子育て情報『自宅生活へカムバック! 入院中の高齢者が「目標を持つ」ことの大切さ』

自宅生活へカムバック! 入院中の高齢者が「目標を持つ」ことの大切さ

とくに“介護離職”はほとんどの場合、将来的な経済破綻をきたしてしまいます 。

したがって、ひとたび長期の入院・入所生活に入った高齢者が在宅生活に戻るためには、本人と家族の希望はもちろんのこと、それを可能とする健康状態にまで体を回復させることが前提となります。

そして、その状態まで回復させる上でとても重要な役割を果たすのが、“目標を持つ”ことなのです。

●高齢者の場合は、“目標”を臨機応変に変更する柔軟性も必要

冒頭ではあえて紹介いたしませんでしたが、ご相談文の後半には、ご相談様のお義母様が先生の質問に対して、「家族がいる家に帰って車椅子に自分で乗れるようになること。歩けなくても自分でできることは全て自分でできるようになること」とお答えになったと書かれていましたね。素晴らしいことだと思います。

『お義母様が具体的な目標を意思に伝えられたということは本当に素晴らしいことです。目標を持つと、それに向かうべく意思の力が向くからです。
ただ、一つだけ注意しておきたいことがあります。それは、高齢者の場合は目標を臨機応変に変更する柔軟性を忘れないでもらいたい 、ということです。

なぜなら、高齢者は状態が急変しやすいからです。予想外の合併症や感染症、脳血管障害などを起こす危険性もあります。入院によって認知症になる場合もあります。そのため、高齢者は目標設定を柔軟に変えていくことが大事なのです』(40代男性/前出・医師)

このところ、筆者は自分の親(80代)の看護に携わる中で、高齢者のプライマリーケアの問題が、今はまだ若い世代のパパやママにとってもやがて(人によっては突然に、間もなく)自分の身に迫ってくるのだという問題意識から、そういったテーマのコラムを書く機会が増えてまいりました。

以前からパピマミをご愛読の皆様は、筆者がやたらと“家族の絆”を押し付けるような保守的な精神論者でないことをご存じでしょう。

そんな筆者でも、「まだ一定の認知機能が保たれているのであれば、入院入所中の高齢者も“目標設定”とそれを達成するための努力をすることで、家族のいる自宅への復帰を目指すことは人として尊いことなのではないか」と思うようになってきました。
若いパパやママにとっても本当は他人事ではない、“高齢者のプライマリーケア”の問題については、これからも折にふれて皆さんと情報を共有し、一緒に考えていければと思っております。

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
この記事もおすすめ

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
漫画家・脚本家募集LPバナー 上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.