「ごめんね」が聞こえず、ケンカに発展。マスク生活は子どもの「脳の発達」を遅らせる!?
たとえば、生後半年前後から就学前頃までは、脳の視覚野という部分の発達の感受性期にあたります。他者の目や口の動き、口元から発せられる音声など、顔全体の豊かな動きや音を見聞きする経験が重要です。しかし、今、多くの人がマスクをしていることで、子どもたちはこうした経験を得ることが難しくなっています。
(引用元:女子SPA!|“マスク育児”が子どもの発達に影響?親・先生の表情がよめないリスク)
脳が成長する大切な時期に、見たり聞いたりといった経験が不足してしまった場合、具体的にどのような問題が起きるのでしょう。
乳幼児期(0歳~6歳頃)
明和氏によると、生まれてから就学前頃までの乳幼児期は、「相手の感情を理解したり、言葉を身につけたりする重要な時期」なのだそう。この時期の子どもは、「目や口全体が豊かに動く表情を見ることで相手の気持ちを理解」します。
そして同時に、相手の「口元から発せられる音声」も聞きながら、その音声をまねしつつ言葉を獲得していくのです。しかし、親や先生がマスクを着用していると表情がわかりにくいため、言葉の獲得や相手の気持ちを理解する力がなかなか伸びません。
就学期(4歳~10歳頃)
就学期の子どもたちにも、マスク着用のマイナス効果は及びます。明和氏によると、4~10歳くらいまでは、「相手の視点に立って考える力を発達させる時期」とのことですが、マスク着用時は相手の表情が見えません。すると、相手の気持ちを察することが難しくなり、思いやりや我慢の心が育たないそうなのです。
たとえば、友だちにぶつかってしまった子が「ごめんね」と謝ったけれど、マスクのせいで声が聞こえずケンカに発展してしまった――など、明和氏は、「コミュニケーションに苦労する場面が増えている」と述べています。
まだ続くと予想されるマスク生活。この状況で、大人が子どもたちのためにできることはあるのでしょうか?
マスク生活でも、子どもの脳を発達させるコツ
最後に、マスク生活のなかでも、子どもの心や脳を発達させるコツをご紹介します。
■子どもにさまざまな表情を見せる
明和氏は、子どもが「表情に触れる機会」を増やしていくことが大切だと言います。子どもは大人のように、目だけで通じ合うということはありません。
目や鼻、口元など、表情のなかのたくさんの情報を使って、相手の感情を理解していきます。