妻が代理で交渉デキる? 会社に未払いの残業代を請求する方法
したがって、支店長などの立場であっても業務の裁量がなく、給料が他の役職のない従業員と大差ない場合などは管理監督者にはあたらないこともあります。
このような場合には、法定労働時間を超えたのであれば、残業代が請求できる可能性が高くなります。
●夫に代わって、妻が残業代を請求することはできる?
残業代を請求する方法としては、(1)交渉や(2)労働審判・訴訟などの裁判上の手続きが考えられます。
(1)の交渉に関しては、妻が代理で残業代請求の交渉をすることも考えられます。
報酬を売る目的で代理人となり交渉をすることは『弁護士法』で禁じられていますが、妻が報酬を得る目的で代理人となることは稀でしょうから、一般的には弁護士法に違反しないと言えるでしょう。
ただし、賃金については直接本人に対して支払わなければならない とされているため、この点を捉えて、使用者側は妻に対し賃金を支払うことを拒否してくるかもしれません。
次に、(2)裁判上の手続きですが、弁護士以外の者が代理人となることは原則として禁じられています。したがって、妻が代理で請求することはできません。
しかし、夫が死亡し残業代請求権を妻が相続している場合は、自己の権利として請求することができます。
また、夫が精神疾患などで、妻が成年後見人などに選任され代理権を得ている場合には、法定代理人として裁判手続きを行うことができます。
●まとめ
残業代請求に関しては、裁判上、妻が代理人となることは原則としてできませんが、弁護士であればなることができます。
また、労働時間を証明する方法は、タイムカードだけではなく、さまざまなものが考えられます。
労働法規は複雑であり、専門性が伴いますから、個人で争うのが難しいと感じたときは、ぜひ弁護士に相談くださいね。
●ライター/岩沙好幸(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)
●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)