火を使う、泥だらけになる、びしょ濡れになる。子どもたちの自由な発想と独創的な遊び方
そのボスになった子どもは、普段は口が悪いといったことはまったくないのに、ボスになった途端に口調が変わるのです。プレーリーダーに向かって「しょうがねえな、おまえもあとからうちに来いよ」なんていっていましたよ(笑)。子どもってほんとうに面白いですよね。
他にも「化石を探している」という子どもにその辺で拾った石を見せて、「隊長、これはなんでしょう?」と聞くと、「これはトリケラトプスの化石ですね」と秀才キャラっぽい口調で答えるなど、「ごっこ遊び」に天才的な才能を発揮する子どもたちも多くいます。
とにかく肩肘張らずに楽しむ
ここまで紹介してきたように、プレーパークでの遊び方は子どもの意志が赴くままにどんどん広がります。子どもが水を使って遊びたいとなったらびしょ濡れになりますし、泥を使って遊びたいとなったら泥だらけになるでしょう。ですから、プレーパークのビギナーのみなさんには、子どもの着替えを少なくとも2着は用意しておくことをおすすめしたいですね(笑)。
親自身も1着分の着替えは用意したほうがいいかもしれません。
子どもが「一緒に遊ぼう!」と誘ってくれることもあるでしょう。そのときに、「服を汚せないから」とちゅうちょしてはもったいないですから。そして、成長が早い子どもは、あっという間に「一緒に遊ぼう!」なんて言ってくれなくなってしまいます……。
とにかく肩肘張ることなく気軽に行ってみてください。たしかに、プレーパークでの遊びは子どもに多くのものをもたらしてくれるでしょうけれども、それらは遊びのなかで自然に身につけていくものです。ですので、「子どもに○○力を身につけさせよう」などと考えずに、ただただ子どもがプレーパークという場所でどんな発見をしてどんな遊びをするのか、それを楽しんでもらいたいと思います。
『子どもの放課後にかかわる人のQ&A50 子どもの力になるプレイワーク実践』
嶋村仁志 他 著/学文社(2017)
■ TOKYO PLAY代表理事・嶋村仁志さん インタビュー一覧
第1回:「本当に自由に」試行錯誤する機会を子どもたちに――“本気の遊び場”プレーパーク
第2回:危険にも種類がある。挑戦が達成感に変わる「リスク」と「ハザード」はどう違うのか?
第3回:火を使う、泥だらけになる、びしょ濡れになる。子どもたちの自由な発想と独創的な遊び方
第4回:やりたいことを目いっぱいやって失敗した。