療育の重要性、音楽療法とホースセラピー(乗馬療法)
今回は、自閉スペクトラム症(ASD)と知的発達症のある子どもの癇癪やパニック、人に向かって物を投げるなどの他害、発語や身辺自立に悩む保護者の視点でお届けしました。知的発達症のある子どもは、赤ちゃんのころから筋肉の緊張が弱い「低緊張」が多く見られます。
神経発達症(発達障がい)や知的発達症がある子どもを、療育に通わせている保護者の方も多くいらっしゃることと思います。大切なのは、医療と連携した療育を行い、定期的な診察を行って療育の効果を確認することです。同時に、私たち医師や療育に携わる人たちは、お互いに連携し合い、最新の知識を取り入れることが大切です。
今回ご紹介した音楽療法やホースセラピーの期待される主な効果は次のとおりです。
音楽療法
・情緒の安定や自己コントロールを促す
・コミュニケーションやソーシャルスキルトレーニングになる
・「音楽が終わったらやめようね」という声がけで「時間の感覚」や「切り替え」を身につけることにより、癇癪や人に向かって物を投げるなどの他害行動を抑える
・片足立ちや平均台を歩くことで小脳を鍛えてバランスのいい姿勢がとれるようになる
・小脳を鍛えることでADHD(注意欠如・多動症)の症状改善にアプローチできる
ホースセラピー(乗馬療法)
・人と馬が一体となって、馬の気持ちも考えて乗馬することで相手の気持ちを考えられるようになる
・脳性麻痺やフロッピーインファント(※)の子どもも両側で支えながら乗馬することで、骨盤や体幹のバランスを鍛え良い姿勢がとれるようになる
(※)筋緊張低下により、抱いたときにグニャグニャする乳児の総称
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