「うちの子運動神経が悪くて」と悩む親必見!「サッカー以前」に必要な運動スキルとは
例えば、体力や身体形態が同年代の子どもと比べても大きいほうであるが、速く走ることが苦手だったり器用さに欠ける場合は、体力は高いが運動能力が低いと判断できます。逆に身体は小さくて力も弱いが、すばしっこかったり器用だったりする場合は、体力は低いが運動能力は高いと見ることができます。」
■家庭でできる身体機能を整える運動
そう言って、運動が苦手なお子さんの運動機能を向上させるために、家庭でもできる「身体機能を整える運動」を教えてくれました。
36の基本運動(出展:『あんふぁん』 フジサンケイ新聞社 2008年10月号より)
36の基本運動で、次のような運動があります。
【姿勢の変化や安定性を伴う運動】
立つ/両手を相手と組む/乗る/逆立ち/渡る/起きる/ぶら下がる/浮く/回る
【重心の移動を伴う運動】
走る/登る/歩く/跳ねる/泳ぐ/垂直に跳ぶ/くぐる/滑る/這う
【人や物を操作する運動】
持つ/支える/運ぶ/押す/当てる/操る/蹴る/押さえる/捕る/振る/漕ぐ/渡す/投げる/倒す/引く/打つ/つかむ/積む
※36の基本運動についてはNHKエデュケーショナルの「遊育(あそいく)」ページなどでもご確認いただけます
上記の運動をどのように取り入れているかを伺うと、いわきFCやDAHAAで実践していることを明かしてくれました。
「これらのアカデミーでは、姿勢の変化や安定性を伴う運動と、重心の移動を伴う運動が整ってきたら、人や物(ボールなど)を操作する運動へと移っていきます。サッカーをするためには、姿勢と重心のコントロールを無意識に行いながら、ボールなどを巧みに操作する能力が必要です。姿勢や重心のコントロールができずに、フラフラした状態でボールを扱っても上手くいきませんよね。運動経験の少ない現代の子どもたちにとっては、基礎的な運動ができるようになってから、サッカーなどの専門種目に取り組むのが良いと思います。
算数の難しい問題、例えば四則計算や文章問題なども九九を暗記しているという基礎があるから解けます。
運動スポーツも一緒で基礎体力運動能力が整っているから上手くなったり、楽しくなります。36の基礎運動を遊びを通して体験することで体力運動能力を向上させ、それがサッカーなどのスポーツに活かされるのです。現在、サッカー界で流行している例えば体幹トレーニング、ファンクショナルやムーブメントトレーニングは、そもそも基礎体力運動能力が備わっている大人がやるものです。