主人公は、真っ赤に熟した大きな「トマトさん」。枝から落ちたトマトさんは、太陽に照らされ暑くて真っ赤に。涙をポロリとこぼしたトマトさんは、心優しい虫たちに助けてもらい……。トマトさんのダイナミックな存在感と繊細な表情がインパクト抜群。夏の太陽や涼しい川の音、冷たい水辺の風、トマトの香りなど、五感を刺激される一冊。
『トマトさん』
田中清代/福音館書店
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=1035
夏に読みたい絵本_05
『すいかのプール』
(4・5歳から)
韓国でイラストレーター、絵本作家として活躍するアンニョン・タルさんによる人気絵本。太陽に照らされたすいかが「パカッ」と割れると、すいかのプールびらき。サクサクした果肉を踏み分けて、冷たいプールに飛び込む子どもたち。くものパラソルや皮のすべり台など、子どもの自由な空想をダイナミックに描いた夏らしい絵本。
『すいかのプール』
アンニョン・タル 作、斎藤真理子 訳/岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/book/b371367.html
夏に読みたい絵本_06
『うみのむこうは』
(5・6歳から)
絵本作家・五味太郎さんが手がける、アメリカやポルトガルでも翻訳されている人気絵本。街や自然、動物、友達など、水平線の先に広がるさまざまな世界に想いを馳せ、想像力を膨らませながら読み進めるストーリーが楽しい。世界の広さや多様性が体験できる豊かさに満ちた一冊。少しアンニュイな空気感が、夏の終わりや夜寝る前に読むのにもぴったり。
『うみのむこうは』
五味太郎/絵本館
https://ehonkan.co.jp/ehon/035/
edit&text/Yukiko Takeda