子どもの行動が変化! ペアレントトレーニングの特徴と褒め方のコツ2つ
こんにちは。子育て支援を専門にする臨床心理士の今井千鶴子です。
皆さんは、子育てを漢字一文字で表すとしたら、どんな漢字が浮かびますか?
『株式会社バンダイ』の調査では、トップ5は「愛」「楽」「忍」「喜」「学」でした。このアンケート結果が示すように、子育てをしていると楽しみや喜びを感じる一方、我慢や学びもあると思います。
今日は、親が子育ての手法を学ぶ『ペアレントトレーニング』についてご紹介します。
●ペアレントトレーニング(通称:ペアトレ)とは?
ペアトレとは、親が子育ての知識とスキルを学ぶトレーニングです。
ペアトレでは、子どものさまざまな行動に対してどう対応したらよいのかを学ぶことができます。
プログラムの内容は、対象や手法によってさまざまですが、多くのプログラムで共通していることがあります。
それは、次の視点です。
・子どもの好ましくない行動に気づき、それを減らしていく
・子どもの好ましい行動に気づき、それを伸ばしていく
子育てをしていると、好ましくない行動を減らすことばかりに目が向きがちですが、実は、“好ましい行動をいかに伸ばすか”という視点が重要 です。
好ましい行動のレパートリーが増えると、自然と好ましくない行動は減少していきます。
これまでの研究から、ペアトレに参加することで子どもの気になる行動の改善だけでなく、親のストレス低減も報告されています。
親のストレスが低減した理由は、子どもに対する適切な対応を学ぶことによって、子どもの行動が変化し、子育てが楽になったためとも推測されています。
●子どもの好ましい行動を伸ばすためにできること
お子さんの好ましい行動を伸ばすためには、“ほめる”ことも大切です。
子どものいいところ(好ましい行動)を伸ばすための“ほめのコツ”を2つご紹介します。
●(1)結果ではなくプロセスをほめる
アメリカの心理学者ドゥエックは、能力を褒められた子(例:頭がいいね)よりも努力を褒められた子(例:粘り強く頑張ったね)の方が、やる気が高く、後の成績が高くなることを指摘しています。
努力をほめられた子は、失敗しても「努力が足りない」と考え、失敗を乗り越えるためにチャレンジしやすい ことがわかっています。●(2)子どもに「どうやったらそんなにうまくできるの?」と質問してみる
大人から“驚かれる”ことによって自信を高めるお子さんもいます。