COSMINに準拠したLITALICO発達特性検査の開発とは?信頼性や妥当性のある尺度開発のガイドラインについて解説します
1. 尺度としての妥当性と信頼性を担保するため
2. LITALICO発達特性検査の形式や測定特性に対して適切なガイドライン・チェック項目がある
それぞれについて詳しく説明します。
LITALICO発達特性検査の開発では、尺度の信頼性や妥当性に関して、COSMINのガイドラインやチェックリストに準拠することが有用であると考えました。現在の尺度開発のガイドライン、チェックリストとして最も厳しい基準の一つであるCOSMINに準拠することで品質の担保を目指すことができると考えられるためです。
LITALICO発達特性検査のような保護者さまがオンライン回答する検査では、いつどのような状況で回答しても安定した検査結果であることがより重要になるでしょう。
そこで、LITALICO発達特性検査では、尺度開発において、信頼性と妥当性について品質を重要視した開発を行いました。その品質担保の方法として、COSMINのガイドラインに沿った手順を踏み、チェックリストで「不適切」という評価がないよう、チェックリストを満たしながら開発が行われました。
まとめ
COSMINは尺度の信頼性や妥当性をチェックするための国際的な基準です。COSMINに準拠した尺度開発は、チェックリストが厳格であることや、またその指針に沿って開発するには、通常の開発よりも時間やコストがかかるなど、難易度も高い傾向があります。
COSMINを完全に満たす形での尺度開発はまだ数か少ない状況でもあります。
そのような中、LITALICO発達特性検査はCOSMINに準拠した開発を行い、約3年の時間をかけ、2024年4月にサービス提供が始まりました。
LITALICO発達特性検査では、オンラインでいつでもどこからでも受検できる、信頼できる検査の開発によって、多くの保護者さまやお子さまにとって、過ごしやすい社会へとつながることを目指しています。気軽に受検できるという検査の特徴と、より高い信頼性・妥当性の両立のために、COSMINは欠かせない指針であり、重要な役割を果たしています。https://www.cosmin.nl/wp-content/uploads/Revised-Japanese-version-of-the-COSMIN-Risk-of-Bias-checklist-for-PROMs.pdf
参考:COSMIN Risk of Bias checklist
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbct/48/2/48_21-005/_article/-char/ja
参考:『尺度研究におけるCOSMINガイドラインの動向』 (認知行動療法研究/48 巻 (2022)