親子で「ストレスコーピング」~子どもがストレスを自分自身で乗り越えるために~
感情論ではなく、あくまで合理的にストレスに対処するというこの手法は、子どもが成長してから自分自身でストレスを乗り越えるときにも役立つでしょう。
ストレスコーピングとは?
ストレスコーピングは、大きく3つに分けられます。
1.「問題焦点型」
ストレッサー自体に働きかけ、問題を解決しようという考え方。ストレッサーに直接働きかけることでストレッサーを変化させ、問題となっている点や課題を明確にする方法。
2.「情動焦点型」
ストレッサーによって、傷ついたり悲しんだりした感情を誰かに話すことで表出させる。気持ちを相手に聞いてもらうことで、感情を整理したり発散させたりする方法。
3.「ストレス解消型」
ストレッサーを感じたときではなく、感じてしまった後にストレスを身体の外へ追い出したり、発散させたりする対処法。無意識に行っていることも多い。
小さなお子さんには、2の「情動焦点型」と3の「ストレス解消型」が取り入れやすいでしょう。
傷ついた気持ちを言語化する「情動焦点型」を取り入れてみよう
みなさんも、気のおけない友人や家族に、嫌だったことや悲しかったことを話してスッキリと気持ちが晴れた経験があるはずです。しかし、うまく言葉にできない年齢のお子さんや、気持ちを言語化するのが苦手なお子さんの場合、聞き出すことは難しいですよね。洗足ストレスコーピング・サポートオフィスの伊藤絵美先生によると、そんなときは「行動観察」をしてみるといいそうです。
■声かけの例
「最近よく○○しているみたいだけど、どうしたの?」
「こういうときによくお腹が痛いって言っているけど、どうしたの?」
■声かけの注意点
「だいじょうぶ?」と聞くのではなく、「困っていることはある?」と子どもが訴えやすいように話しかけるのがコツです。子どもが話し始めたら最後まで聞き役に徹し、決して話を遮ることはしないように。気持ちを受け止めてあげるだけで充分です。
もし余裕があれば、一通り話し終わったあとに「これからどうするか」について話し合ってみましょう。
子ども自身に今後の方向性を決めさせることで、決断力や自信にもつながります。
ストレスを外へ発散させる「ストレス解消型」を取り入れてみよう
注意すべき点は、生き物を傷つけたり物を壊したりする発散法は「絶対にダメ」と教えること。子どもがイライラして自分より弱い人物や物に当たってしまうようなら、「石は投げたらダメだけど、クッションならいいよ」