20歳で初めて買い物できた!?自閉症息子の「お金」への不思議なこだわり、思わぬ方法で解決して…
とうなり固まるだけでした。
お使いはハタチになってから!?
また、近くのスーパーなどにお使いを頼んでも激しく抵抗し、絶対に行ってくれませんでした。やはり「支払いをする」という行為がネックになっていたようです。
10代も後半になると、自分でも「何でできないんだろう?」と思うようになり、なんとか「自分に命じて(タケル談)」お使いができるようにはなったのですが、それは大学2年生、ハタチを少し超えてからでした。
Upload By 寺島ヒロ
どうしてそこだけ?こだわりの不思議
タケルはケチなわけでもなく、むしろ無欲な方です。
お金自体に対する嫌悪感も特になく、物販イベントで友達の手伝いをしてお金を預かったりお釣りを渡したりするのは平気でしたし、小学生の頃には古銭に興味を持ち集めていたこともありました。
なぜ「支払いをする」ことだけに困難があるのか、本人にも私にも分かりませんでした。
思わぬ角度からの解決法、現在のタケル
ハタチになったタケルは、自分のクレジットカードを持つようになり、それを使って決済をするようになりました。
なんと、キャッシュレス決済は問題なく行えたのです!!
えええ……?
いやほんとに……どういうこと?
謎は謎のままなのですが、おかげでかなりの金銭管理をタケル自身に任せられるようになりました。キャッシュレス時代の到来に感謝するばかりです。
(執筆/寺島ヒロ)
(監修:新美先生より)
もう成人になられている息子さんの、子どもの頃から続いていた不思議なこだわりとその後の経過について教えてくださりありがとうございます。
「下の名前を呼ばれたくないこだわり」なかなか独特ですね。これは子どものときのほうが苦労しますよね。大人になれば下の名前で呼ばれる機会は減るので、必要な場面では事情を説明すればなんとかなりそうです。
「お金を支払いたくないこだわり」は今までにも聞いたことがあります。お金を支払う場面は人と人とのコミュニケーションが必要になるので、何かのきっかけで不安になったことがあったのかもしれません。
買い物が自立してできないのはとても不便ですが、キャッシュレス決済ならOKなのですね!大人になって成長した段階で、ちょっと別の手段を用いることでOKになるということもありますね。
教えていただいたような、生活で日常的に困るこだわりは、大人になるにつれてそういう場面を避けた環境を選択できるようになることもあります。