子育て情報『世界で叫ばれるメディアリテラシーの重要性――デジタル社会に振り回されないために』

世界で叫ばれるメディアリテラシーの重要性――デジタル社会に振り回されないために

いくつかの例をご紹介します。

【イギリス】
イギリスでは国営放送BBCの取り組みが注目されています。2002年に「CBBC(6~13歳向け)」と「CBeebies(幼児・親向け)」の放送を開始した当初から、インターネットを安全に使うための方法を楽しく説明する、親向けにもアドバイスを提供するなどの試みを行っています。

また、学校の授業の一環として活用できるようなビデオ製作や編集のためのツールを教師用指導ガイダンスとともにウェブサイト上で提供するなどした取り組みは非常に評価されています。そのほかにも1972年に放送開始した「Newsround」という子ども向けニュース番組も、子どものメディア学習支援を意識した内容を充実させてメディアリテラシー教育に貢献しています。

【フィンランド】
フィンランドはメディアリテラシー教育に関してとても熱心な国で、初等・中等教育のカリキュラムに「メディアスキルとコミュニケーション」というテーマで組み込まれ、社会、国語、アートなどの授業の中で実践されています。メディアのプロや専門教師が授業をするなど、取り組みが進んでいます。

また、フィンランド公共放送協会(YLE)は、家庭と学校の両方向けの「Mediakompassi(メディアコンパス)」というプロジェクトを2000年半ばに立ち上げ、テレビ、ウェブサイト、イベントなど多方面からメディアリテラシー教育にアプローチ。
テレビ番組は学年層別に5番組を展開して、目指すのは、「メディアへの理解」「メディアスキルの上達」「メディア制作の経験」です。

サイトにも年齢別に映像を含めた多様な情報が提供されており、家庭での学習に活用されています。13〜18歳を対象にした最終的な段階では、プライバシーの保護やメディア所有の集中化の問題、情報の背後にあるメッセージやメディアリテラシーの習得自体についてなど、かなり難しい切り込んだ内容になっていて本格的です。

その他にもスウェーデンでは1980年代からすでに学校教育にメディアリテラシー教育が取り入れられていますし、アメリカでは2000年にアメリカ教育省と全米芸術基金がアメリカで初めてのメディアリテラシー教育助成金制度を開始し、成果を挙げています。メディアリテラシーの重要性は世界中で認知されていると言ってもいいでしょう。

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こうしてみてくると、メディアリテラシー教育にはまず「メディアそのものを知る」

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