親子で「ストレスコーピング」~子どもがストレスを自分自身で乗り越えるために~
などの代替案を提案してみましょう。
また、大人でも、一心不乱に野菜をみじん切りにしたり、頭の中を空っぽにして洗面台の汚れが取れるまでひたすら磨き上げたりしたあと、モヤモヤした気持ちが解消された経験がある人も多いはず。それは、ストレスコーピングの手段として子どもにも充分応用できます。
たとえば、一枚のティッシュやいらない紙を用意して、できるだけ細かく、手でちぎります。手を使って細かな単純作業をすることが、嫌な気持ちや不安を治めるのに役立つというわけです。
ストレスから自分を助ける「ストレスマネジメント」ができれば、大人になってからもストレスと上手に付き合っていくことができます。認知行動療法においても、小さいうちから『ストレスコーピング』を練習することで、より効果が期待できることが実証されています。ぜひ親子で取り入れてみてくださいね。
今すぐできる!親子でストレスコーピング
ほかにもいくつかのストレスコーピングの方法をお教えします。
◉頭の中で楽しい計画を立てる
明日のことでも遠い未来のことでも、実現可能なものでも壮大な夢でも、なんでも自由に計画します。
「バスタブいっぱいにゼリーを作る!」
「運動会のかけっこで一番になる!」
「宇宙旅行に行って宇宙人と友だちになる!」
楽しい未来を想像することで、ストレスに心がとらわれなくなります。
◉頭の中で自分を励ます
落ち込んでいる自分、悲しみに打ちひしがれている自分、やる気が出ない自分など、頭の中でイメージします。そしてもう一人の自分がその子に声をかけるところを想像してみましょう。
「それはとても悲しかったね。つらいね。でもそんなに自分を責めなくてもいいよ」
「前に失敗したことを思い出して動けずにいるんだね。
でも大丈夫。きっとうまくいくから勇気を出して」
自分が言われたい励ましの言葉をかけてあげることで、実際にお友だちを励ますときにも温かい言葉が出てくるようになります。
◉ストレス反応を体験する練習をする
まだ経験していないことでも、自分がその状況に置かれていることを想像してみると、心の動きを言葉で表現する訓練にもなります。
「お友だちのAちゃんが別のお友だちの悪口を言ってきた」
「授業中ふざけていた子を注意したら、先生から自分も一緒に騒いでいると思われて怒られた」
「誕生日なのに『おめでとう』と言ってもらえなかった」