成長へのステップ! 思春期の子どもの心理と上手な接し方
この時期は、周囲の環境から影響を受けやすいので、記憶のインパクトは家庭外のことが多くなります 。
では、親との関係はどうだったでしょうか?「いつも叱られてた!」という人、「親は何も言わなかった」という人、中には「記憶がない」という人もいることでしょう。
これは、親からの干渉を嫌っていた表れともいえます。
しかし、親は要所要所で関与してくれたはずです。べったりではなく、子どもが必要とするときに支えてあげるというスタンスが大切なのです。
●子どもはただ受け入れてほしいだけ!?
思春期の子どもは、知恵や知識、思考力がついてくるので、物事に自分なりの考えを持つようになります。
思春期は“対話が重要”と言われることが多いですが、対話すらままならないということもあります。そのような場合でも、子どもからの発信が必ずあるものです 。
その発信がどのようなものであれ、はじめから否定したり、話を遮ったりしたら子どもが心を閉ざしてしまいます。
大人は正解を知っていることが多いので、考えを誘導したり、押し付けたりしたくなりますが、まずはそこをガマンすることがポイントです。
子どもが話しだすのを待つ、そして落ち着いて聞くという受け入れの心を持ちましょう。
●家庭は甘え&リラックスができる場所に
子どもを尊重して対応しようとしてもうまくいかないこともあります。感情のタイミングや個性、家庭の事情もありますので通り一遍の正解はありません。
しかし、これだけは重要だということがあります。親の愛情 です。
家庭では甘えてよい、好きなようにリラックスして時間を過ごせるのだという安心感が必要です。
そして、子どものことを愛していて、どんなときも必ず味方であること、これを言動で継続的に示すことが大事なのです。
ふと子どもがもらす悩みや葛藤、心配や不安をキャッチできるように、喜びを共感できるように、家庭は子どものすべてを受け入れるという場所になるとよいですね。
【参考文献】
・『見逃さないで! 子どもの心のSOS 思春期に がんばってる子』明橋大二・著
●ライター/佐藤理香(株)