子どもが自分から学習したくなる、親の関わり方や、今後必要になってくる英語などどのように学ぶとよいのかをお伝えします。 (1/60)
相模女子大学「大学で、みんなが楽しく学べる生涯学習プログラムの探究」2024成果報告会が2月1日(土)に開催Upload By 発達ナビニュースUpload By 発達ナビニュース神奈川県の相模女子大学では、相模原市と共に、文部科学省委託事業の一環として発達障害や知的障害のある若者を対象としたインクルーシブな生涯学習プログラム(「インクルーシブ・プログラム」)の開発を行ってきました。4年目となる2024年度の成果について、当事者や在校生が中心となり、企画・運営した実践内容、メンバー同士で議論したプログラムの意義などを発表します。また、早稲田大学教育・総合科学学術院教授の梅永雄二先生によるオープニング講演や、発達ナビの記事監修やセミナー登壇されている相模女子大学人間心理学科教授の日戸由刈先生による本事業のねらいについてなど、第一線で活躍されている専門家のお話も聞くことができます。障害の有無にかかわらず、誰もが生涯を通じて学びを続け、人生をより豊かなものとするために、大学がどのような取り組みを行っているのか知ることのできる貴重な機会です。ご興味のある方はぜひ聴講してみてはいかがでしょうか。【詳細】イベント名:さがみはら・学ぶ楽しみ発見プログラム(インクルーシブ・プログラム開発事業)2024成果報告会「大学で、みんなが楽しく学べる生涯学習プログラムの探究」日時:2025年2月1日(土)13:00~16:00(12:30より入室可能)場所:相模女子大学7号館711教室または、オンライン※どちらかを選択申込方法:専用フォームより申し込み※お申し込みの方には、2025年1月末日を目途に、会場でご参加の方には会場案内を、オンラインでご参加の場合にはZoomのURLが運営側から共有されます。申込締め切り:2025年1月24日(金)※定員500名(会場100名、オンライン400名)定員に達した時点で締め切り※ZoomおよびZoom(ロゴ)は、Zoom Video Communications, Inc.の米国およびその他の国における登録商標または商標です。※クリックすると、発達ナビWebサイトから相模女子大学の『さがみはら・学ぶ楽しみ発見プログラム(インクルーシブ・プログラム開発事業)2024成果報告会「大学で、みんなが楽しく学べる生涯学習プログラムの探究」』申込フォームに遷移します。診療待機期間の短縮へ!ファストドクター「小児発達オンライン」サービス提供開始Upload By 発達ナビニュース子どもの発達が気になった時、児童精神科などの専門医療機関を受診したいと思っても、予約の電話がなかなかつながらない、ようやく予約ができても診察は数か月先、そもそも近くに専門の医療機関がほとんどない……といった方も多いのではないでしょうか。そのような課題を解決するため、ファストドクター株式会社は、提携医療機関の専門医の協力のもと、オンラインでの相談・診断が可能なサービス「小児発達オンライン」の提供を2024年12月2日より開始しました。本サービスでは、発達障害が疑われる、またはすでに診断を受けたものの、専門医療機関への受診が難しい3歳から18歳までの子どもを対象として、オンラインでの重症度判定(トリアージ)と初期治療、必要に応じて地域の医療機関で対面診療を受けられる支援を行います。また、公認心理師や臨床心理士に相談できるオンラインカウンセリングの関連サービスで、心理検査や個別支援を受けることも可能とのことです。場所や時間といったさまざまな制約で、専門医の受診をあきらめていた方も、早期に必要な支援へつながることができる本サービス。自宅からいつでも発達の悩みを専門医に相談できる……そんなことが当たり前になる日も近いかもしれませんね!※クリックすると、発達ナビWebサイトからファストドクター株式会社『小児発達オンライン』Webサイトに遷移します。ラッピングバスも走行中!JR東海グループ、障害者アーティストのアール・ブリュット作品を採用Upload By 発達ナビニュースUpload By 発達ナビニュース「生(き)の芸術」を意味するフランス語である 「アール・ブリュット」。その解釈はさまざまですが、「専門的な美術教育を受けていない人による、既存の作品や文化、流行などに左右されない芸術表現」とも言われます。JR東海グループでは、多様性のある社会の実現を応援すべく、国内で活躍する障害者アーティストのアール・ブリュット作品を、各グループ会社のサービスやプロダクトなどで採用してきました。アーティストの作品採用に関しては、JR東海の特例子会社であり、共働共生を理念に掲げる株式会社ジェイアール東海ウェルがコーディネーターを務めています。JR東海グループの一つであるジェイアール東海バス株式会社では、2025年4月8日まで、1台の高速バスに東海地区で活躍する障害者アーティストの作品をラッピングし、各地を走行する取り組みを行っています。また、JR東海バスのグッズのデザインにもアール・ブリュット作品を取り入れ、JR東海公式通販Webサイト「JR東海MARKET」内にある同社のオンラインショップ「JR東海バス部」やイベントなどで販売しているとのことです。障害者アーティストの活躍の場がますます広がる本取り組みによって、街中で作品を目にする機会も増えていきそうですね。※クリックすると、発達ナビのWebサイトから株式会社ジェイアール東海ウェルのWebサイト『JR東海グループにおけるアール・ブリュット作品の採用について』のページに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2025年01月18日ずっと頭の片隅にあった「就学先選び」2歳10か月でASD(自閉スペクトラム症)と知的障害(知的発達症)の診断がついたまゆみも年長さんとなり、わが家も避けては通れない決断の時期を迎えました。そう、就学先の選定です。「いずれこの子の人生の岐路を私が選ぶ時が来る」という思いは診断がついた頃からずっと頭にありましたが、具体的に就学に向けた情報収集を始めたのはまゆみが4歳になる頃でした。少し早めに動いた理由は、居住地における情報を得ることが何よりも重要だと思ったからです。インターネットで得た情報も無駄にはなりませんが、福祉に関しては地域差が大きいため、あくまで参考という位置づけです。Upload By にれこれらのことを正確に知ろうと市の発達支援室に就学相談を申し込むと、「年少児の年齢で就学相談に来た人は初めてです」と驚かれてしまいました。私自身は、早いうちから地域の事情を確認したのはじっくり考えるために正解だったと思っています(ただし私の住む地域の場合、学校見学に行けるのは年長になってからでした)。最初の就学相談から約2年、まゆみの成長と発達にいろんな涙をこぼしながら、頭の中には常に「特別支援学校か、特別支援学級か」の選択肢が浮かんでいました。どちらかを希望しているわけではなく、あくまで「まゆみにとって一番いい場所を探したい」という思いだけで、「やっぱり特別支援学校が安心かな」「特別支援学級の方が本人は喜ぶかも……?」と、日によって気持ちは揺れ動いていました。そして遂に、本腰を入れて考える時期がやってきたのです。いよいよ本格リサーチを開始!まずは特別支援学校から年長の春。最初に見学へ向かったのは特別支援学校でした。住んでいる自治体には施設がないため、特別支援学校を選ぶなら隣の自治体にある特別支援学校へバス通学することになります。理由は後述しますが、この頃には親の目から見ても「就学先を特別支援学級にした場合も、おそらく1~2年後には特別支援学校へ転校することになるだろう」と考えるようになっていたため、まゆみの手を握りながら「時期をいつにするかだけで、いずれこの子もここに通うんだなぁ」とドキドキしながら門をくぐりました。見学させてもらった結果、個別の手厚さで考えるなら特別支援学校を選べば間違いないと思いました。先生方もさすがの知識豊富さで、適切な環境も整っており、支援についての不安な部分は感じられません。仮に特別支援学校を選ばなかった場合でも、在住の市では特別支援学級から特別支援学校への転校は難しくないため、「18歳までなら、こんなにサポートを得られる場所がまゆみにはあるんだ」と知れたことは、就学先選びの枠を超えてまゆみを育てる中での大きな安心になりました。一つ気にかかったのは、生徒数が少ない上にほとんどが男子児童ということで、お友だちが好きなまゆみには少し寂しいかもしれない、ということです。けれど先生方は優しく、高学年にはまゆみに話しかけてくれるような女の子もいて、可愛がってもらえそうな環境だと感じました。特別支援学級の評判が良いA小学校へ次に向かったのは、自宅から二番目に近く、「特別支援学級がとても良い」という評判が療育先ネットワークから聞こえてきているA小学校です。通常学級のクラスと同じならびにある特別支援学級は、視覚支援やクールダウンスペースなどの配慮が行き届き、一目見ただけでもよく環境調整されていると感じました。授業風景を見学していても、心得のある方が指導されているのが分かります。さらに、校長先生が自ら案内してくださる中で知って驚いたのは、校長先生ご自身に県の子どもの発達医療センターの前身施設で勤務されたご経験があり、しかも赴任されたばかりということでした。障害児の保護者の界隈では「特別支援学級の評判がいくら良くても、年度が替わって担任が異動になるとガラッと変わることがある」なんて話はよく聞きますが、校務を司る校長先生が特別支援に明るい方であれば、特別支援学級においても一定のレベルが担保されるのでは?と、その辺りの突っ込んだ質問もさせてもらいました。すると、「人員配置の都合があるので絶対とは言えませんが、仮に初任者であっても意欲ある人をと考えていますし、在任中は特別支援の質を保つつもりです。また、仮に教室を出てしまうようなことがあっても、補助員は必ずつくので特別支援学級のお子さんを一人にすることは絶対にありません」との心強い答えが。前向きに取り組まれているのが感じられ、信頼できると思いました。二度目の見学からはまゆみも連れていったのですが、テンションが上がり切って飛び跳ねているまゆみを見た校長先生は「かなりよく動く子ですね……まぁルーティンが確立すれば大丈夫かな」と苦笑されていました。本来の校区であるB小学校へ最後に本来の校区であるB小学校の特別支援学級へも見学へ行き、こちらでも校長先生が丁寧に質問に答えてくださいました。こちらの特別支援学級は通常学級とは階が違い、場所も校舎の端っこでした。率直な感想を言うと、「どうして特別支援学級だけこんな離れた場所にあるんだろう。お友だちが好きなまゆみにとっては、通常学級と階が違うのは寂しいかもしれない」と思ったのですが、あとから先輩ママのフォロワーさんに教えてもらった話では、特別支援学級に通う子の中には通常学級に近いと落ち着かない子も多いので、あえて離れた場所に教室を設置しているケースがあるそうです。中を覗くと特別支援学校を模したと思われる造りになっており、室内に手洗い場や畳スペースがありました。教室の場所もトイレの真ん前……と、ハード面だけでいうなら幅広い障害程度の子を受け入れられそうなポテンシャルを感じます。少し考える必要があったのは、授業見学をする中で聞いた「現在、特別支援学級には3年生以下の児童はおらず、今年は特別支援学級の見学申し込みもほかにないため、もしうちにするならまゆみさんは1名だけの特別支援学級になる可能性が高い」という言葉です。校長先生は「まゆみの不利益になり得る」という話しぶりで教えてくれたことでしたが、マンツーマンの手厚い支援が望めるという点では決して悪いことではありません。重要なのはどんな先生が担当してくれるかですが、これは私が希望を出せることではないので祈るのみ……。また、B小学校へは何事もなければ次女のあずさも通うことになるため、この点をどう考えるかも悩むポイントでした。難しいのは、何を重視するか当初は三番目に近い小学校へも見学に行く予定でしたが、歩きで通うには少し距離があるのと、近隣小学校の特別支援学級が2校とも良かったため、特別支援学校・A小学校・B小学校の3つに絞って考えることにしました。それぞれに通った場合のメリットとデメリットを紙に書き出して考え始めると……これがもう、脳ミソから煙が出るんじゃないかというほど悩みました。何を重視するかで結論が変わるのです。Upload By にれそもそも、1~2年で転校することになるだろうと思いつつ、特別支援学級を選択肢から外せない理由がこれでした。まゆみの人生を俯瞰して考えた時に、今現在で何を優先すべきかの答えが出せなかったのです。「まゆみのコミュニケーションの取りづらさを考えると特別支援学校がいいだろう。本人も無理なく過ごせそう」と思っても、保育園でお友だちとまゆみとのほのぼのエピソードを聞くたびに「年長になってお友だちのことが目に入るようになった」という事実が私の心を揺さぶりました。主治医に就学先の相談をした時に言われた「特別支援学校にするなら、同級生の集団の中に入る機会はもうなくなりますよ」という言葉が頭の中でリフレインします。定型発達児の模倣や集団行動ができるようになり、やっと子ども同士でのコミュニケーションの萌芽が見えてきた大切な時期なのに、同級生の集団と離れるのは果たしてまゆみのためになるのだろうか……。一番迷っていたのはこの点でした。また、言動からは想像がつきにくいのですが、まゆみは拗音や促音を含むひらがな・カタカナの読み書きと、数の合計・分解がある程度できます。これは療育先での先生と本人の努力が積み重なった結果なのですが、1年生のお勉強に関しては少しだけ貯金があったことも迷いに拍車をかけました(こんな言い方をしていますが、特別支援学級を選択肢に入れられる水準にまで学力を伸ばしてくださった療育の先生には感謝ばかりです……!)。自分だけで考えていると落とし穴がありそうなので、療育先や主治医の先生とも相談を重ねましたが、みんな揃って「見た感じの印象よりもできることが多いので、判断に迷うんですよねぇ……」という回答。やはり最終的に決めるのは親である自分なんだというプレッシャーで夜眠れなくなることもありました。困ったら、いろんな視点から検討する結論から言うと、就学先は「A小学校の支援学級」で申請しました。メリット・デメリットで考えていても決められなかったので、リスクから考えてみた結果です。確定している環境変化を前に、障害児の保護者が一番懸念することは【わが子がこれまで積み上げてきたものが崩れること】ではないでしょうか。現在の神経発達症育児の主流は「迷ったら、子ども本人に負担がかからない道を選んであげる」という考え方ですが、これは上記のリスクを回避すべく言われているように思います。言い換えるなら「不適応を起こして二次障害になるくらいなら、最初から伸び伸びできるほうを選んであげましょう」ということで、私もこの考えにはおおむね賛成です。わが家の場合も、安全策でいくなら特別支援学校に軍配が上がります。しかし……・特別支援学級の評判がよいA小学校が近くにあること・A小学校は児童数が少なく、先生と児童に丁寧な関わりが持てる土壌があること・赴任されたばかりの校長先生が特別支援に理解が深く、在任中は特別支援の質を保つつもりだと明言されていること・まゆみ自身に他害や自傷といった面での困難さがなく、排泄がほぼ自立していること・サポートは必要なものの、1年生の勉強ならどうにかついていけそうなことこれらの条件が揃っている幸運の中、果たして懸念するようなリスクは高いといえるのか?むしろ、同級生集団からの学習機会の損失のほうが、まゆみの人生をトータルで見た時のリスクになるのでは?そんな考えが頭をよぎります。ちなみにこの段階で、不確定要素の多いB小学校はリスクが排除しきれず候補から外しました。あとは、特別支援学校とA小学校のどちらにするかですが……。ここで改めて夫と意見のすり合わせを行いました。各校へ一緒に見学へ行った夫は最初からずっとA小学校を推しています。話し合いの結果、以下の点からまずはA小学校の特別支援学級へ通い、まゆみの成長を見ながら翌年以降は特別支援学校へ移るタイミングを慎重に見るという方針で決まりました。Upload By にれ教育委員会の出した判定と親の希望が違う!どうする⁉しかし、ここからまた一波乱ありました。教育委員会から出された判定は「特別支援学校が望ましい」というもので、固まったはずの方針はグワングワン揺らぎました。月曜に判定の電話をもらい、金曜日までに就学先の最終回答をしなくてはいけないということで、考える時間は5日間しかありません。もう一度、全てイチから検討し直そう!!と、白紙の状態から考え出しましたが、数か月かけて悩んできた道のりを数日間で再現するだけで夫婦の結論はやはり「A小学校の特別支援学級」になります。でも、教育委員会がそう判定するからには特別支援学校にしたほうがいいんだろうか?社会性が伸びつつある今、もう少しだけ同級生集団と過ごさせてあげたい私の考えは間違っているんだろうか?特別支援学校が妥当と判定された子が特別支援学級へ行くと、先生やほかの子の迷惑になってしまうだろうか……?どうにも苦しい気持ちになり、A小学校の校長先生に事情を話すと、キョトンとした声で「そもそも、どういう理由で特別支援学校という判定になったんですか?」と聞かれてハッとしました。確かに、その理由を知らないことには悩んでいても仕方がありません。けれど、膨れ上がった不安はもう止まらず、言葉が次々と口を突いて出てしまいました。「ですが先生、重ねてのお伝えになるんですが……希望通りにA小学校へ入学させていただけたとしても、親を含めた周囲の支援者全員が『1~2年で特別支援学校へ転校するのが現実的なところだろう』と考えているんです。そんな境界上にいる子が腰かけのように特別支援学級に在籍することで先生方やほかのお子さんに迷惑がかからないでしょうか。私も夫もA小学校にお願いしたいと考えていますが、その点をとても心配しています」すると校長先生はこんな言葉を掛けてくださいました。「それは親御さんが考えることじゃないんですよ。それをどうにかするのが我々の仕事です。お母さんはまゆみさんにとって一番だと思える道を考えてください。まゆみさんがうちに6年間通ってもらう中で私たちも可能な限りのことはしていきます。一緒に成長を見守っていきましょう」「6年間」という言葉に、腰かけのつもりで受け入れるのではなく、可能な限りまゆみの新しい居場所になろうとしてくださっている意思が伝わって恥ずかしながら号泣しました。いずれA小学校を去る時が来るとしても、この時の気持ちはきっと忘れません。こうしてまゆみは【A小学校の特別支援学級】へ就学することになりました。就学先選びを振り返ってドキドキしながら教育委員会に最終回答を伝えると、「特別支援学級ですね、分かりました!」とアッサリした返事。拍子抜けして電話を切った瞬間、全身に震えが来てボタボタと涙が止まらなくなったことに自分で驚きました。何年も頭の中にあり、身を引き絞るほどにわが子の未来を考えて選び取ったまゆみの進路です。人ひとりの人生に関わる決断の重さを知りました。周りを見ていると、就学先選定は「まったく迷わなかった」という人と、「ノイローゼになりそうなほど迷った」という人に二分される気がします。子どもの発達や家庭の事情はそれぞれですし、どちらが良いということはありません。わが家よりもっと判断の難しいケースもあるでしょう。ただただ、この関門を通る全ての親御さんにお疲れ様ですと言いたい気持ちです。余談ですが、特別支援学校と判定された理由はその後に思いがけず知る機会がありました。おそらく自治体によって判定方法が異なるのと、正規の手続きで知らされたわけではないため詳細は伏せますが……わが家と同じ状況になった人の参考になるかもしれないので個人的な感想だけ書いておきます。Upload By にれ教育委員会に不満があるのではなく、日頃の本人を知らない方々が限られた資料と20分の面談で進路を決めるシステムに限界があるのです。まゆみのような、医師やベテランの先生方でも判断に迷うような子はなおさらで、日頃から本人に接している知識と経験のある人の意見をよく聞いて、チームを組んで就学先選びを進められたら理想だなと思います。わが家の選択が良かったかどうかは時間を重ねてみないと分かりませんが、「考えるべきことは考えつくしてまゆみの人生のコマを進めた」という完全燃焼感があります。今後もこんなことはあるのでしょうが、きっとその積み重ねが親を強くしてくれるんだろうなぁ……なんて燃え尽きた頭で思いました。当事者の意向が最大限に尊重されるようになったのも2013年の学校教育法施行令の改正からで、それまでは決して当たり前ではありませんでした。涙を呑んだ人も多かったはずです。4月からの一年を当たり前だと思わず、多くの幸運と多くの人の厚意の結果与えられたものと感謝して、小学生になるまゆみの伴走を務めたいと思います。執筆/にれ(監修:新美先生より)就学時の学校選びについてとても詳しく書いていただきありがとうございます。にれさんの行動力がすごいです。まずは候補になる学校・学級はどんなところがあるのかについての情報収集ですね。普段通っている病院の主治医・リハビリ担当者や、療育施設担当者などに複数聞いてみるとよいでしょう。一人だけだと偏ることがないとはいえないので、複数の人に聞いてみるといいかもしれません。候補の学校がいくつかめどがついたら、見学に行きましょう。本人を連れていくと突っ込んだ質問をゆっくりする時間がとりにくいと思ったら、保護者のみで行く日と、本人も連れて行く日を別に日程をとってもらえるといいかもしれません。にれさんも話題にされていたように、学校は異動があるというのが盲点になります。見学して、この先生なら信頼できると思って決めたのに、年度が替わったらお目当ての先生が異動してしまって話がぜんぜん違うよ……というのはあるあるです。「この人」と一人の人のみで決めるのはリスクがあります。赴任してどれぐらいか、お住まいの地域で異動が何年単位かといった情報は参考にしつつ、異動はあるかもしれないということも考慮に入れておきましょう。もっとも大切にするのは、お子さんが毎日そこに、楽しくのびのび通えそうかという視点です。見学に行った際の保護者の直感や、お子さんのことをよく知っている病院・療育・園の担当の先生などの意見も参考に、保護者が最善と思える選択をしていくしかないですよね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2025年01月17日「抱っこ、抱っこ」保育園へ行く朝の支度の真っ最中。3歳の息子が靴下を手に、目に涙をためて追いかけてきます。私は仕事に遅れそう。息子も靴下も自分で履けるはずなのに……。「甘やかしすぎ?でも突き放すのもかわいそう」。時間に追われる現代の子育て。そんななかで葛藤を抱えながら、毎朝イライラと焦りを感じている方も多いのではないでしょうか。発達心理学の最新研究によると、子どもの心の成長には「甘え」が重要な役割を果たしているといいます。甘えを上手に受け止めることで、子どもは安心して新しいことに挑戦できるようになることがわかっています。しかし、その受け止め方を間違え甘やかすと、かえって子どもの自立を妨げることも。では、子どもの健やかな成長を支える「甘えさせ」と、逆効果になりかねない「甘やかし」は、どう違うのでしょうか。また、限られた時間のなかで、どのように子どもの甘えに向き合えばよいのでしょうか。最新の研究と専門家の知見をもとに、子どもの健やかな成長を支える「甘えさせ」の具体的な方法を年齢別でご紹介します。「甘え」は子どもの心を育てる重要なサインカリスマ保育士として知られるてぃ先生は、子どもの「甘え」は基地確認行動だと指摘します。子どもにとって親は安全基地。その基地が安全であることを確認できれば、子どもは安心して新しいことに挑戦できるようになるのです。逆に、基地の安全が確認できないと、子どもは不安から新しい体験を避けるようになってしまいます。またてぃ先生は、保育現場での長年の観察から、子どもの「甘え」には3つの重要な役割があると指摘します。「甘え」が育む3つの力「心の安全確認」→子どもは甘えることで、親や保育者との関係が安全であることを確かめる「チャレンジ精神の土台」→安全な関係が確認できると、子どもは新しいことに挑戦する勇気を得られる「感情コントロールの学習」→甘えを通じて、自分の感情を表現し受け止めてもらう経験を積み重ねていく 実際の保育現場では、安心して甘えられる環境があることで、子どもたちの行動が大きく変化する様子が見られると言います。たとえば、新しい遊びに挑戦するとき、保育者に甘えることで安心感を得た子どもは、より積極的に取り組めるように。また、友だちとのトラブルの場面でも、保育者に気持ちを受け止めてもらえることで、徐々に自分で感情をコントロールできるようになるそうです。また、東京学芸大学名誉教授の岩立京子氏は、子どもの「甘え」がもつ重要な意味についてこう説明します。「子どもの「甘え」は、親への信頼感を確認する大切な行動です。十分に甘えることができた子どもは、その経験を基に他者への信頼感を育み、将来の良好な人間関係の土台を築いていきます」このように、子どもの「甘え」には成長を支える重要な要素です。しかし、ここで多くの親が「甘やかしすぎ」への不安に直面します。では、子どもの健全な成長を支える「甘えさせ」と、自立を妨げかねない「甘やかし」は、どのように区別すればよいのでしょうか。「甘やかし」はNG!「甘えさせ」との本質的な違い子育ての現場でもっとも多い悩みのひとつが「これは甘やかしすぎ?」という判断に関するものです。公認心理師の佐藤めぐみ氏は、この違いを明確に説明します。佐藤氏によると、「甘えさせ」とは子どもの心理的な要求に応える関わり方だと言います。子どもが不安を感じたときや、愛情確認をしたいときに示す甘えのサインに、温かく応えることを指します。この関わりを通じて、子どもは心の安全基地を得て、そこから少しずつ自立していく力を育んでいくそうです。「甘えさせ」には2つの重要な要素があると指摘します。「甘えさせ」の2つの重要な要素子どもが求めてくる愛着行動を温かく受け止めること(例:「抱っこして」「お膝にのせて」という要求に応える)子どもの「負の感情」に寄り添うこと(例:悔しい思いや悲しい思いをしたときに、その気持ちを受け止める) 一方の「甘やかし」とは、大人側の不安や都合が主導となる関わり方です。たとえば、子育ての不安から必要以上に手を出してしまったり、時間に追われて子どもの要求を物で解決しようとしたりすることを指します。この関わりは、子どもの自立心や我慢する力の発達を妨げかねません。「甘やかし」は、要注意な3つのパターンがあると言います。「甘やかし」の要注意な3つのパーターン物質的な要求を無条件に受け入れる(例:おもちゃをねだられるまま買い与える)年齢相応にできることまで親がやってしまう(例:じょうずに靴下が履ける年齢なのに親が履かせる)失敗を恐れて先回りする(例:高学年になっても持ち物の準備を親がする) 時間に追われる現代の子育てで、十分な甘えさせの時間が取れないと悩む声は少なくありません。しかし、佐藤氏は「大切なのは時間の長さではなく、関わりの質」と強調します。たとえば、子どもが話しかけてきたときは、たとえ短時間でも手を止めて目を合わせて聞いたり、朝の支度の前に、5分でも抱っこの時間をつくったり。そんな日常の小さな場面での質の高い関わりが、子どもの心を満たしていきます。甘えを受け止められないときは、その理由と見通しを具体的に伝えることも大切です。「いまは手が離せないけど、お風呂のあとにたっぷり甘えさせてあげるね」など、子どもが理解できる形で説明することで、待つ力も育っていきます。年齢で変化する「甘え」のサインと応え方前述のてぃ先生は、保育現場での観察から、子どもの「甘え」は、どの年齢においても安全基地としての大人の存在が重要だと説明します。またフジテレビ「ホンマでっか!?TV」でもお馴染みの脳科学者の澤口俊之氏は、「子どもが甘えるのは、不安や恐怖を感じていて、そのストレスを解消するため」と説明します。また澤口氏らの研究から、子どもの甘えと脳の発達には密接な関係があることがわかっています。そこで、子どもの健やかな成長のために脳の発達段階に合わせた「甘えさせ」の方法をまとめました。年齢はあくまでも目安ですので、それぞれの子どもの発達を見極めて対応してください。【0-2歳:愛着形成の重要期】この時期の「甘え」は、生きていくための本能的な要求です。泣く、後追いする、抱っこを求めるなど、直接的な形で表現されます。岩立氏は「特に0〜1歳では、頻繁な語りかけと笑いかけが大切」と説明します。「どうしたのかな」と語りかけたり、とにかく抱きしめてあげることで、子どもはお母さんの愛情を感じることができ、安心するでしょう。0-2歳の「甘え」への対応泣いたら抱っこで安心感を与え、そのあとでゆっくり理由を探る「いい子だね」「上手だね」など、肯定的な言葉を意識的にかけるお風呂や着替えの時間を活用し、たっぷりと触れ合う遊び場では少し離れた場所で見守り、子どもが確認できる位置にいる 【3-5歳:自我の成長期】自我が芽生えるこの時期、甘えは少し複雑に見えるかもしれません。しかし、「できるのに『やって』と言う」「赤ちゃん返り」といった行動も、じつは成長過程での自然な甘えのサインです。澤口氏は、「子どもの主張には、しっかりと耳を傾けることが大切」と指摘します。3-5歳の「甘え」への対応絵本の読み聞かせを通じた密着時間を大切にするまず受け止めてから「自分でできるよね」と促す「なぜ」「どうして」という理由を優しく聞くできたときは具体的にほめる 【6-9歳:自立と挑戦の時期】学童期に入ると、甘えは直接的な形では表現されにくくなります。「宿題を見て」「話を聞いて」など、「甘え」が間接的な形で現れることが多くなります。澤口氏は、「子どもが何かに熱中しているときは、本人の気が済むまでやらせてあげることが大切」と説明しています。この時期の甘えのサインを見逃さず受け止めることで、子どもは安心して学校生活や友人関係に向き合えるようになります。6-9歳の「甘え」への対応興味をもったことは極力挑戦させる本人が満足するまで見守る直接的な手助けより、励ましの言葉をおくる失敗しても「次はうまくいくよ」と支える 「甘えさせ」のポイントは、その時期の脳の発達に合わせること。特に重要なのは、子どもの気持ちに寄り添い、安心感を与えることです。これにより、子どもの脳は健やかに発達し、将来の学習意欲や社会性の土台が築かれていきます。***子どもたちにとって「たくさん甘えさせてもらった」という感覚は、自分に自信をもてるきっかけになります。それは、まわりの友達への優しさにもつながる大切な経験。それは、小学校に入ってからの学ぶ意欲や、友達づくりにもつながっていきます。子育ては、思い通りにいかないことばかりかもしれません。でも、基本はとてもシンプルです。「甘えたい」という子どものサインに、出来る範囲でこたえてあげること。ちょっとした時間でも、子どもに向き合って上げること。子どもたちの成長にあわせた「甘えさせ」は、きっと子ども達の未来につながります。※引用の太字は編集部が施した(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもは「甘やかす」より「甘えさせる」!甘えさせてもらえない子は将来こうなるStudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもが甘えん坊すぎて困るなら、親はシンプルにコレをすればいい【てぃ先生インタビューpart2】nobico|【年齢別】脳科学的に正しい「甘えさせ方」
2025年01月16日2024年12月25日(水)、一般社団法人アルバ・エデュ(東京都文京区、代表理事:竹内 明日香、以下「アルバ・エデュ」)は東京都文京区スカイホールにて、第二回「子ども第三の居場所 地域活性 未来へつなぐ 困りごと解決!プレゼンテーション大会」を開催いたしました。本イベントは、日本財団の助成を受け、「※子ども第三の居場所」に通う児童を対象に行われました。全員集合写真<大会の目的と概要>この大会は、子どもたちが「自分の考えや思い」を「大人の前で発表する」ことで、自己表現力を育み、さらにその先の「プレゼンテーション」にチャレンジするイベントです。子どもたちはこの日のために、身の回りの困りごとを掘り下げ、何度も練習を重ねてきました。その結果として披露されたプレゼンテーションは、大人が求める「正解」を答えるものではなく、子どもたちの純粋な思いとストーリー、未来につながるアイディアがあふれ出したものでした。これにより、コメンテーターや観覧者の心を強く揺さぶる感動的な場面が多々生まれました。<プレゼンテーション内容>今回の発表では、多岐にわたる子どもたちの身の回りの困りごと=社会課題をテーマに、以下のようなプレゼンテーションが行われました。● おいしくたべてね(きらいなものが食べられるようになる発明)● 「かっこよさ」と「いのち」とどっちが大事なの!?~自転車のヘルメット着用について~● 男らしさって何?(ジェンダーについて)● みんなを笑顔に(子ども第三の居場所におけるこどもアルバイトについて)● 観光地活性について(香川県・NEWレオマワールドについて)● 事故のない街に(高齢者の自動車運転事故から子どもを守るために)● 聴覚過敏について(たくさんの音から自分を守るための案)● いやなことを言ってくる友達から自分を守る発明のアイディア● 子どもリーダーのお仕事についてふれあいハウスりぼんプレゼンター1b&gまるがめプレゼンター1高齢者の自動車運転により友人がけがをしてしまった経験を持つ児童は、どのようにしたら自動車事故から子どもたちの身を守ることができるのかを、まずは高齢者が自動車に乗る理由から分析し、自動車運転をしないと生活が難しくなることを知ったうえで、高齢者の自動車事故から自分たちの身を守れるのかを考え、ブレーキシステムと子どもたちが必ず持っているあるものをリンクさせるというプレゼンをしました。このアイディアはコメンテーターたちをうならせ、プレゼン大会後に開発に乗り出すチームが結成されました。また聴覚過敏について、自分がどんな感覚になるのかを誰にでも伝わるようなとても分かりやりすい表現でプレゼンテーションし、この感覚についてたくさんの人に知ってもらい、同じような子どもを助けたいという言葉が胸に響きました。<参加拠点・コメンテーター様>参加拠点:香川県 b&gまるがめ(リアル3名 動画1名)長野県 b&g大町(リアル2名)徳島県 ふれあいハウスりぼん(リアル1名 オンライン1名)北海道 b&gひがしかぐら東聖(オンライン1名)合計 9名コメンテーター:有限会社タートル 亀谷 彰様株式会社Teamきゃら 武田 冬門様笹川スポーツ財団 渋谷 茂樹様芳賀 栄彦様ゲストプレゼンター:今井 結菜様(動画)<コメンテーター感想>大人になるために一つずつ身につけていった「常識」が、どれだけ発想の自由を奪っていたかということを、子供たちのプレゼンを聞いて思い知らされました。「子供の言うことだから」と見下す人は、自分が子供であったことを忘れている人です。世の中を動かすものは、常識に縛られた大人のテンプレからではなく、無限の空想の空を自由に飛び回っている子供たちの素朴な言葉や斬新な提案から生まれると確信しました。株式会社Teamきゃら 武田 冬門様子どもたちは皆、自分が本気で考えていることが聴き手に正しく伝わるように丁寧にわかりやすく、そして楽しく発表してくれました。夢のあるアイデア、日々の困りごと、ビジネスプランとして通用しそうな提案などバラエティに富んでいて、大人にはない柔軟な発想に驚かされました。今回の経験で大きく成長した子どもたちの将来が楽しみです。笹川スポーツ財団 渋谷 茂樹様<子ども第三の居場所スタッフ感想>・今回対面でのプレゼン大会を通じて、子どもたちは0を1にする大きな成長のきっかけになったと肌で感じております。私も支援の中で子どもの能力を考慮配慮してできること・できないことを判断していますが、皆さんのプレゼンの姿を見てこちらが限界を決めてしまってはいけないなと色々考える機会になりました。子どもの可能性を信じて色々取り組ませていきたいと思います!・他の拠点の発表を見ているとパワーポイントを使い大人顔負けの発表をしていることに驚きました。少なくても、そこまでしないだろうと思っていましたが、本格的なプレゼンを体験させることで緊張感を持ち挑んでいることを勉強させていただきました。<プレゼン大会終了後の子どもたちの変化>・対面で相手がすぐそこにいるという状況の中でプレゼンテーションを経験したことで、日々の生活の中でも自信や自己効力感がついて活動しているように感じられます。言葉をつかって相手に働きかけることができるという手段を手に入れたからこそ、態度や暴力ではなく言葉によるアクションが増えました。プレゼンテーションを通じて自分の想いを開示して相手に伝える、そしてその想いに対して著名な大人の方々からポジティブなフィードバックをもらえたというのは、今後のコミュニケーションにおいて大きな財産になったかと思います。・プレゼン後(1)持ち前の笑顔に一層の輝きを増した。(2)話すことに自信を付けた。(3)積極的な態度が前面に出るようになった。<まとめと今後の展望>本大会を通じて、子どもたちは自分の身の回りの困りごとは他の人の困りごと=社会課題であると認識し、その解決方法は周りの人の役に立つということを実感しました。そして自分の考えを自信を持って「伝える力」を育む機会を得ました。これらの経験は、彼らの未来への大きな一歩となるでしょう。また子どもたちのこのプレゼンテーションを実現化するために動いてまいります。今後とも「地域活性 未来へつなぐ」取り組みをさらに広げ、子どもたちの可能性を支援してまいります。子どもたちの素晴らしい着眼点を生かし応援してくれる企業様、企業の困りごとを解決方法を子どもたちに考える機会をくれる企業様を募集しております。※「子ども第三の居場所」とは「子ども第三の居場所」はすべての子どもたちが将来の自立に向けて生き抜く力を育むことを目的として、日本財団が中心となって2016年より全国に開設しています。「子ども第三の居場所」では、特にひとり親世帯や親の共働きによる孤立や孤食、発達の特性による学習や生活上の困難、経済的理由による機会の喪失など、各々のおかれている状況により困難に直面している子どもたちを対象に放課後の居場所を提供し、食事、学習習慣・生活習慣の定着、体験機会を提供しています。現在全国に236ヶ所設置されています。(2024年9月末時点)【一般社団法人アルバ・エデュ】アルバ・エデュは、変化の激しい時代を生きる児童・生徒たちが、自己理解を深め自己効力感をもって未来を切り拓いていくために「話す力」を高める教育を全国に広げています。これまでにのべ6万人の子ども・教員への授業実績があります(2024年12月時点)。2022年7月に富山県富山市教育委員会とすべての子どもに話す力を届けるプレゼン教育に関する連携協定を締結。2022年日本財団DX基金に採択。子ども第三の居場所の子どもたちのべ3,000名にキャリア教育授業を届ける(2024年12月時点)。所在地 : 東京都文京区音羽1-17-11 花和ビル308号設立 : 2014年12月代表理事: 竹内 明日香URL : 【b&gまるがめ】b&gまるがめはすべての子どもたちが安心・安全な環境の中で生活・学習習慣など将来の自立に向けて生き抜く力を育む『子ども第三の居場所』として、丸亀市と日本財団の全面協力のもと活動しています。様々な学びや経験の機会を得て誰もが未来を選択し、挑戦する力をつけることができることを目指し、子どもだけでなく大人も共に学び合い、育ち合っていく地域社会を作るためのハブ拠点です。子どもたちの声に耳を傾け、子ども自身の中にある力を信頼し、共に考え行動する大人がココにいます。運営団体:一般社団法人SKYあーと【子ども第三の居場所 「徳島鳴門拠点」「ふれあいハウスりぼん」】地域の子どもたちが安心して過ごせる「子どもまんなか」の居場所を目指して2019年より子ども第三の居場所を運営してきました。地域の小学生を中心に、信頼できるスタッフやお友達と日々の時間を共有する中で、子どもの生活リズムが整い、学びへの意欲も高まり、子どもたちひとりひとりの生き抜く力が育まれます。さまざまな感性をはぐくむイベントや、ワークショップの実施も積極的に行っております。運営団体:特定非営利活動法人ふれあい福祉の会山びこへるぷ(徳島県鳴門市)【b&g大町】運営主体は、乳幼児を含む児童及びその保護者の子育てのための支援事業並びに障害者及び高齢者が自立した社会の実現のための支援事業を行い、共に支えあう社会の構築と相互扶助社会の実現に寄与することを目的として、2005年大町市において特定非営利活動法人キッズウィルとして設立しました。b&gおおまちは、大町市の指導・協力のもと、B&G財団の助成を受け建設した『子ども第三の居場所』で、障害児通所支援との融合施設です。障害児通所支援では放課後等デイサービスを提供しています。また、支援対象児等見守り強化事業として、居宅訪問や居場所支援を行っています。所在地 : 長野県大町市大町6543設立 : 2005年4月代表理事: 福島 百子URL : 【b&gひがしかぐら東聖】b&gひがしかぐら東聖(まいるキッズクラブ)は、日本財団の「子ども第三の居場所」プロジェクトの支援を受けて、2019年8月に設立されました。目的は、既設の児童クラブとは異にして、特別な支援を要する児童をその対象として受け入れ放課後の生活を見守っています。コンセプトは、(1)安心・安定した生活 (2)楽しく学習(宿題のサポート) (3)充実した体験活動 (4)家庭・学校・他機関との連携とし、中でも、居心地のよい環境「ここに居ていいんだよ」と安心感を覚え、安定した生活を送ることを第一義に独自のプログラム(体験活動と創作活動)を活動のメインとしています。拠点が居心地がよく、やりたいことが気兼ねなくでき、子どもたちが感情を隠さずに泣いたり、笑ったり、やりたいことができる場所、そんな場所を目指し、現在14名の子どもが登所し自己肯定感を味わうために活動に取り組んでいます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2025年01月16日「子ども向け英語教室」と聞いて、どんなイメージをもちますか?歌やダンスを交えながら、楽しく英単語を覚えていく……そんな光景を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。確かに、幼い子どもたちにとって、英語に親しむ入り口としては理想的かもしれません。しかし、本当にそれだけで十分なのでしょうか?今回、私はある衝撃的な体験をしました。「ベネッセの英語教室BE studio」の取材で聞いた話は、私たちが想像する「子ども英語」の概念を根本から覆すものだったのです。「子ども英語」のイメージを覆す本格的な学び講師・大和田絢先生への約1時間半のインタビューを通じて、私は驚きを隠せませんでした。なぜなら、そこで語られたのは、「歌って踊って楽しく学ぶ」という従来の子ども向け英語教室のイメージとはまったく異なる教育方針だったからです。ビースタジオでは子どもたちが真剣な表情で英語を学んでいますが、それは決して堅苦しい雰囲気ではありません。子どもたちの目は輝き、楽しそうに英語を操っています。ここに独自のアプローチがあるのです。ビースタジオの特徴は、単に「楽しく」学ぶだけでなく、「確実に」英語力を伸ばすことを目指している点にある――そう、大和田先生は話します。とはいえ、「確実に英語力を伸ばすなんてできるの?」と疑問に思った方もいるでしょう。なんと、「確実に英語力を伸ばす」ことは可能でした!そのために、ビースタジオは科学的な方法論を採用しているのです。大和田先生からこの方法論を聞いたとき、「歌って踊っている場合じゃない……!」と思いました。そして4年前にわが子を「楽しく学べる英会話教室」に無理やり入れたことを、猛烈に後悔しました。(子どもは1年後に退会。いまも英語は話せません)↑(写真左)小3から英語学習をスタートした大和田先生。英語について話すときは常に笑顔。「英語大好き!」があふれていました。(写真右)大学の卒業式にて。専攻は心理学! 英語で心理学を学んだとのこと。【講師プロフィール】大和田絢(おおわだ・あや)◆ 資格・経歴 ◆米国ケンタッキー州キャンベルズビル大学卒業 / 英検1級 / TOEIC L&R 945点英語っておもしろい! これって英語でなんて言うんだろう? 外国人の友だちと英語で話したい! という、楽しいから学びへとつながる英語を経験してきました。大学はアメリカの大学へ進学し、さまざまな国の方たちと出会い、多様な価値観に触れることができました。お子さまたちにも、英語を使ってたくさんの人と出会い、自分の可能性を広げていってほしいと思います。第二言語習得研究に基づいたカリキュラムここからは、大和田先生から聞いた、その科学的な方法について説明しましょう。ビースタジオの教材やカリキュラムは、第二言語習得研究に基づいてつくられています。第二言語習得研究とは、人間がどのように母語以外の言語(いわゆる外国語)を習得していくのか、そのプロセスやメカニズムを科学的に解明する学問分野です。この研究に基づくことで、子どもたちの言語習得プロセスに最適化された学習方法を提供しているのです。リスニングのスキルを高めるためのトレーニング方法、文法を学ぶためのアプローチや教材、語彙を増やすためのしくみ……そのすべてに根拠とこだわりがみてとれました。たとえばオーバーラッピング。これはネイティブスピーカーの発音に重ねて話す練習方法です。具体的には、英語の音声を聞きながら、同時に声を出して真似をするトレーニングです。音源と同時に話し始めて、音源とぴったり同じタイミングで発話を終えることになりますから、自然と英語独特のリズムや発音、イントネーションを身につけることができます。ビースタジオでは中学年コース頃から、このオーバーラッピングを毎日の宿題として出しています。子どもたちは完璧にできるまで家で練習し、教室に来た際にチェックを受けます。合格するまで何度も挑戦することで、英語学習の習慣化にも一役買っているそうです。↑外国人先生と英語でのやりとりを楽しみ、臆せずに話す姿勢を身につけながら、英語の4技能を学ぶプログラムも!無料体験レッスン参加者全員にプレゼントあり!&体験レッスン後、1週間以内の入会のご連絡で【入会金半額】、当日もしくは翌日までの入会のご連絡で【入会金0円】!!「脱・週一英語」という “本気” のコンセプト毎日の宿題――これは、ビースタジオの掲げる「脱・週一英語」というコンセプトにも深い関わりをもっています。多くの子ども向け英語教室のように「楽しく英語に親しむ」ということが目的であれば、教室に来たときにその場で楽しく英語に触れさえすればよいでしょう。しかし、本気で英語力を身につけようと思えば、週に一回英語に触れるだけでは全く足りないことは明白。ビースタジオは、宿題を通して毎日英語に触れる機会をつくります。これは、単に「学習量が足りないから増やそう」というだけのことではありません。科学的にも、少ない時間であっても「毎日英語に触れる」ことが英語力を高めるために重要だとされているから。英語の力は語彙や文法などの「言語知識」と、話したり聞いたりという「スキル」両方の習得によって伸びていくと、大和田先生は話します。知識はいわゆる「お勉強」によっても身につけられますが、スキルは「実践」によってのみ向上していくのです。英語に限らず、スキルというのは「実践」を何度も繰り返すことによって伸びるもの。「脱・週一英語」というコンセプトが英語のスキル獲得にとってとても大切なものであることも頷けます。私は自身の英語学習のなかで、初めてこのオーバーラッピングを知りました。ですから、この練習方法の絶大な効果を体感しています。こんなきちんとした英語学習に子どもの頃から触れられるなんて……と少しうらやましくもなりました。ビースタジオで学ぶ子どもたちが、楽しみながらも「確実に」英語力を伸ばしていける理由に、とても納得がいったのです。↑「脱・週一英語」&「成果の出る英語教室」なのは、ベネッセグループだからこそ!中学校に進学しても英語教室を続ける生徒が多数……!この教育メソッドの効果を感じさせる現象として、ビースタジオに通うお子さんの多くが、中学生や高校生になっても退会せずに英語学習を継続しているというのです……!これは決して当たり前のことではありません。「英語に親しむ」というコンセプトのスクールであれば、中学生になっても通い続けるということは考えにくいでしょう。しかし、ビースタジオの生徒たちは、綿密に練られた英語指導によって、確かな英語力を中学校入学時に身につけています。彼らにとっては、せっかく身につけた英語力を中学校のレベルに合わせてしまうことはもったいないと感じてしまうのは当然と言えるでしょう。自分の英語力が着実に伸びていることを実感し、それが更なる学習意欲につながっているのです。↑大和田先生は、米国の大学に在学中「英検1級」に合格!ビースタジオ各校でも英検合格者が続々と出ています。無料体験レッスン参加者全員にプレゼントあり!&体験レッスン後、1週間以内の入会のご連絡で【入会金半額】、当日もしくは翌日までの入会のご連絡で【入会金0円】!!BE studioの秘密:英語のプロフェッショナル集団この成功の裏には、英語教育のプロフェッショナルたちの存在がありました。ビースタジオでは、言語習得研究をフォローし、それを教育現場に反映させる努力が続けられているのです。また、使用される教材も多くがオリジナルで、この英語教育のプロフェッショナルたちの手によって開発されています。実際に、TOEIC945点、英検1級を保持する大和田先生が「日本一です」と言い切るほど、教材のクオリティが高い!その教材のクオリティは、こどもまなび☆ラボ運営元で全国に科学的知見を用いた超効率メソッドの英語学習サービスを提供している「ENGLISH COMPANY」代表も「こんなに作り込まれた子ども向けの教材は初めて見た」と唸るほど。↑英語教育のプロフェッショナルたちが開発している教材。文法指導には「Focus on Form」などの新しい手法も取り入れられています。わが子に「本気で英語を学ばせたい」親御さんへ今回のインタビューを通して、ビースタジオが一般的な「子どもむけ英語教室」とは異なるアプローチをとっているということがはっきりとわかりました。英語に親しむ、慣れる、好きになる。これは当然、英語を学ぶ子ども達にとって、とても重要なことです。それらは、ビースタジオも含め多くの子ども向けの英語教室でも重視されます。しかし、それを重視するばかりでは確かな英語力を身につけるには足りないこともまた事実。楽しく、でもきちんと英語が身に付くように――それを両立させることは決して簡単なことではありません。ビースタジオでは、そのバランスを第二言語習得研究を始めとした、高度な教育的な知見を用いることで達成しています。大和田先生からお話を伺って、そのことが強く印象に残りました。ビースタジオにあったのは、楽しさのなかにも本気で英語力を伸ばそうとする熱意、そして、そのための徹底的な研究と実践だったのです。お子さまに本気で英語を身につけさせたいと考えているのであれば、このようなアプローチは非常に興味深い選択肢となるでしょう。単に「英語に触れる」だけでなく、確実に「英語を使いこなせる」ようになる。それが、ビースタジオがめざす価値なのです。子どもたちの可能性を、科学的アプローチと情熱的な指導で最大限に引き出す。ビースタジオの挑戦は、まさに未来の「英語教育」のあり方を示しているのかもしれません。***「子ども向け」だからといって、楽しいだけで終わらせない。ビースタジオには、子どもたちが英語を使いこなして活躍する未来をしっかりと見据えた、本格派の英語教育の姿が確かにありました。無料体験レッスン参加者全員にプレゼントあり!&体験レッスン後、1週間以内の入会のご連絡で【入会金半額】、当日もしくは翌日までの入会のご連絡で【入会金0円】!! (参考)STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|第二言語習得研究に基づく「臨界期仮説」のウソ・ホント
2025年01月14日「小学校英語の授業って、実際どんなことをするの?」2020年度から本格的に始まった小学校英語。特に入学を控えた新1年生の保護者からは「ALTの先生との授業はどんな感じ?」「授業内容についていけるか心配」といった悩みの声がよく寄せられます。近年では、英語教育に力を入れている学校では1年生から授業を実施するケースも増えています。英語が苦手だった親世代にとって、子どもの英語学習に戸惑いを感じるのは自然なことかもしれません。しかしじつは、現在の小学校の英語教育カリキュラムは、初めての子どもでも無理なく取り組めるように工夫されています。3・4年生の「外国語活動」から始まり、5・6年生で教科としての「外国語科」へと段階的に進んでいく授業内容は、子どもの発達に合わせて丁寧に組み立てられているのです。本記事では、小学校教員として12年以上の経験を持ち、英語科専科教師としても現場で指導してきた筆者が、最新の小学校英語事情を徹底解説。授業の実態から育みたい力、具体的な学習内容まで、これからの小学校英語教育で保護者が知っておきたい情報を完全網羅します。小学校英語に対する不安を少しでも解消するヒントとなれば幸いです。なぜ小学生から英語?3つの大切な理由小学校英語教育が導入された背景には、主に3つの重要な理由があります。*11. グローバル化する社会で必要な力を身につけるため社会のグローバル化が進むなか、英語でのコミュニケーション能力の重要性が増しています。仕事や旅行だけでなく、さまざまな場面で英語を使用する機会が増えており、将来に向けた準備として、小学生の段階から英語を学ぶことが求められています。2. 子どもの柔軟な適応力を活かすため小学生の時期は、新しい言葉や文化を自然に受け入れられる柔軟性が高い時期です。この特性を活かして、英語を楽しみながら学ぶことで、より効果的な学習が期待できます。また、早い段階で英語に触れることで、異文化への理解も自然に深まっていきます。3. 音声面での習得に適した時期だから小学生の年齢は、英語の発音やリズムを自然に身につけやすい時期とされています。耳が敏感なこの時期に英語に触れることで、正確な発音やイントネーションを習得しやすいという利点があります。文部科学省が考える「小学校英語のゴール」とは?2020年度から小学校英語は、3・4年生では「外国語活動」として週に1回程度(年間約35時間)、5・6年生では「外国語科」という正式な教科として週に2回程度(年間約70時間)、必修科目として行なわれています。3・4年生では友だちと英語で話すことを楽しみながら、コミュニケーションの土台をつくります。5・6年生では、これに基礎的な英語力も加わり、中学校での本格的な英語学習につなげていきます。授業で育む「4つの力」小学校の英語教育では、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの力を、段階的に育んでいきます。以下に、学年ごとの目標をご紹介します。*1【聞く力】音声や基本的な表現に慣れ親しむ中学年:ゆっくり話された簡単な単語や表現を聞き取る。高学年:日常生活に関する具体的な情報や短い話を理解する。【話す力】やり取りと発表中学年:基本的な挨拶、実物を見せながらの簡単な発表をする。高学年:自分の考えや気持ちを整理して伝える、その場でやり取りをする。指示や依頼。実践的なコミュニケーション場面での対応をする。【読む力】アルファベットや簡単な語句に親しむ中学年:文字の音を聞いて認識する程度。高学年:活字体の文字を識別して読む。音声で慣れ親しんだ表現の意味を理解する。【書く力】なぞり書きから始める中学年:文字は補助的な扱い。なぞり書きから始める。高学年:大文字・小文字を書く。語順を意識しながら書き写す。例文を参考に簡単な表現を書く。重視されるポイント小学校英語で最も重視しているのは、英語の知識や技能だけではありません。「英語を使ってコミュニケーションをとろうとする気持ち」や「異なる文化への興味・関心」を育てることを特に大切にしています。なかでも重視されているのが、「間違いを恐れずに英語を使ってみよう」という態度です。完璧な英語を目指すのではなく、相手に自分の思いを伝えようとする気持ちを育んでいきます。実際の英語授業ではこんなことをしています3・4年生:英語の音と会話を楽しく学ぶ時期3・4年生の外国語活動では、英語の音やリズムに親しみながら、簡単な挨拶や自己紹介などの基本的な会話を学びます。英語の歌やゲーム、友だちとの会話を通じて、楽しみながらコミュニケーションの基礎を身につけていきます。この時期は特に「聞く」「話す」活動を中心に、間違いを恐れずに英語を使う態度を育てることを重視しています。3年生の学習内容場面・目的学ぶ表現例あいさつHello. Hi. I’m (Hinata). Good bye. See you. など気分How are you? I’m (happy). など数How many (apples/balls/circles)? (Three) apples. Yes./No.That’s right. Sorry. など好きなものI like (blue/soccer/onions). Do you like (blue)?Yes, I do./No, I don’t. I don’t like (blue). など何が好き?What do you like? What (sport/food/fruit) do you like? など大文字アルファベットA to Z, The “A” card, please. Here you are.You’re welcome. などカードWhat do you want? (A pink star), please. This is for you.Thank you. You’re welcome. などこれなあに?What’s this? Hint, please. It’s a (fruit/green/big).That’s right. など絵本Are you a (dog)? Yes, I am./No, I’m not. Who are you?I’m (a dog). Who am I? など4年生の学習内容場面・目的学ぶ表現例世界のあいさつHello. Good morning/afternoon. Finland(Terve), China(你好).Good morning. など天気How’s the weather? It’s (sunny). Let’s (play cards).Yes, let’s. など曜日What day is it? It’s (Monday).I play (soccer) on (Sundays). など時間What time is it? It’s (6) o’clock. It’s (8:30).How about you? など文房具・もちものDo you have a pen? I have (three) (pencils).This is for you. など小文字アルファベットa to z, How many letters? Do you have (a ‘b’)?That’s right. などほしいものWhat do you want? I want (potatoes). How many?(Two), please. などお気に入りの場所Go straight. Turn right/left. This is my favorite place.I like (music). など一日の生活I wake up (at 6:00). I eat breakfast (at 7:00).I go to school. など 5・6年生:少しずつ読み書きも始まる時期5・6年生では、アルファベットの読み書きや600-700語程度の語彙を学びながら、身近な話題について英語で伝え合う力を育てます。自己紹介や日常会話、時刻や値段の読み取りなど、実践的な場面を想定した活動が増えていきます。「聞く」「話す」に加えて「読む」「書く」も少しずつ始まり、学校生活や地域に関することなど、より幅広い話題について自分の考えや気持ちを英語で表現できることを目指します。5年生の学習内容場面・目的学ぶ表現例自己紹介・好きなものMy name is (Hayashi Natsuki). Please call me (Natsu).I like (baseball). What (sport) do you like? など誕生日・欲しいものMy birthday is (January 1st).What do you want for your birthday? I want (shoes). など教科・時間割What do you have on (Mondays)? I have (Japanese).I want to be (a teacher). などできること・人物紹介[I/You/He/She] can/can’t (play soccer).Can you (run)(fast)? This is (Aya). など道案内・位置Where is (the station)? Go straight. Turn (right).It’s (in) (the park). などレストラン・注文What would you like? I’d like (pizza). How much is it?It’s (600) yen. など町紹介We have/don’t have (a restaurant).We can enjoy (watching games). I love my town. など憧れの人Who is your hero? My hero is (Otani Shohei).He/She is good at (playing baseball). など6年生の学習内容場面・目的学ぶ表現例自己紹介・宝物I’m (Chiba Haruhi). Where are you from?I live in (Tokyo). My treasure is (this bag). など日本文化紹介Welcome to my town. We have (hanami) in (Japan).What do you like about Japan? など日常生活・頻度What time do you (usually) (get up)?I (always) eat (apples) for (breakfast). など思い出・過去形What did you do (last weekend)?I went to (the beach). It was (fun). など行きたい国・場所Where do you want to go?I want to go to (Italy). You can see (the leaning tower). など世界とのつながり(New Zealand) is in Oceania.Where is it from? Can you guess? など動物・環境問題What do (pandas) eat? Let’s save the (sea turtles).We can (use eco-friendly bags). など将来の夢What do you want to be? I want to be (a vet).I want to study (English) hard. など 授業ではこんな工夫がいっぱい!実際に使える!コミュニケーション重視の学習スタイル小学校の英語授業では、単なる暗記や機械的な練習ではなく、実際のコミュニケーションの場面を想定した活動を重視しています。特に中学年では、音声を中心とした活動を行ない、高学年で徐々に文字を導入しながら、相手を意識して伝え合う活動を重視。ジェスチャーなども活用しながら、ペアワークやグループワークを通じて、実践的なコミュニケーション能力を育てていきます。ALTの先生と過ごす、生きた英語の時間小学校の外国語教育では、子どもたちをよく理解している学級担任または英語科専科教師が中心となって授業を進めることが基本となっています。そのうえで、子どもたちが生きた英語に触れる機会を確保するため、ALTなどのネイティブスピーカーや地域の英語人材との連携を図っています。学級担任や英語科専科教師は英語を第二言語として話すロールモデルとして、ALTなどのネイティブスピーカーは発音や表現技法の見本として、それぞれ役割を果たします。また、実際のコミュニケーション活動をデモンストレーションすることで、よりわかりやすく示すことが可能です。なお、ALTが来校する頻度は自治体により大きく差がある状況となっています。デジタル教材で、楽しく分かりやすく現在、小学校で使用されている6社の教科書には、すべて指導用・学習用デジタル教科書が付属しています。教師はこれらのデジタル教材を活用して授業を進めており、音声や映像を通じて英語圏の文化や英語の発音や表現を学びます。実際のコミュニケーション場面のモデル提示や、ネイティブスピーカーの音声教材としても活用し、より実践的な学習環境をつくっています。また、子ども自身もタブレットを操作しながら、発音の確認やクイズ形式の問題に取りんだり、また自身の発表のツールとして使ったりすることができます。子どもの成長を支える3つのポイントここまで見てきたように、小学校英語では「コミュニケーションをとろうとする気持ち」「異なる文化への興味・関心」、そして何より「間違いを恐れずチャレンジする態度」を大切にしています。では、保護者としてどのようにお子さんの学びを支えていけばよいのでしょうか。現場の教師たちの実践から見えてきた、効果的な3つのサポートポイントをご紹介します。1. 「伝えたい!」という気持ちを大切にもし子どもが「うまく言えないかも……」と躊躇していたら、「完璧な英語」は必要ないことを伝えてあげてください。大切なのは「伝えようとする気持ち」です。間違いを恐れずチャレンジする姿勢を、温かく見守ってあげましょう。2. 世界への好奇心を育む英語の学習を通じて、お子さんが「外国ってこんなふうなんだ!」「日本と同じところもあるんだね」など、新しい発見をする場面があるはずです。そんな気づきや感動に共感し、世界への興味を一緒に広げていってください。3. 「楽しい!」という体験を大切に小学生のうちに言葉を学ぶ楽しさを体験することで、中学校以降の本格的な学習への意欲が育ちます。これは英語だけでなく、新しいことを学ぶ際の大切な土台となります。子どもが感じる「楽しい!」という気持ちを、ぜひ一緒に喜んであげてください。***小学校英語は、子どもたちの発達段階に応じて丁寧に設計されています。歌やゲーム、友だちとの会話を通じて、自然に英語に親しみ、コミュニケーション力を育んでいきます。この時期の英語との出会いは、子どもの視野を広げ、新しい世界への扉を開くすばらしい機会となるはずです。英語を通じた学びが、グローバルな視野を育む楽しい経験となるよう、温かく見守っていきましょう。(参考)文部科学省|小学校学習指導要領外国語活動・外国語編【ライタープロフィール】未来先生(みらい・せんせい)教育学科で学び、小学校免許や中学校英語免許を取得。小学校にて担任や英語専科教員として約12年間勤務、子どもたちの学びを支えてきました。現在は、2人の男の子の育児に奮闘しながら、これまでの知識と経験を生かして、子どもの成長と学びに役立つ情報をお届けしています。
2025年01月12日「筆算は書いたら負け!」マイルールがたくさん!完璧主義の自閉症息子現在13歳の息子がASD(自閉スペクトラム症)、反抗挑戦性障害(ODD)と診断されたのは9歳の時でした。さらに11歳でLD・SLD(限局性学習症)も分かりました。息子は幼い頃から、完璧主義。それゆえ目標が高く、無謀な目標を立ててはそれが「できて当たり前」と勝手なマイルールを作り、うまくいかないとイライラしてしまう様子がみられます。例えば、学校で算数の問題に取り組む際、筆算を書くスペースが設けられているのに「筆算を書いたら負け」というマイルールを作ります。そしてすべて暗算で解こうとしますが、うまくいかないことも多く、そのたびに怒り出すのです。「筆算を書けばいいんじゃない?」と言っても、息子には届きません。遊びの中でも、無謀な目標を立てることがあります。半日だけ練習して「プロのようにできるはず」と決めつけ、期待通りにいかないと「こんなに練習したのに!」と怒ります。当然プロのようにできるはずもないのですが、息子にとっては「当然できるべきこと」と思い込んでいるので、イライラした息子に八つ当たりされることもしばしばです。その他にも息子にはさまざまなマイルールがありますが、毎冬私を悩ませる「あるルール」があるのです。寒い!と言うのに防寒着は却下、乾燥肌で出血も薬は断固拒否……「冬でも夏服」な息子息子は8~9歳の頃から、「冬でも夏服」というスタイルを徹底するようになりました。低学年の頃は私が出した長袖やジャンパーを着ていたのですが、当時は「ちゃんとしなきゃ!」という過剰適応だった可能性はあります。その後、サッカーウエアのような上下のセットが格好いいと気に入り、そういうものを着始めてからはずっと同じような上下のセットばかりを着ていました。そして袖があるのが鬱陶しい(動きづらい)と言って、厚みのある服を嫌がるようになり、「冬でも夏服」スタイルが確立したのです。Upload By ユーザー体験談ただ、同時期に登校渋りも出ていた息子。学校へのストレスからこだわりが強く出たのかもしれません。冬でも半袖になってからは、寒さで「手がかじかむ!」と文句を言うのに、防寒着を勧めると「そんなのいらない!」と突っぱねます。手袋や上着を提案してもことごとく却下されるため、どうしようもありません。ゲームや縄跳びをしている時に、手がかじかんで思うようにコントロールできないことに苛立ち、私に八つ当たりしてくることもあります。「どうしたらいい?」と聞いてくるので、手袋をする、アームカバーをする、長袖を着る、ベストを着る、1度休んであたためてから再開する……などいろいろと提案しますが、「そんなのやっても無駄!」とバッサリ!何かしら理由をつけて全て却下されます。いつもそんな感じなので、私が何も言えないでいると、「聞いているの!?」と怒り、また「どうしたらいいの?」と聞いてくる無限ループです。この件に限らず、こちらが勧めるものを、素直に聞き入れたり、試してみたりすることはほぼありません。Upload By ユーザー体験談乾燥肌をかきむしり出血。絆創膏もはがし部屋には血痕が……また、息子はもともと乾燥肌で、冬になると特にひどくなります。皮膚が乾燥するとかゆくなってしまうので掻きむしることもしばしば。出血することもあります。でも、医師から処方された保湿剤があるのですが、これを「面倒くさい」と言って塗ってくれません。「塗らないからカサカサするんだよ」と説明すると、「分かってる!」と怒るのです。分かっているなら塗ればいいものを……。乾燥で皮膚が剥けてくると、その感触が気になりさらに剥いてしまい、出血するのでなんともかわいそうです。また、それが治りかけるとまた違和感を覚えて剥き始める……という悪循環。出血する度に私に「絆創膏貼って」と言ってくるのですが、少しすると絆創膏が鬱陶しいからと剥がしてしまいます。そのまま部屋を歩き回るので、時々床にはポツリポツリと血痕が……。どうにかして防寒と保湿をしてくれないかと悩ましい日々は長く続いています。ですが、中学生になって息子に変化がでてきたのです。Upload By ユーザー体験談少しずつ見えてきた変化息子の通う中学校には指定の制服があります。息子は現在も冬でも夏服を着ていくことが多いのですが、学校の行事などで上着の着用が義務付けられている場合は、しぶしぶ従うようになりましたUpload By ユーザー体験談また、家では相変わらずサッカーウェアのような上下を好んで着ていますが、友達と遊ぶ時などは、ゆったりした長ズボンを選ぶようになったのです。着心地とかっこよさを考慮するようになった息子、大進歩と言えると思います。乾燥肌に関しては、保湿剤を塗ることへの抵抗は続いているものの、掻きむしる頻度は減ってきました。今でも皮膚が剥けると気にすることはありますが、絆創膏を貼らなくても大丈夫な程度に改善されつつあります。このように変わってきた息子のマイルール。当時はどんなに言っても長ズボンを履いてくれなかったのに、自ら履く日がくるとは……と感慨深いです。どこかで妥協する必要があるという現実を、息子が少しずつ理解し始めたのかもしれません。今後も息子の成長を支えながら、彼自身のペースで問題に向き合う力を育んでいきたいと思っています。少しでも乾燥肌が良くなれば……という思いで、これからも保湿効果のある入浴剤を使い続けていきます(湯船に入るかどうかは息子の気分次第ですが)。イラスト/taeko※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:森先生より)マイルールについての体験談をありがとうございます!お子さんのために、日々奮闘されている様子がよく分かります……本当にお疲れ様です。さて、発達の偏りのあるお子さんは、良くも悪くも「完璧主義」になりがちです。 「筆算を拒んで暗算を貫く」「冬も半袖で過ごす」といった行動も、しばしば見られます。完璧主義になる理由はさまざまで、「途中で折れると負けた気がする」「一定の手順でないと落ち着かない」「いつも同じ服だと安心する」「長袖が首や手首に触れる感覚がイヤ」などがありますね。 感覚過敏やこだわりがベースにあることがあります。感覚過敏というのは、特定の音や感触に過敏に反応することで、発達の偏りがある方にしばしば見られます。また、筆算のルールや手順が複雑に感じられ、苦手意識を持っているケースもあります。暗算のほうがシンプルで、自分のペースで計算できるため、安心感があるのかもしれません。 そういった場合は、「やってみたら簡単だった」「楽だった」という小さな成功体験を積んでいくといいでしょう。 ただ、余裕がない時は素直にアドバイスを受け入れられません。また、お子さんのやり方を否定してしまうと良くないので、お子さんのやり方には理解を示しながら、別のやり方も提案してましょう。お子さんの機嫌が良い時、余裕のある時に「試しにこれを筆算で解いてみない?」「この長袖の服を着てみない?」と声をかけてみるといいのではないでしょうか。なかなか一朝一夕にはいきませんが、根気よく続けていきましょう。冬も半袖で過ごすのは、体感温度や寒さに対する感覚がほかの人と少し異なっていたり、服の素材や着心地にこだわりがあり特定の服しか着られないといった場合が多いようです。直接肌に触れる肌着を快適なものにすると、比較的落ち着くこともありますが、大きくなるにつれて服の見た目の好みなども出てくるので難しいところですね……。さて、スキンケアについてもお悩みなのですね。今回の体験談ではすでにいろいろと試行錯誤してくださっているのですが、一般論としてアドバイスをさせていただきますと……まず、乾燥肌や敏感肌、アトピーのあるお子さんには、ゆったりした服や、木綿などの肌触りのいい肌着を試してみてください。タグが肌に触れないものですと、なおいいですね。保湿剤やお薬を嫌がって塗ってくれない場合は、第一に、軟膏がなぜ必要なのかを根気強く説明することが大切です。納得してくれない場合も、中学生くらいまでなら保護者の方が塗ってしまったほうが確実かもしれません。言うは易しで、保護者の方は本当に毎日大変だとは思うのですが、日によって塗ったり塗らなかったりすると、「結局良くならない」という思いを強めてしまうことがあるのです……。また、状態に合わせてお薬を皮膚科で相談することも大切です。2週間前に出してもらったお薬が、今の状態に合わない、ということもあり得ます。「かゆい」というつらさを、「すぐに取ってくれない」=「無駄」と思ってしまっている可能性もあるので、炎症やかゆみがひどくなっているようであれば、お薬についても相談してみましょう。今の状態に合わせて処方されたお薬ということであれば、「お薬を使ったほうがいい」という言葉に説得力が増します。お薬を塗ったときの感触が苦手であれば、軟膏やクリームなど、お薬のタイプについても相談してみましょう。「お薬を使ったら本当によくなった!」という体験を重ねると、素直に使ってくれるようになるケースも多いものです。保護者の方の毎日の努力と、お子さん自身の成長で、お困りだった「こだわり」から少しずつ抜け出せているのですね。とっても素晴らしいことだと思います。今回のお話が、少しでもお役に立てたら幸いです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2025年01月09日道東・釧路で小学生~高校生向け学習塾を13校展開する、株式会社学習塾あすなろ会(本部:北海道釧路市、代表取締役:種村 寿人、以下 あすなろ会)は、帯広市に初となる学習塾あすなろ会 帯広西教室を、2025年1月12日(日)に開校いたします。校舎外観(1)■あすなろ会とはあすなろ会は、生徒の学力だけでなく、人間力を向上させることを目指し、49年間生徒と共に成長してまいりました。50周年を迎える2025年に新しく帯広市で開校し、「毎日通いたくなる塾」をテーマに、「生徒が楽しめる授業」「生徒自ら学べる空間」「生徒・講師間のコミュニケーションを通じた人間力の育成」をご提供いたします。あすなろ会は49年の塾運営を通じて、家庭でも学校でもない、「塾という立場だからこそできる生徒たちとのコミュニケーションがあり、それが彼らの人間としての成長を促すことができる」と気づくことができました。生徒たちの人間としての成長のサポートができれば、より多くの地域にも貢献できると考え、今回の帯広への新規開校を決意いたしました。■入会キャンペーンについて【特典1:無料体験授業イベント「ZEROスタ」】開校を記念いたしまして、1月12日(日)~3月22日(土)の期間で無料体験授業イベント「ZEROスタ」を実施いたします。<「ZEROスタ」とは?>『ZEROからスタートできる0円スタディ企画』で、小学1年生~中学2年生を対象に、それぞれの学年に合わせた体験授業を無料で受講できます。期間中は・中学1・2年生は「学年末テスト対策+次年度準備授業」を週340分・小学6年生は、「新中1英数先取授業」を週80分・小学1年生~5年生は、速読や国語・算数の個別授業のうち、ご希望のものを週80分を受講することができます。自習室も自由に使うことができますので、この機会にぜひ一度ご利用ください。【特典2:ZEROスタ参加で、春期講習会を実質無料で受講可能!】ZEROスタに参加いただいた方は、春期講習会(税込3,000円)を実質無料で受講いただけます。【特典3:ZEROスタ参加+継続入会で成績保証!】ZEROスタに参加いただき、その後継続してご入会いただいたお客様に、下記成績保証をいたします。・新中2・3生:入会後、初回の定期テストで順位が下がってしまったら、1か月授業料無料・新中1生 :入会後、初回の定期テストで学校平均点を下回ったら1か月授業料無料※参加を希望の方は以下よりお問い合わせください・TEL: 0155-65-4900・WEB: ■帯広西教室の特徴【「専任講師」による授業】一斉授業、個別授業問わず、全ての授業を専任講師が教えます。バイト講師は一人もいないため、社会・理科を含めた全ての科目で高い質の授業をご提供し、お子様をサポートできます。また、授業中や自習のときにわからないところがあったときにも、即座に対応することができます。【塾生に対して「定期テスト対策補講」を無料実施】当塾に通っていただいている生徒様に対し、学校の定期テスト前に無料で追加の補講授業を実施しております。定期テストにしっかりと対策をすることで、テストの点数向上はもちろん、知識の定着を図ることができます。この補講を、当塾は塾生に対して無料で実施いたします。【生徒の学力はもちろん人間力も育む】当塾は「一斉授業」「個別授業」「映像授業」の3つの授業を組み合わせていることが特徴です。「一斉授業」で生徒の勉強へのモチベーションを高め、「個別授業」で生徒の問題発見力や計画性を、「映像授業」で自主性を養います。生徒の学力だけでなく、人間力も育みます。【「生徒自ら学べる」自習室を完備】自習室は、校舎が開いている時間は常に使用可能となっております。「生徒自ら学べる空間」として毎日利用してくれる生徒様もおり、そういった生徒様ほど大きく成績が伸びる傾向があります。自習室教室(1)■帯広西教室 概要塾名 : 学習塾あすなろ会 帯広西教室所在地 : 北海道帯広市西20条南3丁目29 2F開校日 : 火~土曜日(1月12日(日)~3月22日(土)は日・月・火・土曜日に開校)営業時間 : 14:00~22:00TEL : 0155-65-4900Instagram: ■会社概要商号 : 株式会社学習塾あすなろ会代表者 : 代表取締役 種村 寿人所在地 : 〒085-0821 北海道釧路市鶴ヶ岱3-3-24URL : 設立 : 1976年10月資本金 : 1,000万円事業内容: ・学習塾の運営・小学生、中学生、高校生向けの学習指導、テキスト・テストの作成・東進衛星予備校、看護公務員予備校の運営【帯広西教室へのご入会・体験授業に関するお客様からのお問い合わせ先】株式会社学習塾あすなろ会 帯広西教室TEL:0155-65-4900 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2025年01月07日小学校入学までにやっておくべきことは?わが家の入学準備Upload By プクティわが家が一番初めに行った小学校の入学準備は、勉強の習慣をつけることでした。小学校に入ると、座って学習する時間が多くなり、宿題も出るようになります。ASD(自閉スペクトラム症)の傾向があると言われていて、新しい環境に慣れることに時間がかかるわが家の長男。幼稚園に入園したばかりの時は、毎日大泣き大暴れで大変でした。その記憶が脳裏によみがえった私は、小学校入学前に少しでも慣れておこう……!と、まずは自宅で机に向かう習慣をつけることにしました。Upload By プクティわが家が取り入れた勉強は、ひらがな練習と算数(そろばん)の2つです。当時通っていた児童発達支援施設でも、文字や数字については教えてもらっており、理解の土台ができているところからのスタートだったのでありがたかったです。長男はテレビゲームが大好きだったので、勉強が終わったらテレビゲームができるという決まりにしました。最初は促されてしぶしぶやる……という感じでしたが、繰り返すうちに段々と習慣化され、最終的には親に言われるまでもなく、朝起きたらまず勉強するという姿勢が見られるようになりました。生活リズムを小学校モードに!早寝早起きを始めるUpload By プクティそして次に行ったのが、生活のリズムを変えることでした。当時、長男は保育園に通っていましたが、朝はそれほど早く行く必要はなかったので、ゆっくり起きても登園の準備を整える時間は十分にありました。しかし、小学校に入学すると、それまでと同じ時間に起きていたのでは登校時間に間に合わないため、早起きする必要がありました。そこで、入学する数か月前から夜9時までには必ず寝て、朝は7時には必ず起きるという早寝早起きのリズムをつくるよう心掛けることにしました。長男は元々体力があるほうで、睡眠にも困り事がなかったので、寝るのも起きるのも苦労せず、すんなりとリズムに慣れることができました。ありがたかった小学校の配慮。入学式は予行練習でスムーズにUpload By プクティそしてありがたかったのが、小学校側が入学式の予行練習を提案してくれたことでした。長男は初めての場所や集団にはなかなか入ることができないので、予行練習で会場の下見ができ、通る道や座る席を確認できたことで、入学式当日は嫌がらず式に参加することができました。入学準備の大切さを実感した1年。スモールステップで自信を育んでUpload By プクティこのように、就学前に家庭でできることに取り組み、前もって準備をしておいたことで、長男は小学校へ入学してからは特に問題もなく、学校生活に慣れることができたように思います。また、特別支援学級へ就学したことで、入学前から小学校とスムーズな連携が可能になり、入学式の予行練習などの配慮をしていただけたのかなと感じました。これからお子さんが小学校に入学される方は、たくさんの不安があると思いますが、ご家庭でできることから少しずつ、スモールステップで自信をつけて、学校ともうまく連携しながら、お子さんが楽しい小学校生活を送れるように願っています。執筆/プクティ(監修:新美先生より)小学校入学に向けて行った準備について詳しく教えて下さりありがとうございます。遊びが中心で自由時間も多い保育園・幼稚園の生活から、時間で区切られて机に向かう時間の多い小学校とでは、環境変化の大きさのインパクトがものすごいです。ASD(自閉スペクトラム症)の傾向がある場合、環境に慣れるのに時間がかかるお子さんが多く、この大きな環境変化に向けては、準備がとても重要になります。プクティさんは、入学前から、おうちで座って学習する時間を設けたり、就寝・起床の時間を早めに学校の時間に合わせていったりされたのですね。これはとても良い取り組みですね。もちろん、どのお子さんもすんなり納得してこのように準備できるわけではないかもしれませんが、取り組めるところから徐々に生活を変化させていくのは、いきなり一度になにもかも替わってしまうよりゆとりがあっていいですね。参考にさせていただきたいところです。また、入学前に学校の環境や雰囲気に慣れるように、可能な範囲で見学・体験をしたり、初日のスタートがスムーズにいくように、入学式の下見・予行練習などをしておくというのもとても大切です。また、園生活と学校で変わること(たくさんありすぎるのですが)は、具体的に書きだして説明しておくとか、ルールや生活についてのマニュアルをつくるといったことも、環境変化の戸惑いを減らすのに役に立つでしょう。大きな環境変化に向けて、スモールステップでできるところから準備して行くのはとてもお勧めです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2025年01月07日「叱らないと、しつけにならない」いま子育て中の私の世代のみなさんのなかには、そうやって厳しく育てられてきた人も多いのではないでしょうか。でもいま、親として子どもと向き合うなかで、「この方法でいいのだろうか」「私のやり方は間違っていないかな」と不安になることもありますよね。そんな思いを誰かに話したくても、なかなか難しいのが現状です。核家族化が進み、親世代に相談することも簡単ではありません。また少子化の影響で、近所で子育てを学び合える機会も減ってきました。厚生労働省の調査でも、こうした状況のなかで多くの親が孤立感や不安を抱えていると指摘されています。1980年代、アメリカの研究者たちは「マルトリートメント(Child maltreatment、マルトリ)」という概念を提唱し、私たちが「しつけ」だと思っている行動のなかに、じつは子どもの成長に深刻な影響を及ぼすものが潜んでいる可能性を指摘しました。日本語では「不適切な養育」と訳され、徐々に知られるようになってきました。以来、研究が重ねられ、「マルトリートメント」が子どもの脳に与える悪影響が次々と明らかになってきています。この記事では、その研究から見えてきた新たな発見と、より自然な親子関係を築くためのヒントをご紹介します。マルトリ=不適切な養育知っておきたい子育ての落とし穴虐待などによる痛ましいニュースを目にするたび、多くの親が心を痛めているはずです。しかし、「自分は虐待とは無縁」と思っていても、何気ない日頃の関わり方が子どもの健全な発達を妨げているかもしれません。厚生労働省の「子ども虐待の援助に関する基本事項」では、マルトリートメントは身体的、性的、心理的虐待およびネグレクトを含む概念として位置づけられています。重要なのは、必ずしも虐待のような極端な行為だけを指すわけではないという点です。まずは下のチェック項目で、当てはまるものがないか見てみましょう【親のマルトリチェックリスト20】【言葉に関すること】□ 「お兄ちゃんはできるのに」などきょうだいや他の子と比較する□ 「どうせあなたは…」など否定的な言葉を繰り返す□ イライラして大声で怒鳴ってしまう□ 子どもの意見を最後まで聞かない□ 子どもの外見や体型について否定的なコメントをする【体に関すること】□ 「これくらいなら」と頭や尻を叩く□ 「言葉で言ってもわからないから」と体罰をする□ 「残すな」と言って、泣いても無理やり食べさせる□ 熱があっても「大丈夫でしょ」と通園・通学させる□ お風呂や着替えなど、清潔な環境を保てない【生活に関すること】□ 朝から晩まで仕事で、「おはよう」「おやすみ」も言えない□ 「ちょっとだけ」と言って、子どもを家に置いて出かける□ 「面倒だから」とインスタント食品ばかり食べさせる□ 子どものスケジュールや生活リズムを無視し、深夜まで起きさせる□ 子どもの私物や大切にしているものを勝手に捨てる【性に関すること】□ 嫌がっているのに、一緒にお風呂に入ることを強要する□ 子どもの体を必要以上に触ったり、からかったりする□ アダルトな内容の動画や雑誌を子どもの目につくところに置く□ プライバシーを尊重せず、子どもの部屋や手紙、日記を勝手に見る□ 「女の子だから家事手伝いしなさい」など、性別で制限するこれらの行動は、些細な出来事に思える方もいるかもしれません。しかし、知らず知らずのうちに子どもの心に刻まれていく小さな傷が、取り返しのつかない影響を及ぼすこともあるかもしれません。マルトリによる子どもの脳への影響前章のチェックリストに示したような親の不適切な発言や行動は、子どもの脳を傷つける危険性があることが、最新の研究でわかっています。福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援研究部門の友田明美氏はこう指摘します。「マルトリ」が、発達段階にある子どもの脳に大きなストレスを与え、実際に変形させている。(中略)子どもの脳は、日々、子どもに何気なくかけている言葉、取っている行動が過度なストレスとなり、知らず知らずのうちに、子どもの心(脳)を傷つけてしまうことがある。(引用元:J-STAGE|マルトリートメント(マルトリ)が脳に与える影響と回復へのアプローチ)友田氏の研究によると、日常的な「不適切な養育」を受けた人の脳には、明確な変形が確認されているといいます。たとえば、叩くなどの体罰を受け続けると、考えることや感情をコントロールする前頭前野が萎縮してしまう可能性があります。また言葉の暴力は、音声を処理する聴覚野の形を変えてしまうことも。さらに、怒鳴られるなどの恐怖や不安といった強いストレスは、感情の記憶を担う扁桃体を変形させることが報告されています。さらに友田氏は「子どもの学習意欲の低下を招いたり、引きこもりになったり、大人になってからも精神疾患を引き起こしたりする可能性がある。」と指摘しています。私たち大人が「しつけのため」と思って行っている行為が、子どもの脳に大きな負担をかけ、子どもの将来にまで影響を及ぼしてしまうのです。気づきにくい変化、子どもの心のなかで起きていることこうした日々の不適切な大人の態度は、一見してわかるような大きな変化ではなく、静かに子どもの心を蝕んでいきます。そのため、周りの大人たちにはなかなか気づきにくいものです。マルトリの子どもへの主な影響を以下にまとめました。自尊心の低下「自分はダメな子なんだ」という思いが心の奥底に根付いていくと、新しいことに挑戦する勇気が削がれ、自分を信じる力が弱まっていきます。それは、子どもの可能性の芽を、知らず知らずのうちに摘んでしまうことにもなりかねません。不安とストレス子どもは常に大人の機嫌を伺うようになります。「また叱られるかもしれない」という不安が、本来もっている好奇心や冒険心を抑え込んでしまうのです。子どもらしい自由な発想や行動が減っていくことは、成長の機会を失うことにもつながります。感情表現の困難「言ったら怒られる」「言わない方が安全」と学習した子どもは、次第に自分の感情を抑え込むようになります。喜びも、悲しみも、怒りも、すべての感情を適切に表現し、受け止められる経験は、健全な心の発達に欠かせないものです。子どもの健やかな成長を支えるために、私たち大人には日々の小さな気づきが大切です。元気のなさや突然の反抗的な態度は、子どもからのメッセージかもしれません。子どもの様子に変化を感じたとき、それは普段の関わり方を見つめ直すきっかけとなります。子どもの心の声に耳を傾け、その思いを理解しようとする姿勢を大切にすることで、よりよい親子関係を築いていくことができるのです。マルトリを防ぐために、わたしたちができること子育てのなかで感じる不安やストレスは、誰もが経験するものです。完璧な親などいません。むしろ、子どもと一緒に成長していく過程こそが子育ての本質なのかもしれません。そこで、よりよい親子関係を築くためのポイントをご紹介します。1. 日頃から子どもへの言動を意識する日々の何気ない言葉が、子どもの心を育みます。「そうだね」「〜だったんだね」と子どもの言葉を受け止めたり、「お片付けができたね」と具体的な行動を認めたりすることで、子どもは自分の存在を肯定的に感じることができます。否定的な言葉や一方的な指示は控えめにし、子どもの思いに耳を傾ける時間を大切にしましょう。2. 感情的になったら、クールダウンイライラや怒りを感じたとき、まずは一呼吸置きましょう。子どもに危険がなければ、その場から少し離れて深呼吸をする、窓の外を眺める、お水を飲むなど、自分なりのリセット方法を見つけることが大切です。気持ちが落ち着いてから向き合うことで、より穏やかな対応ができるようになります。3. 子育ての輪を広げる子どもの成長には、様々な発達段階があります。自己主張が強くなる時期も、甘えが強くなる時期も、反抗的になる時期も、すべては成長の過程です。それぞれの段階で、子どもは新しい力を身につけ、感情をコントロールする方法を学んでいきます。ひとりで抱え込まず、保育園や幼稚園の先生、地域の子育て支援センター、同じ年頃の子をもつ親同士など、周りの支えを借りることも大切です。時には一時保育を利用して自分時間をつくり、心にゆとりをもつことで、より豊かな親子関係を築くことができます。***温かな眼差しと、安心できる環境こそが、子どもの健やかな成長を支える土台となります。できることを少しずつ始めていきましょう。完璧な親など存在しません。でも、よりよい親子関係を築こうとする姿勢そのものが、子どもの成長を支える大切な要素となるのです。一日一日の小さな変化が、きっと明日への大きな一歩となります。穏やかで温かな子育ての道を、一緒に歩んでいきましょう。(参考)厚生労働省|子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究 報告書J-STAGE|マルトリートメント(マルトリ)が脳に与える影響と回復へのアプローチたまひよ|子どもの成長を妨げる「マルトリートメント(不適切な養育)」とは?
2025年01月06日「学びの多様化学校(不登校特例校)」のメリット、デメリットは?「IQ高ければ配慮はいらない」って…本当に?特別支援学級からの中学進学エピソードなど【2024年12月】小学校の在籍クラス、その先には中学校の進路先……就学、進学で悩まれる保護者の方も多くいらっしゃると思います。今回は読者体験談に加えて「就学先アンケート(小学校編)」「進学先アンケート(中学校編)」の結果や発達ナビ利用者から寄せられたリアルな声もご紹介!体験談も「学びの多様化学校(不登校特例校)」への進学体験談や、学区と国立大学付属の特別支援学級や特別支援学校で悩まれた方、「IQが高ければ配慮はいらない」と就学相談で伝えられて悩んだ方、「自立」に向けての進路先などさまざまな「就学・進学」のエピソードが満載です。なのははさんの息子さんは現在14歳。11歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。小学2年生の秋頃から、不登校、登校渋りが始まったそうです。そんな息子さんが進学した中学は「不登校特例校」。進学までの道のり、オープンスクールへの参加、実際に進学してみて感じたメリットデメリットなども振り返ってくださいました。また、進学先アンケート(中学校編)の結果や発達ナビ利用者から寄せられたコメントも紹介しています。皆さんがどんな進路選択をしたのかぜひご覧ください。小学校では知的障害特別支援学級を、中学校では「学区の知的障害特別支援学級」「国立大学附属の特別支援学校」「国立大学附属小中学校の知的障害特別支援学級」で迷われたというあきっちさん。どのようにして決めたのか、また進学後のご様子についても教えていただきました。こちらでは、就学先アンケート(小学校編)の結果や発達ナビ利用者から寄せられたコメントをご紹介。寄せられたリアルな声はこれから就学先を考える保護者の方の参考にもなりそうです。多動や癇癪がありこだわりが強く、4歳の時にADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断された息子さん。就学相談では通常学級+通級指導教室の利用を希望しましたが、「高IQだから配慮はいらないはず」と就学相談で一方的に決めつけられてしまいます……。小学校入学時から自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍し、学年や科目によって通常学級にも通うスタイルで、学校生活を送っていたまつさんの息子さん。まつさんは引越しなどで送迎が大変な日々でしたが「ここに通わせてよかった」と感じていたそうです。そして中学への進路を考える時期になり、まつさん親子の決めた進路先は……。学びの多様化学校(不登校特例校)、特別支援学級、通常学級……さまざまな就学、進学先12月に公開された読者体験談。通常学級や特別支援学級などのほかにも学びの多様化学校(不登校特例校)への進学などさまざまな進学先のエピソードが集まりました。発達特性のあるお子さまの就学、進学先はさまざまな選択肢があります。発達ナビ利用者から寄せられたアンケート結果やリアルな声なども参考にしてお子さまの過ごしやすい環境を選択できると良いですね。ご自身のエピソードを投稿してみませんか?『発達ナビ 読者体験談』は皆さんのご経験を基に制作されています。ご投稿いただいたエピソードは、連載ライターさんのイラスト、専門家の先生からのコメントをつけた上で掲載させていただきます。「あの時は悩んでいたけれど、今はこうなった……」など、発達障害のあるお子さんを育児している皆さんへ、ご自身の経験をお届けいただけないでしょうか。ご応募は以下の応募フォームから受け付けております。皆さんのご投稿を、お待ちしております。【現在の募集テーマ】・障害告知・パートナー(夫婦) 関係・両親(義両親)、親族関係・進学・受験関係・冠婚葬祭関連・反抗期、思春期・自傷・学習関係・不登校、行き渋り・ゲームとの関わり・不器用さについて・ママ友や、ほかの保護者の方とのエピソード・ご近所関係(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2025年01月05日「えっ、小学校で英語の授業があるの? しかもタブレットで宿題を提出するってどういうこと……?」自分が子どものころにはなかった学びが、いまの小学生のスタンダードになりつつあります。とくに英語やプログラミングの必修化、そしてタブレット端末の活用に戸惑う保護者は少なくありません。でも、焦りすぎる必要はありません。なぜこんなに学びが変わってきたのか、その背景を知り、家庭では必要最低限の基礎をしっかり押さえながら、子どものつまずきや興味を上手にサポートすれば大丈夫。この記事では、「親世代にはなかった小学生の学び」をまとめ、その“理由”と“家庭での関わり方”を具体的にお伝えします。1. 親の頃とはこんなに違う? 小学生の教育に進む「新しい学び」1-1. 英語は低学年から。“コミュニケーション重視”の英語教育親世代が小学生だったころ、英語の授業があったという方はほぼいないでしょう。いまでは小学3・4年生から「英語活動」が始まり、5・6年生では正式に「教科」として成績に反映されます。単語の暗記や文法指導ではなく、「英語でのやりとり」が重視されているのが大きな特徴です。親世代との違い・親世代:中学校で英語を初めて学ぶ。筆記と文法中心。・いまの子ども:小学校中学年から英語に触れ、コミュニケーションや異文化理解を重視1-2. プログラミング教育で論理的思考力を養う小学生の“プログラミング必修化”と聞くと驚くかもしれませんが、プログラムを使って図形を描いたり、アプリ上でキャラクターの動きを組み立てたりする学びが、全国的に広がっています。答えがひとつではない問題を試行錯誤する過程で、論理的思考力を身につけるのが狙いです。親世代との違い・親世代:プログラミングは自力で学んだり、専門学校や大学で学ぶイメージ。小学校では無縁。・いまの子ども:算数や理科など他教科と関連づけながら、試行錯誤する機会が日常的にある1-3. タブレットやAIドリルを使う「GIGAスクール構想」全国の公立小学校で、一人一台のタブレット端末が導入されつつあります。紙の教科書やノートだけでなく、AIドリルやオンラインでの共同作業など、新しい学習スタイルが当たり前に。宿題をタブレット経由で提出するケースも出てきており、親世代からすると想像しにくい学び方が広がっています。親世代との違い・親世代:紙中心のドリル学習。ネットは学校で使うイメージがあまりなかった。・いまの子ども:タブレットを日常的に使い、個別最適化された学習やオンライン合作などを経験2. なぜこんなふうに変わったの? 背景にある世界的潮流(OECD指針)「英語・プログラミング・タブレット…なぜこんなにも学びの形が変わっているの?」と思う方も多いかもしれません。その背景には、OECD(経済協力開発機構)が提唱する「Learning Compass 2030」など、世界的な教育の流れがあります。OECDは、複雑で先行きが予測しづらい時代を生きる子どもたちに必要な力として、知識やスキルだけでなく「新たな価値を創造する力」「責任ある行動をとる力」「対立やジレンマに対処する力」などを強調しています。こうした潮流を踏まえ、日本でも「デジタルスキルを育てる」「英語でコミュニケーションする場を増やす」「AIドリルで個別最適化を図る」などの教育改革が進んでいるのです。ポイント・AIや多様な文化と共存する社会で、生きる力を育む必要性が高まっている。・英語やプログラミングは、そうした時代の要求を踏まえた“入口”として重視されている。3. 変わらない部分も大切! “昔ながらの基礎”が土台になる一方で、親世代が受けてきた学びすべてが時代遅れというわけではありません。読解力や計算力、漢字の書き取りといった「基礎部分」は今も変わらず重要な土台です。基礎学習が欠けると、応用が理解しにくいプログラミングで正しい命令を組み立てたり、英語で書かれた文章を読むときも、国語的・数学的な読解力や論理的思考力が必要。焦らず、足元の理解を確認する安心感新しい学びに目を奪われがちですが、子どもの学力を支える読み書き・計算を積み重ねるのは大切なベースです。4. どうサポートすればいい? 新学習と家庭でのポイント4-1. 英語への向き合い方“楽しさ”がスタートライン英語=文法暗記ではなく、歌やアニメなどで「英語って面白い」という感覚を育てると意欲が上がりやすい。日常に少しだけ英語を混ぜる「Good morning!」「Let’s go!」など、短いフレーズを日常会話に織り交ぜると耳が慣れてくる。4-2. プログラミングとの付き合い方“エラーは当たり前”と伝える思い通りに動かないのが普通。親が「どうして動かないんだろう?」と一緒に考えるだけで、論理的思考を育む。親が詳しくなくてもOK子どもがつまずいたとき「どんな動きを期待してるの?」と問いかけるだけで、問題解決の糸口をサポートできる。4-3. タブレット学習を上手に使う時間管理と休憩ルールを決める長時間の使用は目に負担がかかりやすい。20~30分ごとに休憩をとるなど、話し合ってルールを作る。学習記録を一緒に振り返るAIドリルなどは履歴が残るので、週1回「どこが難しかった?」と聞いてみると理解度を把握しやすい。5. なぜ変わったのかを理解し、親子で“未来の学び”を楽しむ英語の授業やプログラミング、タブレット端末の活用……親世代からすると「こんな学び、私たちの時代にはなかった!」と驚くことが増えています。しかし、その背後にはOECDが示す「これからの社会を生きる力」を育むための世界的な流れがあり、日本の教育改革もその波を受けながら進化しているのです。一方で、基礎的な読み書き・計算など“変わらない部分”も依然として大切。新しい学びに注目しつつも、慌てすぎず、家庭での声かけやコミュニケーションを通じて子どもをサポートしていきましょう。ポイント・「完璧に教える」のではなく「一緒に考える」スタンスでOK。・分からないところを共有するだけで、子どもは安心して挑戦できる。・基礎学習を支えつつ、英語やプログラミングなど“未来の学び”もポジティブに受けとめよう。 ***子どもたちが大人になる頃は、さらに未知のテクノロジーや新しい学びが増えているかもしれません。不安があるのは当然ですが、「なぜ変わったのか」を理解し、家庭でできるサポートを少しずつ続けることで、子どもたちは未来に向けた力をしっかり育んでいけるはずです。ぜひ親子で、一歩ずつ前向きに取り組んでみてくださいね。(参考)OECD|The OECD Learning Compass 2030
2025年01月03日2024年版!人気の発達ナビ読者体験談10選昨年も発達ナビ会員の皆さんの体験を参考に制作をした「発達ナビ読者体験談」をたくさんご覧いただきありがとうございました。このコラムでは2024年に人気のあった読者体験談をピックアップしてお届けします。施設入所で絶縁を決意、勉強のつまずきと就職、志望校選択トラブル、子どもの居場所探し、特別支援学級への転籍、「親なきあと」に向けての準備、問題行動の多かった子どもの変わるきっかけなどなど……さまざまな体験談に加えて、大反響のあったマンガ「発達障害の子どもと私たち」シリーズもご紹介いたします。※コラムのView数は2024年12月23日時点のものです小学校1年生のときADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けた息子さん。小学校までは通常学級に所属していましたが、小学校5年生の時、コロナ禍による休校をきっかけに『いつから学校に行けるのか?』とパニックとなり、昼夜逆転や家庭内暴力が始まり、中学1年生の冬から児童養護施設に入所を選びました。しかしそれを知った実母は激怒して……。小さい頃から「もしかしたら特性があるのかも?」と感じる場面はあったものの、通常学級で過ごしていたやぎ母さんの息子さん。中学校入学以降はあれよあれよと成績が下がっていき、高1でASD(自閉スペクトラム症)の診断。今は就職についてまさに立ち向かっている息子さんですが、やぎ母さんが後悔していることはーー。「これを渡したからと言って合格と思わないでほしい」中高一貫校に通う中学2年生のりぃさん親子が中学受験の際に面接官の先生から言われた言葉です。発達障害を理由になにかを断られたという経験がなく、衝撃・混乱。志望校選択を間違えた?と感じたりぃさん親子が最終的に選んだ中学進学先は……。小学校に入学後、1年生のうちは通常学級に、2年生からは特別支援学級で卒業までお世話になろうと思っていたお気楽ママさんの息子さん。明るくて元気で人懐っこい性格の息子さんがたくさんの友達と楽しく過ごしてくれたらという思いからの選択でした。しかし、入学後学校で癇癪を起こされては対応できないと言われ、限られた時間の登校、オンライン授業や放課後登校という生活をすることになり……。小学校入学後「ほかの子と違う対応をすることは特別扱いだからできない」「配慮はできない」といわれ、毎日先生から怒られるばかりの日々になってしまったAAAさんの息子さん。学校へ対する不安が大きくなり、1年生2学期に自閉症・情緒障害特別支援学級のある学校へ転校をしました。大きな決断でしたので不安もありましたが、ここで転機が訪れました。4歳で知的障害(知的発達症)と診断された現在33歳の息子さん。中学生からレスパイトを利用し、20歳でショートステイに登録、現在はグループホームで暮らしています。小さい頃はできないことも多く、悩んだこともあったとのことですが、嘆くより「どうしたらできるようになるか」「こんなことができるんだ」と思うようにし、息子さんと一緒に成長してきた経験をご紹介します。学校からの連絡がない日はない!問題行動が多かったしのっぺさんの息子さん。そんなしのっぺさんの育児の転機は小学2年生の時に先生に言われたとある一言だったそうです。学校で荒れていた息子さんが、あることをきっかけで前を向くようになりました。小学校5年生の一卵性双生児の男の子の母であるくまごろうさん。診断はありませんが、二人ともADHD(注意欠如多動症)、さらに弟の方にはASD(自閉スペクトラム症)の傾向があると感じているそうです。そんな息子さんたちは1歳の頃から集団行動を全拒否!もしかして発達障害なのでは?と心配していました。大反響!不登校、親の苦悩、勉強についていけない…マンガ「発達障害の子どもと私たち」シリーズをまとめ読み!マンガ「発達障害の子どもと私たち」は、発達ナビユーザーから寄せられた体験談を元にしたセミフィクションストーリーです。3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けたはるきは小学校3年生の5月の下旬頃から「学校を休みたい」というようになりました。なぜはるきは学校へ行けなくなってしまったのか?はるきの気持ち、そして保護者の決断は……。5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けたみきは、小4で「学習の壁」にぶつかり登校渋りが始まりました。集団授業についていけないなか、特別支援学級への転籍を希望するのですが、結果は……?全4話をまとめ読み!2025年も発達ナビでは読者の皆さんのエピソードを募集しております。現在の募集テーマはこちらです。・障害告知でのトラブル・パートナー(夫婦) との間でのトラブル・両親(義両親)、親族などの間でのトラブル・進学・受験関係でのトラブル・冠婚葬祭関連でのトラブル・お子さまの反抗期、思春期でのトラブル・お子さまの自傷でのトラブル・お子さまの学習関係でのトラブル・不登校、行き渋りでのトラブル・お子さまとゲームの関わりでのトラブル・子さまの不器用さでのトラブル・ママ友や、ほかの保護者の方とのトラブルでのトラブル・ご近所関係でのトラブルお寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんなどにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、なかなか相談できずにいたご家族の中での悩みや保護者間のトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2025年01月02日【新版K式発達検査、WISC(ウィスク)など】発達検査・知能検査受けたことがありますか?アンケートの結果は…発達ナビ利用者から寄せられたコメントも紹介!発達検査とは、子どもの心身の発達の度合いを調べる検査のことです。質問や観察、実際に道具を使って実施するなどさまざまな方法があります。知能検査は、主に物事の理解、知識、課題を解決する力といった、認知能力を測定するための心理検査の一つです。発達検査や知能検査を受けることで、子どもの特徴を客観的に知ることができ、今後の関わり方のヒントにすることができます。このコラムでは発達ナビ会員の皆さんにお答えいただいた「発達検査・知能検査」アンケートの結果や寄せられたコメントを紹介。また、発達検査や知能検査に関するコラムなどについてもまとめました。Upload By 発達ナビ編集部発達検査、知能検査を受けたことがある:95%発達検査、知能検査を受けたことがない:4%その他:1%発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートは「発達検査、知能検査を受けたことがある」を選んだ方が95%と大多数を占める結果となりました。検査などを行い、お子さんの発達について向き合う様子が伺えます。(略)姉が小四、弟が小二で発達検査を受けました。娘は、頭の回転は良いけれど、視覚的認知やワーキングメモリーが低いとのこと。息子は、集中力が続かないが、得意なことへの集中力への強みがあると。IQも判定してもらい、しっかりと文書化してもらったので、担当医やスクールカウンセラーに提出して、関わり方のポイントのアドバイスがもらえるようになりました。それ以降、検査はやっていませんが、子供達の特性を早めに知ることが出来て、良かったと思っています。新版K式発達検査は息子がこども園年少の頃から、半年に1回程度の頻度で受けていました。息子の特性を検査結果で示してもらうことで、夫や両親にも説明しやすくなり、園の先生との情報共有にも役立ったので、とても助かりました。(略)息子が園児時代は…スコアの数字に振り回されまくりました。「数字」って、素人にはメチャクチャ強烈なインパクトなんですよね。判定員(心理士)の先生方は、数字は伝えるけれど、それよりなにより「中味」をとてもとても丁寧に説明してくれているんです。どういうところが得意なのか、どういうところが苦手なのか。苦手部分を得意なところで「カバー」するにはどうしたらいいのか?日常生活ではこういうところに困りそうだけれど、こういう「強味」があるから、こう工夫したらどうだろう?小さいころは「数字」しか頭に残ってなくてですね…後から「数字」に囚われたことを後悔しました。ただ、小学生になってからは…親の方も「特性把握」が進んだこともあり、Wiscの結果は「ですよねーw」という、「息子の特性再確認」みたいな状態でした。(中略)「言語理解(話言葉)が苦手」な息子の名言……(当時小学校低学年)「口から出る言葉は、空中に消えて無くなって、見えへんようになるからワカランねん。そやから、大事なことは書いて見せて」この結果から、「大事なこと」は「目に見える形で伝える」が基本です。息子とは大事なことほど「LINE」でやりとりです。寄せられたその他のコメントなどもアンケート先でご覧いただけます。ぜひ参考になさってくださいね。新版K式発達検査、WISC(ウィスク)、田中ビネー知能検査…さまざまな検査についての詳しいコラムはこちらから発達検査は子どもの社会性や認知、言語などのさまざまな領域の発達度合いを測っていく検査です。園などから発達検査をすすめられると不安な気持ちになるかもしれません。発達検査を受けるかは任意ですので、家庭で話し合って選択していくとよいでしょう。発達検査を受けることで、子どもの特徴を客観的に知ることができ、今後の関わり方のヒントにすることができます。また、検査結果は療育支援にも活かすこともできるなど、受けることのメリットは多くあります。発達検査は発達支援や育児支援、学習支援などさまざまな支援の場におけるアセスメント・ツールとして活用されています。その中でもさまざまな支援の場で使用されることの多い新版K式発達検査は、子どもの心身の発達の状態を観察し、支援に役立てるための検査で、検査課題への子どもの反応から、発達の状態を多面的に評価します。このコラムでは発達検査と知能検査の違い、新版K式発達検査の特徴や適用年齢、実施時間、費用や受ける前の心がまえなど解説いたします。子どもの支援に役立てるために実施される新版K式発達検査。このコラムでは、・新版K式発達検査、準備するものや心構えなどは?・新版K式発達検査、結果の見方は?など、気になる新版K式発達検査への疑問について鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授で公認心理師の井上雅彦先生にイラストを交えて分かりやすく回答いただきました。知能検査は一人ひとりの特性を把握するための手段として、発達支援や学習指導、就学相談などで活用されています。知能検査は種類が複数あるとともに、その問題の内容が非公開なこともあり、内容について分からないという方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、「ウェクスラー式知能検査(WAIS・WISC・WPPSI)」「田中ビネー知能検査」「鈴木ビネー知能検査」などの知能検査の種類、受けられる機関や費用、結果の活かし方のほか、知能指数などについて解説します。WISCは5歳から16歳の子どもを対象とした日本で広く使われている知能検査の一つです。WISC検査ではさまざまな問題が出題され、その回答結果によって子どもの知的機能を数値化しています。目にすることも多いWISCですが、どこで受けたらいいのか、どのような問題が出されるかなど分からないという方もいると思います。このコラムでは検査の概要や結果の見方、受けるメリットデメリットを解説します。田中ビネー知能検査は、子どもの知的側面の発達状態を客観的に捉えるための検査です。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)、LD・SLD(限局性学習症)など、発達の遅れや偏りのある子どもの状態を把握し、支援方法や指導内容を検討することにも使われています。このコラムでは田中ビネー知能検査の特徴や適用年齢、実施時間や費用、検査結果の説明などについて解説をします。発達検査、知能検査の結果を子どもの支援につなげていくために発達検査、知能検査の結果はさまざまな支援・相談の場におけるアセスメント・ツールとして活用されています。発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートの結果では「発達検査、知能検査を受けたことがある」を選んだ方が95%という結果にもなりました。発達検査、知能検査の結果を有効活用してお子さんの日々の過ごしやすさにつなげていけると良いですね。<(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年12月29日「経済的支援」の必要性、大切さを知ろう!『発達障害・精神疾患がある子とその家族がもらえるお金・減らせる支出』Upload By 発達ナビBOOKガイド発達障害や精神疾患のあるお子さんを持つご家庭では、医療費や療育費など、多くの費用がかかります。国や自治体では、こうしたご家庭を支援するためのさまざまな制度が設けられていますが、制度をよく知らなかったり、利用することをためらったりして、活用できていない……という方もいらっしゃるのではないでしょうか。『発達障害・精神疾患がある子とその家族がもらえるお金・減らせる支出』は、経済的な支援を必要とするご家庭に、役立つ情報が満載の一冊です。障害者手帳の取得方法から、特別扶養手当、障害年金、医療費助成制度など、具体的な支援制度をマンガと図解で分かりやすく解説。さらに、自治体ごとの独自の支援制度についても詳しく紹介しています。制度の存在や申請方法を知らないことで、受けられるはずの支援を受けられないケースもあります。また、経済的な支援制度は複雑で、どこに相談すれば良いのか、何を準備すれば良いのか、迷ってしまう方も多いはず。本書を読めば、ご家庭に合った支援制度を見つけ、経済的な負担を軽減することができます。ぜひ、本書を参考に、ご自身の状況に合った支援制度を探してみてください。検査結果を支援に生かす『WISC-ⅤKABC-Ⅱ対応版 子どもの心理検査・知能検査 保護者と先生のための100%活用ブック』Upload By 発達ナビBOOKガイド『WISC-ⅤKABC-Ⅱ対応版 子どもの心理検査・知能検査 保護者と先生のための100%活用ブック』は、お子さんの成長をサポートしたい保護者や、子どもに関わる専門家の方々必見の一冊です。本書では、2021年に日本版が刊行されたWISC-Vを軸に、KABC-IIとのクロスバッテリーアプローチを詳しく解説。クロスバッテリーアプローチとは、WISC-VとKABC-IIという異なる2つの知能検査の結果を組み合わせることで、お子さんの能力を多角的に評価できるというものです。「Part3 子どもを支援する10のポイント」では、検査結果を読み解いたうえで、実際の事例と共に支援のポイントを解説しています。また、巻末には検査結果を保護者や先生と共有するための「検査活用サポートシート」もついていて、保護者だけでなく、学校の先生や支援者が連携し、お子さんの成長を一緒に見守ることに役立ちます。IQの意味や、WISC-VやKABC-IIなどのさまざまな心理検査の種類、心理検査・知能検査について結果の見方を理解することで、お子さんの強みや苦手さを客観的に知ることができる本書。検査結果を活かして、お子さんに合った教育や支援方法を見つけてみてください。お金の知識が楽しく身につく『おかねをまなぶ・つかう・たのしい! 知育コインケース ニコニコイン わくわくおかねワークブック』Upload By 発達ナビBOOKガイド「うちの子、お金の使い方がよく分からないみたい……」「お金の大切さを教えたいけど、どうすれば?」そのようなお悩みを持つ保護者の方にお勧めしたい『ニコニコイン わくわくおかねワークブック』は、小さなお子さんでも楽しくお金の概念を学べる知育セットです。キャッシュレス化が進み現金に触れる機会が減り、お金の価値が実感しにくくなっている現代。お金の大切さや価値を理解することは、将来、お金を上手に使える大人へと成長するために不可欠です。2023年グッドデザイン賞受賞のコインケース「ニコニコイン」は、 硬貨が落ちにくく、視覚的に10進法が分かる工夫が満載。また、ワークブックとお金がくしゅうボードを使って、お金の単位、値段、お買い物のシミュレーションなど、さまざまな角度からお金について学び、お店屋さんごっこなどの遊びを通じてお金のやり取りを自然に体験できます。お子さんの経済観念を育む第一歩に、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。ライフステージごとの事例を豊富に紹介『教師、支援者、親のための 境界知能の人の特性と支援がわかる本』Upload By 発達ナビBOOKガイド『教師、支援者、親のための 境界知能の人の特性と支援がわかる本』は、IQが70から84の間にある、いわゆる「境界知能」とされる人たちの特性や、彼らが抱える困難について、詳しく解説した一冊です。境界知能(知的機能が「知的障害」と「正常知能」の境界域にある状態)の人々は、学習や社会生活で困難を抱えながらも、福祉的な支援を受けにくいという困りごとがあります。そのため、周囲から「努力が足りない」と誤解され、孤立感や自己肯定感の低下に繋がることがあります。本書では、学習の遅れ、コミュニケーションの難しさ、社会性の低さなど、境界知能の人が直面している具体的な困難を解説。また、境界知能の人が、自分の強みを活かし、やりがいのある仕事に就けるよう、将来に繋がる必要なスキルやサポートについても書かれています。図や表が豊富に盛り込まれており、分かりやすい表現で専門知識がない人でも理解しやすい工夫が凝らされている本書。教師、支援者、保護者など、さまざまな立場の人に向けた具体的な支援のヒントが満載です。日常生活での「感覚の困りごと」に着目『感覚の困りごとへの心のケア―センサリーフレンドリーをめざす支援の実際』Upload By 発達ナビBOOKガイド『感覚の困りごとへの心のケア―センサリーフレンドリーをめざす支援の実際』は、音、光、触覚など、五感に過敏に反応してしまう「感覚過敏」に悩む人々とその周囲の人々のための、実践的なガイドブックです。本書は、感覚過敏の原因やメカニズムを深く掘り下げて解説する「理論編」と、生物学、心理学、社会学の3つの視点から、感覚の問題をどう支援するかを示した「実践編」で構成されています。特に「実践編」では、乳幼児期から大人までのさまざまなケーススタディを通して、感覚過敏による日常生活での困りや支援の成果を紹介するとともに、著者の高橋秀俊先生が日常的によく受ける質問をQ&A方式で示しており、感覚過敏による困りごとをサポートするヒントとなるのではないでしょうか。感覚の問題は一人ひとり異なりますが、感覚過敏への理解を深め、それぞれが対処法を工夫することで、きっと「センサリーフレンドリー」な社会へと繋がっていく……そう思わせてくれる一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年12月27日「英語が苦手な私に何ができるんだろう…」「英語ドリルを始めた方がいいのかな」「塾に通わせた方がいいのかしら」2020年度から本格的に始まった小学校英語。英語が苦手という保護者のみなさんから「おうちでのサポートはどうすればいいの?」といった声が、たくさん寄せられます。特に、入学前の子どもをもつ親は、小学校での様子が見えずに不安になっている方も多いようです。私は10年以上の教員経験の中で、英語を楽しく話す子どもたちと出会ってきました。もちろん、そのなかには家庭や園にネイティブスピーカーがおり、日常的に英語で話す環境で育った子どももいます。しかし、多くの子どもたちの親御さんからお話を伺うと、そういった環境がなくても、日常生活の中で自然と英語に触れる機会があった子どもは、小学校の英語授業でも積極的に英語を話す姿が見られました。そこで今回は、そうした家庭での工夫や、担任や英語専科教師の経験から見えてきた、入学前も入学後もできる英語学習の効果的なサポート方法を、保護者の不安にお答えする形でお伝えしていきたいと思います。小学校英語の概要2020年度に小学校英語が本格的に導入されました。3・4年生では「外国語活動」として週に1回程度(年間約35時間)、5・6年生では「外国語科」という正式な教科として週に2回程度(年間約70時間)、必修科目として行なわれています。また英語に力を入れている自治体の中には、1年生から英語の授業を始める学校も増えています。一般的には、3・4年生では友だちと英語で話すことを楽しみながら、「聞く」「話す」などのコミュニケーションの土台を作り、5・6年生では、これに「書き」や「読み」の学習も加わります。小学校英語教育で特に重視しているのは、「コミュニケーションをとろうとする積極的な態度」、「異なる文化への興味・関心」、そして「間違いを恐れずチャレンジする姿勢」です。英語の授業では、デジタル教材などを使いながら、英語の歌やゲーム、またはお友だちとの会話を通じて、楽しみながらコミュニケーションの基礎を身につけていけるよう工夫されています。初めての子どもでも無理なく取り組めるように工夫されているので、大きく心配する必要はありません。ただ、この新しい教育制度のもとで「入学前から何か準備をしておいた方がよいのか」「家庭では何をしてあげられるのかな」と悩まれる親も多いと思います。そこで、家庭でできる効果的な英語学習のサポート方法についてご紹介していきたいと思います。【入学前〜低学年】家庭でできる!効果的な英語学習サポート方法「英語を始めるタイミングは?」小さな子どもをもつ保護者からもよく寄せられるお悩みです。結論からお伝えすると、小学校の英語の授業に備えるためのドリルや英語教室といった準備は必要ありません。まずは、身の回りの英語を一緒に見つける、そんな小さな発見から始めてみましょう。私たちの日常生活には、たくさんの英語が隠れています。スーパーマーケットでの買い物中に「ここに英語が書いてあるね」「何て書いてあるのかな?」と子どもと一緒に英語を探してみたり、洋服やお菓子のパッケージの英語を読んでみたり。また、家の中にさりげなくアルファベットポスターを貼っておくのも効果的です。このような何気ない会話や英語との出会いが、子どもの英語への興味を掻き立てます。「英会話はどうやって始めるの?」「Good morning」や「Thank you」から始めてみましょう。親が何気なく使っているうちに、子どももまねして英語を話してみたくなるタイミングがきっと来るはずです。特別な時間をつくる必要はなく、普段の生活の中でふとした瞬間に英語を使ってみる。それだけで、子どもたちの英語への興味は少しずつ育っていきます。「どんな教材を使えばいいの?」前述したように、小学校の英語の授業に向けた特別な教材は必要ありません。しかし、子どもと英語を楽しむなかで、英語の歌や絵本を取り入れていくことをおすすめします。歌は体を動かしながら楽しく英語の耳を育て、また絵本は繰り返しの表現で英語に親しむことができます。「おすすめの歌は?」英語の歌は、子どもが自然に英語を楽しめる素晴らしい教材です。英語のリズムを体で感じることができるため、英語を聞く耳も自然と育っていきます。たとえば、“Head, Shoulders, Knees and Toes” は、体の部位を指さしながら歌う簡単な歌で、動作と言葉が結びついているため、単語も自然と覚えられます。”If You’re Happy and You Know It” も、手拍子や足踏みをしながら楽しく歌えます。朝の支度をしながら英語の歌を流したり、お風呂で手遊びをしたり、そんな日常のちょっとした時間を使って気軽に始められます。親が英語で上手に歌えなくても心配いりません。歌を聴きながら一緒に体を動かすだけでもOKです。YouTubeにも子ども向けの英語の歌がたくさんあります。「どんな絵本がおすすめ?」簡単なフレーズが繰り返し出てくる絵本が子どもたちは大好きです。おすすめは『Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?』。色とりどりの動物が、覚えやすいリズムで次々と登場します。『No, David!』も特に低学年に大人気の絵本です。いたずら好きな男の子がお母さんに「No!」と繰り返し怒られるストーリーですが、簡単なフレーズなので、子どもたちはすぐにまねして読みたがっていました。英語に自信がない方は、音声付きの絵本も増えていますのでぜひ活用してください。このように、入学前は「楽しく学ぶ」ことがポイントです。特別な時間をつくる必要はなく、日常生活の中で少しずつ英語に親しんでいくことが、小学校での学びへ準備となっていきます。【中学年〜高学年】家庭での英語学習サポートは?「英語が苦手、小学校で習う内容を子どもに教えられるか心配……」教科書に載っている英語を見て「この発音、合ってるかな?」と迷う場面が出てくるかもしれません。でも、心配いりません。ほとんどの教科書にはQRコードが付いているので、正しい発音や表現をいつでも確認できます。むしろ「こんなふうに言うんだね」と、子どもと一緒に学んでいく姿勢が、学習意欲を高めることにつながります。「宿題は見てあげられるかな」宿題のサポートも、難しく考える必要はありません。学校からの宿題は、授業で習った表現を使う簡単なものが中心です。子どもに「今日は何を習ったの?」と聞いてみることから始めましょう。時には子どもが先生役になって教えてくれることもあるかもしれません。それだけでも立派な復習になります。実際「お父さんに『What color do you like?』と聞いたら『Green』と教えてくれたよ」と嬉しそうに報告してくれた子もいました。おうちでも実践的に英語を使うことは、必ずその子の力になります。「中学校の英語についていけるかな…」この不安は、多くの保護者が感じているものです。しかし、前述したように小学校英語は中学校への橋渡しとなる土台作りを目的としています。「聞く」「話す」力を育てることで、中学校での「読む」「書く」学習にスムーズに移行できるよう設計されているのです。また、学校では友だちと英語を使ってコミュニケーションをとる活動を重視しており、この経験が、中学校での学習への自信につながります。以前は中学校の先生から「中学生になると英語を話すことを急に恥ずかしがる子がいる」という声をよく聞きましたが、最近は「小学校でのコミュニケーション重視の授業のおかげで、中学校でも英語を楽しく使っています」という嬉しい報告が届いています。「英語塾や習い事は必要?」必ずしも必要ではありません。学校での英語学習で基礎は身につきます。ただし、学校の授業では習う英語も限定的なため、より実践的な英語力を目指したい場合は、英語教材やオンライン英会話や英語イベントへの参加など、学校外でネイティブスピーカーと交流する機会をつくるのもよい方法です。実際、日常生活の中で英語に触れている子どもたちは、英語を臆せず話し、ALTの先生との会話も積極的に楽しむ姿が見られます。大切なのは、子どもの興味と家庭の状況に合わせて、無理なく続けられる方法を選ぶことです。そして、一緒に楽しむ気持ちで、小さな進歩を温かく見守っていくことで、子どもの英語学習への意欲を育んでいくのです。子どもの成長を支えるために大切なこと英語学習の初期段階では、完璧な発音や文法の正確さよりも、コミュニケーションを図ろうとする意欲や態度を育てることが重要です。子どもが英語で挨拶ができるようになった、簡単な質問に答えられるようになったなど、小さな進歩を見逃さず、たくさんほめて自信につなげていきましょう。日々の些細な変化に目を向け、子どもの努力を認めることで、学習意欲は大きく高まっていきます。「うまく言えなくても大丈夫」「まずは言ってみよう」という気持ちを大切にすることで、子どもは徐々に英語に対する自信をつけていきます。こんなことには気をつけて!やりがちなNG行動1. 結果を急ぎすぎない小学校英語の一番の目的は、英語でコミュニケーションを取ることの楽しさを知ること。無理な学習や詰め込みは、かえって英語嫌いの原因になってしまいます。子どもの興味や関心に合わせて、自然に英語に触れる機会をつくることを心がけましょう。2. 発音にこだわりすぎない「発音が違う」と細かく指摘されると、子どもは間違いを恐れて、英語を話すことに消極的になってしまいます。小学生の時期は、完璧な発音を求めるのではなく、「伝えようとする気持ち」を大切にしましょう。3. 中学校の内容を先取りしすぎない小学校では、音声を中心とした活動を通じて英語に親しむことが大切です。中学校で学ぶ文法を早めに教え込もうとすると、かえって混乱を招き、学習意欲を低下させる可能性があります。***私は10年以上の教育現場で、子どもたちが新しい言葉や文化と出会い、目を輝かせながら成長していく姿を見てきました。大切なのは、完璧を目指すことではなく、子どもと一緒に楽しみながら、少しずつ英語の世界を広げていくこと。そして、その小さな一歩一歩を、温かく見守っていくことなのです。そして、その学びを支える家庭でのサポートは、特別なことは必要ありません。ここでご紹介したような小さな取り組みの中から、子どもと一緒に楽しみながらできることを少しずつ取り入れてみてくださいね。(参考)(*1)文部科学省|小学校学習指導要領外国語活動・外国語編(*2)ベネッセ教育情報サイト |保護者ができる家庭での英語学習サポート【ライタープロフィール】未来先生(みらい・せんせい)教育学科で学び、小学校免許や中学校英語免許を取得。小学校にて担任や英語専科教員として約10年間勤務、子どもたちの学びを支えてきました。現在は、2人の男の子の育児に奮闘しながら、これまでの知識と経験を生かして、子どもの成長と学びに役立つ情報をお届けしています。
2024年12月26日「うちの子、私立も考えたほうがいいのかな……」「塾や習い事もさせたいけど、全部合わせていくらくらいかかるんだろう……」子育て中のパパ・ママなら、誰もが一度は悩むのが教育費の問題。わが子にはよい教育を受けさせたい。でも実際の費用がイメージできず、将来への不安を抱えていませんか?教育費の総額は、選ぶ進路によって大きく変わってきます。保育園か幼稚園か、公立か私立か、さらに習い事の組み合わせによっても、必要な金額は数百万単位で変動するのです。そこで今回は、お子さまの教育にどのくらいの費用が必要になるのか、具体的な金額をシミュレーターで確認できるようにしました。さらに、その膨大な教育費をどのように準備していけばいいのか、プロのファイナンシャルプランナーのアドバイスもふまえて詳しくご紹介します。まずは下のシミュレーターで、ご家庭の希望する進路パターンでいくらかかるのか、確認してみましょう。教育費シミュレーター幼児教育保育園私立幼稚園小学校公立私立中学校公立私立高校公立私立大学国公立私立文系理系習い事(小学生期)学習塾(月額15,000円) 英会話(月額9,000円) 水泳(月額6,500円) ピアノ(月額7,200円) 体操(月額5,000円)総額0万円内訳項目費用割合進学先で大きく変わる教育費:最大1,500万円もの差がシミュレーターでご確認いただいたように、子どもの教育費は進学先の選択によって大きく変わってきます。文部科学省の調査によると、保育園・幼稚園から大学までの費用総額は、選択によって家計に大きな影響を与える金額の差が生じます。実際の金額を見ていくと、その差の大きさに驚かれるかもしれません。まずは基本の学費を確認しよう教育段階別の費用比較教育段階種別費用幼児教育期(0-6歳)保育園(認可・6年間)約150万円私立幼稚園(3年間)約92万円義務教育~高校小学校公立:約210万円私立:約1,000万円中学校公立:約160万円私立:約430万円高校公立:約150万円私立:約320万円大学国公立約390万円私立(文系)約600万円私立(理系)約680万円「えっ、私立小学校だけで1,000万円!?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。この差額は、たとえばファミリーカーを複数台購入できる金額、あるいは住宅ローンの頭金と諸費用をまかなえる金額に相当します。教育費の差額、具体的にはどのくらい?実際の進路選択パターンに沿って、16年間の教育費総額を見てみましょう。たとえば、保育園からスタートした場合:進学パターン別の教育費総額すべて公立で進学約1,060万円―公立→私立大(文系)約1,270万円+210万円公立→私立高校から約1,440万円+380万円公立→私立中学から約1,710万円+650万円すべて私立(理系)約2,580万円+1,520万円「子どもの可能性を広げてあげたい」「進学校に通わせたい」という願いは誰しも同じ。でも、現実的な費用と向き合うことも大切です。学費だけでも大きな金額ですが、じつは、ここからさらに「習い事」という大きな教育費が加わってきます。※ 金額は文部科学省「子供の学習費調査」(令和3年度)等による参考値です※ 保育園の費用は、令和元年10月からの「幼児教育・保育の無償化」の影響を除いた金額です【Point】公立と私立では最大で1,500万円以上の差が中学や高校からの私立進学でも数百万円の追加費用が必要大学の学部選択(文系・理系)でも80万円の差が次は、この基本の学費に加えて必要になる「習い事」の費用を詳しく見ていきましょう。習い事の費用も侮れない!月謝だけで年間50万円も「学校の費用はわかったけど、うちの子、習い事もしているし……」はい、教育費を考えるうえで見落としがちなのが「習い事」の存在です。特に、スポーツや芸術、学習面でさまざまなことにチャレンジさせたい小学生の時期。じつは、この習い事にかかる費用が、家計の大きな部分を占めているケースも少なくありません。人気の習い事、実際にいくらかかる?まずは、代表的な習い事の費用を見てみましょう。主な習い事の年間費用(月謝ベース)習い事月額年間費用学習塾15,000円18万円英会話教室9,000円10万8,000円水泳教室6,500円7万8,000円ピアノ教室7,200円8万6,000円体操教室5,000円6万円※ 上記は月謝のみの金額です。別途以下の費用が必要になることがあります:入会金・入学金教材費・テキスト代発表会・競技会の参加費検定料・試験料制服・道具代複数の習い事を組み合わせるとどうなる?小学生の時期は、複数の習い事を掛け持ちするケースも多いもの。実際に組み合わせるとどのくらいの費用になるのか、具体例で見てみましょう。習い事の組み合わせパターンと年間費用習い事の組み合わせパターンと年間費用【パターン1】基本的な3教科の場合学習塾 + 水泳教室 + ピアノ教室年間費用:34万4,000円【パターン2】フル活動の場合学習塾 + 水泳教室 + ピアノ教室 + 英会話教室 + 体操教室年間費用:51万2,000円【Point】月謝だけでも年間34万〜51万円程度6年間継続すると200万〜300万円以上に学年が上がると月謝も上がるケースが多い進学塾の場合、中学受験時期は費用が倍増も「えっ、習い事だけでマイカー1台分!?」と驚かれた方もいるかもしれません。じつは、こうした習い事費用は、世帯年収の5〜10%を占めることも珍しくないのです。わが子の習い事、実際のところどのくらいかかっているのでしょうか?いまの月謝に、教材費や行事費用なども加えて計算してみましょう。前述の学費と合わせると、思った以上の金額になるかもしれません。教育費2,000万円の準備、どうする?専門家おすすめの方法を紹介「シミュレーターで確認したら2,000万円近く……こんな大きな金額、どうやって準備すればいいの?」教育費の準備に悩むのは当然です。ただ、いくつかの方法を賢く組み合わせることで、より確実な資金準備が可能になります。ここでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。教育費の準備方法を比較学資保険仕組み親が契約者、子どもが被保険者となる生命保険。毎月定額を積み立てる形で教育資金を準備します。メリット強制的に積み立てられるため、貯蓄が苦手な人でも継続しやすい親が万一の場合、以降の保険料支払いが免除される満期時期を子どもの入学時期に合わせやすいデメリット途中解約時の解約返戻金は払込保険料を下回る資金の運用利回りは一般的に低め定期預金仕組み一定期間、銀行に資金を預け入れる最もオーソドックスな方法です。メリット元本が保証されているため安全必要に応じて解約も可能預金保険制度の対象デメリット金利が極めて低く、ほとんど増えないインフレに対する備えがない一般財形貯蓄仕組み給与から天引きで積み立てる従業員向けの制度です。メリット給与天引きで確実に貯められる預金金利より有利な金利が適用されることもデメリット会社員以外は利用できない一般財形は非課税にならない積立投資(新NISAつみたて投資枠)仕組み毎月一定額を投資信託などで運用。年間120万円まで非課税で投資可能です。メリット運用益が非課税長期的には預金より高いリターンが期待できる少額から始められるデメリット元本割れリスクがある運用成果は市場環境に左右されるファンドラップ仕組み投資運用のプロに資産運用を一任する形のサービスです。メリットプロによる運用で手間が省ける分散投資が基本で、リスク管理も専門家が行なうデメリット運用手数料がかかる元本保証はない初期投資額が高い(100万〜500万円程度)専門家からのアドバイス「資金目的と使用時期が決まっている教育資金では、預貯金など堅実な方法をベースとし、被保険者に万が一のことがあった時の金銭的リスクに備えられる保険を組み合わせるとより安全です。」ファイナンシャルプランナー 久保田正広氏教育資金準備のポイント単一の方法に頼らず、複数の方法を組み合わせる家計の状況に合わせて無理のない金額から始める子どもの年齢や教育プランに応じて見直しを行なう万が一の場合のリスクも考慮に入れるこれらの方法は、それぞれの家庭の状況や目標に応じて組み合わせることが重要です。一度に完璧な計画を立てる必要はありません。まずは可能な方法から始めて、徐々に見直していくことをおすすめします。教育費の準備、早めが肝心!専門家が教える「貯めどき」とサポート制度「準備の方法はわかったけど、いつから始めればいいの?」という声も多いはず。じつは、教育費の準備は、できるだけ早く始めることが重要なポイントです。その理由と、知っておくべき支援制度についてご説明します。専門家に聞く!教育費の「貯めどき」「特に、小学生までが貯めどきです。この時期を逃すと、その後の教育費負担で貯蓄が難しくなってしまいます」1級ファイナンシャル・プランニング技能士 山内真由美氏早めの準備が重要な3つの理由複利効果:貯蓄・投資・保険とも、期間が長いほど運用効果が高まる児童手当の活用:子育て支援として支給される手当を積立に回せる支出増への備え:子どもの成長とともに教育費は増加傾向に教育費が特に増える時期教育費が特に増える時期進路追加費用の発生時期と内容中学受験コース小学4年生以降から受験対策の塾代模試・検定費用教材費の増加高校受験コース中学生以降から進学塾の費用受験対策講座模試・教材費活用できる支援制度高等学校等就学支援金制度(国の制度)学校種別支援上限額(年間)条件国公立高校11万8,800円世帯年収910万円未満で実質無償化私立高校39万6,000円世帯年収590万円未満。差額は家庭負担都道府県独自の支援制度(例:東京都の場合)制度の特徴2024年度より所得制限撤廃都内在住者が対象(都外の学校も可)毎年の申請が必要授業料への直接充当方式学校種別支援上限額(年間)備考都立高校11万8,800円国の制度対象外でも東京都が負担私立高校48万4,000円国の制度との差額を東京都が負担その他の支援制度教育ローン(日本政策金融公庫等)各種奨学金制度学校独自の支援制度今すぐできるアクションお住まいの地域の教育支援制度を確認する世帯の収入状況に応じた支援対象となるか確認する学校の募集要項で学費支援制度をチェックする申請時期と必要書類を確認する※ 支援制度の内容は毎年改定される可能性があります。最新情報は各自治体のウェブサイトでご確認ください。***子どもの教育は、小学校から大学までに学費や習い事でおよそ1,000万〜2,000万前後必要です。教育費の準備は貯蓄や投資を賢く活用して、できるだけ子どもが幼いうちからスタートしましょう。文/上川万葉(参考)*1ほっとFP お金の相談室|FPが解説!教育資金の7つの貯め方*2ソニー生命|6年間でかかる小学校の学費|公立と私立の違いや、想定外の出費も解説*3サライ|「ファンドラップ」と投資信託の違いとは?|ファンドラップのメリットとデメリットを解説【お金の学校】*4R&Cマガジン ファイナンス|小学生の習い事費用の平均額は?月謝の目安と家計負担の軽減方法*5Gakken|子どもの「習い事」月々平均いくらぐらい?習い事別の費用についても紹介します*6ここしん|高校授業料実質無償化はどんな制度?東京都は所得要件を撤廃。対象者や条件、申込の流れなどを解説*7価格.com|子どもの教育費っていくらかかるの?
2024年12月25日「自分のお名前だけ書ければ大丈夫です」――入学説明会でよく聞くこの言葉。年長さんをもつ保護者の方なら、「本当にそうなの?」となんとなく不安を感じていることでしょう。特に気になるのが、入学後のスタートダッシュ。4月から始まる小学校での学習について、「うちの子、ついていけるかしら」と心配されている方も少なくないはずです。約10年間小学校教師として勤務してきた経験から言えば、この「自分のお名前だけ書ければ大丈夫です」の言葉は、建前と本音が入り混じった微妙な言葉だと感じています。しかし、決して焦る必要はありません。入学後の学習をスムーズに始めるために、家庭でできる準備があるのも事実です。この記事では、実際の小学校での文字指導の進め方や、入学までに無理なく楽しく取り組める文字学習の方法をご紹介します。お子さんの発達段階に合わせた効果的な入学前のひらがな準備のヒントが見つかるはずです。小学校での文字学習はどう進む?就学前の文字習得の現状文字教育への取り組み方は、幼稚園や保育園によって様々です。遊びを通じて積極的に文字に触れる機会を設ける園もあれば、あえて文字指導を控えめにする園もあります。また、家庭での関わり方によっても、お子さんの文字への興味や習得状況は大きく異なってきます。文部科学省の研究「幼児教育、幼小接続に関する現状」によれば、年中児(3、4歳児)での文字の読みの習得率は、男の子81.9%、女の子89.7%、という高い数値を示しているそうです。さらに、年長児(5歳6歳)では男の子92.1%、女の子97.7%にまで上昇します。じつは、入学前に「ひらがなをほぼ読める」子がほとんどなのです。*1入学後の文字学習はこんなふうに進みます入学したばかりの4月、1年生の子どもたちにとっての最初の課題は学校生活に慣れることです。この時期、先生からの指示や教室の掲示物は、ほとんどがイラスト付き。文字だけに頼らない工夫をしながら、子どもたちの学校生活をサポートしています。4月は基礎作りの大切な月。毎日2時間ほどある国語や書写の授業では、まずは正しい座り方、鉛筆の持ち方から始め、直線や曲線といった運筆の練習をします。子どもたちは先生のお手本を見ながら、自分の名前を書く練習をすることで、文字を書く楽しさを知っていきます。5月になると、いよいよマス目を使った本格的な文字練習が始まります。文字はやさしい文字から順番に学んでいきます。まずは「つ」「く」「し」といった一画で書ける文字から。次に「とめ」や「はらい」、「はね」のある文字、そして「の」のような「曲がり」のある文字を練習します。そして、最後に「ま」「す」のような「結び」のある文字や、2文字以上の言葉を並べて練習していきます。毎回の授業では、先生がお手本を見せ、みんなで空に指で書きながら書き順を声に出し、その後にドリルでなぞり書きをしてから、実際に自分で書く練習をします。1日に学ぶ文字の数は2、3文字程度。その日学んだ文字は宿題で復習することで、しっかりと身につけていきます。その後もひらがなの学習は続きますが、一般的には6、7月には50音の学習が終わります。*24月5月6月7月・机上整理・正しい姿勢・鉛筆の持ち方・基本的な線・自分の名前 など・止め「く」・はらい「つ」・はね「か」など・正しい筆順「こ」「い」・曲がり「の」・折れ「そ」・結び「ま」「す」・形の違い など・文字の形・言葉の書き方・ます目・罫線・横書きなど→段階に合わせてひらがな50音の指導→(参考)光村図書|年間年間指導計画・評価計画資料1年生文字学習の個人差文字の習得には、やはり個人差があります。しっかりとした筆圧で、一度できれいな文字を書ける子もいます。しかし一部には、鏡文字になってしまったり、文字の大きさがうまくコントロールできなかったりし、何度も何度も消して書き直してを繰り返しているうちに紙に穴が開いてしまう子もいます。クラスのなかに、多いところでは35人もの子どもがいるので、先生はひとりひとりに丁寧に教えたいと思っていても、授業時間内での個別指導には限界があります。そのため、その日学んだ文字は必ず宿題として出し、家庭でも練習を重ねてもらうようにしています。このように学校と家庭で協力しながら段階的に学習を進めていくことで、多くの子どもたちは6月から7月頃には、ひらがな50音を書けるようになります。そして夏休み頃には文章が書けるようになり、宿題として絵日記を出す先生も多いと思います。入学からわずか4、5か月でここまで進み、2学期からはさらにカタカナや漢字の学習も始まります。1年生の学習は、私たち大人が想像する以上にペースの速いものなのです。だからこそ、ひとりひとりの子どもの成長に合わせた支援が大切になってきます。「焦らなくていい」けれど、できることはある1. 遊びが文字学習の土台にでは、入学を控えるお子さんに、親はどんなサポートをしてあげられるでしょうか。じつは、毎日の遊びのなかに、文字を学ぶための大切な準備が詰まっています。たとえば、もしおうちや園でお絵かきや線つなぎ、迷路といった遊びをしているならば、それがすでに運筆の練習となっています。お子さんの自由な表現活動が、やがて文字を書く力へと育っていくのです。大切なのは、これらの遊びを「勉強」にしないこと。「もっときれいに」「はみ出さないように」という声かけは控えめにして、子どもが楽しく夢中になれる環境をつくってあげてください。遊びのなかで自然と育まれる力を信じて、温かく見守っていただければと思います。2. 絵本は文字との出会いのきっかけに絵本は子どもにとって、文字を学ぶ素晴らしい入り口となります。子どもは大好きな絵本を何度も読んでもらううちに、自然と文字に興味をもち始め、少しずつひらがなを覚えていきます。絵本は、楽しみながら文字を学べる最高の教材なのです。また、ひらがなを少し読めるようになると、書くことへの意欲も自然と湧いてきます。専門家たちもこの、「自然な興味の芽生え」を重視しています。全国小学校生活科・総合的な学習教育研究協議会 元会長の和田信行氏はこう指摘しています。読めるようになったら「次は書けるようになりたい!」と思うのが自然の欲求。子どもがやる気になったとき、すぐに取り組めるよう、鉛筆と紙は常に子どもスペースに用意しておきましょう。この時期は、書く意欲があるだけで十分。「書き順が違うでしょ」「そうじゃないでしょ」といった間違い探しはしないこと。子どもがやる気をなくしてしまいます。(引用元:ベネッセ教育情報|小学校入学準備「文字と数の学習。本当に必要なこと」)※太字による強調は編集部が施した大切なのは、強制的な学習ではなく、子どもの興味に寄り添うこと。絵本を通じた楽しい文字との出会いが、読み書きへの意欲を育んでいきます。*33. デジタルの良さを活かして文字学習において、手書きとデジタルのバランスよく活用をすることがおすすめです。鉛筆で文字を書くことは、脳の発達によい影響を与えることが脳科学研究でもわかっています。ただし、最初から鉛筆で文字を書く学習から始める必要はありません。タブレットでの学習にも、大きな魅力があります。音声ガイド付きの学習なら、文字と発音を同時に楽しく学べます。目と耳を使って学べるので、家庭学習にぴったりです。お子さんの成長に合わせて、時には手書き、時にはデジタルと、柔軟に学習方法を選んでみてください。大切なのは、学ぶ楽しさを感じられること。子どもの好奇心を大切にしながら、さまざまなツールを活用し、お子さんのペースで文字の世界を広げていってください。***入学準備で最も大切なことは、子どもの自然な成長を温かく見守ることです。焦らず、でも意識的に文字とのよい出会いを演出することが重要なポイントとなります。便利な時代だからこそ、デジタル教材や書き込み式ワークブックなど、多様な学習ツールから子どもに合った方法を選べます。これらを柔軟に活用することで、子どもの興味を大切にしながら、楽しく無理のない入学準備を進めてくださいね。(参考)(*1)文部科学省|「幼児教育、幼小接続に関する現状」(*2)光村図書|年間年間指導計画・評価計画資料1年生(*3)ベネッセ教育情報|小学校入学準備「文字と数の学習。本当に必要なこと」【ライタープロフィール】未来先生(みらい・せんせい)教育学科で学び、小学校免許や中学校英語免許を取得。小学校にて担任や英語専科教員として約10年間勤務、子どもたちの学びを支えてきました。現在は、2人の男の子の育児に奮闘しながら、これまでの知識と経験を生かして、子どもの成長と学びに役立つ情報をお届けしています。
2024年12月25日学園祭とオープンキャンパスで実感するそれぞれの「学びの形」いっちゃん(ASD(自閉スペクトラム症)と睡眠障害あり)は現在高校3年生。大学進学を希望していますが、小中学校時代は特に朝の登校が難しく、高校は通信制を選びました。美術系への進路を目指しており全日制と通信制の学校を両方検討しています。希望する4校のうち、全日制で昼間通学する形式の大学は2校です。そのうちの1校は近畿地方にある芸術大学。比較的アクセスが良かったため、娘と直接足を運びました。Upload By 寺島ヒロ訪れた日は、学園祭とオープンキャンパスが同時開催されており、活気あふれる雰囲気!学生たちが制作した作品が展示されているコーナーでは、トークライブのような研究発表やクオリティの高い小物などの販売も行われていて、プロのアーティストのフェスのような盛り上がりでした。在校生たちが日頃の技術を活かして制作した品々が商品として並べられているのを見て、娘は「こんなふうに身近なモノになった完成品が見られるのは良いね」と感動して、好きな絵柄のファイルケースなどをいくつも購入していました。私自身も、ただ学生に課題通りに作品を作らせるのではなく、企画立案から制作、マネタイズの手法を学んで実際のお客さんの顔を見て販売するところまでのプロセスを一通り体験させていることが素晴らしいなと思いました。遠方の大学で得た具体的なアドバイスもう1校は東京近郊にある美術系の大学です。遠いので現地には行かず、Webでの説明会に参加しました。東京の学校に進学すれば、いっちゃんにとっては知らない土地での新生活ということになります。睡眠障害のあるいっちゃんがあまり無理をせずに履修科目を取れるか、大学に障害のある学生に対する支援をどれくらい求められそうか、が私にとっては一番関心のあるところでした。私たちが参加した説明会では、前半後半に分かれていて、前半では、先生方によるカリキュラムの概要や学校の特色についての説明と、実際の学生の活動風景や作品の紹介の短いムービーを見ました。後半の個別説明会では受験を希望する学科の担当の先生と学生の支援をする部署のスタッフの方に時間を割いていただき、Zoomを介して直接お話しすることができました。娘のこれまでの経緯……小中学校では毎朝の登校が難しかったことや、高校では通信制を選んだこと……を話し、授業の取り方を工夫すれば大学からは全日制でも通学できるのではないかと考えていることを伝えたところ、卒業要件や、特性を考慮したスケジュール設計についての詳しいアドバイスをいただけました。実は兄もASD(自閉スペクトラム症)があり中学高校時代は遅刻常習犯だったのですが……「1限目の授業は取らないでなんとかなりませんか」と大学の障害学生支援課に相談したら「なんとか組みましょう!」と。おかげで4年間でするっと卒業できたのでした。Upload By 寺島ヒロ通信制大学でのオンライン体験授業通信制の大学は説明会もWebで開催されます。昼間通う学校と同じく先生やスタッフの方による学習内容、学習の進め方やサポート、そして学費などについても説明がありました。特筆すべきは、通信制大学にはオンライン体験授業があったこと!受験を検討している人(高校生だけではなく一般の人も)を対象に、興味のある授業を期間中、いくつでも無料で体験できるというシステムになっていました。娘は「どの授業も興味しかない!」と言って、片っ端から授業を登録していました。Upload By 寺島ヒロどの学校にもそれぞれの魅力があり、いっちゃんはまだ迷っている様子です。私は以前から、子どもたちに「12歳になったら人生の選択に口出しはしない」と宣言していました。ピアノをやめたのも、大学に進学すると決めたのも娘です。もちろん「いつでも相談して」とは言っているものの、今回も娘は自分で情報を整理しながら決めるつもりのようです。これを書いているのは12月の初め。残り時間もあとわずかですが、娘にとって納得のいく選択ができるよう、見守っていきたいと思っています。執筆/寺島ヒロ(監修:森先生より)寺島ヒロさん、お子さんの進学先の情報収集についての体験談をありがとうございます!さて、発達の偏りや睡眠障害を抱えていると、学校の理解が必要な場面も多々ありますよね。 大学選びは未来を大きく左右する決断ですから、情報収集はとても大切です。大学で何を学びたいのか、将来どんなことをしたいのか、親子でじっくり話し合いしていく必要があります。興味関心や強みを活かせる環境が良いことはもちろんですし、特性が強く出ている場合は、大学のサポート体制も重要になってきます。 発達障害や睡眠障害に対する理解があり、適切なサポート体制が整っている大学ですと、ストレスがなく通い続けることができますよね。大学に問い合わせて支援内容を確認してみるといいでしょう。具体的に挙げると、睡眠障害があるのであれば、時間割を柔軟に組めたり、通学時間を短い場所に住むことができるか、寮はあるか、オンライン授業の体制が整っているか、学生支援体制や発達障害に関しての相談窓口はあるか、など確認してみるといいですね。 そして、オープンキャンパスに参加して実際の大学の雰囲気を感じることも大切です。お子さん自身が、そこに通っている自分をイメージできるかどうかが何よりも重要ではないでしょうか。寺島ヒロさんの、お子さんの相談にのったりサポートはしても「人生の選択に口出しはしない」という姿勢、とっても素晴らしいと思います。 発達の偏りがありサポートが必要な場合、どうしても保護者の方は自分が協力してあげないとと思って助言をしすぎてしまうケースがあります。 大学進学は、自立に向けた大きな一歩です。進学という大事な選択は、お子さん自身がしていくことに意味があります。行き過ぎて過干渉になってしまわないよう、情報収集を手伝いながらも、お子さんを信じて見守りましょう。 これからも、お子さん自身が人生について真剣に考えて、自信を持って将来の道を選択をしていけるよう願っております。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年12月25日株式会社学研ホールディングス(本社:東京都品川区、代表取締役社長:宮原博昭)の調査・研究機関である学研教育総合研究所は、2024年11月6日(水)~11月14日(木)の9日間、全国の小学生の子どもを持つ保護者を対象に「小学生調査」、全国の中学生の子どもを持つ保護者を対象に「中学生調査」、全国の高校生を対象に「高校生調査」を実施し、小学生調査では1,200名、中学生調査と高校生調査では各600名の有効サンプルを集計しました。今回は、小学生調査、中学生調査および高校生調査のうち、ふだんの生活実態や生活意識に関する結果を「小学生・中学生・高校生白書 小学生・中学生・高校生の日常生活に関する調査」として公表します。(調査協力機関:ネットエイジア株式会社)URL 表1: 今年(2024年)のお正月にもらったお年玉の総額(すべてを足した額)をきいたところ、小学生では平均20,225円、中学生では平均27,499円、高校生では平均27,963円でした。平均額を前回の調査と比較すると、小学生では839円の減少(2023年21,064円→2024年20,225円)、高校生では182円の減少(2021年28,145円→2024年27,963円)となったのに対し、中学生では244円の増加(2023年27,255円→2024年27,499円)となりました。表2: “推し活”についてきいたところ、“推し”がいる人の割合は、小学生では53.4%、中学生では61.8%、高校生では70.7%となりました。男女別にみると、小学生男子では44.8%、小学生女子では62.0%、中学生男子では49.3%、中学生女子では74.3%、高校生男子では61.3%、高校生女子では80.0%と、いずれも男子と比べて女子のほうが15ポイント以上高くなりました。“推し”のジャンルをみると、小学生男子の1位は「YouTuber」、小学生女子の1位は「アニメ・まんがキャラクター」、中学生男子の1位は「アニメ・まんがキャラクター」、中学生女子の1位は「アイドル」、高校生男子の1位は「YouTuber」、高校生女子の1位は「アイドル」でした。表3: 将来なりたい大人像についてきいたところ、小学生では1位「人にやさしく接している」、2位「友だちがたくさんいる」、3位「家族を大切にしている」、中学生では1位「自分らしく自由に生きている」、2位「人にやさしく接している」、3位「家族を大切にしている」、高校生では1位「自分らしく自由に生きている」、2位「趣味を楽しんでいる」、3位「お金をたくさん持っている」でした。男女別にみると、小学生では男子・女子ともに「人にやさしく接している」が1位、中学生では男子・女子ともに「自分らしく自由に生きている」が1位となった一方、高校生では違いがみられ、男子では「趣味を楽しんでいる」、女子では「自分らしく自由に生きている」が1位となりました。表4: ★小学生が今年のお正月にもらったお年玉 もらった金額は平均20,225円、2023年調査から839円減少今年(2024年)のお正月にもらったお年玉の総額(すべてを足した額)をきいたところ、お年玉をもらった人の割合は89.7%(「なし」が10.3%)となり、平均は20,225円でした。男女別にみると、男子ではお年玉をもらった人の割合は89.2%、平均は19,741円、女子ではお年玉をもらった人の割合は90.2%、平均は20,709円でした。前回の2023年調査と比較すると、お年玉をもらった人の割合は1.4ポイントの下降(前回調査91.1%→今回調査89.7%)、平均は839円の減少(前回調査21,064円→今回調査20,225円)となりました。★小学生のお年玉の使い道 「貯金」がダントツ、2位「おもちゃ」、3位「ゲーム機・ゲームソフト」3年生以上の女子では「文房具」「アクセサリー」が高い傾向今年(2024年)のお正月にお年玉をもらった人(1,076名)に、もらったお年玉の主な使い道をきいたところ、「貯金」(57.9%)が突出して高くなり、2位「おもちゃ」(25.0%)、3位「ゲーム機・ゲームソフト(オンライン以外)」(23.2%)と続きました。男女・学年別にみると、3年生以上の女子では「文房具(ステーショナリー)」(3年生28.1%、4年生29.5%、5年生28.4%、6年生26.6%)や「アクセサリー」(3年生18.0%、4年生14.7%、5年生12.5%、6年生13.8%)が他の層と比べて高くなる傾向がみられました。★「今、悩んでいることがある」小学生の2人に1人悩み事のTOP2は「学習に関すること」「学校での友だち関係」今、悩んでいることがあるかをきいたところ、1位「学習に関すること」(20.0%)、2位「学校での友だち関係」(19.0%)、3位「学校での先生との関わり」(8.5%)となり、「悩み事は特にない」は49.3%、悩み事がある人の割合は50.7%でした。小学生の2人に1人が、何らかの悩みを抱えながら毎日を過ごしていることがわかりました。男女・学年別にみると、悩み事がある人の割合が最も高くなったのは6年生の女子(61.0%)でした。★「推しがいる」小学生の53%推しのジャンル 男子の1位は「YouTuber」、女子の1位は「アニメ・まんがキャラクター」“推し活”について質問しました。“推し”がいるかどうか、いる場合は“推し”のジャンルとしてあてはまるものをきいたところ、「推しはいない」は46.6%、推しがいる人の割合は53.4%となりました。“推し”のジャンルをみると、1位は「アニメ・まんがキャラクター」(16.2%)、2位は「YouTuber(VTuber除く)」(15.7%)、3位は「アイドル」(7.6%)、4位は「スポーツ選手」(6.6%)、5位は「マスコットキャラ」(6.1%)でした。男女別にみると、推しがいる人の割合は女子では62.0%と、男子(44.8%)と比べて17.2ポイント高くなりました。女子には、“イチオシ”の存在がいたり、推し活に取り組んだりしている人が多いようです。また、推しのジャンルは男子では「YouTuber(VTuber除く)」、女子では「アニメ・まんがキャラクター」が1位でした。★将来、どのような大人になりたい? 1位「人にやさしく接している」、2位「友だちがたくさんいる」将来、どのような大人になりたいと思っているかをきいたところ、1位は「人にやさしく接している」(27.8%)でした。次いで、2位「友だちがたくさんいる」(21.4%)、3位「家族を大切にしている」(20.4%)、4位「自分らしく自由に生きている」(20.3%)、5位「お金をたくさん持っている」(16.8%)となりました。男女別にみると、男子・女子ともに1位は「人にやさしく接している」で、男子では「友だちがたくさんいる」と「お金をたくさん持っている」が同率2位、女子では「家族を大切にしている」が2位でした。表5: ★中学生が今年のお正月にもらったお年玉 もらった金額は平均27,499円、2023年調査から244円増加今年(2024年)のお正月にもらったお年玉の総額(すべてを足した額)をきいたところ、お年玉をもらった人の割合は94.7%となり、平均は27,499円でした。前回の2023年調査と比較すると、平均は244円の増加(前回27,255円→今回27,499円)となり、学年別にみると1年生は127円の増加(前回25,158円→今回25,285円)、2年生は670円の減少(前回28,455円→今回27,785円)、3年生は1,275円の増加(前回28,153円→今回29,428円)となりました。★「推しがいる」中学生の62%、推しのジャンル 男子の1位は「アニメ・まんがキャラクター」、女子の1位は「アイドル」“推し活”について質問しました。“推し”がいるかどうか、いる場合は“推し”のジャンルとしてあてはまるものをきいたところ、「推しはいない」は38.2%、推しがいる人の割合は61.8%となりました。“推し”のジャンルをみると、1位は「アニメ・まんがキャラクター」(15.8%)、2位は「歌手・ミュージシャン(アイドル除く)」(12.5%)、3位は「アイドル」(12.0%)、4位は「YouTuber(VTuber除く)」(11.8%)、5位は「スポーツ選手」(8.5%)でした。男女別にみると、推しがいる人の割合は女子では74.3%と、男子(49.3%)と比べて25.0ポイント高くなりました。また、推しのジャンルは男子では「アニメ・まんがキャラクター」、女子では「アイドル」が1位でした。★将来、どのような大人になりたい? 1位「自分らしく自由に生きている」男子では「家族を大切にしている」、女子では「人にやさしく接している」が2位将来、どのような大人になりたいと思っているかをきいたところ、1位「自分らしく自由に生きている」(25.5%)、2位「人にやさしく接している」(23.8%)、3位「家族を大切にしている」(21.2%)、4位「友だちがたくさんいる」(18.3%)、5位「趣味を楽しんでいる」「お金をたくさん持っている」(いずれも16.2%)となりました。男女別にみると、男子・女子ともに1位は「自分らしく自由に生きている」で、男子では2位「家族を大切にしている」、3位「人にやさしく接している」、女子では2位「人にやさしく接している」、3位「友だちがたくさんいる」でした。表6: ★高校生が今年のお正月にもらったお年玉 もらった金額は平均27,963円今年(2024年)のお正月にもらったお年玉の総額(すべてを足した額)をきいたところ、お年玉をもらった人の割合は83.3%(「なし」が16.7%)となり、平均は27,963円でした。前回の2021年調査と比較すると、平均は182円の減少(前回28,145円→今回27,963円)となり、学年別にみると1年生は2,219円の減少(前回27,909円→今回25,690円)、2年生は1,075円の増加(前回27,940円→今回29,015円)、3年生は598円の増加(前回28,585円→今回29,183円)となりました。★「今、悩んでいることがある」高校生の69%、悩み事の1位 「進路など将来のこと」男子の2位は「学習に関すること」、女子の2位は「自分の容姿・性格」今、悩んでいることがあるかをきいたところ、1位「進路など将来のこと」(33.2%)、2位「学習に関すること」(26.3%)、3位「自分の容姿・性格」(25.0%)となり、「悩み事は特にない」は31.2%、悩み事がある人の割合は68.8%でした。男女別にみると、男子・女子ともに1位は「進路など将来のこと」となり、男子では「学習に関すること」が2位、女子では「自分の容姿・性格」が2位でした。★「推しがいる」高校生の71%、推しのジャンル 男子の1位は「YouTuber」、女子の1位は「アイドル」“推し活”について質問しました。“推し”がいるかどうか、いる場合は“推し”のジャンルとしてあてはまるものをきいたところ、「推しはいない」は29.3%、推しがいる人の割合は70.7%となりました。“推し”のジャンルをみると、1位は「アイドル」(22.3%)、2位は「アニメ・まんがキャラクター」(18.7%)、3位は「YouTuber(VTuber除く)」(16.0%)、4位は「歌手・ミュージシャン(アイドル除く)」(14.2%)、5位は「俳優・タレント」(13.0%)でした。男女別にみると、推しがいる人の割合は女子では80.0%と、男子(61.3%)と比べて18.7ポイント高くなりました。また、推しのジャンルは男子では「YouTuber(VTuber除く)」、女子では「アイドル」が1位でした。★高校生がイメージする理想の大人像 将来、どのような大人になりたい?男子の1位は「趣味を楽しんでいる」、女子の1位は「自分らしく自由に生きている」将来、どのような大人になりたいと思っているかをきいたところ、1位は「自分らしく自由に生きている」(25.8%)、2位は「趣味を楽しんでいる」(22.8%)でした。自分らしさを大切にしている大人、趣味を楽しみ生活が充実している大人を“理想の大人像”とイメージしている人が多いようです。次いで、3位「お金をたくさん持っている」(20.0%)、4位「人にやさしく接している」(18.5%)、5位「家族を大切にしている」(17.3%)となりました。男女別にみると、男子では「趣味を楽しんでいる」、女子では「自分らしく自由に生きている」が1位でした。※調査結果全文は添付のPDFファイルよりご覧いただけます。≪調査概要≫調査タイトル:小学生・中学生・高校生白書 小学生・中学生・高校生の日常生活に関する調査2024調査対象(小学生調査):ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする小学生の子どもを持つ20歳~59歳の保護者(中学生調査):ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする中学生の子どもを持つ20歳~59歳の保護者(高校生調査):ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする15歳~18歳の高校生調査地域:全国調査方法:インターネット調査調査期間:2024年11月6日(水)~11月14日(木)の9日間有効回答数(小学生調査):1,200サンプル(中学生調査):600サンプル(高校生調査):600サンプル実施機関:ネットエイジア株式会社 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年12月24日通常学級についていくのは難しそう……自閉症長男の年長の頃幼稚園の年長当時、超絶マイペースだったわが家の長男あーくん。就学先について検討を始めた時から、通常学級は難しそうだという気がしており、特別支援学級にしようとぼんやりと当たりをつけていました。 というのも、通っていた幼稚園に「子どもの発達に悩める親の会」的なものがあり、そこでいろいろ聞いていたのと、上のお子さんが特別支援学級に行っている……という親御さんもちらほらいたので、(特別支援学級良さそうだなあ)という下地があったんですよね。しかしながら何より本人の意向が1番大事……。ということであーに聞いてみました。ズバリ、「30人クラスと8人クラスどっちがいい?」視覚優位のあーにも分かりやすいよう絵に描いて、それぞれのメリット・デメリットもあーに伝わりやすいよう言葉を砕いて説明(30人クラスはたくさんのお友達と勉強できるよ。8人クラスは先生が丁寧に指導してくれるよ。くらいのざっくり感で)。けれど、実感が湧いてないせいかさほど反応もなく……。ならば見学だあー!ということであらかじめ電話で予約し、あーと弟のいーを伴い、いざ小学校へ見学に向かいました。Upload By よいこ小学校の見学へ。初めて見た特別支援学級は……小学校に着くと、先生が待っていて学校の中を案内してくださいました。よく考えると私自身も親として足を踏み入れるの、実は初めてだ……! とドキドキしながら校内を進みます。まず見学したのは通常学級。私が小学校に通っていた頃とおおよそ変わらない、記憶にある小学校のイメージ通りのクラスでした。30人くらいの同い年の生徒が小さな教室にぎゅうぎゅう詰めで、にぎやかで、キラキラしてて……。この場でさまざまな思い出や成長がつくられていくんだなあ……と自身の幼少期を思い出すと同時に、「おそらくここであーは過ごさないんだな」と少しセンチメンタルな気持ちに。あーはといえば……特に興味はない様子(笑)。授業ではなく、弟のいーと一緒に教室にある水槽の亀を見ていました。その後は特別支援学級の見学へ。特別支援学級は通常学級の半分ほどの広さの教室で、学年混合で6人くらいの生徒が学習していました。驚いたのは、一人ひとりの机がパーティションで仕切られていたことです。 先生いわく、「雑音や周りの子の様子が気になって学習がすすみづらいお子さんもいるので」とのこと。教室には生徒の描いたイラストが掲示してあったり、通常学級にはない本やおもちゃが置いてあったり、休憩できるように大きなソファが置いてあったり、教室の隅には高い仕切りが置いてあってクールダウンスペースになっていたり……。隅々まで個別の配慮が行き届いた環境づくりを実感しました。あーはと言えば、見学したからといって特段何かを感じた……ようにはやはり見えず。これはやはり親が決めなければならない……!そう考えると答えはすぐに出ました。Upload By よいこ特別支援学級しかない!学校見学で決意が固まるあーにとって、特別支援学級が過ごしやすい環境であることも体感できたし、何より常日頃からしっかり先生と連携できて、何かあった時に親の声が届きやすいことが必要不可欠……そう考えた私は、見学してすぐに「特別支援学級しかない!」と心に決め、特別支援学級へ就学の希望を出すことにしたのでした。あれから6年間……実にさまざまなことがありましたが、この決断を誤りだと感じたことは一度もありません。でもね、就学で思い悩む親御さんに伝えたい。ここまでいろいろ悩んだだろうし、きっとこれからも悩むことはたくさんあると思うけれど、あなたが大切なお子さんのことを心から考えて下した決断に間違いなんてありません。決断した自分自身に、どうか誇りを持ってほしいと思います。Upload By よいこ執筆/よいこ(監修:室伏先生より)よいこさん、学校見学のご様子や特別支援学級への進学の決断、そしてよいこさんご自身の心境について共有してくださり、ありがとうございました。進学する学級を決めるにあたり必要な情報の一つに、発達指数(DQ)や知能指数(IQ)があります。IQは100が平均であり、70〜84は境界知能、70未満は知的障害(知的発達症)と定義されることが多いです。たとえばIQ70ですと、実年齢が6歳の時、知的な年齢が4歳2か月と計算されます(ASD/自閉スペクトラム症やADHD/注意欠如多動症などの特性がある場合には、知的な年齢から判断すると難しいと思われることが得意だったり、できると予想されることが困難だったりということもあります)。70未満の場合には、行動面含めて通常学級での生活は困難と判断されることが多いです。しかし、境界知能またはIQが平均的の場合には、通常学級と特別支援学級のどちらが望ましいかは、生活や学習面のサポートがどの程度必要か、集団行動が可能であるか、周囲への影響力の強い困りごと(教室からの脱走や他害など)、ご本人の情緒面(自己肯定感低下や強い不安があるか)、ご本人の意向なども含めて総合的に判断しなければならず、とても難しいこともあります。また、特別支援学級は、知的障害(知的発達症)のお子さまを適応とする学級と、知的障害(知的発達症)を伴わない神経発達症(ASD/自閉スペクトラム症やADHD/注意欠如多動症)のお子さまを適応とする学級が分かれている地域もあります。学校によって学級の雰囲気やサポートは異なりますので、見学もとても大切ですし、地域のことやお子さまをよく知っている方(通っている医療機関や療育機関のスタッフ、園の先生方)などに相談してみるのもよいでしょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月24日放課後の居場所はどこがいい?Upload By もっつんタクが小学校に入学した頃の私はフルタイムで働いていました。当時はタクに発達障害の特性があるとは思わずに、悩むこともなく地域の学校の通常学級に進学。そして当たり前のように地域の学童に申し込みをして利用を始めました。入学からしばらくすると授業中に教室を脱走してしまったり、お友だちとのトラブルが増えてきて、学校から電話で報告される度にとても悩んだことを覚えています。そしてタクの教室脱走癖は学童でも続いていました。仕事でヘトヘトになって学童に迎えに行くと「今日は〇〇を壊しました」「勉強時間なのに勝手に外で遊んでいました」と耳の痛い報告ばかりで……私はいつも謝罪をしてタクを叱らなくてはいけないストレスを抱えていました。その後、タクは小学校1年生の終わり頃に発達障害と診断されました。学童と改めて面談を行い、通常学級から特別支援学級に転籍したことや多動を抑えるために服薬をしていること、それでも特別扱いはせずにルールを破った際にはしっかりと叱ってほしいという希望を伝えました。当時の学童の先生は発達障害などにとても理解があって快く迎え入れてくださり、2年生からも学童の利用を継続することにしました。お迎えの時間は憂鬱…悩み多かった学童利用期Upload By もっつんタクの放課後の過ごし方に変化があったのは2年生の終わり頃のことで、タクの下に妹が産まれたのがきっかけでした。私は1年間の育休を取得して、タクは学校が終わったらそのまま自宅に帰宅するようになりました。タクとゆっくり過ごせる時間はとても有意義だったと思います、宿題を見たり一緒に工作をしたり……あっという間に1年が過ぎていきました。大きなトラブルが起こってしまったのは、タクが4年生になり久しぶりに学童を再利用し始めてからでした。私は1年ぶりに職場復帰をしましたが、人事異動などもあって毎日精神的にも肉体的にもものすごい疲れを抱えながら過ごしていたのを、タクも敏感に感じ取ってストレスになっていたのかもしれません。毎日服薬してから登校していましたが、下校時間頃になると薬効が薄れてきているのか「タクくんが落ち着きがなくて困ります」と報告を受けるようになりました。その都度厳しく注意はしていましたが、何度言っても同じ過ちを繰り返してしまうのも特性の一つで……タクは学童にとって先生を困らせる問題児になっていきました。そしてある日、学童の先生の一人に「もうタクくんは面倒みられません」と言われてしまい、学童を即日退所することになりました。この問題については後々市役所職員の方や学童責任者から謝罪がありましたが、とても悲しくつらい時期でした。障害児通所受給者証を取得し、放課後等デイサービスの利用手続きを済ませてUpload By もっつん地域の学童を退所してからしばらくは、タクは放課後は近くの義実家で面倒をみてもらうことになりました。しかし、タクは勝手に工具箱を開けて家電を分解してまう、義両親に気づかれないように家を出て近所の友だちの家に手当たり次第押しかけるなど問題行動を起こしてしまいました。私は学童退所問題の際にお世話になった市役所の相談員の方に現状をお話しして、早急に放課後等デイサービスを探し始めました。また、大急ぎで障害児通所受給者証を取得して、指定特定相談事業所へ支援計画の作成をお願いしました。この頃の私は無我夢中で動いていて、初対面の相談員さんや職員さんの前で泣いてしまうことも。普段の生活をするだけでもストレスや疲れが溜まりがちな環境に加え、放課後等デイサービスを利用開始するまでの手続きがとても負担に感じました。必死に動いた末に、4年生の途中からタクは放課後等デイサービスを利用できるようになりました。脱走癖に疲弊!学童に続いて放課後等デイサービスでも!?Upload By もっつん私の住む地域は田舎ということもあり、放課後等デイサービスの数自体がとても少ないようでした。それに加えて私が仕事をしているために学校への送迎有りが希望条件だったので、利用可能な施設の選択肢は1か所しかありませんでした。最初に利用した放課後等デイサービスは、重度の身体障害がある子どもも在籍しておりどちらかというとのんびり静かな教室だったかと思います。やっとのことで放課後デイサービスの利用を開始して、これで私も仕事に集中できるかと思ったのも束の間……タクは放課後等デイサービスの教室も繰り返し脱走してしまいました。周りの静かな子に合わせて、音読鑑賞や塗り絵などのインドアな過ごし方が合っていなかったのだと思います。個室に鍵を閉めて閉じこもって窓から庭へ脱走、そして駐車場に座り込み先生を困らせました。当時のタクは石が大好きで、お気に入りの石を探すことを何時間でもやりたいという衝動が我慢できませんでした。仕事中に「タクくんが出て行っちゃって困ってます、落ち着かないからお迎えお願いします」と電話が頻繁にかかってくるようになりました。当時の私はかなり精神的に参ってしまっていて「学童も放課後等デイサービスも無理なんて……私たちはどうすればいいの?」と泣いてばかりの日々でした。その後タクは、遠いけれど運動療育に力を入れている事業所に出合い、楽しい時間を過ごすことができました。タクと似てるタイプの子と意気投合して遊んだ話を楽しそうに聞かせてくれて安心しました。さまざまな環境で過ごし、いつの間にか大きく成長していたタクUpload By もっつん現在のタクは中学3年生になりました。中学生になってからは部活に真剣に取り組むようになったので、平日は利用せずに夏休みなどの長期休みのみ利用しています。放課後等デイサービスを通してタクと気が合う友だちができたのはとても素晴らしいことで、タク自身もさまざまな特性がある子どもたちと共に成長しました。先日タクのひいおばあちゃんが遊びにきた際には、タクが上手に車椅子を押しながら「デイで友だちを手伝っていたんだよ!」と教えてくれました。いつの間にか広い視野を身につけていて、胸が熱くなりました。特性がある子の子育てはバランスが難しく、親の負担が大きくなってしまうことがあります。放課後等デイサービスは子どもの発達支援の場でもありますが、親のレスパイトの場でもあるように思います。放課後等デイサービスとは相性問題があるので、もし選択肢がある環境ならばいろいろな事業所へ見学に行くことをおすすめします。当時のわが家には最初は選択肢がなかったのですが、ここ数年で放課後デイサービスの数が急激に増加した印象です。放課後等デイサービスをはじめいろいろなサポートを受けながら、長い子育てを少しでも明るい気持ちで過ごして行けたらいいですね。執筆/もっつん(監修:室伏先生より)学童から放課後等デイサービスへ移られた経緯や、放課後等デイサービス利用の手続き、もっつんさんのお気持ちなど共有くださり、ありがとうございます。もっつんさんも書いてくださったように、放課後等デイサービスは、活動内容、雰囲気、条件(送迎の有無など)は施設によって異なり、お子さんによって合う施設を見つけることは簡単なことではないかもしれません。一方で、一つの施設で合わなかったとしても悲観せず、新しい施設にチャレンジしてみてもよいということでもあります。市町村の公的な窓口では、公平性の担保のため、どこかをおすすめしてもらうということが難しいことが多いです。また、お子さんの特性や好きなこと、ニーズ(コミュニケーションスキルを伸ばすような集団での活動、学習のサポート、音楽や運動などを用いた療育的な活動、安心してほっと一息つける場所、etc)などを総合的に判断して決める必要があるので、お子さんのことをよく知っている人でないとアドバイスは難しいかもしれません。お子さんが雰囲気や活動内容を好むかどうかは実際に体験してみないと分からないことも多いので、お仕事や育児が忙しい中大変ですがいくつか見学して、ご本人に合った場所を見つけられると良いですよね。放課後等デイサービスが、ご家族が安心してお子さんを預けられる場所でもあり、またご家族がお子さんとのよりよい関わりについてヒントをもらえる場所にもなるといいなと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月20日進学先アンケート(中学校編)の結果は?発達ナビ利用者から寄せられたコメントも紹介!Upload By ユーザー体験談通常学級を選んだ/選ぶ予定…29%通常学級+通級指導教室を選んだ/選ぶ予定…8%知的障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…15%自閉症・情緒障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…30%特別支援学校を選んだ/選ぶ予定…12%発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートの結果、中学校選びで最も多かったのは「自閉症・情緒障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定」の30%で、次いで「通常学級を選んだ/選ぶ予定」が29%、「知的障害特別支援学級」が15%と続きました。そして、「通常学級+通級指導教室」が8%、「特別支援学校」が12%となっています。将来を見据えて慎重に進学先を選んでいる様子が伺われます。アンケートに寄せられたコメントはこちら。Upload By ユーザー体験談高校進学を考えての選択です。高等支援への進学はないので。進学先の中学校では、高校進学するなら、支援級でも全交流が必要とのことでした。通級も検討しましたが、通級を利用すると、その教科は評定が「1」しかつかないそうで、それなら自力のほうが良いかなと。薬調整でだいぶ落ち着いてきたので。本人もみんなと一緒を希望してるのが、1番です。※地域によって評定の付け方は異なります※高等支援:特別支援学校高等部もしくは高等特別支援学校を指していると思われます長男は3歳児健診より発達障害を疑われており、年少より支援センターに通い、小学校入学時にも学校側と保育園側と面談をし、双方の納得で通常級でスタートしました。小2で発達の診断(ADHDとASD)を受けて、小3より支援級に在籍しましたが、勉強はとにかくできる子であったため、授業中の放置が酷く、勉強をほとんど教えて貰えなかったり、通常級の担任と支援級の担任の交流も薄く、逆にクラスで浮いてしまい、酷い言われようをしました。(中略)そんな中、来年度中学のクラスは、情緒級を選びました。それは、まずは学校へ2人で見学に行った際、先生からは生徒に対してのサポートが厚いことは説明して頂きました。それでも小3みたいになりたくなかったので、かかりつけ医にも相談(かかりつけ医はそういうクラス分けの委員会の委員でもある)したところ、情緒クラスが良いと思うと言って頂いたこと。その代わりにサポート体制についての話し合いを求める事を条件とするなど言って頂きました。(略)長男は、1歳から3歳半ばまで保育園に通い、年少途中から引っ越しに伴い療育園に転園しました。年長になってから単語が少しずつ出てきましたが、コミュニケーションをとるのが難しいのと、こだわりや癇癪のつよさがあることから、小学校の進路は支援学校に決めました。(中略)中学の進路は、このまま支援学校に進む予定です。本人のペースで、できることをゆっくり伸ばしていければよいと考えています。次に、アンケートに寄せられた体験談の中から中学校への進学についてのエピソードについてご紹介します。なのははさんの息子さんは現在14歳。11歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。小学2年生の秋頃から、不登校、登校渋りが始まったそうです。そんな息子さんが進学した中学は「不登校特例校」。進学までの道のり、オープンスクールへの参加、実際に進学してみて感じたメリットデメリットなども振り返ってくだきました。ぜひご覧ください。不登校の始まりと小学校での葛藤現在14歳(中3)の息子がいます。11歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。息子は小学2年生の秋頃から、不登校、登校渋りが始まりました。きっかけはなんだったかを考えるならば教室で吐いてしまったことですが、正確なところは分かりません。その前から、児童館を嫌がったり習い事を辞めたがるなど、兆候はあったと思います。2年生の3学期には完全に学校に通えず、私自身も「学校に行かせなければ」と焦りと不安が募る日々でした。その後、3年生進級時のクラス替えをきっかけに再び登校するようになり、担任の先生にも恵まれ、私も毎日息子に付き添って学校に行きました。この頃、発達検査で発達の凹凸が判明し、5年生でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。そして通級指導教室にも通い始め、4年生の間は毎日通学ができましたが、5年生のコロナ禍による休校明けには再び不登校になってしまいました。この頃から、私たちは小学校卒業後の選択肢を探し始め、不登校特例校の存在を知りました。※編集部注:現在不登校特例校は「学びの多様化学校」となっていますが、このコラムでは当時の名称をそのまま使用しています。参考:学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)(不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校)について|文部科学省中学校への進学を考えるとまず学区内の中学校が浮かびましたが、そこには特別支援学級がありませんでした。そうなると、通常学級に在籍しつつフリースクールに通うか、学区外の中学校の特別支援学級を選ぶかになります。どちらにするべきなのか悩む中、私は不登校特例校の存在を知りました。その不登校特例校は私立でした。学費の不安はありましたが、環境に魅力を感じました。また、登校以外にオンライン授業もあるという柔軟さも、息子に合っていると思いました。息子にこういう学校があるんだけどと話すと「行けと言うなら行ってみるよ」と前向きではないものの反発することもありませんでした。そこで息子と不登校特例校のオープンスクールに参加することにしました。Upload By ユーザー体験談オープンスクールでは堅苦しさのない授業が印象的で、息子も体験授業や体育を楽しむことができました。先生やスタッフの柔らかな雰囲気に、私自身もここはいいかもしれないと感じることができました。Upload By ユーザー体験談そして家族、先生方などと話し合いながら、6年生の3学期、息子自身がこの不登校特例校に行くと決め、進学をすることになりました。テストではなくゲームや鬼ごっこ!不登校特例校のメリットデメリットUpload By ユーザー体験談不登校特例校での生活は、息子にとって大きな転機となりました。一番のメリットは「毎日通わなくてもいい」という点で、親も子もプレッシャーが軽減されました。1クラスの人数が少ないため、大人数が苦手な息子にとって居心地の良い環境だったようです。不登校特例校での授業はとても柔軟でした。例えば、長期休み明けにはテストではなく、ゲームや鬼ごっこなどを選べる活動が用意されていました。授業もSSTが取り入れられ、理解度に合わせたクラス分けもされていました。宿泊学習で遊園地に行ったこともあり、子どもたちの学校に対するイメージが良いものになったのではないかと思います。「毎日学校へ行ける」ことよりも大事なこと一方で、課題もあるように感じました。高い学力を目指す場合、ともかく個人の努力が重要だった点です。高校、大学への進学を考える場合は、学校以外でのフォローが必要だと感じました。Upload By ユーザー体験談中学校入学当初、私は「中学生の間に毎日通えるようになり、普通科高校に進学してほしい」という希望を抱いていました。しかし、息子と向き合ううちに「この子は、カリキュラム通りに、好きな教科と興味のない教科を同じように勉強するのは難しいのではないか」と感じることが多くなりました。ですので、好きなことをたくさん学んだり経験したりできる高校を選んで、楽しみながら得意なことを伸ばしてもらえればと思っています。そして、高校卒業後も、息子自身が自信を持って進んでいけるよう、家族として支えていきたいです。エピソード参考/なのははイラスト/よしだ通常学級、特別支援学級、特別支援学校――発達障害がある子どもたちの中学卒業後……将来への選択を見据えて小学校の就学先とは違い、中学校での在籍クラスはその先の高校や大学、就職にも関わってくる重要な選択となり、慎重に選ぶ保護者の方も多いと思います。入学直後は問題なく過ごしていても、その後トラブルが起き「本当にこの進路先が正しかったのだろうか」と悩みや後悔も尽きないかもしれません。中学校に通うことが難しくなった場合もこの体験談のように不登校特例校やフリースクールなどさまざまな居場所があります。お子さまと向き合い、成長を見守り、サポートを続けていきたいですね。(監修:藤井先生)学びの多様化学校(不登校特例校)は令和6年度は35校の学校が設置されています。まだ不登校の児童数に対して、少ない状況ですが、令和5年度の24校から1年で11校増加しています。不登校の状況になると、生活リズムの乱れ、同年代の仲間との対人関係が希薄になる可能性があります。お子さんが心身共に健康に過ごせるように、お子さんが社会とのつながりを持てる場所がないか、探していく必要があります。学びの多様化学校が近くにない場合には、フリースクールを検討されても良いでしょう。いろいろな困りを感じているお子さんが、それぞれに合った形で社会とつながることができる場所、選択肢が広がることを願っています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月19日株式会社ほんの木(所在地:東京都千代田区、代表取締役:高橋 利直)は、オランダで50年以上の実績がある教育モデル「イエナプラン」についてまとめたフリーペーパー『イエナのWA!』を、2025年4月に創刊します。フリーペーパー・イエナのWA!■創刊の背景<今の日本の学校の課題>今の日本の学校での評価軸は筆記試験の結果によるところが多く、算数や国語などが苦手な子は、たとえ体育や音楽が得意でも「できない子」と評価されることがあります。勉強を苦手と感じてしまった子どもたちは、一人ひとりの理解度や習熟度に合わせることが難しい画一的な一斉授業にますますついていけなくなり、自分に自信を持てなくなってしまっているのが現状です。<イエナプランの特徴>イエナプランは、一人ひとりの子をその子らしく、最大限の可能性を引き出して育てることを目指した教育・子育てのビジョンです。イエナプランでは、子どもたちを異年齢のグループで活動させることで、お互いが異なる存在であることを知り、学び合い、助け合い、共に生きることの大切さを学べるように促します。また、1日の流れを、対話・遊び・仕事(学習)、催しという4つの基本活動を循環させて日課にしています。私たち大人の日常生活においても、人と話をし、仕事に従事し、遊びの時間を持ち、他者と共にお祝いをしたり悲しみを共有したりすることは、欠かせないものだからです。グループ全員でサークルになって毎日少なくとも3回行う対話の時間では、それぞれが意見や思いを言い合い、尊重し合い、共有することで、学校が過ごしやすく安心した場になっていきます。仕事(学習)においては、答えを見つけるのではなく、なぜそうなるのかを問い、それを探求していく過程を重視し、教科書など紙に書かれた概念を用いるだけでなく、可能な限り周りにあるホンモノの事物を学びの対象にすることを大切にしています。<日本でのイエナプランの現状>2019年4月、長野県に廃校を活用して日本初のイエナプランを導入した私立「大日向小学校」が開校しました。2022年4月からは「大日向中学校」、また2022年4月には広島県に公立初の小学校「常石ともに学園」が開校しました。岐阜市や名古屋市、日本各地でもイエナプランのコンセプトを導入している学校が広がりを見せています。■イエナプランのフリーペーパー『イエナのWA!』創刊ここ数年、日本の学校教育にイエナプランを取り入れる学校、あるいは導入を検討している学校が、急速に増えてきました。大分県玖珠町の小学校、高知県高知市の幼稚園、広島県福山市の小学校、長野県佐久穂町の小学校、宮城県仙台市の小学校などは、2024年11月にオランダからイエナプランの専門家を招いて、講演会やワークショップなどを開催しました。このような日本での新しいイエナプランの動きを紹介し、学校同士の横のつながりや、これからのイエナプラン導入の検討材料にして欲しいという思いから、フリーペーパー『イエナのWA!』の創刊に至りました。『イエナのWA!』はイエナプラン教育協会、および全国のイエナプラン関連組織で配布いたします。■イエナプランをもっと知りたい方のためにイエナプランをしっかり学びたい方など、イエナプランへの第一歩を踏み出すのに最適なオンライン講座「基礎編」、実践者のための「応用編」を開催します。講師はオランダ在住の教育・社会事情研究家、リヒテルズ直子さん。長年にわたり日本にイエナプランを伝え続けている方です。受講者は教育現場に立つ教員だけでなく、保育士、教育行政の関係者、また保護者など様々な方が受講しています。<イエナのWA!オンラインページ> ■イエナプランオンライン講座「ガイダンス」のご案内「イエナプランと耳にするけれど、いったいどんな教育なの?」「オンライン講座に興味はあるけれど、どのような内容なの?」などについて、ほんの木と日本イエナプラン教育協会のスタッフがご説明いたします。お気軽にご参加ください。日時 :2025年1月24日(金)20:00-21:002025年3月7日(金)20:00-21:00ガイダンス:参加費無料<詳細はこちらでご覧いただけます> ■フリーペーパー概要名称 : イエナのWA!発行元 : 株式会社ほんの木創刊 : 2025年4月以降、年1回配布予定価格 : 無料ページ数: 4ページ(配布月により変動あり)判型 : A3判配布場所: 日本イエナプラン教育協会、全国のイエナプラン関係団体または、ご希望の方は下記からお申込みください。Email : jena@honnoki.co.jp ■会社概要商号 : 株式会社ほんの木代表者 : 代表取締役 高橋 利直所在地 : 〒101-0047 東京都千代田区内神田1-12-13 第一内神田ビル2階設立 : 1986年6月事業内容: 出版業、教育・メデイア開発業、通信販売業資本金 : 1,000万円URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年12月19日身体能力も高くサッカーの才能もあるのにやる気が見えない息子。そんな息子に夫は毎日イライラ。息子も試合当日の朝練で上手くいかないと夫に当たり、空気が悪いまま試合に行くという......。試合に勝ってもひどい言葉を浴びせるし、言うのを辞めてほしいと伝えれば「もう知らない」と見捨てる発言。最近ではサッカー辞めさせようとしてる。どうしたらいいの?というご相談。スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとに、お母さんにアドバイスを送ります。(構成・文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<最後の試合も上手な下級生優先でわが子ひとりだけほぼ出場なし。これまでしてきたチームへの手伝いは間違っていたのか問題サッカー少年少女の考える力やチャレンジ精神を育てる方法をLINEで配信中>><サッカーママからのご相談>こんにちは。やる気の無い息子(11歳・小5)と温度差のある父(夫)について相談させてください。息子は年長からサッカーを始めております。本人がしたいと言った訳ではなく、引っ越しした事もあり、まずは友だち作りの為にはじめました。1年生になる頃には夫との自主練で泣いたりする様になり、お互いイライラしながらの自主練になっていました。息子は正直、身体能力も高く才能はあると思います。なのに、イマイチやる気が見られないんですよね。そんな姿に夫はイライラする毎日......。試合の朝など、自主練をしても出来ないとイライラしだし、夫に当たる事が毎回。それに対して夫もイライラして帰宅し、空気が悪い中、試合に行くと言う日々です。夫のほうも、試合に勝っても「弱い相手に勝って喜んで何が嬉しいんだ」「こんなやる気ないなら今すぐ辞めてほしい」「ダメ人間」など、聞いていて私でも嫌になる言葉を浴びせます。「そんな事言われたらそりゃ、やる気出ないでしょ」と私が言っても、そうだなと思う事も無く「じゃあもう知らない」と見捨てる様な発言。最近はもう、年内の公式戦を最後に休会か辞めると夫が決めています。私もどうして良いかわかりません。サッカーを続けてくれたらと思う気持ちもありますが、そんな事(夫からのひどい言葉)を何年も言われ続けたら何もかもできない人間になるのではと心配です。夫や息子が前向きになれる様にするにはどうすれば良いのでしょうか。サッカーを通じた子育て、ではなく家族間の問題を相談するような形ですみませんが、何か助言をいただけると幸いです。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。わずか6歳か7歳の小学校1年生に自主練を(恐らく)やらせて泣かせる。「今すぐ(サッカーを)やめろ」「ダメ人間」などと言ってしまう。そのうえ、年内の公式戦を最後に休会、もしくはサッカーをやめさせることを夫が決めていると書かれています。このような子どもの人権を無視した拒絶的な態度や暴言は、子どもに心理的外傷を与えます。エスカレートすれば子どもへの心理的虐待になります。私は息子さんがかわいそうでなりません。■あなたのとらえ方がズレている「将来」じゃなく「今」のつらさに目を向けてそれなのに、お母さんはとらえ方がかなりズレているように私には見えます。例えば「そんな事(夫からのひどい言葉)を何年も言われ続けたら何もかもできない人間になるのではと心配です」と、今現在の彼のつらい気持ちよりも、何もできない人間になったらどうしようと将来を案じています。さらには「夫や息子が前向きになれる様にするにはどうすれば良いのでしょうか」と私に質問しておられます。大人の夫と、わずか11歳の息子を同等に置いてはいけません。夫は前向きになる前に、猛省しなくてはなりません。お母さんには失礼な言い方ですが、あまりに能天気すぎるのではないでしょうか。■わが子が期待通りでないと、自分の子に嫌悪感を抱く父親がいるまず、一般論を言います。父親が心理的虐待をしてしまうケースは、少年サッカーでは少なくありません。期待が大きければ大きいほど、目の前のわが子の姿が自分の期待通りでなければ、父親はわが子に対し強い「嫌悪感」を抱く傾向があります。嫌悪は憎悪に姿を変え、心理的虐待に及ぶまで時間はかかりません。そうなったとき、子どもを救うのが母親の役割です。■息子の味方であってほしい母親のあなたも「やる気のない息子」を悪いと結論付けている次にこの相談について。父親から虐待まがいの扱いを受けている息子さんが唯一の味方であってほしいはずのお母さんは、彼の気持ちに寄り添っているように見えません。なぜそうなるのか。それは、お母さんもお父さん同様に「やる気のない息子」を嫌悪しているからです。相談文の冒頭に「やる気の無い息子と温度差のある父」と表現されています。他にも「イマイチやる気が見られないんですよね」と書かれています。お母さんはお父さんの態度は良くないと断じつつ、こころのどこかで「でも、やる気のない息子も悪いんだよね」と結論づけていませんか?■息子さんのやる気を奪っているのは両親ともになのでは?やる気がなくて何が悪いのよ?と私は思います。私なんてしょっちゅう仕事にやる気をなくします。しかも息子さんはまだ11歳の子どもです。もっと言えば、そもそも息子さんの意欲を奪っているのはご両親ではありませんか?私は親向けのセミナーも行っていますが、保護者から「やる気スイッチはいつ押せばいいか」と相談されるたびに、「そんなものはありませんよ」と言って、脳科学のエビデンス伝えています。拙書『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』を執筆する際、諏訪東京理科大学共通教育センター教授で脳科学者である篠原菊紀先生に取材しました。それまでも何度もお話を聞いてきた、教育をベースに脳科学を研究されてきた方です。先生によると、ある行動をとろうとするときに、その行動の先に快感(良い気分)が予測されることを「やる気」というそうです。この行動と快感を結びつける働きをするのが、左右の大脳半球の下側にある「線条体」という神経核になります。スポーツであれば、こうやって練習したら上手くなるに違いないと思うと意欲的になれますね。■暴言や過度な指示命令は「恐怖学習」抑圧するほど子どものやる気は出ないところがこの線条体は、誰かに否定されたり、怒られると動きが鈍くなります。つまり、大人が暴言や過度な指示命令で抑圧すればするほど、子どものやる気は出ません。脳が意欲的にならないからです。それなのに、大人たちは発奮させようと「渇を入れる」などとガツンと怒ったりします。この方法は「一発学習」別名「恐怖学習」とも言われ、子どもの記憶に強く残るため、一時的にパフォーマンスが上がります。つまり、即効性が高いのです。よって、学校現場やスポーツ指導、それこそ子育ての場面でも、手っ取り早い一発学習が長く採用されてきました。ところが、恐怖学習が繰り返されると、子どもはそれがトラウマになりバーンアウトしやすいという副作用が生じます。怒鳴られたり、たたかれるような強い刺激を受けてしまうと、それなしでは物事に取り組めなくなります。小学1年生から自主練で泣かされて、こんな心理的虐待まがいの扱いをされれば、意欲を失います。ミスしたらお父さんに怒られる。試合に勝っても「弱い相手に勝って何が嬉しいんだ」と叱られる。何も認められず、励まされもしない。線条体は鈍いままです。■希望を感じる二つのこと1つ目は「親に抗う力が残っている」こと、もう1つは......(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)それでも、二つほど希望を感じます。息子さん、試合の朝に自主練をして、何かが出来ないとイライラしてお父さんに当たったのですね。親に抗う力が残っているのが救いです。そして、もうひとつの救いは、お母さんが私に相談してくださったことです。「最近はもう、年内の公式戦を最後に休会か辞めると夫が決めています。私もどうして良いかわかりません」と書かれているところをみると、お母さんは夫であるお父さんにある意味支配されていないでしょうか?夫婦は対等でしょうか?家庭内のすべてのことはお父さんが決めてしまうことになっていませんか?パワハラ夫のことで私に相談してくる女性たちの多くが、夫と渡り合う言葉を持ちません。彼女たちは「言い負かされて何も言えない」と頭を垂れます。そこで、私は「説明なんてしなくていいんだよ」と言います。どちらが正義か。論点はそれだけでもいいと思います。お母さんも夫に対し長々と説明する必要はありません。「この子には人権がある。自分で決めなさい。自分の好きなことをしなさい」と息子さんに言ってあげましょう。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年12月18日すでに診断やほかの検査を受けている場合、検査をする意味はあるの?公認心理師の井上雅彦です。LITALICO発達特性検査では、検査結果テキストの監修を担当しています。また、臨床の現場では発達検査などを実施する立場でもあります。LITALICO発達特性検査を受検されるかどうか、迷っている保護者の方の中には、すでにお子さまが医療機関や相談機関とつながっていて、これまでに診断を受けている場合や、発達検査や知能検査など、なんらかの検査を受けたことがある方もいらっしゃると思います。私はそのような場合も、LITALICO発達特性検査の受検は意味があると考えています。診断や、ほかの心理検査とは別のものとして、検査結果で得られるものが異なり、そして、医療機関や相談機関と連携し、併せて活用していただくことで、より意味が増してくるツールがLITALICO発達特性検査だからです。今回はそのことをテーマにお話しします。診断を受けている場合のLITALICO発達特性検査LITALICO発達特性検査は診断の有無にかかわらず、お子さまがサポートを受けやすくすることを目的としています。その前提のうえではありますが、すでに医療機関とつながっている場合には、LITALICO発達特性検査を併せて使っていただくことで、より具体的な支援に役に立つと思っています。一般的に医療機関での診察時間というのは、限られた短い時間であることが多いです。そうすると、その時間内に日々の具体的な困りに対する対応方法を一つひとつ医師と相談して解決法を探っていくというのは難しいかもしれません。また、医療の観点からのアドバイスを得たい場合もあると思いますので、ある程度相談したいことや、保護者の方が課題だと思っていることを整理しておくというのが、とても役に立つと思うのです。そのような場合に、あらかじめ整理したり、お子さまに合いそうなサポートの方法を試してみたりしておくツールとしてLITALICO発達特性検査を使うといいと思います。また、診断や特性自体は変わらなくても、お子さまの環境や年齢などによるライフステージの変化によって困りごとや特性の現れ方は変化することもあります。そのような場合に、この検査はお子さまの具体的な状態を把握するためにも大きな意味があると思います。ほかの検査を受けている場合のLITALICO発達特性検査検査と言っても、WISCや田中ビネーなどの知能検査や、Vineland(ヴァインランド)などの適応能力を調べるための検査、本人の不安やうつ傾向を調べる検査など、種類はたくさんあり、目的もそれぞれ異なっています。これらの検査はそれぞれ測定したいものがあって、それを数値で表すものです。例えば、知能検査では、認知機能の偏りについて測定し、IQ(知能指数)という数値で表します。この数値は、全体と比較してどの水準にあるかを示すことで公的な支援に繋げやすくするという役割があります。また認知機能の中でもどの領域に凸凹があるかというのを数値にすることで本人の困難さをより具体的に示すことを目的としています。検査結果として数値やグラフで示される検査が多く、保護者の方がもらえる検査結果レポートも、検査を実施する機関によって異なりますが、簡易なものが多いです。検査を実施した心理士などによるアドバイスが示される場合もあると思います。しかし、文量的にレポートだけで保護者の方がさまざまな場面で生じている困難の背景を理解し、日々のお子さまへの具体的な対応に役立てるということは難しいかもしれないですね。一方、LITALICO発達特性検査は、オンラインで保護者の方が受検して、日々のサポートに活かすことを目的にした検査です。その点で、レポートはお子さまへの特性理解を踏まえた対応をすることを目的とした作りになっていて、検査で分かったお子さまの特性に合うようなサポート方法のヒントが提示されます。また、検査で分かる領域も、まずはお子さまの特性や苦手を広く測れるように、7つの大分類、18の小分類を扱っています。生活と関連が深い睡眠の課題や、発達に特性のあるお子さまに現れることが多い行動や情緒の課題なども検査項目に含まれています。LITALICO発達特性検査はこうした広い領域を広くカバーするものであり、そのお子さまの特性や苦手なことの背景要因から具体的な対処法まで保護者の方にとって理解しやすい内容で説明されています。このことでお子さまの全体的な発達特性と一緒に対処法を理解することができます。ほかの検査と併用する場合、例えば、それぞれの検査結果をみて、「ああ、この検査の数値で表れている部分は、こういう背景要因があったからなんだ。ではサポートの方法を変えてみよう」などと理解を深めるきっかけにしていただきやすいと思います。また「以前受けた検査では苦手だった部分が、サポートの方法でカバーできている」という点も見つかるかもしれません。Upload By LITALICO発達特性検査 編集部医療機関や相談機関の指示を仰がずに受検しても大丈夫?LITALICO発達特性検査は、検査という名前ではありますが、保護者の方がお子さまの困りごとや支援方法を把握するためのツールです。したがって、ほかの検査を受けている場合やかかっている医療機関がある場合にも、気軽に受検していただいて問題はないと考えています。もちろん気になる場合は、受検前に相談していただいてもいいと思います。中には、「すでに受けている診断や検査と矛盾する結果が出たらどうしよう」と悩まれる方がいるかもしれません。LITALICO発達特性検査は保護者の方の主観で回答する検査ですので、ほかの検査や医師の見立てとは異なる可能性もあると思います。もし、これまでの結果や見立てと違うという場合には、その点が医療機関や相談機関で相談されるいい視点になると思います。例えば、それぞれが課題に感じている点、それほど課題ではないと思っている点が違う場合は、詳しく相談したりすり合わせていくとスムーズです。課題の出る状況や場面が限定的な場合は、それを見つけること自体が環境調整のヒントになることもあります。検査結果は情報の一つとして捉えていただき、決めつけずにフラットな見方をしていただくと、前向きな話し合いやアセスメントがしやすくなります。また、そうした相談の際には、保護者の方が事前に相談の優先順位と要点を整理しておくと、短い相談の時間を有効に使えると思います。お子さまの困りごとは環境や状況、お子さま自身の発達やスキル獲得などによっても変化するので、お子さまの特性や困りごとをどのように把握してどのようにサポートしていくかという視点で、協力体制をつくれるといいですよね。受診・受検から時間がたった場合の「点検」にもUpload By LITALICO発達特性検査 編集部診断のある方でも、服薬治療がない場合には、頻繁な通院をしないというケースもありますし、頻繁に検査をしたり、診断を受け直すという方はそれほど多くないと思います。心理検査も、現状では費用やリソースの観点から、なかなか頻繁には受けられないかもしれません。そうなると、例えば、5歳児健診の時に診断や心理検査を受けて、それからしばらく間が空いているという場合もあると思います。また、発語の課題があって未就学の一時期に専門機関と繋がっていたけれども、その後言葉が出るようになったなどで、一度支援から離れているという方もいるかもしれません。特性のあるお子さまにとって、成長に伴って環境や状況が変わることで新たな課題や困りごとが現れるということは、珍しいことではないのです。例えば、限局性学習症に含まれる学習面での苦手は、その現れ方が一人ひとり違うので、例えば算数の筆算だけが苦手だとか、その学習をする年齢になってはじめて現れる困りごともあります。また、成長に応じて求められる態度やスキルが変化してくることもあるかもしれません。小学校までは許容されていた行動が、中学や高校では認められないという場合もあるかもしれません。人間関係やコミュニケーションや学習など、年齢によって複雑になっていき、そこで課題が出てくるというケースは多いと考えられます。そうすると、特性は変わらないのだけれども、困りごとが変わってきた、対応方法も変えた方がよさそう、という場面は結構あると思うのです。そのような時に、ぜひLITALICO発達特性検査を受検していただいて、変化がないかをみたり、対応方法を変えるきっかけにしていただくといいのではないかと思います。受検してみて、以前受けた診断や心理検査の結果と違うなと感じたり、家庭では対応が難しいと感じたら、その点を相談するために、ぜひ医療機関や相談機関と連携してみてください。医療・専門機関との間を繋ぐ共有ツールとしてすでに診断を受けられている場合、医療機関や専門機関で相談する機会もあるでしょうし、保護者の方もご自身でいろいろと知識を得て、日々のお子さまへのサポートを工夫されていると思います。検査結果のレポートを見て、「私のやり方で合っていた」「私の見立てと同じ」と感じる方もいるでしょう。そういった場合、自信を持って支援を進めていただく根拠になるかもしれないですね。また、背景要因としてまとめられているテキストを使ってよりお子さまの理解を深めたり、今まで試していない方法を見つけて、ヒントにしていただくのもいいと思います。もう一つ、LITALICO特性検査は保護者の方が感じていることの言語化ツールでもあります。ぜひ、医療機関や専門機関、あるいは園・学校・支援者・家族など、周りの方にも、課題に感じていることやお子さまの特性、その背景要因を周りの方と共有するためにも使っていただけることを願っています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年12月18日ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)のある高校3年生の息子の小学校時代現在高校3年生の息子は、6歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の診断を受けています。息子は、小学校入学時から自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍し、学年や科目によって通常学級にも通うスタイルで、学校生活を送っています。通った地域の小学校は、通級指導教室の受け入れを行うなど支援が手厚い学校でした。この環境があったからこそ、息子は自分のペースで学び、成長することができたと思っています。小学校4年生の時に引越ししましたが、転校はせずにそのまま学区外通学を選択しました。私は毎日車で送迎、大変でしたが、「ここに通わせて良かった」と思えるほど学校の支援体制や先生方の理解が深かったのです。そして小学校6年生になり、中学への進路を考える時期になりました。私の住んでいる地域では小・中連携の取り組みが積極的に行われていたため、中学進学を見据えた事前見学や面談が多く、学校側からのフォローが非常に手厚かったです。こちらでは、中学校進学への準備や学校生活など、わが家の体験をお話したいと思います。苦手な板書や書き取りはほぼ免除、デジタル教材の活用。「困ったらすぐ相談しましょう」といってくれた中学校中学進学を控え、地域の中学校で行われた事前の見学や面談では、校長先生自らが対応してくださいました。これを聞けて助かったと感じたのは、授業や部活動、試験に関する具体的な話でした。例えば、教科ごとに先生が変わること、定期試験があること、体育などで着替えがあった場合の男女の分け方など、細かな点もすべて丁寧に説明していただき、息子も私たち家族も安心して新しい環境に入ることができたと思います。また息子は療育手帳が取得できなかったため、将来は高等特別支援学校に進むことが難しく、高校では一般入試を受ける必要がありました。そこに向けた相談もできたのは大きかったです。校長先生から「やってみて、もし困ったらすぐ相談してください。息子さんの過ごしやすいように変えていきましょう」と言っていただけたため、入学後も相談しやすい環境を作ってくださったと思っています。Upload By ユーザー体験談中学校生活では連絡帳を活用し、授業の受け方や席の配置、クラスの中でのトラブル対策など、状況に応じて調整が行われました。学習面でもIT化が進んでおり、苦手な板書や書き取りはほぼ免除され、デジタル教材を活用したことで理解度は高まったと思います。Upload By ユーザー体験談ただし、試験中、集中力が持続しないという面は解決できず、成績には課題が残りましたが、担任の先生が席の向きやタイマーの位置など工夫を凝らしてくださり、助けられました。また、勉強に自信がついてきた息子は数学検定に挑戦、無事合格をもらい喜んでいる姿を見て、私も嬉しかったです。このように順調だった中学校生活ですが、一つ大変だったなと思うことは電車通学のことでした。中学校で電車通学を開始。トラブルと自信の芽生え中学進学に伴い、息子は電車通学を始めました。事前に駅でのリハーサルを何度も行い、駅員さんに挨拶をして困ったときの対処をお願いするなど、私も念入りに準備を重ねました。Upload By ユーザー体験談電車通学は、単に学校への移動手段にとどまらず、息子にとって大きな成長の機会となりました。乗り遅れや忘れ物などのトラブルが起こった時、パニックにならず駅員さんに聞くなどして冷静に対処することができるようになり、息子は少しずつ自信をつけることができました。また、電車という他人と同じ空間を共有する場に一人でいるという経験を積むことで、少しずつ「他人を意識する」という感覚が育まれたようです。この変化は、家庭ではなかなか得られないものでした。Upload By ユーザー体験談やはり親としては一人で電車移動する子どものことは心配でしたが、チャレンジしてよかったと思っています。高校生活の終わりも間近。「自立」に向けた1歩を前にして現在、息子は定時制高校の3年生です。精神障害者保健福祉手帳を取得したので、卒業後は就労移行支援を経て社会に出ていく準備を進める予定です。生活面ではグループホームの利用を考えていて、少しずつ自立に向けたステップを踏み始めています。息子がここまで成長できたのは、周囲の支援のおかげだと思っています。感謝しかありません。小さい頃から比べるとできることも増え、大きく成長した息子ですが、それでも息子が周囲の人に興味を持ち始めたのはつい最近のことです。これからの課題は多いと思いますが、本人のペースで少しずつ「自立」に向けた歩みを進めていければと思います。イラスト/ネコ山エピソード参考/まつ(監修:鈴木先生より)小学校でも中学校でも社会性を身につけることは大事であり、誰に相談したらいいかが決まっていれば安心です。最近は小中連携した一貫校スタイルが公立でも見受けられるようになってきました。小学校での問題点などがそのまま同じ中学校へ引き継がれるため環境の変化に弱いASDの患者さんにはいいことなのです。また、6歳からADHDの治療はできるので、集中できないこと、忘れ物があること、時間処理の問題などは投薬である程度コントロールが可能です。ただ、高校生になると小児科では診てくれなくなり、精神科でもADHD治療のできるクリニックは限られてしまいます。今後は高校卒業後の就労支援がどの程度できるかで将来像が変わってきます。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年12月15日小学校への就学先どこにした?皆さんのアンケート結果と、寄せられたコメントは?発達ナビでは、2024年10月、会員の皆さまに、発達が気になるお子さんの就学先についてアンケートを行いました。Upload By ユーザー体験談通常学級を選んだ/選ぶ予定…27%通常学級+通級指導教室を選んだ/選ぶ予定…18%知的障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…20%自閉症・情緒特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…25%特別支援学校を選んだ/選ぶ予定…10%小学校での進路について、最も多かったのは「通常学級を選んだ/選ぶ予定」の27%で、次いで「自閉症・情緒特別支援学級」が25%、「知的障害特別支援学級」が20%と続きました。そして、「通常学級+通級指導教室」が18%、「特別支援学校」が10%となっています。皆さんわが子にはどこがあっているか、悩まれて慎重に選んでいる様子が伺われます。アンケートに寄せられたコメントはこちら。Upload By ユーザー体験談進学する小学校には情緒学級はなかったし、就学時検診でも特に何も言われなかった(こども園には発達障害は伝えていました)ので、とりあえず通常学級を選びましたが、1学期後半から問題行動が増えてきて息子も私も大変な思いをしました。2年生に進学し、情緒学級の新設を学校にお願いし、3年生から情緒学級に在籍することになりました。もっと積極的に小学校に発達障害の事を伝えておけばよかったと思いました。言葉の発達が遅いことは保育園でも言われていたのですが「みんなこんなものかな」と特に相談に行くこともなく通常学級へ入学しました。結果、文字が読めず、発言もできずクラスメイトに悪意なくバカにされ自己肯定感がどんどん下がり毎日学校を嫌がり泣いて過ごしていました。知的判定を重視し、支援学校で障害者として生きるための術(自立)を身につけるか。現在の姿を重視し、集団生活の中で社会性を伸ばすか。ギリギリまで悩みに悩み「今、子どもが必要としていること」を重視し、支援学級に行かせることを決めました。現在小学二年生。入学直後からすぐに学校生活に順応し、さまざまな刺激や困難に揉まれながらも大好きな先生や友だちと充実した毎日を送っています。皆さん「ああすればよかった」「いい選択ができた」などさまざまです。その他の回答についてはこちらからご覧いただけます。【小学校への就学先アンケート】通常学級、特別支援学級、特別支援学校どこにした?希望は通った?みなさんの経験を教えてください!次に、アンケートに寄せられた体験談の中から、小学校入学や中学校進学についてのエピソードについてご紹介します。小学校では知的障害特別支援学級を、中学校では「学区の知的障害特別支援学級」「国立大学附属の特別支援学校」「国立大学附属小中学校の知的障害特別支援学級」で迷われたというあきっちさん。どのようにして決めたのか、また進学後のご様子についても教えていただきました。ぜひご覧ください。【読者体験談】年長でほぼ月1ペースで小学校を見学、特別支援学級に決めたわが家わが家の息子は現在小学校6年生。3歳児健診での指摘をきっかけに療育へ通いだし、6歳の時に軽度知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。学区の小学校は幸いにも特別支援に力を入れていて、年長の時はほぼ月1ペースで小学校の行事に参加、小学生になった息子が安心して楽しんで過ごせる場所はどこか模索し続けました。通常学級、特別支援学級(この小学校にあるのは知的障害特別支援学級のみでした)ともに見学しましたが、息子がよりリラックスして楽しんでいられた特別支援学級を選びました。楽しい6年間、保護者参加型の授業、交流級、息子の成長、そして少しの後悔特別支援学級での6年間、息子は行き渋るどころか、毎日学校に行くのを楽しみにしています。特別支援教育に理解が深いこともあり、通常学級の児童たちにも特別支援学級のことを知る機会を持たせてくださるので、みんなに受け入れられて楽しく過ごせているようです。感謝の気持ちでいっぱいです。特別支援学級の授業参観には保護者参加型の授業が多くあるのですが、そこでみんなでポテトサラダを作りました。息子は調理の過程を楽しんで、できあがったサラダを食べて嬉しそうな笑顔。また外国語の授業では、タブレットを使用して外国語のポスター作りにも取り組んでいました。息子はエコラリアが英語というくらい英語が大好きなので、とても楽しかったそうです。交流級では理科と体育がメインで、家庭科の調理実習なども一緒に行っています。理科の実験は大好きなようで、積極的に取り組んでいるようです。6年生になってから、「『みんなと一緒に頑張る』という意識が強く感じられるようになってきた」と特別支援学級の担任の先生から教えてもらいました。Upload By ユーザー体験談担任の先生方も温かく支えてくださいました。3年生から4年生の間は少し控えめ先生が担任でしたが、息子はこの先生をとても慕い、離任式では先生にハグして別れを惜しんでいました。5年生以降は最初から一緒だった担任の先生が再び担任となり、息子との絆をさらに深めているように思います。一つ後悔があるとすれば、交流級での英語の授業のことです。4年生に進級する際、交流級で英語受けられないかと先生と相談したのですが、コミュニケーション力が問われるので、そこでつまずいて大好きな英語に苦手意識を持ってしまうともったいない……と言われ、それももっともだなと思ったのです。ただ先日、学校で保護者向けの英語の授業の体験会のようなものがあり参加したのですが、これならもしかしたらついていけてたかも……と思いました。あの時見学していればよかったと少しですが後悔しています。そしてあっという間に6年生になり、中学への進路を考える時期になりました。先生と相談し、見学に行ったのはこちらの3校です。・学区の知的障害特別支援学級・国立大学附属の特別支援学校・国立大学附属小中学校の知的障害特別支援学級それぞれの感想を紹介します。Upload By ユーザー体験談学区の知的障害特別支援学級への見学は、私だけで行きました(息子は小学校中学校合同行事として、特別支援学級の交流会や学校見学があります)。そちらは今の小学校と同じく複数担任制、習熟度に合わせて2グループに分けて、各々の先生が授業をされていました。保育園からのお友だちや元クラスメートもいていろんな面で安心できるなと思いました。なにより家からも徒歩数分で通いやすい立地であるのも魅力的でした。国立大学附属の特別支援学校は、自然豊かで設備なども充実しており、息子も少し興味をもったようでした。ただ、やはり授業は実技が多く、国語や数学といった授業が少ないのと、受けるなら第一志望にすることが条件だったので、勉強が好きな息子には少し物足りないかもというのと、単純に発達検査や知能検査の結果の数値的にはじかれるかもしれないなと思いました。国立大学附属の小中学校知的障害特別支援学級は、1クラス6人と決まっており、個人タブレットも駆使して授業を行っていました。その時の授業は国語でローマ字の読み方でしたが、息子はパソコンでローマ字入力をスムーズに行える程度には理解しているため授業内容が息子には物足りないかな……と思いました。またガイダンスで「進学先は附属もしくは県内の特別支援学校高等部です。全日制や定時制などに進学するための(いわゆる受験を目的とした)カリキュラムではないので、そちら方面への進学を考えておられるようならば、当校の受験は考えていただいたほうがいいです」というお話があったので、息子には合わないかな……と思いました。わが家が選んだ進路と決め手わが家が選んだのは、学区の中学校の知的障害特別支援学級でした。決め手は主に以下の4つでした。1、小学校の環境と大きく変わらない雰囲気での授業だったこと2、私の友人のお子さんが通常学級にいること3、家から近いこと4、知的障害特別支援学級の担任の先生とお話させていただい時、交流授業や内申点のことも逐一相談に乗りますと言っていただけたこと息子も納得の選択で、もうすぐ卒業することへのさみしさを感じながらも、進学を楽しみにしているようです。Upload By ユーザー体験談昔はランドセルに背負われてるんじゃないかと思うほど小さかったのに、今となっては母親の私の身長に追いつくほど成長した息子。これからの中学校生活がどういうものになるのかまだ想像もつきませんが、人見知りも場所見知りもあまりない子なので、きっと何とかなるのだろうとわりと楽観的な気持ちでいます。また少し、親の手から離れていくのかな、と少し寂しい気もしなくもないですが、ここまで息子なりに頼もしく成長しているので喜ばしいことですね。いろいろつまずくことも出てくるかと思いますが、母子二人三脚で乗り越えていきたいと思います。Upload By ユーザー体験談エピソード提供/あきっち通常学級、特別支援学級、特別支援学校――小学校への就学先を決断すること就学先を選ぶことは、家族にとって大きな決断です。選択肢が複数ある中、どの道が子どもにとって最善かを悩むのは当然のこと。「特別支援学級を選んでよかった」と安心する方もいれば、選択後も「これで本当に正しかったのか」と考え続けることもあるでしょう。ですが、たとえ選択に迷いや後悔が残ったとしても、その時「最善だ」と思う道をその都度選び直すこともできます。進学後も、学校と連携をとりながら子どもの成長を見守る日々が続きます。これからもその時その時のお子さまに向き合いながら、成長をサポートしていきたいですね。(監修:新美先生より)小学校就学時から、6年間特別支援学級での日々、さらに中学校進学への準備と選択について、たくさんのエピソードを聞かせていただきありがとうございます。小学校進学時も、中学進学時も、選択肢になりうる場に、できるだけ見学や体験をしたうえで、しっくり合いそうな場所を見つけるのがいいですよね。息子さんは、年長で月1回ペースで小学校の見学に行ったのはすごいですね。これだけ見学を重ねると、場にも慣れて入学時もスムーズにいきそうです。これだけの回数見学に行けるというのはめったにないことかもしれませんが、ぜひ読者の方々も参考にしていただけたらと思います。小学校は充実して過ごすことができて、さらに中学校進学の進路選択ですね。中学の進学は、卒業後の進路もある程度見据えて検討する必要があります。とは言え、3年間の日々の充実の先に本人に適した進路が見えてくるので、卒業後の進学先を決めてしまって中学の生活の場を選ぶのは本末転倒になることには注意が必要です。息子さんの場合は、いくつかの選択肢から、小学校での生活をふまえてご本人が充実して過ごせそうなところを選べたようですね。ご本人が納得して進学できたことがなによりですね。たくさんの選択肢から吟味される過程が、皆さんの参考になったと思います。ありがとうございました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年12月13日日本ノート株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:角坂 靖夫)は、学びを支える製品づくりを目指す、学習帳・ノートをはじめとする紙製品・文具製品メーカーです。この度、世界中で愛され続ける新聞コミック“PEANUTS”より、スヌーピーのデザインで学習のやる気と楽しさをサポートする特殊罫パックノートを2024年12月下旬に発売いたします。メイン画像スヌーピー特殊罫パックノートは表紙デザインのかわいさはもちろん、学習帳メーカーのノウハウを詰め込み、ノートを使うことで学習のやる気と楽しさを引き出すノートです。児童が学校でも家庭学習でもよく使用する5mm方眼罫ノートと自主学習ノートを、科目や用途ごとに使い分けしやすいよう、複数冊パックにしました。<希望小売価格>5mm方眼罫ノート 4冊束 :税込価格 880円(本体価格 800円)自主学習ノート 5mm方眼罫 3冊束:税込価格 660円(本体価格 600円)■スヌーピーデザインのノートで楽しく学習スヌーピーや仲間たちが勉強をしたり、ひとやすみしたりする様子をイメージしたイラストを表紙に採用しました。裏表紙にもかわいいイラスト入りです。スヌーピーデザインのノートで楽しく学習■使い分けに便利な複数冊パック5mm方眼罫ノート 4冊束小学校での採用率が高い5mm方眼罫ノート。科目や用途を自由に設定できる科目フリータイプです。シール状の商品ラベルには科目シールが付いています。色違いで使い分けできるよう、4色をパックにしました。5mm方眼罫ノート 4冊束自主学習ノート 5mm方眼罫 3冊束宿題や課題になることが多い自主学習…たくさん使用するノートだから、2冊目以降も同じフォーマットで使いやすく。児童が使いやすい5mm方眼罫の設計で3冊パックにしました。すべてのページに学習に効果的な「めあて」「ふりかえり」欄入り。自主学習ノート 5mm方眼罫 3冊束■ふり返りに便利な理解度スケール本文には、復習・ふり返りの習慣化をサポートする「理解度スケール」を表示しています。表情の違いで理解の度合いを表し、親しみやすく分かりやすいデザインにしました。書いたノートをそのままにせず、書き終わった時にふり返る、時間をあけて復習する習慣を小学生から身に着けられるようにと、学習帳メーカーからの新しい提案です。ふり返りに便利な理解度スケールノートを書き終えたら、理解度を五段階で自己評価。色を塗ったり印で記録します。評価の基準が分かりやすい表情のデザイン。難しかった点や苦手だと感じたところが数値で分かるので、復習の習慣化につながります。5mm方眼罫ノート 4冊束ブランド名 :APICA製品名 :スヌーピー特殊罫パックノート 5mm方眼罫 4冊束サイズ :本文サイズ セミB5サイズ:W179×H252mmパックサイズ W179×H252×D13mm罫内容 :5mm方眼罫 10mm実線入(15×22マス)枚数 :26枚製本 :糸綴じ希望小売価格:税込価格 880円(本体価格 800円)発売日 :2024年12月下旬自主学習ノート 5mm方眼罫 3冊束ブランド名 :APICA製品名 :スヌーピー特殊罫パックノート 自主学習 5mm方眼罫 3冊束サイズ :本文サイズ セミB5サイズ:W179×H252mmパックサイズ W179×H252×D10mm罫内容 :5mm方眼罫 10mm実線入(15×21マス)枚数 :26枚製本 :糸綴じ希望小売価格:税込価格 660円(本体価格 600円)発売日 :2024年12月下旬※店舗によって発売日が異なる場合がございます。※本プレスリリース記載の情報は発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。◆日本ノート 公式Instagram日本ノート【公式】@nippon_notebook_mj 日本ノート公式Instagram■会社概要日本ノート株式会社(ニッポンノート)代表者 :代表取締役社長 角坂 靖夫(かくさか やすお)本社所在地:〒135-0041 東京都江東区冬木11-17 イシマビル14階事業内容 :学用・日用・ビジネス用紙製品・文具の製造・販売印刷物・出版物・紙製品等の海外生産・輸入販売About PeanutsThe characters of Peanuts and related intellectual property are owned by Peanuts Worldwide, which is 41% owned by WildBrain Ltd., 39% owned by Sony Music Entertainment (Japan) Inc., and 20% owned by the family of Charles M. Schulz, who first introduced the world to Peanuts in 1950, when the comic strip debuted in seven newspapers. Since then, Charlie Brown, Snoopy and the rest of the Peanuts gang have made an indelible mark on popular culture. In addition to enjoying beloved Peanuts shows and specials on Apple TV+, fans of all ages celebrate the Peanuts brand worldwide through thousands of consumer products, as well as amusement park attractions, cultural events, social media, and comic strips available in all formats, from traditional to digital. In 2018, Peanuts partnered with NASA on a multi-year Space Act Agreement designed to inspire a passion for space exploration and STEM among the next generation of students.【「ピーナッツ」とは】「ピーナッツ」のキャラクターおよび関連する知的財産権は、Peanuts Worldwideが所有し、WildBrainが41%、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントが39%、チャールズ M.シュルツ氏のファミリーが20%を保有しています。チャールズ M.シュルツ氏が初めて「ピーナッツ」の仲間たちを世の中に紹介したのは、1950年。「ピーナッツ」が7つの新聞紙上でデビューを飾った時でした。それ以来、チャーリー・ブラウン、スヌーピーをはじめとするピーナッツ・ギャングは、ポップカルチャーに不滅の足跡を残してきました。Apple TV +で親しまれているピーナッツの番組や特番に加えて、世界中のファンの皆様には、多種多様の商品、アミューズメントパークのアトラクション、文化イベント、ソーシャルメディア、そして伝統的な紙媒体からデジタルまで各種媒体で掲載されている連載コミックなどを通して「ピーナッツ」を楽しんでいただいています。さらに2018年、「ピーナッツ」は、NASA とスペース・アクト・アグリーメントで複数年の提携をしました。このスペース・アクト・アグリーメントは、宇宙探査と STEMへの情熱を啓発するよう次世代の子供たちに向けてデザインされたプログラムです。■関連URL・日本のスヌーピー公式サイト ・日本のスヌーピー公式Facebook ページ「Snoopy Japan」 ・日本のスヌーピー公式X アカウント「Snoopy Japan」 ・日本のスヌーピーNEWS 公式 X アカウント「Snoopy News Japan」 ・日本のスヌーピー公式Instagramアカウント「SNOOPY in Dailylife」 ・日本のスヌーピー公式Tiktokアカウント「ピーナッツ【公式】」 ■掲載原稿確認のお願い・ご掲載いただく際は、事前に原稿を確認させていただきますようお願いいたします。・また、当社からお送りする画像をご利用の際は、必ず下記クレジットを表記してください。(C) 2024 Peanuts Worldwide LLC( 短縮形 (C) 2024 Peanuts ) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年12月11日CKCネットワーク株式会社(代表取締役:山崎 朋宏、本社:愛知県名古屋市 Preステップオンライン運営支社:福岡県福岡市)は、「不登校のお子さまに関わる人が民間教育に求めること」についてのコラムを2024年12月10日にホームページ上で公開しました。URL: ロゴ■目次1. はじめに2. 誰に教わるかが大事(不登校生徒保護者)3. 将来の選択肢ときっかけ(不登校親の会主催者)4. 選択肢を自分で選ぶ(元校長先生)■1. はじめに不登校児童生徒は年々増加しており、大きな社会問題となっています。文部科学省の発表では2012年に約11万人だった不登校児童生徒は2023年には約35万人となっています。この数字は病気を理由とせず、年間30日以上の欠席をした児童生徒を不登校として計上しているものです。そのため、不登校の前段階にあたる「行き渋り」や「五月雨登校」を考慮するとその数はさらに多くなることが予測されます。現在不登校児童生徒の中には、ICTを活用した民間教育を利用している方も増加しています。不登校児童生徒への学びの場で求められているものは何か、また、民間教育と不登校児童生徒はどのように関わっていけばいいのかを保護者・親の会主催者・教育現場に関わっていた方にお聞きしました。■2. 誰に教わるかが大事(不登校生徒保護者)(1)不登校になったときに家庭学習は必要か?「中学生のときに2回目の不登校になりました。そのときは外に出る機会を作るためと高校受験のことを考えてフリースクールに行かせました。親である私たちも全日制の高校に行くこと以外の選択肢を知りませんでした。子どもが将来選べる進路などを増やすために勉強をしてほしいと思っていました。実際に勉強しなさいという声かけも、小学生の間はしていませんでしたが中学生で不登校になってからはしていました。フリースクールで教えてくださった先生が異動になってしまって、新たな学びの場を探しているときにオンラインでの学習サポートや通信制高校について知りました。子どもに合う環境で学ぶことで子どもの自信につながりましたし、将来のことについて考えるきっかけになったと思います。」(2)民間教育が不登校のお子さまにとってどのような学びの場であってほしいか「どれだけ子どもによりそったコミュニケーションをしてくれるかはとても大事だと思います。なので、一番大事だと思うのは誰が教えてくれるかだと思います。今受講している学習サポートでは大学生の先生が教えてくれていますが、年齢が近いことで子どもにとっても話しやすいように見えます。人と話す機会が増えたことで子どもも明るくなったように感じます。今はいろいろな学びの場があります。子どもがやりたいタイミングでやりたいことをできるように、まずは親がどんな場所があるのかを知っていくことが大事だと思います。」写真1回答者:福岡県飯塚市 Aさんお子様の学年 中学3年生■3. 将来の選択肢ときっかけ(不登校親の会主催者)(1)不登校になったときに家庭学習は必要か?「子どもの立場によりそうとどうしても無理強いはできないです。ですが、親としては家庭学習をやってほしいという気持ちはあると思います。子どもが勉強をすると親はやっぱり安心するからです。不登校のなり始めは親も勉強するようについつい言ってしまいます。1週間ほど経つと、勉強するように言うことがいいことなのか不安になります。勉強するかどうかは子どもの気持ちが大事なので、声掛けのタイミングと内容はとても大事かなと思います。実際に家庭学習を始めても、どうしても親が教えると子どもも集中できないことが多くなります。そのような状態になると親もつらくなるので、民間教育を含む第3者に教えてもらうことはいいことだと思います。勉強をして点数をとることだけではなく、勉強することが将来やりたいことのきっかけになるかもしれません。勉強も遊びも色々なことに触れてやりたいことを見つけてくれればと思います。」(2)民間教育が不登校のお子さまにとってどのような学びの場であってほしいか「まずは子どものための場所になっているかが大事だと思います。親がやらせたい場所ではなく子どもがやりたい場所かどうかだと思います。オフラインやオンライン等様々な学びの場がありますが、最近の子どもはオンラインに慣れているので子どもが望む形で行うのがいいと思います。オンラインだけだと外に出る機会が少なくなることを心配してる親は多いと思います。先生に慣れるまでに時間がかかる子はどうしても多いです。なので、コミュニケーションを多くとってくれることが子どもにとってはとても重要になると思います。点数がどんどんとれるようになる場所というよりかは勉強のきっかけを見つけられる学びの場を提供してほしいと思います。ただ、金銭面の問題で学びの場を活用できない方も多くいます。そのような問題への支援が多くなれば子どもにとって最適な学びの場を選びやすくなると思います。」写真2回答者:ぼちぼちの会 志賀さん■4. 選択肢を自分で選ぶ(元校長先生)(1)不登校になったときに家庭学習は必要か?「まず前提として子どもが不登校であるかどうかにかかわらず学びの場は必要です。昔は公教育しか選択肢がなかったので不登校になったときのマイナス面が大きかったと思います。しかし、現在では学びの場の選択肢が増えてきましたが、子ども達には多様な学びの場が必要であると思います。家庭学習をするうえで一番大事なことは子どもの意思があるかどうかです。学校にいけなくなったから家で学校と同じ勉強をするではただの学校の焼き直しになります。子どもは学校には行きたくない。しかし、決して勉強をしたくないわけではない、親は子どもの気持ちを理解することが必要です。どこで何を学ぶかが重要です。その学び自体を効率よく進めていくために学習サポートなどの民間教育を活用することは一つの選択肢だと思います。子どもが自分で考え、望むようにやるのが一番です。子ども達には、『いろいろな人の話を聞く。しかし、まねをするのではなく自分で考えて決定する。』ということを忘れないでほしいと思います。」(2)民間教育が不登校のお子さまにとってどのような学びの場であってほしいか「学校に行く意味、勉強する意味を考えさせることは重要です。一般的に子どもが進路を考えるときに現時点の学力や今やりたいことをもとに考えることが多いのですが、子どもにとってまずは何に興味があり、将来何をやりたいかから考えさせるのが一番いいと思います。そしてその目標を叶えるためには今、何をしないといけないかを考えさせること、子どもが自分の意思で何を学ぶかを選ぶためには、自分自身で情報を選択し、様々な選択肢から自らの判断で選ぶことが大事だと思います。そのためにも、親と子どもの間にはいって第3者の目線からお互いの気持ちを伝える通訳みたいな役割を担ってくれる立場の方がいると、よりよい選択肢の決定ができるのではないのかと思います。」写真3回答者:ぼちぼちの会 木村 素也会長(元福岡市立能古中学校校長)【CKCネットワーク株式会社について】『家族に自慢できるサービスを、世の中に提供する。』を理念として1990年に愛知県で創業しました。通信指導実績34年、累計指導会員数50万人以上を誇る総合教育企業です。オンライン個別指導塾「Fit NET STUDY」や、マンツーマン学習サポート「Preステップオンライン」など、幅広い事業を運営しています。CKCネットワーク株式会社URL: PreステップオンラインURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年12月10日猫の手貸して~育児絵日記~
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々
うちはモフモフ暮らし