東大・京大・司法試験・医師試験の合格者たちが、幼児期に共通してやっていたこと
教育熱心な親御さんのなかには、「プレイフル・ラーニング」という言葉を耳にしたことがある人も多いかもしれません。いわゆる詰め込み型教育の対極にあるものとして、「遊びながら学ぶ」というイメージを持っているのではないでしょうか。でも、ちょっとだけ、そのとらえ方のニュアンスがちがうようです。
では、そもそもプレイフル・ラーニングとはなにか。そして、家庭教育に生かすための方法にはどんなものがあるのかを、発達心理学と認知心理学の専門家である十文字学園女子大学の大宮明子先生に教えてもらいました。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)
楽しんでいるなかに学びがある
プレイフル・ラーニングとは、同志社女子大学の上田信行先生が提唱された概念で、一般には2000年代前半頃から認知度が高まってきました。「プレイ」という言葉から、「遊びながら学ぶ」教育手法だと思われがちですが、プレイフル・ラーニングの根底にあるのは「楽しんでいるなかに、そもそも学びがある」という考え方です。
「楽しんでいるとき」ですから、いわゆる「遊び」でない場合もあります。
ただ、子どもの場合、楽しんでいるときにしていることというと、基本的には遊びが多いですよね。ですから、必然的に子どもにとっては遊びから学ぶことが多くなるのです。
親御さんに意識しておいてほしいのは、大人と子どもの学び方はまったくちがうということ。決定的なちがいは、「目的や目標があるかどうか」という点です。大人が学ぶときには、ほとんどの場合はなにかのスキルを身につけたいといった目的や目標がありますよね。そして、その目的や目標を達成するために本を読んだり講座を受けたりするわけです。大人は、「学ぶこと」とはそういうものだと思っています。
でも、子どもの場合は多くの学びがある遊びをするにも、なにかを学びたいといった目的や目標を持っていません。
ただ楽しくお人形さんごっこをやっていたら、いつの間にか自分の着替えもできるようになった。これも立派な学びですが、その子は「着替えができるようになりたい」と思っていたわけではないのです。
子どもの学び方は、あらかじめほしい結果があるのではなく、楽しく遊んでいたら、結果としてなにかを学んでいたというかたちだと思っていいでしょう。
好きなことを追求していた難関突破経験者
幼いときのプレイフル・ラーニングは、将来的には学力を大きく伸ばすことにもつながります。