ワガママになる? 祖父母による育児が子どもの性格形成に与える影響
こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。
世の中では、「祖父母に育てられると、甘やかされてわがままになる」などと言うようですが、祖父母に育てられたからといって、子どもの性格形成に問題が生じるということはあまりありません。
そもそも、祖父母と親では愛情のかけ方だけでなく、愛情に違いがあります。
それが、子どもにとって良い方向に向かうきっかけになることが多いのです。
●愛情の違いに目を向けましょう
対象の子どもに、同居している親がいて祖父母がいる(同居の有無は関係ない)という場合、祖父母が孫に対して向ける愛情と、親が子どもに向ける愛情には違いがあります。
・祖父母……無償の愛、無条件の愛(責任は伴っていない)
・親……無償の愛ではあるが、責任が伴っている
同居して子どものそばにいる親には、“子どもをちゃんと育てなくてはならない”という責任があります。
ただし、親が何らかの事情で子どもの養育をそばで行えない場合は、祖父母も親のように“無償の愛ではあるが、責任が伴っている ”という状態になります。
親が側にいないのですから、親と同様の責任を感じて育てることは当然です。しかし、無償の愛情が強い傾向にあることは変えられません。
●過保護にされるから子どもがわがままになる?
子どもが祖父母からたっぷりの愛情を受け取っていたからといって、わがままになるわけではありません。親にわがままを言うのには、理由があります。
それは、“親からの愛情が不足している と感じているとき”です。
子どもは、自分の口から思いを言うことができないことがあります。
親が家事・育児・仕事で忙しそうにしていたら、親に迷惑をかけないように、嫌われないようにと我慢をしてしまうことがあるからです。
子どもがわがままを言うのは、「自分に目を向けて欲しい」という愛情不足のサインでもあると考えていいでしょう。
どんなに祖父母から愛情を受けていても、やっぱり祖父母は祖父母、親の代わりにはなりません。親の愛情を欲しているということを忘れないで欲しいです。
「抱っこして」や「一緒にいて」とは素直に言えないことがほとんどです。
親に叱られてばかりだったら、「嫌われたらどうしよう」などと考え込んでしまって、言いたいこととは反対の行動を取ってしまう子どもが出てきます。