命に関わるケースも!? 認知症の高齢者に「向精神薬」がよくないワケ
ですから、BPSDを発症した中等度以上の認知症患者さんにむやみに向精神薬を投与することは、できるだけ控えた方がいい と言うことができるでしょう。
●向精神薬の不使用に伴う介護の負担は在宅介護の時間短縮で対応を
とはいえ、筆者にはご相談者様が言う「きれいごとじゃない実態」もよく分かります。
向精神薬を使用しないことで、今度は介護者の精神的・肉体的負担増の問題 が生じます。
それについては、ご相談者様がデイサービスなども利用しながら、お義父様の在宅介護の時間を徐々に減らして対応されるのがよろしいのではないかと思います。
旦那様への気づかいもあろうかとは思いますが、ママが過労で不安定になってしまってはお子さんたちにとっていいわけがありません。
認知症の高齢者への向精神薬の投与は基本的には行わないようにし、まだ十分に健康なお義父様の体の機能をキープしながら、介護のプロの力も借りて、あまり考えすぎない日常を、旦那様やお子さんたちと送っていただければと思います。
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)