「ダメでしょ!」と叱るのは意味がない。親子で問題解決をするための対話テクニック
どのケースも、対話する機会を持つことで、前向きに考える力、対話力、問題解決力が育まれ、コミュニケーション力が着実に身についているのがわかります。人間力の基盤が築かれたのです。では、家庭ではどのような点に気をつければよいのかについて紹介しましょう。
「おやつ抜きよ!」は効果アリ?
まだ日本ではあまり知られていない「修復的実践」。でも、こうして見てくると、とても平和的・道徳的で理に叶っており、複雑な社会で生きていくための人間力を育んでいけそうですよね。日々起こりうる子どもの問題、トラブルに生かさない手はないはず。では、具体的にどういう点に気をつければいいのでしょうか。
家庭での問題解決の注意点ついて、アメリカ・オークランドのOakland Unified校での指導例がわかりやすいのでご紹介します。
<問題>「触ったらダメ」と何度も言われていたクリスマスのオーナメントを、子どもが触って壊してしまった
【関連性のない罰】「ダメだと言ったじゃない!」とおやつを抜きにする
【修復的実践】「壊れてしまったから、直しなさい」と元に戻させる
罰としての「おやつ抜き」の場合、オーナメントとおやつには何の関連性もなく、問題に対する論理性はありません。修復的実践の場合、修理するために大変な苦労をすれば、そのにがい経験により、次からは「気をつけよう」と直接の問題解決につながります。
修復的実践の過程ではさらに、親子で「なぜオーナメントを触りたくなってしまうのか」「壊すつもりじゃなかった」ことなど、子どもの気持ちを掘り下げてお互いが理解し合い、「今後はどうするか」の対策も決めることで、問題回避を図れる建設的な対話となります。「ダメだって言ったでしょ!おやつ抜きよ」というフレーズ、身に覚えのある方も多いのではないでしょうか?そのほかにも、「静かにしてと言ったでしょ!もう今日はオモチャは買わないからね」なども同様フレーズですね。
子どもが何かよくないことをした場合は、以下のようなステップを踏んでみてはいかがでしょう?
「なぜ〇〇をしてしまったのか?」と子どもに質問する子どもの気持ちや言い分を掘り下げて聞いてみる「今後はどうしたらいいか?」と話し合うこのような対話をすることで、親がよくやりがちな「問題と関連性のない罰を与える」のを解決できるはずです。
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この実践法の注意点は、「子どもとは対等な関係である」