あなたもやってるカモ!? 子どもが勉強する努力をしなくなる危険な褒め方
【ママからのご相談】
祖父母が子どもをしょっちゅうほめています。ほめてもらえるのは嬉しいですし、子どもをほめるのは大切なことだと認識してはいますが、こんなにほめちぎって大丈夫なのかと不安になることもあります。
●A. 大事なのは、子どもに「やればできる」と思わせられるかどうか。
ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木と申します。
勉強が苦手な子どもに勉強を教える際、いかにほめるかが非常に重要になります。確かに、子どもの自尊心を高めるうえで、ほめることは有効な手段です。
しかし、質問者様が懸念しているように、ほめ方を誤ってしまうと、かえって自尊心をくじく 結果になることもあります。
●才能をほめると、挑戦しない!?
こんな実験があります。子どもを2グループに分けてテストを受けさせます。一方のグループには「頭がいいのね」とほめ、難易度がより高いテストを行ったそうです。
結果はどうだったかというと、「頭がいい」とほめられたグループは、“頭のいい自分”を演じようとしてしまうために、難しい問題に挑戦しなくなりました。
頭がいいという評価を覆さないように、失敗を避けた のです。
さらに悪いことに、自分の得点を申告する際に、得点を高く偽った子までいたのです。自分を賢くみせようとして必死になっているのですね。
●努力に焦点をあてる
では、もう一方のグループはどうだったのか。
もう一方のグループには「よく頑張ったね」と、才能ではなく努力をほめました。
先のグループと同様に、より難しいテストをしたところ、結果は真逆。最初のテストより点数が上がっていたのです。
「ほめるのは難しい」多くの親御さんがそうおっしゃいます。せっかくほめるのなら、効果のあるほめ方をしたいですよね。
子どもの自尊心を高めるのは、才能よりも努力に焦点をあてた言葉です。
努力をほめれば、「あなたの努力をきちんと見ている 」というメッセージを伝えることができます。
お子さんの自尊心を育てるのはもちろん、安心感を与え、親子の信頼関係がよくなる効果も期待できるでしょう。
全てを最初から完璧にできることではまずありません。頭でわかっていながらも、完璧を求めて、できたら「頭がいいのね!」とほめていませんか。
子どもが最初からできることなんて限られていますし、できることしかしないのであれば、成長が見込めないのです。