アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。ワフウフさん姉妹は、ダンスのレッスンをやめようかと言い始めた母・あーちゃんを説得して、年に一度の発表会には出ず、これまでよりペースを落としてレッスンを継続してもらうことに。しかし、良い刺激になってほしいという期待とは裏腹に、あーちゃんはレッスンに行ったのかどうかすら忘れてしまうようになっていたのでした。いつまでも成長しない孫!?年に一度の発表会には出ず、これまでよりペースを落としてダンスのレッスンを再開したあーちゃん。しかし、レッスンに行ったのかどうかすら忘れてしまうように……。そして、毎週通っている注射も同じように忘れてしまっているようで、もう自己管理ができなくなってきていることを痛感しました。相変わらず、通院帰りにケーキを食べたがるあーちゃん。体のためにもやめるように言っても、おなかが空いちゃったと……。おなかが空いているなら、軽食にすればいいと言っても断固拒否。そして、今度はレジ横にあるスイーツに手を伸ばすあーちゃん……。そんなとき、先日渡した家族アルバムがバッグの中に入っていることを発見!しかし、一緒に見ていると、何にも覚えていない様子……。※メラニンくん:あーちゃんの孫そして、やはり自分の姿しか目に入らないようです。あーちゃんの中では、孫は小学生くらいで成長がストップしているようです。いつものように、通院の帰りにあーちゃんと一緒にお茶をしましたが、すり足で歩いていて足元が不安……。そして、何度止めてもやはり甘いものを食べたがります。おなかが空いているなら、軽食のほうがいいのでは? と提案しても、断固拒否です。それでも、糖尿病のあーちゃんに甘いものを食べさせるわけにもいかないので、仕方なく飲み物だけ注文していると、レジ横にあるスイーツを買おうとしていて……。手を変え品を変え、なんとか甘いものを食べようとする姿に、困惑してしまいます。その日、あーちゃんのカバンの中に、この前渡したアルバムが入っていたことに気付きました。あーちゃんが楽しみにしていた、孫の大学合格を祝う会の写真が入っているアルバムです。しかし、写真を見てもいつのことか思い出せない様子。あーちゃんの中では孫は小学生のまま止まっているらしく、皆の顔がわかるうちに楽しい思い出を……というのは、意味がないのかも??--------------これだけいろいろなことを忘れていても、通院帰りは甘いものを食べる! という流れが忘れられていないのは不思議ですね。毎回いろいろな手で甘いものを食べようとされると、そのたびに止めないといけない家族も大変そうです……。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年03月18日認知症は高齢者がなるもの、というイメージを持っている人が多いですが、若い人でも認知症になるケースはあります。それが「若年性認知症」です。また、認知症自体も、原因によってもいくつかの種類があり、症状や対処法が異なります。今回、きくち総合診療クリニック理事長・院長の菊池大和先生に、認知症の種類と、認知症になりやすい人などについて聞きました。教えてくれたのは…監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。「4大認知症」の特徴と症状認知症は発症した原因によりいくつかの種類に分類されますが、その中でも多く見られる4つの認知症を「4大認知症」と呼びます。1、アルツハイマー型認知症日本人に最も多い認知症で、全体の70%弱を占め、女性に多く見られます。原因は、アミロイドβ(ベータ)などのたんぱく質が何らかの要因により、長い年月をかけて脳にたまってしまうこと。それにより、脳が萎縮し、認知症が引き起こされます。症状は、記憶障害(もの忘れ)から始まることが多く、少しずつ時間をかけて進行していきます。文字を読む・書く・話す・理解することが難しくなったり、物や人の顔などが認知できなくなったりして、日常生活に支障を来たします。認知症は病気の名前ではなく、病気によって引き起こされる症状の総称です。一方、アルツハイマー病は記憶や行動に問題を起こす脳の病気で、認知症を引き起こす代表的な病気の1つ。アルツハイマー病が原因で引き起こされた認知症を、「アルツハイマー型認知症」と呼びます。2、血管性認知症認知症の20%を占めるのが、血管性認知症です。脳梗塞や脳出血といった脳血管障害が原因で、脳の血液循環が悪くなり、脳細胞が破壊されることで引き起こされます。男性に多く見られます。症状は脳血管障害を起こした場所によって異なり、もの忘れや記憶障害、判断力障害、歩行障害など多岐に渡ります。手足のしびれや麻痺、感情のコントロールができないなどの症状を伴う場合もあります。症状には波があり、認知機能はまだらに低下していきます。3、レビー小体型認知症脳にレビー小体というタンパク質がたまることで、神経障害が引き起こされる認知症です。症状として、実際には存在しないものが見える「幻視」や、手足が震えて転びやすい、歩きにくいなどのパーキンソン症状、睡眠中に夢を見て大声を出すなどがあるのが特徴です。調子の良いときと悪いときを繰り返していたかと思うと、急速に進行することもあります。4、前頭側頭型認知症脳の約4割を占める前頭葉と側頭葉の神経細胞が変性し、徐々に進行する認知症です。認知症の中で唯一、指定難病(患者の医療負担を軽減するため、医療費助成制度の対象としている難病)を受けています。初期には、ぼんやりする時間が増えたり他人への興味がなくなったりします。進行すると、今までの人格とは著しく異なる行動を取ったり、同じ行動を繰り返したり、言語がしゃべれなくなるなど、さまざまな症状が見られます。65歳以下で発症する「若年性認知症」65歳未満で認知症を発症した場合、高齢者の認知症と区別して「若年性認知症」と呼びます。全国の若年性認知症の人の数は推計で3万5700人。人口10万人当たり50.9人となります。若年性認知症で一番多いのは血管性認知症で、次がアルツハイマー型認知症。前頭側頭型認知症も高齢者の場合に比べて割合が高くなっています。女性より男性に多く、その理由は、男性のほうが生活習慣病(高血圧、脂質異常、糖尿病)が多く、脳血管障害(脳出血、脳梗塞)が多いためと考えられます。若年性認知症の人の多くは現役で仕事や家事をしているため、認知症になるとそれらに支障が生じます。しかし、本人や配偶者はそれが認知症によるものだとは思わず、診断や治療が遅れて認知症が進行してしまうケースが少なくありません。年齢に関係なく誰でも認知症になる可能性はあると認識し、気になる症状があるときは、早めに適切な治療を受けること大切です。認知症になりやすい人ってどんな人?「認知症は遺伝するのでは?」と不安に思う人が多いですが、遺伝子が関係する認知症はたった10%以下。ほとんどの認知症は、遺伝とは関係なく誰でも発症します。近年の研究では、認知症は生活習慣や環境が関わっていることがわかっています。認知症を引き起こしやすい生活習慣・環境を知っておきましょう。NG習慣1:偏った食事が習慣になっている栄養バランスの悪い食事は、体調に大きく影響します。特に過剰な塩分や高脂質な食事は高血圧の原因になり、高血圧は脳梗塞や脳出血を引き起こしやすくなります。結果として、脳血管性認知症になりやすくなると言えます。また、過剰な糖分は糖尿病を引き起こすことがあります。糖尿病はアルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβの蓄積を進行させるので、脳血管性認知症になりやすくなります。適度にお酒を楽しむ程度なら問題はありませんが、過度の飲酒はアルコール依存症とともに「アルコール性認知症」を引き起こす原因になります。アルコールを過剰に摂取することで、栄養を吸収しにくくなり、脳の萎縮や機能低下を招いて認知症へとつながるのです。また、脳梗塞などの脳血管障害を引き起こして認知症へとつながる場合もあります。NG習慣2:運動不足が続いている運動不足になると、筋力が低下します。すると活動量が低下して脳への刺激が減り、認知症のリスクを高めます。ウォーキングやストレッチ、手足を動かすなど軽い運動でも十分脳への刺激になりますので、何歳になっても適度に体を動かすことを心がけることが大切です。NG習慣3:睡眠不足の日が多いアルツハイマー型認知症は、脳におけるアミロイドβなどのタンパク質の蓄積が原因で発症しますが、アミロイドβは夜間の睡眠中に脳から血液中に排泄され、肝臓に運ばれて無毒化されます。睡眠不足になると、この排泄が低下して蓄積しやすくなるため、アルツハイマー病になりやすいと考えられています。NG習慣4:たばこを吸うたばこを吸うと、ニコチンの血管収縮作用により血液の流れが悪くなります。すると脳への酸素が供給されなくなり、脳の神経細胞がダメージを受け、認知症を引き起こす恐れがあります。NG習慣5:人と会ったり話したりすることがほとんどない例えば、定年になって仕事を辞めたり、子どもが自立して夫婦2人だけになった後、家に引きこもって運動もせず、誰とも会わない生活をするようになった人が、認知症を発症するケースは珍しくありません。これは、こうした生活により脳への刺激が極端になくなり、脳が萎縮して認知症が引き起こされると考えられます。認知症は初期段階で適切な治療を受ければ元に戻れる!認知症の約70%を占めるアルツハイマー型認知症には、必ず2~3年ほどの前段階があります。それを「軽度認知障害」と言います。軽度認知障害の代表が「記憶力の低下」です。最初は本人がもの忘れを自覚することもありますが、徐々に自覚が薄れていきます。また、今まで興味のあったことに無関心になったり、情緒不安定になったりもしますが、日常生活は送れるのが特徴ですこの軽度認知障害の段階で生活習慣の改善や運動をすれば、50%の方が元に戻れます。その後の段階であっても、できるだけ早く治療を始めることで、進行のスピードを遅らせることができるのです。認知症は早期発見、早期治療することがとても大切。それによってその後の生活が大きく変わることを知っておきましょう。まとめアルツハイマー病型認知症は長い年月をかけて脳にタンパク質がたまって発症します。つまり「高齢者になってから気を付ける」のでは遅く、30〜40代のときから生活習慣を見直すことが予防に大きくつながるのです。上の「認知症になりやすい人」の生活習慣に1つでも心当たりがある人は、今から改めて、認知症になりにくい体を作っていきましょう。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。取材・文/かきの木のりみ4つの編集プロダクションで紙媒体の編集をしつつWebの学校に通い、Webと紙両方の編集に携わるようになって約20年。スポーツは観るのもやるのも好きなのだけど、最近はすっかり観るほうに……。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/監修/菊池 大和 先生医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長。地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
2024年03月17日依存症等の治療を行う株式会社ASC(所在地:愛知県名古屋市熱田区)は、「性依存症・性嗜好障害」の方に向けた治療(認知行動療法)ができる新サービス「性依存・性嗜好障害オンラインプログラム」の提供を4月12日(金)に開始します。「性依存・性嗜好障害オンラインプログラム」URL: あつた白鳥クリニック■提供背景プログラムの提供元である医療法人彩心会あつた白鳥クリニックでは、毎週10人以上の性依存症の方が集団療法に参加しており、参加し続けることで多くの方が再発なく生活しています。性依存症は、適切な治療を行っていくことで、再犯リスクを大きく減らすことができます。再発を予防し、新たな被害者を出さないためには、長く治療の場につながっていることが大切です。ASCによるオンラインプログラムでも、新たにフォローアップを充実させ、長く治療につながれるプログラムを提供します。■サービスの特徴*再発防止モデル性依存症の再発予防に効果的がある認知行動療法を元にした治療を行います。自分のものの見方や行動の傾向を見つめ、知識やスキルを学ぶことを通して自分なりの再発防止プランを作成していきます。*グループ・プログラム治療セッションは5人ほどのグループで行います。他の方の意見や考えを知ることで、自分一人ではなかなか気づけなかったことに気付けたりします。こうすることで再犯予防効果が高まります。*フォローアップ・プログラム再発防止プランは、1度作成するだけでなく、改良を加えていくことでより高い再発予防ができます。本プログラム修了後も、フォローアップをグループ形式で行っていくことで、より効果的な予防プランを作り、実生活に生かしていくことができます。*司法領域のサポート痴漢や盗撮等で送検された場合に、適正な処遇を得られることを目指して裁判等で必要な治療計画書や意見書の作成、出廷なども行います(別途、費用がかかります)。■ご利用の流れ電話での無料相談を行い、初回カウンセリングの日程をお決めいたします。初回カウンセリングを行ったあと、本プログラムにお申込みいただきます。本プログラムはZoomを使って、すべてオンラインで行います。■サービス概要サービス名: 性依存・性嗜好障害オンラインプログラム提供開始日: (1)2024年4月12日(金)~(2)2024年5月11日(土)~提供時間 : (1)平日 毎月2・4週目に実施 18:30~20:00(2)土曜 毎月2・4週目に実施 10:00~11:30場所 : Zoom料金 : 145,200円(税込)/[全12回+フォローアップ6か月]申込み方法: ホームページまたはお電話にてお申込みください。URL : ■会社概要商号 : 株式会社ASC所在地 : 〒456-0035 愛知県名古屋市熱田区白鳥3丁目10-19 BLG白鳥2F事業内容: 各種依存症に対するオンライン治療・心理教育URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】あつた白鳥クリニックTEL: 052-671-1555お問い合わせフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月14日母方の伯父(母の兄)が認知症になり、介護が必要な状態になりました。メディアなどで認知症という言葉は知っていましたが、見るのとやるのとでは大違いでした。認知症は進んでも伯父の体は元気で、介護には気力に加えて体力も必要だということを、身をもって知った私の体験談です。少しずつおかしくなっていく伯父最初に伯父の異変を感じたのは、会話の中で少しずつズレが生じてきたときです。質問に対する答えが要領を得ておらず、求めた回答が得られません。ただ、伯父はもともと口数の多い人ではなかったので、そのときはさほど気にもならず、そのまま時間がたちました。しかし、会話のキャッチボールができないことが増えるにつれ、認知症の疑いは強くなりました。正常に会話ができる時間と、そうでない時間のバランスが変わってきて、「おかしいな」と感じることが増えたのです。病院へ連れ出すのもひと苦労伯父は頑固で、病院に行くのを嫌う人でした。心療内科などに連れて行くのは簡単ではなく、なかなか病院に行く話は切り出せませんでした。そうしているうちに少しずつ言葉や行動が乱暴になり、怒鳴り散らす場面が増えてきました。暴れ出すとひとりで押さえるのも難しいため、介護士さんに相談することに。さすがにもう家で介護をするのは難しいと判断し、なんとか伯父を病院に連れて行くことに決めました。病院で暴れる伯父私ひとりでは心細いので、従妹と2人がかりで伯父を病院へ連れて行くことに。伯父の家はきれい好きの伯父からは想像できないほど散らかり、異臭もありました。私たち2人が部屋に入るなり、「座ってこのテレビ番組を見ろ!」と怒鳴られました。テレビ番組の内容とは違うことを大きな声で話し続け、会話になりません。伯父が信頼している医師の名前を出し、今から病院に行かなければいけないことを伝えます。何とか納得した伯父を病院に連れて行きましたが、待合室でも大きな声で怒鳴っていました。医者の診察を受ける際は同席して伯父の症状を伝えましたが、医師にも怒鳴るなどあまり会話にはなりませんでした。暴力的なこと、清潔を保てていないこと、会話ができないことなど総合的に判断し、そのまま入院することになった伯父。寂しさもありましたが、正直少しホッとした気持ちになったことは否定できません。帰りの車中で元気だったころの伯父の姿を思い出して、涙が出そうになりました。まとめ伯父の介護を通じて感じたのは、家族の介護には限界があるということです。周りの協力を得ても、どうしようもないときもあります。まずは医師や専門家に相談したり、病院や施設を頼ったりすることも必要だと感じました。変わっていく伯父を見ていると、昔の元気な姿を知っているだけにいろいろな感情が湧いてきます。それでも、「伯父のためだ」と割り切ることで、気持ちにも整理をつけることができました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。文/ケニヨン ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ウーマンカレンダー編集室40歳を過ぎて心と体の変化に戸惑い、悩むオトナ女子を応援するメディア「ウーマンカレンダー」の編集室です。オトナ女子がおこなっているコスパ良し!時短!ズボラでもできる!リアルなアンチエイジング情報をお届け。医師解説の記事も満載!
2024年03月11日同じ話を繰り返す、財布が小銭でパンパンになっている、外出先から戻れなくなるなど、いろいろなサインがあるといわれている認知症。私の義母が認知症になり始めたころの壮絶な体験が、それを知るきっかけになりました。見逃していた認知症のサイン私と夫が住む家から駅1つ離れたところに義母は住んでいました。夫の実家でもあり、戦後間もなく建てられた古い家でした。そのころ義母は70代半ばでしたが、病気らしい病気もなく、とても元気でした。しかし徐々に「何かがおかしい」と感じることが増えました。同じ話を何度もしたり、大量に小銭が入ったビンがいくつもあったり。今思えば認知症のサインだったようなのですが、当時の私は知識がなく、加齢による症状だろうと思い込んでいました。大量の生ゴミとコバエの中で…義母が明らかに変だと気付いたのは、ある夏の日でした。私ひとりで義母宅を訪ね、いつものように「こんにちは!」と玄関を開けた瞬間、何とも言えない異臭がしたのです。そして、家の中をコバエが大量に飛んでいました。「どうしたんですか!」と私はびっくりして尋ねましたが、義母は平気な顔。「ものすごい臭いですよ。何があったんですか」と聞いても、義母は「においなんかしない」と言うのです。見ると、台所の奥にゴミの入った袋がたくさんたまっていました。そこにはコバエが大量にたかっています。気味が悪いとか言っている場合ではない……「とにかくこのゴミを処分しなければ」と思ったことを覚えています。幸い、その日はゴミの収集日ですぐに処分できました。その後は、殺虫剤でコバエを退治しました。「においはまだ残っているけどゴミは処分したし、すぐ元通りになるだろう」と、そのときは思いました。しかし、義母がゴミの出し方や収集日がわからなくなっていることに気付いたとき、初めて「認知症」という言葉を意識することになりました。ゴミを処分したのにまだ異臭が!?次の日、今度は夫と訪ねてみたら、なぜかまた異臭と大量のコバエが! 「昨日ちゃんと処理したはずなのになぜ?」と戸惑いつつ、どこかにまだゴミがあるに違いないと、夫と2人で異臭の発生源を探しましたが、見つかりません。義母は相変わらず「私は知らない。においなんかしない」と言い張ります。10分ほどたったとき、夫が突然「もしかしてここか!?」と声を上げました。夫が指さした先は台所の床下です。義母が住む古い家は、台所の一部の床板が外れる仕組みになっていました(今でいう床下収納)。何十年も使ってなかったらしいですが、昔はお酒などを入れてあったそうです。夫自身もほとんど触ったことがないというその床板を、2人で持ち上げて剥がしました。すると予感的中。所狭しと生ゴミの袋が詰め込まれていました。そこには、コバエの大群ができていたのです。まとめそれから約1カ月後、義母を連れて脳神経外科を受診したところ、アルツハイマー型認知症(脳の神経細胞が減り、脳が小さく萎縮することで症状が現れる認知症)と診断されました。あとから知ったことですが、アルツハイマー型認知症は嗅覚が低下するそうです。それもかなり早い段階から、もっと言えば認知症になる何年も前から嗅覚の低下は始まるとのこと。早い段階で認知症を発見することができれば、それだけ症状の進行を抑えることにつながることを知り、今後の参考にしたいと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。文/高井かおるイラスト/sawawaウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ウーマンカレンダー編集室40歳を過ぎて心と体の変化に戸惑い、悩むオトナ女子を応援するメディア「ウーマンカレンダー」の編集室です。オトナ女子がおこなっているコスパ良し!時短!ズボラでもできる!リアルなアンチエイジング情報をお届け。医師解説の記事も満載!
2024年03月07日日本の認知症患者は年々増えていて2025年には675万人〜730万人、65歳以上の高齢者のおよそ5人に一人が認知症となることが、平成29年版高齢社会白書(*1)や内閣府、厚生労働省等で予測されています。認知症は自身がなっても、家族がなっても心配な点が多い病気です。今回は、それぞれの立場になった場合の認知症に対する意識について調査しています。*1:平成29年版高齢社会白書介護してもらう側になった場合について考えた事はある?あなたが中等度認知症の診断を受けた場合、介護してくれる人はいますか認知症は加齢と共に発症率が高くなるため、若年層にとっては非現実的な質問だったかもしれません。自身が中等度認知症の診断を受けた場合、介護者が「いる」と回答した人は37%、「いない」は36%、「わからない」は27%でした。世代別でみると、20代未満では「わからない」の回答が最も多く41%、認知症について現実的に考えづらいことがうかがえます。また、40代や50代では介護者が「いない」と答えた回答が40%でした。40代や50代は子どもは自立していない、親は介護が必要という人が多い層であることが予想されます。こういった背景から、自分が介護される側になった時に「介護者はいない」と答える人が多かったのかもしれません。身近だからこそ、迷惑をかけたくないと思う人が多い傾向にあなたが中等度認知症の診断を受けた場合、最も不安に感じる事を選択してください自身が中等度認知症の診断を受けた場合、最も不安に感じていることで回答が多かったのは「家族に迷惑をかける事」49%に。次に「自分自身が分からなくなること」20%、「生活していけるかどうか」13%という結果でした。 自分自身の事ではなく、家族への負担について不安に思う人が多いようです。中等度の認知症になると自分一人で日常的な動作が難しくなってくるので、介護や介助が必要になってきます。そういった時に頼れるのが一番に家族ですが、身近だからこそ迷惑をかけたくないと思う人が多いようです。「他」を選択した人の回答・周囲からみた自身への評価や視線(36歳女性)・終活ができるかどうか(38歳男性)・認知症中等度の症状に至るまでに資産整理ができるかどうか(53歳男性)・大切な人を忘れること(33歳女性)パートナーが中等度認知症になった場合、「自宅と施設を併用」が多い傾向配偶者またはパートナーが中等度認知症と診断された場合、どのような生活スタイルを希望しますか配偶者やパートナーが中等度認知症になった場合、「自宅と施設を併用」を希望する方は51%でした。 次に「同居」が29%、「専門施設に預ける」が18%でした。平成22年(2010年)国民生活基礎調査(*2)によると認知症患者と同居している方が64.1%で最も多く 「同居」の主な介護者の続柄は「配偶者」が25.7%で最も多い結果になっています。 認知症の方と同居するということは、同居する家族が介護や介助をするということは必然です。 そういった負担が一番に配偶者にかかることを考えると一定の距離を置きたいと思う方が多いのかもしれません。*2:平成22年国民生活基礎調査「他」を選択した人の回答・自宅で助けてもらいながら介護する(60歳女性)・具体的な想定はできていません(46歳女性)・世帯分離して市に預ける、自分の人生を犠牲にしてまで尽くそうと思えない(25歳女性)パートナーの両親との同居を希望しない女性が多い傾向に配偶者またはパートナーの両親が中等度認知症と診断された場合、どのような生活スタイルを希望しますか配偶者やパートナーの両親が中等度認知症と診断された場合の希望生活スタイルは、 「専門施設に預ける」が40%、「自宅と施設を併用」が37%、「同居」が15%の順番に回答が多い結果となりました。男女別でみると女性は「専門施設に預ける」が46%で回答割合が多いのに対し、男性は「自宅と施設を併用」37%の回答が多い結果となりました。また同居を希望する男性が22%に対し、女性は8%という結果でした。 女性が家事や育児など家のことをするという社会的風潮は現在もあります。 そういった背景から、同居を希望しない女性は多いのかもしれません。調査概要調査内容:認知症に関するアンケート実施対象:V-NET会員とアンケートモニターサイト閲覧の非会員実施方法:V-NET会員への告知とアンケートモニターサイトへの掲載実施期間:2023年12月11日(月)〜2024年1月10日(水)有効回答数:2,622票(男性:1,362名、女性:1,260名、12〜90歳 / 平均年齢46.9歳)調査結果掲載ページ:ヒューマンリンク(マイナビ子育て編集部)
2024年03月05日お笑いコンビ・ココリコの遠藤章造の妻・まさみさんが3日に自身のアメブロを更新。花粉症による不調とともに感染症が現れたことを明かした。この日、まさみさんは次男・歌楽(うた)くんについて「先週、額をケガした」と明かしつつ「ケガをしたのを忘れたの!?ってくらい元気です」と様子を報告。「またケガされたら、、、って考えたら何をするにもヒヤヒヤしちゃう」と述べるも「今日みたいに天気が良い日は外に行きたがる」と悩ましい様子でつづった。続けて、自身について「花粉症のせいで抗アレルギー薬、ステロイド服用しても具合悪くて」と説明し「おまけに疲れや心配事からか?口唇ヘルペスまで発症」と告白。「我が家はパパ以外は子供たち2人も重度の花粉症」と息子達も花粉症を発症していることを明かし「薬を飲ませていても鼻水、くしゃみ、目が痒いと騒いでいます」とつづった。また「花粉がすごいからまたカユカユになっちゃう」といい「今日は室内で遊ぼうっていったら『こうやって公園に行ったら鼻痒くならないから大丈夫だよー』って」とティッシュを鼻に詰めた歌楽くんの姿を公開。「確かに!!気持ちは伝わるよ」と述べ「このまま公園に行く勇気を褒めたい」とお茶目にコメントし、ブログを締めくくった。
2024年03月04日現在施設に入所している80代後半の父は、75歳のときに体調を崩しMRI検査を受けたことをきっかけに初期のアルツハイマー型認知症と診断されました。あまりに唐突なことで今ひとつ現実を受け入れられなかった私たち家族でしたが、今後のことを考えるとしなければならないことが山積みでした。服薬開始と要介護認定まず、「ごく初期の段階なので今でしたら薬でアルツハイマーの進行を遅らせることも可能かと思われます。どうされますか?」と医師から提案があり服薬することとなりました。また、そのころ父は「デイサービス(食事や入浴など日常生活上の支援や生活機能向上のための機能訓練などを受けられる施設)へ行きたい」と言うようになりました。理由はそれまでお付き合いのあった近所の方たちが通われていることを知ったからです。定年後は自治会などの活動を通して人付き合いも頻繁にありましたが、数年前より一緒に活動されていた方たちの高齢化もあり、段々とそれらの活動から遠のき、家に引きこもるようになっていました。それが寂しかったのか、父もデイサービスに行けば友人ができるかもと期待をしていたようです。医師からも「他人と関わりを持ったり、適度な刺激を受けたりすることは認知症の方には良いことですよ」とアドバイスをいただき、メインの介護者となる母にも父をデイサービスに通わせるという方向で話を進めました。デイサービスを利用するには要介護認定を受け、ケアマネジャー(居宅支援事業所:要介護者の在宅介護に関する相談や計画、連絡・調整を総合的に引き受ける事業所)を決定し、ケアプランを作成してもらう必要があります。そこで、住所地を管轄する地域包括支援センター(高齢者と高齢者を支える人をサポートする拠点として設置された施設)へ相談に行き、要介護認定を受けられるかどうかを決定するために認定審査を受けることとなりました。ケアマネジャー決定!?数日後、市から派遣された調査員の方が認定審査に来て、それから約1カ月後に市から介護保険証が届き、「要支援1」の判定が出ました。次にケアマネジャー(居宅支援事業所)を決めることとなるのですが、ここで父が周囲を驚かせる行動に出たのです。介護認定さえ出ればデイサービスに行けると思っており、旧知の方が多く通っている近所の介護施設に「私をここのデイサービスに通わせてほしい」とひとりで直談判に行ってしまったのでした。後に知ったことですが、その施設で父のことを知る近所の方が働かれていて、幸いその方が窓口で騒いでいる父に気付き話を聞いてくださったそうです。その方は、デイサービスを利用するにはケアマネジャー(居宅介護事業所)を決める必要があることを説明してくださり、「今すぐ通いたい」の一点張りで話の通じない父をなだめて、担当者に話をつなげてくださったのでした。その後、担当の方から母宛てに電話があり「こちらの施設には居宅介護支援事業所もありますので、よろしければケアマネジャーを引き受けさせていただくことも可能です。デイサービスの利用については、ケアマネジャーが決まり次第、一度ご本人様ご家族様とお会いしてから調整させていただくという方向でいかがでしょうか」とのお話がありました。いざ! デイサービスへこのような経緯で、担当のケアマネジャーさんが決まりました。デイサービスの利用に向けてプランを作成していただく際に「Yさん(父の名前)の場合、身体的には自立(介助の必要がない)、認知症もまだ初期の段階ですよね。私どものデイサービスは介護度の高い方が多く通われていて、会話を楽しむとか、友人作りとなると難しいかもしれません。よろしければ他のデイサービス事業所を検討してみませんか?」とのお話がありました。しかし「いや、俺はそちらのデイサービスに行きたいんだ」とまたしても一点張りの父。ケアマネジャーさんも一度言いだしたら聞かない父の性格をすぐに見抜き「それでは、お試しに週1回通ってみましょうか」となりました。が、結局3カ月後には父の意思により利用終了となりました。ケアマネジャーさんが言われた通り、自分が望むようなコミュニケーションを取れる方との出会いは難しかったようです。「それでしたら今度は身体機能を維持するためにリハビリ中心の半日型のデイサービスに通ってみませんか?」と提案していただき、そちらは要介護度の低い方が多く、利用者同士の関わりもあり、体を動かすことが好きな父にとって居心地がよかったようで数年間お世話になりました。まとめ認知症と診断されてから介護サービスにつながるまでに、いくつもの手続きがあったり、さまざまな職種の方と会ったり、用語、介護保険の制度を理解していかなければならなかったりして、大変なことがたくさんありました。実体験として、介護が必要となったときにはまずは「住所地を管轄する地域包括支援センターへ相談!」が良いなと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ブルームーン(53歳)30代でシングルマザーになり、50代で再婚。
2024年03月04日認知症は現在、治療で進行を遅らせることはできても、治すことはできません。でも、初期の段階で適切な治療を受ければ、認知症に進まず元の状態に戻れることを知っていますか? 認知症にじょうずに対処するには、正しい知識を知って早期発見・早期治療をすることが最も効果的。きくち総合診療クリニック理事長・院長の菊池大和先生に、私たちが知っておくべき基本知識を聞きました。教えてくれたのは…監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。そもそも「認知症」とは?認知症とは病気の名前ではなく、症状の総称です。人は、何らかの原因で脳の神経細胞が死んでしまうと、物事を覚えたり判断したり、行動したりすることができなくなっていきます。そうして社会生活に支障をきたした状態を、「認知症」と呼びます。日本の認知症高齢者の数は、2012年で462万人と推計されており、2025年には約700 万人、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると予想されています(※)。※出典:厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(概要)」認知症の原因原因によって大きく4つに分けられる認知症になる原因は300以上あると言われ、その原因によって4つの種類に分けられます。認知症の中で最も多いのが「アルツハイマー型認知症」で、全体の70%弱を占めます。原因は、脳内の老廃物であるアミロイドβ(ベータ)などのたんぱく質が、異常に蓄積してしまうこと。それが神経細胞を破壊し、脳が萎縮することで発症します。次に多いのが「血管性認知症」で全体の20%弱です。脳出血や脳梗塞などが原因で脳の組織が破壊され、引き起こされます。その他、脳にレビー小体というたんぱく質のかたまりができることで引き起こされる「レビー小体型認知症」と、前頭葉や側頭葉の神経細胞が変性するなどして進行する「前頭側頭型認知症」を加えた4つを「4大認知症」と呼びます。認知症の症状症状の現れ方には段階があります。ここでは、最も一般的なアルツハイマー認知症の症状について見ていきましょう。ポイント1:初期段階=軽度認知障害認知症というと、徘徊したり、家族の名前も憶えていないような状態を想像しますが、いきなりそうはなりません。認知症には必ず前段階があり、それを「軽度認知障害」と言います。この期間が2~3年あり、まず「記憶力の低下」が起こります。最初は本人がもの忘れを自覚することもあります。今まで興味のあったことに無関心になったり、情緒不安定になったりもしますが、日常生活は送れている状態です。人は誰でも年を取れば、もの忘れが増えます。思い出したいことがなかなか思い出せなかったり、記憶力が低下したりもします。すると「このまま認知症になるのでは?」と不安に思う人もいるでしょう。しかし、これらは加齢によるもので、認知症とは異なります。認知症のもの忘れは、食事したことそのものを忘れてしまう、駅から家に帰る道がわからなくなるなど、ある体験を丸ごと忘れてしまい、日常生活に支障を来たすのが特徴です。ポイント2:中期段階中期段階は4~5年あります。日常生活に支障が出てくる期間で、家族が一番介護が大変な時期になります。物の場所がわからない、食べたことを覚えていないということが起き、夕飯を何度も食べたり、買い物に行って帰って来られない、昼夜逆転して夜眠れない、徘徊(はいかい)、幻聴、幻覚、失禁などが見られます。ポイント3:後期段階後期段階は、何もできなくなります。食事、着替え、排泄、入浴は、やり方がわからないため本人は動けません。興味もなくなります。家族に「あなた、誰?」と言うのもこの時期です。もしかして認知症かも、と思ったら認知症は初期段階(軽度認知障害)で生活習慣の改善や運動などをすれば、50%の人が元に戻れます。つまり、早期発見・早期治療がとても大切なのです。家族の様子に少しでも違和感や不安を感じたら、迷わずかかりつけ医に相談しに行きましょう。認知症の検査をし、異常がなくても定期的に通院して、主治医に自分の状態を知ってもらうと安心です。内科などのかかりつけ医を持っていない場合は、脳神経内科や脳神経外科、認知症外来などで診てもらうと良いでしょう。認知症の治療方法は?認知症の治療には、「薬物治療」と「非薬物治療」があります。ただし、認知症を完治させる治療法はまだわかっていません。現在の治療は、あくまで症状を緩和したり、進行を遅らせたりすることが目的です。方法1:薬物治療薬を服用する治療です。症状によっては、抗精神病薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、睡眠薬などが使われる場合もあります。2023年発売の最新治療薬「レカネマブ」とは、認知症の最大の原因であるアルツハイマー病の原因物質・アミロイドβに働きかけ、除去して減らす作用が認められ、進行を抑えるとされている世界初の治療薬です。2023年12月より発売され、保険適用になりました。この薬の対象となるのは、軽度認知障害や早期の認知症と診断された人で、専門的な検査などが受けられる医療機関でのみ投与が可能です。なお、体重によって投与量が変わるため、価格は個人で異なります。方法2:非薬物治療薬物を用いないアプローチで、ストレッチや簡単な運動をしたり、脳を活性化させる回想法や音楽療法など、症状などによってさまざまあります。理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門家の指導のもとでおこないます。家族が認知症になったらときの対応は?できるだけ寄り添いましょうどのような症状が出ているかで対応は異なりますが、基本的な心構えは同じです。認知症になった家族の立場や気持ちに、できるだけ「寄り添う」ことがとても大切です。ポイント1:自尊心を傷つけない認知症による行動や発言を否定したり、何もできないからと赤ちゃん扱いしたりするのは、認知症の人の自尊心を大きく傷つけます。すると自信をなくしたり、心を閉ざしたりして、さらに症状が進行してしまう場合も。認知症になっても、プライドや自尊心は残っています。自尊心を傷つけず、尊重することが最も大切なポイントです。ポイント2:本人のペースに合わせる認知症になると、思考力や動作が遅くなるため、1つのことをするにも時間がかかります。それでも、ゆっくりやればできることが多くありますので、イライラして急かしたりせず、本人のペースに合わせましょう。ポイント3:つらくなったときは専門家を頼る認知症の症状によっては、介護者が身体的・精神的な負担を抱え、疲労してしまう場合もあります。家族が倒れてしまっては、元も子もありません。今はさまざまな介護支援サービスがありますので、じょうずに活用して介護の負担を減らしましょう。それでもつらくなったら、専門家や施設に頼ることも大切。距離を取ることで、認知症の方も介護者も気持ちが落ち着き、関係が良くなることもあります。まとめ認知症の基本知識を、菊池先生に教えてもらいました。認知症にも種類があるなど、意外と知らなかったことも多いのではないでしょうか。認知症を予防するためにも、また、認知症の家族と安心して暮らしていくためにも、正しい知識を身につけることが大切です。取材・文/かきの木のりみ4つの編集プロダクションで紙媒体の編集をしつつWebの学校に通い、Webと紙両方の編集に携わるようになって約20年。スポーツは観るのもやるのも好きなのだけど、最近はすっかり観るほうに……。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/監修/菊池 大和 先生医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長。地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
2024年02月29日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。ワフウフさんたち姉妹は、母・あーちゃんの付き添いが終わると、その日にあったことを情報共有しています。そこで気付いたのが、付き添う人によって状態が大きく異なること。わりとはっきり物を言う姉・なーにゃんといるときは、怒られないように緊張しているのか、しっかりしていることが多いようです。素の状態が良いのか、少しくらい緊張していたほうが良いのか、その答えは誰にもわかりません……。いつものように通院前日の確認メールを送ったワフウフさん。メールの最後に「朝一番で行こうね」と書いたところ、あーちゃんから電話がかかってきました。「朝一番って何時……?」と心細そうな声で聞いてきます。ゆっくり説明して、なんとか理解できたようですが、ワフウフさんは時間の感覚が狂ってしまったのかも? と心配になってしまいました。 ようやく実現した押し入れチェック! この日、押し入れをチェックしに実家へやって来ました。最初にチェックしておきたいのは電子レンジが使えるかどうか……。 無事にクリアです。 覚悟を決めて押入れを開けると……。たくさんの食べ物が! これまで食べなかった菓子パンや惣菜パンも「食事」と言っていました。 とりあえず、押入れの物を居間に移せるように片付けをしました。 そんな娘たちの横で、うれしそうにビスケットを食べ始めたあーちゃん。 ん? さっき食べませんでしたっけ……? 慌てて「さっきもう食べたよ!!」と止めに入ります。 またーーーー!!! ダメだこりゃ……。 やっとチャンスが到来し、姉妹で実家に行きました。お弁当を持参して、あーちゃんに温めてもらえるようお願いしたところ、電子レンジは問題なく使えていて安心。これなら宅配食も選択肢に入れられそうです。 そして、今回は台所を使った形跡もあり、もしかするとその日の状態によって、料理ができることもあるのかもしれません。そして、いよいよ最重要課題だった押し入れチェックへ! 「食事」と言い張る菓子パンや賞味期限切れの食べ物など、いろいろと隠されていました……。衝撃を受けながら片付けをする私たちの横では、あーちゃんは「お昼ごはんの後は、いつもビスケットを食べるのよ」とモグモグ。数分後には、またモグモグ……。その様子を見て、こうやっていつも食べているのかと、姉妹で納得してしまいました。 --------------以前にも押し入れに食べ物を隠していたあーちゃん。念願の押し入れチェックでは、賞味期限が切れたものや高カロリーのものなど、口にしないでほしいものがあったようですが、無事に片付けられてよかったですね。でも、新たな問題点が出てきてしまい、離れて暮らしていることの課題も出てきそうですね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月28日鼻や目などに症状が現れ、つらい花粉症。『季節性アレルギー性鼻炎』の一種で、人によって原因となる花粉の種類はさまざまです。スギやヒノキなどの花粉が飛散する、春に症状が現れる人が多く、対応に難渋しているでしょう。『よく想像される花粉症と実際の花粉症』イラストレーターの、遊ハち(@nemone_2)さんは、よく想像される花粉症の人の様子と、実際の姿についての比較をX(Twitter)に投稿しました。イメージされやすいのは、鼻水やクシャミなどが出る、こちらのような状態でしょう。薬を飲んだり、目薬を差したりする必要があり、対応が大変そうですね。…しかし!世の中には、この状態よりはるかに重症な人たちもいるのです!鼻水が滝のように流れ、虚無の目でティッシュを消費し続ける人の姿がありました…。4時間も何も手につかず、身体の水分が出ていくばかり。つらさの極みを描いたイラストに、「自分はこっちだ~!」と共感した人たちからの声が殺到しています。・誇張なしで後者の状態。やばくてシャレにならない。・花粉が少ない地域に住む人たちが、うらやましくなる時期だ!・1日にティッシュが5箱なくなる勢いです…。・生活の質が最低になるので、医療の力に頼るしかない。・いろいろな治療をしたのに、私は後者なんだよなぁ。花粉症の症状がない、または軽度の人たちは、2枚目のイラストの状態に驚いたことでしょう。花粉症は身近なアレルギーで、軽視されがちですが、『軽いもの』という認識は改める必要があるかもしれません![文・構成/grape編集部]
2024年02月27日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんは、糖尿病の持病があり甘いものを控えなくてはいけません。しかし、病院の帰りにお茶をするといつもケーキを食べようとします……。ワフウフさんたち姉妹がそれを制止すると、口癖のように「甘いものは我慢している!」と言い張るのですが、それは「ごはんの後すぐに食べているから間食ではない」と思っていたからだとわかり、慌てて姉妹で間食についての説明をしたのでした。通院の付き添いを終えると、ワフウフさんたち姉妹はその日にあったことを情報共有しています。そこでわかったのが、付き添いの人によって、あーちゃんの状態が大きく異なること。姉・なーにゃんといるときのほうが、怒られないように緊張しているようです。素がいいのかある程度の緊張は必要なのか、ワフウフさんも悩んでいます。 10年以上も通う病院なのに… 通院前日の確認メールに「朝一番で行こう」と付け加えたところ、あーちゃんから電話が。 いつも朝一番に行っていると説明すると……。 「朝一番」が何時かわからなくなってしまったようです。 落ち着いていつもの通院の流れを確認します。 行く時間はわかったものの、今度は家を出る時間がわからなくなりました。 バスの時間を調べようと時刻表を見ているようですが、そもそも見る時間が違います。 時刻表を見ている意味がないと、ゆっくり説明してみます。 最近、糖尿病の数値が良くないので、気を付けるように言うと……? スラスラと数値を語り始めますが、事実とまったく違うのです。 ちゃんと気を付けるように再度注意しますが……。 またもや自分に都合の良い解釈……! 通院の前日は、あーちゃんに確認のメールを送るようにしているのですが、最近待ち合わせに遅れることもあるので、念のため「朝一番で病院へ行こうね」と付け加えたところ、しばらくして「朝一番って何時……?」と心細そうな声で電話がかかってきました。 時間を伝えると、今度は自分が何時に家を出ればいいのかわからなくなってしまった様子……。そこで、バスの時間を調べようとして時刻表を取り出すも、病院に着いているはずの9時や10時台の時間を見ていて、結局「7時半過ぎに家を出ればいい」と私が言って、やっと安心してくれました。もう10年以上も通院している病院だというのに、流れがわからなくなってしまったようです。 実はここ最近、あーちゃんの糖尿病の数値があまり良くありません。それなのに、本人は数値が下がったと思い込んでいて「先生からも食べるように言われた」と自信満々。先生は、痩せてきているからたんぱく質を増やすようにと言っただけで、甘いものを食べなさいなんてひと言も言っていないのに。あまりにも都合がよ良過ぎる解釈に、説明するのも疲れてしまいます……。 --------------10年以上も続けていることであれば、そう簡単に忘れることもなさそうだと思ってしまいがちですが、認知症は記憶を保持している期間にかかわらず影響が出てしまうようですね。時間の感覚が狂い始めているとすれば、生活リズムも乱れてしまいそうで心配ですね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月27日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんは、一見すると身ぎれいにしているように見えるのですが、よく見てみると同じ服を着続けていたり、季節感がズレているアイテムを使っていたりと、あれ? と思うようなことも。ワフウフさんはそんなあーちゃんを見て、ひとりでできることが少なくなっていくのを感じています。娘たちとランチをしていたときも、あーちゃんからは恒例の「甘いものは我慢しているから!」という発言が。よく話を聞いてみると、どうやら「ごはんの後すぐに食べているから間食ではない」と思っていた模様。姉妹で「食事以外は間食」だと何度も説明しますが、聞くたびに繰り返し驚くだけ……。この調子では、甘いものの制御ができないのは当然です。 人によって症状が変わる!? あーちゃんは、どうやら付き添いの人によって状態が大きく変わるらしいです……。 物事をハッキリと言う姉・なーにゃんといるときは、怒られないように意識してしっかりしている様子。 付き添いの様子を共有していると、姉・なーにゃんは驚きの連続のようです。 そして迎えた通院の日。またあーちゃんは待ち合わせに遅れてしまいました。 理由もコロコロ変わり、説明する様子もしどろもどろ。 そしてこの日、検尿カップをナースステーションに持ち込むというプチ事件が発生。 おしっこを持って歩き回るのをおかしいと思えないなんて、ショックです……。 不思議なことに、あーちゃんは私といるときと姉といるときでは認知症の状態が違うようで、病院の付き添いを終えて情報共有していると、あまりの差に姉が驚くことも少なくありません。姉はどちらかというと物事をハッキリと言うタイプだから、怒られないように緊張しているのか……!? 普段の状態を見るには、私といるときのように素の状態であるほうが良いのかもしれませんが、特に外出しているときは、ある程度緊張してしっかりした状態を保とうとするのも必要なのかもしれません。どちらがいいのか……。この答えを出すのは、なかなか難しそうです。 そしてまたやってきた通院日。あーちゃんはまた時間に遅れてやってきました。診察では頻尿についても相談してみましたが、特に問題ないとのこと。しかしこの日、トイレからナースステーションまで検尿カップを持ち歩くという事件が発生……。おしっこを持ち歩くのをおかしいと思えなかったのかと、かなりショックを受けてしまいました。 --------------付き添う人によって症状が変わるというのは、何とも不思議ですね。待ち合わせの時間に遅れてしまい、中身入りの検尿カップを持って歩くなど、心配な行動も目立つようになってきたようで、より心配になってしまいますね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月26日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。ワフウフさんがこれまでに接してきたことがある認知症は、母・あーちゃん、義父、祖母の3人。いずれもアルツハイマー型でしたが、問題行動や進行のスピードはそれぞれ……。しかし、「認知症を認めない」「言うことを聞かない」「お金への執着」という点が共通していて、これは認知症全体のあるあるなのでは? と感じているのでした……。一見すると身ぎれいにしているように見えるあーちゃんですが、よく見てみると同じ洋服を着続けていたり、季節感がズレていたりすることも……。そして、娘たちに連れられて行った銀行の手続きも難航し、ワフウフさんはひとりでできることが少なくなっていくのを実感しています。 自分に都合が良過ぎる解釈… 病院の帰り、また甘い物を食べたがったので、小さな和スイーツを注文。そして、恒例の発言……。 このセリフ、一体何度目でしょうか……。 ここで、「間食」の解釈が違うことに気付きました。 姉妹そろって絶句です……。 一生懸命2人で説明しますが……。 説明を聞いて驚く……というのを、何度も繰り返します。 自炊からも遠のいているようなので、おかずを作って渡したところ……。 すぐに忘れられてしまいました。短期記憶障害が進んでいるようです。 そして、病院の帰りはいつも要求が山盛りです。 相変わらず、トイレも頻回。 この日は実家に寄るはずが、あーちゃんの記憶違いでたんたん(夫)が在宅だとわかり、家に上らず退散することに。 銀行の用事を済ませ、近所のファミレスで姉とあーちゃんと私の3人でランチをしました。あーちゃんは、そこでも相変わらず甘いものを食べたがったので、小さめの和スイーツならいいかと注文することに。そこで、恒例の「甘いものは我慢しているから」発言が飛び出します。 しかし、よく話を聞いてみると「ごはんの後すぐに食べているから間食ではない」と主張していました。その都合が良過ぎる解釈に驚がくしながらも、姉妹で何度も「食事以外は間食」と説明するも、何度も繰り返し驚くだけで理解はしていなさそうです……。驚きたいのはこっちなのに! そして、いざ帰路に着いても神社に寄りたいだのトイレに行きたいだのと、時間がかかります。この日は実家に立ち寄って押入れの様子を確認するつもりが、あーちゃんの勘違いでたんたんがいることがわかり、顔を合わせたくない私たち姉妹は、何もせずに帰るしかありませんでした……。 --------------あーちゃんが、「間食はしていない」とドヤ顔で言い続けていた理由がわかりましたね。それは勘違いだと説明するたびに驚かれて、結局理解できたのかどうかはわからずじまいだったとのこと。これから先どんどん手がかかるようになっていくと考えると、さらに家族のサポートが必要になりそうです。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月25日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。ある日、占いに出掛けたワフウフさん姉妹。そこで「母・あーちゃんの世話に追われるのは今年いっぱい」と言われ、あーちゃんの身に何かが起こる!? とドキッとしてしまいました。しかし、よくよく考えるとお世話をする自分の身に何か起こる可能性も考えられると気付いてしまい、どちらも当たらないように願うのでした。ケーキがダメなら飴!?年に一度の発表会には出ず、これまでよりペースを落としてダンスのレッスンを再開したあーちゃん。しかし、良い刺激になるから続けてほしい! というワフウフさん姉妹の期待とは裏腹に、レッスンに行ったのかどうかすら忘れてしまうように……。そして、毎週通っている注射も同じように忘れてしまっているようで、もう自己管理ができなくなってきていることを痛感しました。病院帰りに寄ったお茶で、ケーキを食べたがっていたあーちゃん。糖尿病の持病があるため止めたところ……。ボリボリと飴を食べ続けるあーちゃん。さすがに止めますが……。こう言われてしまうと、何も言えなくなります。ある日の通院時。なんとなくいつもより無気力な様子だったあーちゃん。スクッと立ち上がったものの……。歩き始めるまでに、時間がかかっている様子。やっと歩き出したかと思うと、すり足で歩幅も小さく……。そして、平坦な場所でつまづいてしまいました。そういえば、この前会ったとき、顔に傷があったような……。もしかして、転んだのを覚えていないとか??通院の帰り、いつものようにあーちゃんはお茶に立ち寄ったお店でケーキを食べたがりました。私が止めても、どうしても食べたかったようで、バッグから常備している飴の袋を取り出し、ボリボリと食べ始めました。次から次に食べるため、さすがにやめるように言ったのですが「疲れているから甘いものが欲しくなる」ということでした。ケーキはダメでも、飴ならいいと思っている……!?糖尿病の注射に付き添ったとき、しきりに「疲れた」と言っていたあーちゃん。顔つきも力ない感じで、今までの中で一番足元がおぼつかないように見えました。しばらく様子を見ていると、歩き出すまでに時間がかかり、やっと歩き出してもすり足……。平坦な場所で何度も、つまづいていたのでした。本人いわく「夕食後、毎日30分は歩くようにしている」とのことで、それを信じていたのですが、目の前で歩くあーちゃんを見ていると、本人ができていると言っていることの大半は、できなくなっていると思ったほうがよさそうです……。--------------ケーキを止めても飴をボリボリと食べてしまうのも心配ですが、やはり平坦な場所でも足元がおぼつかないようになっている様子を見ると不安になってしまいますね。歩くのが難しくなると、せっかく続けてきたダンスも難しくなってしまうのでしょうか。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年02月25日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんは糖尿病の持病があります。……にもかかわらず、通院の帰りにお茶に立ち寄ったとき、ケーキを食べようと選び始めました。そこで、ワフウフさんが我慢をするように言うと「甘い物は我慢している!」とキッパリ言うのでした。その様子を見て、この調子だと甘いものの自制は難しそうだと感じてしまいます。今までワフウフさんが接してきたことがある認知症は、あーちゃんと祖母と義父の3人。いずれもアルツハイマー型と診断されていましたが、問題行動はそれぞれ……。ただ、「認知症を認めない」「言うことを聞かない」「お金への執着」というのは共通していたので、もしかするとこれは認知症全体のあるあるなのでは? と思ったのでした。 すぐに忘れてくれて喜ぶべきか… いつのころからか、あーちゃんは同じ服を繰り返し着るようになっていました。 季節感のない服装をすることも……。 探し物もスムーズにできなくなっています……。 季節感とともに、温度感覚も狂い始めた……?! 今日は、娘たちに連れられて銀行の手続きへ。 つい、きつい言い方をしてしまい、反省……。 一瞬落ち込んで見えましたが、すぐに忘れてくれたようです。 あーちゃんは一見、とても身ぎれいにしているように見えるのですが、同じ洋服を繰り返して着ていたり、季節感がズレているアイテムを使っていたりと、少し変だと思うところもあります。 もしかすると、たとえ探している物が目の前にあったとしても、それを「探している物」だと認識できないのではないかと思っています。こうして、だんだんと季節に合った洋服が選べなくなっていってしまうのでしょうか。 こうして症状が進むあーちゃんを連れて、銀行の定期預金を普通預金へと変える手続きへ。相変わらず書類の書き方がわからず、私たち姉妹と銀行の人の三方向から指示が飛ぶ状態です。さらに、銀行の人が何度説明してくれても「結局どういうことなの?」と話が理解できず、ついついキツイ言い方に。でも、それもすぐに忘れてくれたようで、ありがたいやら悲しいやら……。 --------------三方向からの指示で、なんとか銀行の手続きも終えたようで安心ですね。でも、何度も目の前で同じ話を繰り返されると、ついキツく言ってしまう気持ちもわかるのではないでしょうか。気長に寄り添う必要がありそうですね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。>>次の話 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月24日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんは、これまでに何度か「自分は精一杯の愛情を注いで子育てをしてきた」とワフウフさん姉妹に言ってきました。その発言を否定する気はありませんでしたが、あまりにも自分に都合良く記憶が書き換えられていることもしばしば……。見過ごせないときは否定しますが、ずっと聞かされているほうもラクではありません。習い事を続けるのは難しそう…ある日、姉・なーにゃんと一緒に占いへ出掛けたワフウフさん。そこで「あーちゃんの世話に追われるのは今年いっぱい」と言われ、あーちゃんの身に何かが起こる!? とドキッとしましたが、冷静に考えて自分の身に何か起こる可能性もあるということに気付きます。どちらも当たらないことを願うばかりです。ダンスのレッスンを再開したあーちゃんでしたが、無断でレッスンを休んだと言いだしました。先生からはレッスンに来たと連絡をもらっているのですが……。どうやら、毎回持って行っているのかもわからないチケットで、出欠の確認をしているようです。通院日のこの発言には、もはや驚かなくなってきました。看護師さんと、注射が毎週だと初めて知ったような口ぶりで話す声が聞こえてきて……。大事なことだとはわかっているようで、今日からの新ルールと言わんばかりに手帳に書き込んでいました。あーちゃんは、これまでよりペースを落とし、年に一度の発表会には出ないという条件でダンスのレッスンを再開しました。しかし、病院の付き添いの際に「この前のレッスン、無断で休んじゃった」と言われてしまい、私は困惑してしまいます。なぜなら、先生からはちゃんとレッスンに来たという連絡をもらったから……。どうやら、あーちゃんは手元のチケットが減っているかどうかで、レッスンの出欠確認をしている様子。でも、そもそも毎回そのチケットを持って行っている確証もありません。自己管理ができなくなってきて、もう習い事を続けるのは難しいのかもしれないと思い始めました。そして、ずっと続けている毎週の注射も、「注射は毎週なんですか?」と初耳のように看護師さんと話し、「手帳に書いておかなくちゃね!」と、あたかも今日から始まった習慣のように言う始末。もうずっと通っているのに……。--------------ダンスのレッスンを続けることになって、喜んでいたのもつかの間……。自分で行ったのを忘れてしまっているとなると、果たして、ワフウフさん姉妹が期待していた「良い刺激」にはなっているのでしょうか。かなり記憶も曖昧になってきているようで、日常生活も問題なく送れているのか気がかりですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年02月24日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんの認知症が進行していく中で迎えたお正月。ワフウフさんは、あーちゃんを連れて姉・なーにゃんの家に行き食事をしました。そこで、食事よりも先にデザートとして用意されているお菓子を、他人の分まで完食してしまったあーちゃんを見て、もう自分では食欲が制御できないことを悟りました……。お正月も終わり、新年最初の通院。あーちゃんが待ち合わせに遅れるというトラブルもありましたが、無事に終了。お茶をしようとお店に入ると、あーちゃんがケーキを選び始めました。持病の糖尿病も心配なので我慢するように言うと「甘い物は我慢している!」と言います。今まさに目の前でケーキを選んでいたのに……。この調子だと、甘い物の自制は難しそうです。 認知症といってもいろいろ… これまでに接してきた認知症は、家族の中で3人。いずれもアルツハイマー型認知症です。 祖母は、とにかく徘徊(はいかい)がすごくて、周りも大変でした……。 義父は、せん妄(せんもう:意識の混乱)がひどく、ビックリ発言も多かった……。 そんな3人にも、共通点があるような気がします。 つらいのは、皆一緒……。 あーちゃんは、私と通院したことをすっかり忘れていました。 そして、また病院帰りのお茶でケーキを食べようとして、姉に制止されると……。 追及する姉に向かって……。 と、反論していましたが……。 たんたん:あーちゃんの夫 結局、白状してしまっていました! 認知症といっても、いろいろな種類があります。私が今まで接したことがある認知症は、祖母とあーちゃんと義父の3人。いずれもアルツハイマー型認知症で、問題行動もそれぞれですが、「認知症を認めない」「言うことを聞かない」「お金への執着」は、共通点だと感じています。 もしかして、これらは認知症全体の「あるある」なのかもしれませんね。突然暴言を吐かれてしまうのも、同じ話がループするのもストレスですが、苦しんでいるのは皆同じだと思うと、少し救われます。皆さん頑張りましょう……! あーちゃんの認知症は、相変わらずです。新年最初の通院はすっかり忘れ、病院帰りにまたケーキを食べようとして今度は姉に注意されるも、甘い物は我慢しているとドヤ顔。でも、押入れに隠し持っていたお菓子を指摘されると、かわいく白状してしまったらしい。……このへんが、なんだか憎めないところです。 --------------認知症といっても、問題行動や進行の度合いも違うので、そのときにベストだと思う行動を取るしかできませんよね。手探りの毎日だからこそ、押入れにお菓子を隠していたことをうっかり白状しちゃうお茶目な姿を見られたりすると、ほっこりしてしまうのではないでしょうか。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。>>次の話 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月23日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんが部屋で使っているテレビを買い替え、そのテレビが届く日。姉・なーにゃんは設置が完了したのを確認するために、何度も電話をするもつながらず……。やっとつながったと思ったら、口もきかないほど不仲になっているはずの父・たんたんと仲良くお出掛けをしていたと言われて絶句。ずっと悪口を聞かされて育ったワフウフさん姉妹にとっては、かなりモヤモヤしてしまう出来事でした。たまにはこんな日があっても…あーちゃんはふとしたときに、これまで自分は精一杯の愛情を注いで子育てをしてきたと、ワフウフさん姉妹に言ってきます。それ自体を否定する気はありませんが、あまりにも自分に都合良く記憶が書き換えられていることもしばしば……。聞いているほうもラクではありません。ある日、姉と一緒に行った占いで「あーちゃんのお世話に追われるのは今年いっぱい」と言われ……。なんだか、いろいろな考えが頭を巡るのでした。ここ最近の疲れを癒やそうと、マッサージへ行きました。気持ちよかった……!ごはんを作る気にもなれず、今日はちょっとサボることに決めました。この前、姉と一緒にとある占いに足を運びました。ここ最近はあーちゃんに振り回され続ける日々が続いていて、誰かに何かを進言してもらいたくなったのかもしれません……。それだけ、精神的に弱っているということ。占いでは、「あーちゃんの世話に追われるのは今年いっぱい」と言われました。もしかして、今年あーちゃんの身に何かが起こる!? と思いつつ、逆に自分の身に何かがある可能性もあるのか……ということに気付きました。どちらでもないことを願うばかり。そして、たまには体のメンテも必要ということで、通院の付き添いを終えたある日、ふらりとマッサージへ。あまりの気持ちよさに昇天し、ごはんはタイムサービスでお安くゲットしたお弁当で済ませてしまいました。たまにはこういう日もあっていいですよね!--------------言われたことがすべて当たるなんて思ってもいないのに、何か心が弱っているときに占いを頼りたくなるというのは、女子あるあるかもしれません。そして、姉妹で分担しているとはいえ、病院の付き添いや実家の片付けなど、介護の負担は決して軽くないでしょう。自分自身の心身のメンテナンスも忘れずにいたいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年02月23日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんの認知症は日に日に進行しているようです。先日も、診察を終えて先生から「ご家族の方は何かありますか?」と聞かれ、堂々と「はい! ありません!」と答えたあーちゃん。会話の内容が理解できていないようで、まったくかみ合っていません……。そんな様子を見て、ワフウフさんは困惑してしまいます。あーちゃんの認知症が進行している中、お正月がやってきました。ワフウフさんはあーちゃんと一緒に姉・なーにゃんの家で食事をします。そのとき、あーちゃんは食事よりも先に、デザートとして用意されたお菓子を完食してしまい、食欲のコントロールがきかなくなっていることを目の当たりにしたのです。 どう制御すれば…? 糖尿病の注射を打つため病院に行く日、いつもの時間にあーちゃんが現れず、心配していましたが……。 遅れた理由もしどろもどろ……。 この状態だと、どう考えてもあーちゃんが忘れていると思うのですが。 病院の帰り、お茶に立ち寄ると、うれしそうにケーキを選び始めるあーちゃん。 私が糖尿病のことを言うと……。 え?? えぇぇ……??? 糖尿病の注射へ向かう日。あーちゃんはいつものバス乗り場とは違う方向から登場しました。理由を聞くと、バスに乗り遅れてタクシーで来たのだと言います。乗り遅れた理由はコロコロ変わるので、曜日や時間を間違えたのを認めたくないのかもしれません。 そして、あーちゃんの携帯電話をチェックしていると、ダンスの先生から2回も着信が入っていました。あーちゃんいわく「お休みしたと言ったのに、先生が忘れちゃったのよ!」だそうで……。この状態で先生のせいにするのは、ある意味スゴイと思ってしまいました。 ドタバタだったけれど、無事に病院が終わり、お茶をして帰ることに。あーちゃんはケーキを食べようとしていましたが、糖尿病の数値が思わしくないので我慢するように言うと「甘い物は我慢しているから!」とキッパリ言い切りました。今、うれしそうにケーキを選んでいたのでは……? この調子だと、制御は難しそうです。 --------------待ち合わせがうまくいかないだけでも、事故に巻き込まれているのか忘れているのか、向かっているのに迷子になってしまったのか……と、いろいろと考えてしまうので落ち着きませんね。バスに乗り遅れた理由は定かではありませんが、とにかく無事に予定をこなせて安心できたのではないでしょうか。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。>>次の話 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月22日私の父はもともと膝が悪かったため、寝たきり状態になる前からその都度介助をしていました。しかし、骨折をきっかけに寝たきり状態になってしまい、完全在宅介護をすることになりました。その父の介護の体験談について紹介します。カーテンが真っ黒に!?父はもともとボクシングをしていて、体格が良く、体重も常に80kg以上ありました。そんな父が膝を悪くして、ひとりで立ち上がるのも難しく、病院に行くことも介助なしではできなくなりました。肩を貸してあげながら車まで移動して、病院に着いたら車椅子で先生のところへ運ぶだけだったので、そこまで大した労力ではなかったのですが……。ある日、父がベッドから落ちて、股関節まわりの大腿骨転子部骨折(だいたいこつてんしぶこっせつ)を経た後は完全な寝たきりになってしまいました。寝たきり状態になってからは、完全在宅介護体制で面倒を見ていました。病院にも行くことはなく、先生に直に家に来てもらうようになりました。しかし、毎日何もすることなく寝ている状態で過ごしているうちに、父の認知症がどんどん進行してしまい、あるとき父のベッドのそばにあるカーテンを見たら真っ黒になっていたのです。何かと思って見てみると、それは父の便でした。父は介護用おむつに手を突っ込んで、自分の便をカーテンに塗りたくっていたのです。私はカーテンを急いで洗って「もう二度としないでくれ」と言いましたが、それでも父のその行動は止まることはありませんでした。初めて声を荒げてしまい何度も同じことをやるので、父に向って初めて声を荒げてしまいました。すると、父はしょんぼりとした面持ちになり、何も言い返しませんでした。ちょっと怒り過ぎたかなと反省しましたが、それからはカーテンに自分の便を付けることはなくなり、私はホッと安心しました。しかし、声を荒げた日から2週間が過ぎたころに悲劇が起こりました。いつものように朝起きて仕事の準備を終えて父のいる居間に入りました。父も珍しく「おはよう」とあいさつしてくれて、今日は良い日になりそうだと思いながら朝食を作りました。あたり一面に異物が…いつもの朝食ができ上がり、早速父のベッドに持っていこうと、ベッドまであと1mというところで、私は何か柔らかいものを踏んで滑って転んでしまったのです。お膳に乗せた味噌汁、ご飯、鮭、サラダが見事に空中を舞いました。私は腰を強く打ちましたが、床中に飛び散ったおかずを片付けようとあたりの物をつかんでいると、変な感触があったのです。温かくて柔らかい感触で、「こんなもの作ったかな?」と見てみると、それは父の便でした。父はあたり一面に便をまき散らしていたのです。まとめおむつに手を突っ込まないように、専用の介護服を購入してからは二度とそんなことはなくなりましたが、できればもっと早く対策をするべきだったと今でも後悔しています。認知症が進むと、いくら言葉で伝えても相手を説得することがなかなか難しいです。やめてほしい行動があれば、どうすればその行動自体ができなくなるかという視点で、医師やケアマネジャーさんにアドバイスをもらうことも大事だと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。文/えうせウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ウーマンカレンダー編集室40歳を過ぎて心と体の変化に戸惑い、悩むオトナ女子を応援するメディア「ウーマンカレンダー」の編集室です。オトナ女子がおこなっているコスパ良し!時短!ズボラでもできる!リアルなアンチエイジング情報をお届け。医師解説の記事も満載!
2024年02月22日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんから、やめるかどうか迷っていたダンスのレッスンを続けようと思っていると聞いたワフウフさん。早速先生に連絡をします。すると「前回、レッスンをやめるとハッキリおっしゃいました」と言われてしまい、ビックリ……。結局、事情を話してなんとかレッスンは継続できることになりましたが、思っている以上に時間の感覚が狂ってきているのかもしれません。なんだか虚しくなる…先日、部屋で使うテレビを買い直したあーちゃん。姉・なーにゃんはちゃんと設置ができたのかが気になり、何度も電話をするもつながらず……。やっとつながったと思ったら、なんと口もきかないと言っていたはずの父・たんたんと仲良くお出掛けをしていたと言われて絶句……。いつも夫の悪口を言っていて、何かあれば娘たちを巻き込んで大騒ぎするのに、一緒にお出掛けをしていたと思うと、なんだかモヤモヤしてしまうのでした。たまに聞くこのセリフ。否定する気はまったくありませんが……。その昔、一番最初のダンスの先生が、発表会であいさつをしただけのワフウフを気に入ったらしく……。あーちゃんはお見合いの仲人さんのごとく、ノリノリ。※ミラニンくん:あーちゃんの孫当時、その思考回路が理解できませんでした……。この話が、すっかり自分に都合の良い話に書き換えられていて、さすがに見過ごせず。幸い、姉もこのときのことを覚えていて、一緒に全否定してくれましたが……。ひと言で終わり。なんだかモヤモヤします。そして迎えた次の通院。こんなことを言いだしましたが、もちろん来ています。さらにこの日は、お金を下ろすつもりだったらしく、こんなことを言い始めました。でも、お金は昨日下ろしたばかりです。それを伝えても……。と、すっかり昨日のことは忘れてしまい、ピンときていない様子。それなのに、たんたんがしてくれたささいなことは覚えているなんて……。※たんたん:ワフウフさん姉妹の父。あーちゃんとは不仲病気とはわかっていても、虚しくなってしまいます。あーちゃんはたまに、自分は精一杯の愛情を注いで私たち姉妹を育てたと言います。それを否定する気はありませんが、あーちゃんの中で過去が自分に都合良く美化されていると思うこともしばしば。さすがに見過ごせないレベルになっているときは否定するけれど、「あら、そうだった?」のひと言で終わり。この記憶の上書きが「老人あるある」なのか認知症の症状なのかは、いまだにわからず……。そして、上書きされる記憶もあれば、完全になくなる記憶もあり……。前日一緒に銀行でお金を下ろしたことは忘れているのに、あーちゃんのお金を狙っているかもしれない父・たんたんにお茶をおごってもらったことは覚えている……。仕方ないとはわかっていながらも、あーちゃんのためにやっていることをどんどん忘れられていくと、やっぱり虚しくなってしまいます。--------------記憶が美化されてしまうのは、疑問を抱きながら聞き続けるのもラクではないですよね。そして、ワフウフさん姉妹が覚えていてほしいことは忘れ、そこまで重要ではないことはしっかりと覚えていて……。実際にあーちゃんを身近で見守っている家族からすると、気持ちの整理は難しそうですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年02月22日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。認知症と診断された当初、母・あーちゃんは病院の付き添いを頑なに拒否していましたが、最近では「自分がおかしいから」ではなく「自分が愛されているから」付き添われているという解釈になったようで、受け入れてくれています。病院に到着するなり、周りの人に娘が一緒に来てくれていると話すこともあり、少しうれしそうにも見えます。いつものように診察を終えたあーちゃん。先生から「ご家族の方は何かありますか?」と聞かれると、「はい! ありません!」と堂々と答えました……。ワフウフさんが慌てて「短期記憶がかなりひどくなっています」と伝えたところ、「大丈夫よね!」と答えるあーちゃん。まったく会話がかみ合わず、困惑してしまうのでした。 「結局」の説明がいつまでも続く… お正月、姉の家でごちそうをたんまりと食べました。 同じ話のループも、姉妹2人で聞くからストレスも半減。 そして、気付くとあーちゃんは食事よりも先にデザートのお菓子を完食していました……。 もう、食欲のコントロールはできないのかもしれません……。 ここで突如、あーちゃんから亡くなった叔母の話が。 姉妹で協力して伝えようとするも……。 全然伝わっていなかった! そして、食べ過ぎたあーちゃんは、お正月からリバース……。 あーちゃんと一緒に姉の家にお邪魔したのはお正月。お料理じょうずな姉が、おいしいごちそうをたくさん作ってくれて、ゴージャスなおせちも注文してくれていました。「普段はこんなごちそう食べられないから」と、あーちゃんは何度もリピートしていました。 おせちは、ちょうど1人ずつ分けられるように入っていたのですが、気が付くとあーちゃんが中に入っていたお菓子をすべて完食していました……。おそらくデザートとして入っていたもので、他人の分まで食べてしまったことよりも、食欲のコントロールができず、食事を終える前にお菓子を食べ尽くしていたことが衝撃で……。 さらにその日、急に亡くなった妹が住んでいた家の管理がどうなっているのか聞いてきました。できるだけわかりやすく、シンプルにまとめて説明したのですが、「結局どういうこと?」の言葉で振り出しに戻り……。「結局」をエンドレスで説明することに。しかし、何度説明しても理解はできなかったようです。 --------------何度も同じ言葉を聞かされ、何度説明しても理解ができず……。それでも本人に悪気はなく、誰が悪いわけでもありません。認知症がもっと進行していくと、こういったもどかしい状況も増えると思うと、よりひとりで背負うのは難しくなってきますね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。>>次の話 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月21日私の祖母は、祖父の他界がきっかけで認知症を患ってしまいました。私にとって何よりつらかったのは、症状の悪化とともに自分の存在を忘れられたことです。認知症の祖母の介護生活での苦労や経験から学んだことについて紹介していきます。症状の発症と私への態度の変化私の祖母は70代後半のときに認知症を患いました。きっかけの1つは祖父の他界で、最初は調味料などストックがあるにもかかわらず繰り返し購入してくる、数十分前に話したことを繰り返すといった程度でした。家族は認知症に対する理解が浅く、「加齢による物忘れ」と軽く考えていました。この時点で早く病院に相談をしていれば進行を遅らせることもできたかもしれませんが、何もしなかったことで急激に症状が進んでいったのです。1年もたつと娘である私の母のこともかろうじて名前は覚えているものの、親戚の子どもだと言い張るようになりました。自分の子どもですら存在が曖昧な状態のため、当然私のことなど存在すら認知されていません。認知症を発症して2年ほどたったころ、1人暮らしをしている祖母に会いに行くと玄関先で「セールスはお断りだから帰ってくれ」と言われました。「あなたの孫だ」と言っても、「私に孫なんかいない。帰らないなら警察に電話をする」と怒鳴られたため、悲しみに暮れながら帰りました。後悔しないために必要なこと祖母がひとりでいると、薬の飲み忘れや過剰摂取などで命に関わるトラブルが起きるかもしれないと医師に忠告されたため、現在祖母は介護施設に入っています。症状の進行は止まらず、最近は祖父がまだ生きていると思い込んで食事を作るために家に帰ると騒ぐことも頻繁にあるそうです。介護施設に入居後に一度面会に行ったのですが、私を他人だと認識しているため会ってもらうこともできません。祖母と孫という関係で話をすることは二度とできないのだと考えたとき、涙が止まりませんでした。もしもあのとき…祖父が亡くなったとき、1人暮らしをさせずに家族が引き取っていれば、認知症を発症しなかったかもしれないし、自分が定期的に顔を出して話し相手になっていれば存在を忘れられることもなかったかもしれません。現在、母は認知症を発症してもすぐに対処できるように病気について勉強しています。二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、できることはやっておくつもりです。まとめ認知症は、対処する時期が早ければそれだけ病気の進行も遅らせることもできるので、もし身近な家族に疑わしい症状が現れたときは、すぐに医師に相談したいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/菊池大和先生(医療法人ONEきくち総合診療クリニック理事長・院長)地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。文/山上たつひこウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ウーマンカレンダー編集室40歳を過ぎて心と体の変化に戸惑い、悩むオトナ女子を応援するメディア「ウーマンカレンダー」の編集室です。オトナ女子がおこなっているコスパ良し!時短!ズボラでもできる!リアルなアンチエイジング情報をお届け。医師解説の記事も満載!
2024年02月21日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんが、体力の低下と金銭的な負担を理由に、大好きなダンスのレッスンをやめたいと言いだしました。しかし、認知症のあーちゃんにとって、ダンスは良い刺激もあるはずだと思っているワフウフさん姉妹は、なんとか続けてほしいと思い、ペースを落として年に一度の発表会には出ずにレッスンを続けられるよう交渉しました。そして、最終的な判断はあーちゃんに任せることに……。自分のことしか見えていないのね病院の付き添いをしたとき、あーちゃんからダンスのレッスンを続けようと思っていると聞かされたワフウフさん。そこで、先生に早速連絡をしたところ「前回、レッスンをやめるとハッキリおっしゃいました」という衝撃の返信が……! 結局、なんとか事情を話してレッスンは継続できることになり、一件落着です。購入したテレビがちゃんと設置されたか心配で、姉は何度も電話をしていました。たんたんと出掛けた……?! 仲良しか!※たんたん:ワフウフさん姉妹の実父。あーちゃんの夫。あーちゃんとは不仲疲れが影響しているのか、いつもよりも会話がかみ合わない気がしました。これは覚えていてほしい……!あんなに楽しみにしていた孫たちとの食事会すら、忘れてしまった様子……。写真を差し出すと、あーちゃんはうれしそうにしていました。最初は和やかな雰囲気でしたが……。※メラニンくん:あーちゃんの孫ん……? 孫を見ているのではないのかな?ええええええ……。先日、通院帰りに購入したテレビの設置日。無事に終わったのかどうかを確認するため、姉が何度も電話をするもつながらず……。やっとつながったと思ったら、なんと口もきかないと言っていたはずの父・たんたんと出掛けていたと言われ、絶句。いつも悪口を言っていて、何かあれば私たちを巻き込んで大騒ぎするのに、仲良くお出掛けしていたなんて……。電話がつながらず、心配していた分だけ怒ってしまった姉は、いつもより強めの口調で今週の食事会について確認しましたが、あんなに楽しみにしていた孫の大学入学を祝う食事会も忘れてしまっていて、ガッカリです。昔から私たち姉妹は、孫の写真をあーちゃんによく渡していました。その習慣は今でも続いていますが、この前写真を渡したときには、自分の写り方ばかり気にしていて、他の人は視界にも入っていないようでした。他者への関心がなくなってきているということ……!?--------------今まで、ずっと夫のたんたんの悪口を聞かされてきたワフウフさん姉妹にとって、あーちゃんが夫婦でお出掛けしていたのは衝撃的でしたね。夫への負の感情も、忘れているということでしょうか。さらに、他者への関心も薄れている様子を見るとより不安が募ってしまいますね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年02月21日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんが認知症と診断されて、数年前から初期症状と思われるような言動があったことを思い出したワフウフさん。あのとき、もう少し疑念を抱いていれば、今は違う結果になっていたのかもしれないと思うこともあります。日に日に進行するあーちゃんの認知症は、ワフウフさん姉妹の生活にも大きな影響を与えているのでした。あーちゃんは、最初は頑なに病院の付き添いを拒んでいました。しかし、今では「自分が愛されているから付き添われる」という解釈をしているようで、付き添われていることを病院で周りの人に大げさに伝えるほどに。他人と会話を楽しむスキルは、認知症が進行しても高いまま変わっていません。 誤魔化さなくていいのに… 診察を終え、先生から尋ねられると……。 なぜか堂々と答えるあーちゃん。 まったく会話がかみ合いません……! その後、飲食店のトイレでは並んでいる人がいるのに……。 当たり前のように割り込みをしてしまいます……。 ここまでひどくなる前にも、数日前に会ったことを忘れて姉・なーにゃんと話していたこともありました。 この日は、なーにゃんの家に行くことになったのですが……。 案の定、迷子に。 いつものように診察を終えると、先生が「ご家族の方は何かありますか?」と聞いてくれました。すると、なぜかあーちゃんが朗らかに「はい! ありません!」と堂々と答えていて……。 私が「短期記憶はかなりひどくなっています」と伝えると、それに対する返事なのか? 「大丈夫よね!」と横で言っています。まったく会話がかみ合わず、改めて症状が進行していることを実感したのでした。 それからしばらくして、あーちゃんと姉の家に行くことになりました。もうひとりでは行けないだろうと思い、最寄り駅で待ち合わせをしたのですが、案の定あちこち歩き回り、目印の建物も通り過ぎる始末。もうそんな必要はないのに、必死で誤魔化そうとしている姿に、心が痛みます。 --------------もしかすると、あーちゃんは他人と会話をしている姿を娘に見せて、自分はまだまだ大丈夫だと思ってほしいのかもしれませんね。迷子を誤魔化しているのも、自分自身の変化を受け入れらずに葛藤しているのかもしれません。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。>>次の話 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月20日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんから、自分の部屋で使っているテレビが壊れたので、買い替えたいと言われたワフウフさん姉妹。通院帰りにランチをしてから、買いに行くことに。しかし、ランチを終えるころには疲れが見え始め、会話も記憶もめちゃくちゃに。さらに、「お金がない」としきりに訴え、家にあったウン十万円の現金の行方もわからなくなってしまいました……。ビックリ発言体力の低下と金銭的な理由から、大好きなダンスのレッスンをやめたいと言いだしたあーちゃん。しかし、ワフウフさん姉妹としては、良い刺激にもなるはずなので、続けてほしいと考えています。そこで、先生にも事情を話し、レッスンのペースを落として続けられるよう交渉しました。最終的にどうするのかは、あーちゃんにしばらく考えてもらってから決めることに。私も一緒に話していたことは忘れているようで、詳しく説明してもらえました。知ってますけど……。※なーにゃんちゃん(姉)ん? なんか先生にお願いされたという話になっているような……?よかった! 続ける意思が本人にありそうだったので、早速先生にレッスンのお願いをしたのですが……。先生からはあーちゃんからダンスをやめると言われたと連絡が来ました。えぇ……!?どうやら、時間の感覚が狂ってしまっているようで、聞いているこちらも困惑……。続けると決めた後も、ところどころでやめる発言を繰り返しています……。ダンスのレッスンを続けるのかどうか、病院の付き添いをしたときに改めてあーちゃんに確認したところ、続けようと思っていることがわかりました。そこで「1年に一度の発表会には出ず、週1回なら続けたいと言っているので、よろしくお願いします」と先生にメールをしたところ……。「前回いらしたときに、本日を持ちましてレッスンをやめますとハッキリおっしゃいました」という返信が……! ええええ!? これには姉妹でビックリ。おそらく、あーちゃんの中で時間の感覚が狂っていて、自分がおかしなタイミングでやめると言ってしまったのがわかっていないのだと思います。結局、なんとかレッスンは継続できることになり、ひと安心です。--------------すったもんだがあったものの、ダンスのレッスンを続けることに決まってよかったですね。週に1回でも、自分が大好きなことに熱中できる時間は良い刺激になるのではないでしょうか。ただ、体力の低下も目立つようになってきたので、そこは少し心配ですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年02月20日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。久しぶりにきょうだいと食事をした母・あーちゃん。しかし、帰宅後にワフウフさんと話していると、なんだか話がかみ合いません。よく聞いてみると、どうやら一緒に付き添っていた娘やきょうだいの1人が、存在ごと記憶から消えているようでした。食事会でも普段の生活とは真逆のことを報告するなど、理解に苦しむ発言が増えていき、ますます心配になっていきます。今になって思うと、数年前から母・あーちゃんには認知症の初期症状と思われるような言動がありました。あのときもう少し疑念を抱いていれば……と思うこともありますが、時間は戻せません。徐々に進行していくあーちゃんの認知症は、私たち姉妹を振り回していくのでした……。 お母さんが大好き…? 病院に到着すると、やや大げさにこんなふうに言うあーちゃん。 周りの人にもしっかりアピールします……。 こう言われることが多々……。 (※これは妄想です)その言葉を聞くと、こうしたい衝動が……! 心の中では、こう叫んでいるのです……。 もう、こう言うしかない……。 あーちゃんと姉・なーにゃんのお姑さんは同い年で、季節のごあいさつは欠かさない仲。 運転免許の更新の話で盛り上がった2人ですが、すでにあーちゃんは免許返納済みのはず…。 最初は頑なに病院の付き添いを拒んでいたあーちゃんも、だんだんと受け止めてくれるようになりました。「自分がおかしいから付き添われる」という考えから「私のことを心配するやさしい娘たち」に変わり、最終的には「自分は愛されている」という解釈になってきたようです。 病院に着くと「来なくていいって言ってるのにぃ!」とやや大げさに言い、周りの人に話しかけています。そうすると、「お母さんが大好きなのね」といった言葉をいただくことが多いのですが、残念ながら私は、もうそんなことを言う年齢ではないのです……。付き添いをするのは、シンプルにあーちゃんひとりでは無理だから。それだけです。 認知症の症状が進んでも、人と話すのは大好きなあーちゃん。つい先日も、姉のお姑さんと運転免許の更新について、電話で盛り上がっていたようです。……あーちゃんは、何年も前に運転免許は返納しているはずなのですが。相変わらず会話のスキルは高くてビックリします。 --------------理由はどうあれ、付き添いを受け入れてくれたことで、通院がスムーズになったのであれば、結果オーライですね。そして、症状が進行する中でも、会話のスキルはそのままというのは、人と話すのが大好きなあーちゃんらしいですね。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。>>次の話 シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ
2024年02月19日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。前回の通院に付き添ったとき、母・あーちゃんが無気力でボーっとしているように見えたのが気がかりだったワフウフさん姉妹。しかし、孫の大学が決まったことがとてもうれしかったようで、お祝いの食事会を楽しみにしている様子に少し安心しました。しかし、孫のことは覚えていられる半面、手帳に書かれている予定をすっかり忘れていたりと、認知症の症状は一進一退です……。やめないでほしい…!あーちゃんが部屋で使っているテレビが壊れてしまったとのことで、通院帰りにランチをしてから買いに行くことになりました。しかし、いざ買い物へ向かうと疲れが見え始め、会話も記憶もめちゃくちゃに。さらに、しきりに「お金がない」と訴えるようになり、ワフウフさん姉妹は困惑してしまいます。家には結構な額の現金があったはずなのに、一体どこへ行ってしまったのでしょうか……!?あーちゃんも、自分の状態はわかっているらしい……?ここは言葉をグっと飲み込みます。現実的に、1年に一度の発表会「デモ」に参加するのは厳しそうなので、そこは先生に相談することに……。先生はデモへ参加をしなくても、週に1回のレッスンでもいいと言ってくれました。それを聞いて、前向きに考える素振りも見せつつ……。後ろ向きな発言もありつつ……。とりあえず、しばらく考えてもらうことにしました。大好きなダンスをやめたいと言いだしたあーちゃん。体力の低下とお金がかかることが理由のようです。毎月のレッスン代が月に5万円程度、さらに1年に一度のデモと呼ばれる発表会の費用がかかっているのですが、このデモというのがあーちゃんいわく何十万円もかかるとのこと。ただ、あーちゃんの場合、本人は忘れているかもしれませんが、私たち姉妹が預かっているお金もあるので、金銭的な負担はそこまで大きくありません。できれば趣味のダンスを続けてほしい、やめないでほしいというのが姉妹の思いです。体を動かすのも、週に2回おしゃれをして電車に乗ってお出掛けするのも、認知症のあーちゃんにとって大事な刺激になっていると思うので。しかし、デモに参加するとなると、当日は1日がかりで普段行き慣れていない場所へ行くことになるので、今のあーちゃんには厳しそう……。そこで、デモには参加しないという条件でレッスンが続けられないか先生に相談してみたところ、了承をいただけました。それを伝え、最終的な判断はあーちゃんに少し考えてもらうことに。--------------ワフウフさん姉妹が認知症の母にダンスを続けてほしい思う気持ちは、とてもよくわかりますね。先生も事情を理解してくださっているようなので、なんとかこれまでの生活を担保しつつ、あーちゃんがイキイキと過ごせるといいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室★関連記事:著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年02月19日アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。母・あーちゃんの通院には、いつもワフウフさん姉妹のどちらかが付き添っていましたが、どうしても2人の都合がつかない日が出てきてしまい、仕方なくあーちゃんひとりで行ってもらうことに。本人は「全然大丈夫!」と自信満々ですが、これまでも「注射に来るのを忘れたり、来たこと自体を忘れたり、毎回のように注射は毎週必要かと確認している」ことがあり、心配だと告げると、記憶も自覚もないようでショックを受けている様子でした。ウン十万の現金はどこへ…?前回の通院に付き添ったときは、無気力でボーっとした様子だったあーちゃんも、孫の大学が決まったのがとてもうれしかったようで、お祝いの食事会も楽しみにしていました。その様子に、ワフウフさん姉妹もひと安心。しかし、手帳に書かれている予定が何の予定か思い出せずに考え込む姿も見られ、当日まで覚えていられるのか、待ち合わせにちゃんと行けるのかなど、気がかりなことも……。「お金がなくて不安」とよく口にするようになったあーちゃん。でも、家にはかなり現金があったはず……。趣味で習っているダンス代に使ったと言うけれど、レッスン代はそこまで高額ではありません。でも、本人に使った記憶はないというので、きっとどこかに置き忘れているはず……。押し問答が続き、ついに姉・なーにゃんは怒ってしまいました。……気持ちはわかるけど。最近、何もしていないのに疲れたと訴えることが増えたあーちゃん。体力が低下している……?たしかに、通院の帰りにランチをして、少し寄り道するだけで足元はフラフラになっています。ある日の通院帰り、持ってきた総菜を渡し忘れた姉のなーにゃんが、慌てて渡しに行くと……。目の前に現れた人物が娘のなーにゃんだと、すぐに認識できなかったようでした。ある日、あーちゃんの部屋にある小さなテレビが壊れたから買い替えたいということで、通院の帰りにランチをしてから買いに行くことにしました。しかし、だんだんと疲れが見え始め、会話も記憶もめちゃくちゃに……。この日は、しきりに「お金がない」と訴えていたあーちゃん。でも、実家で押入れチェックをしたときに、かなりまとまった額の現金があったことは把握しているので、足りないことはないはず。通帳もすぐに失くしてしまい、ATMが使えずに手持ちの預金が引き出せず、現金を渡してもすぐにないと言って不安がる……。もう一体どうすればいいのだろう? 「何に使った?」「使ってない!」「それなら家にあるはず!」「ない!」。こんな押し問答を続け、この日あーちゃんと姉は言い合いになってしまいました。病気が原因だとわかっていても、怒りたくなる姉の気持ちは、痛いほどわかります。そしてこの日、バイバイをして別れてから、持ってきた総菜を渡し忘れたことに気付いた姉は、駅のホームまであーちゃんを追いかけて総菜を渡したのですが、突然現れた姉に反応できず、誰かわからないような表情で姉を見ていたそう……。なんだか、話を聞くだけでも悲しくなってしまいます……。--------------お金関係には執着する傾向があったあーちゃんですが、どこかに置いて忘れているのではなく、実際に使ってしまっているようなら、何か新たな対策を講じる必要があるかもしれません。そして、一瞬でも家族を認識できていない雰囲気を感じてしまうと、やり場のない気持ちになってしまいそうです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室著者/ワフウフ昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。2023年4月、書籍「アルツフルデイズ笑いと涙の認知症介護」発売。
2024年02月17日