一般家庭でも大切? 将来に備えた財産管理“家族信託”の特徴とメリット
こんにちは、金融コンシェルジュの齋藤惠です。
今回は皆さんに、“家族信託”という財産管理の仕方をご紹介します。
財産管理、というと富裕層や資産家が行っているイメージが色濃いですが、ごく一般的な年収と貯金で生活する人にとっても大切な問題なのです。
ぜひともご自分の10年後、20年後を想像し、家族とお金との関わり方を考えながらご覧ください。
●もしも認知症になってしまったら
想像してみてください。万が一、あなたが知らず知らずのうちに認知症に侵されていたら?
さらにあなたにはパートナーや子どもたちがいて、将来は自分が望む形で財産を残したいと考えていたら?
パピマミ世代にとってはずいぶんと先の話になるかも知れませんが、若年性の病気も増えている今の時代、のんびり構えていると後が心配です。
さらに、認知症になる可能性は低くても、重い脳の病気などを患えば意識の回復に時間がかかることもあります。
そんな状態になってしまったら、自分で財産管理を行うことが難しくなってしまいますよね 。
そこで、よりスムーズな相続や財産管理を行うための方法として、家族信託に注目する人が増えているようなのです。
●家族信託とは、資産を信頼できる家族に託すこと
一般社団法人家族信託普及協会によると、家族信託とは
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『資産を持つ方が、特定の目的(例えば“自分の老後の生活・介護等に必要な資金の管理及び給付”等)に従って、その保有する不動産・預貯金等の資産を信頼できる家族に託し、その管理・処分を任せる仕組みです』
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だそうです。
これに補足すると、本人が健康で判断能力に問題がなければもちろん財産は本人が管理できます。
しかし、あらかじめ財産の管理・処分について家族と取り決めをしておけば、後に判断能力に問題が生じても本人の意思が反映される というわけです。
●家族信託のメリット
(1)成年後見制度よりも制約や負担が少ない
(2)法定相続のルールにとらわれない
(3)不動産などの相続が難しい財産の管理・処分がスムーズにできる
家族信託は他の相続に関わる制度に比べて、非常に本人の意思が反映されやすく柔軟な対応ができる仕組みとなっています。また、場合によっては面倒な手続きや費用負担が軽減できる こともあります。
●注意すべき点
家族信託にもデメリットになり得る点があります。