子育て情報『「試合の日○○は要りますか?」と親が確認しない。サッカーの準備を自分ですることが自立につながる』

「試合の日○○は要りますか?」と親が確認しない。サッカーの準備を自分ですることが自立につながる

「明日のサッカーに必要なものはなんだろう?」と、子ども自身が考えて準備することも、自立する上では大切なことですよね。「明日の試合に、お弁当はいりますか?」と、親がコーチに聞いてしまっては、お子さんはお弁当がいるかどうかを気にすることはありません。「今日から、お弁当がいるかどうかはお母さんは聞かないから、自分でコーチに聞きなさい」と言うのも、ひとつの方法です。自分のお子さんにこうなってほしいという最終像があって、それに向かってプラスになることを、自分がやっているのか。そこに意識を向けてみるといいと思います。

――子どもの自立のために、クラブと保護者が同じ方向を向くのが理想ですね。

子どもは成長の途中なので、良いときもあれば悪いときもあります。指導者や保護者は、彼らと伴走しながらサポートしていくものです。
練習中に「なぜ彼はふてくされるんだろう?」という場面があったとして、その裏側には必ず何か理由があります。そこに目を向けず「ふてくされて態度が悪い、○○くん」とダメ出しやネガティブフィードバックをしたり、「そんな態度では試合には出さない」と言って、週末の試合から干したりすることを、私達指導者は繰り返してきました。でもそうではなくて、人間にはいろいろなコンテキスト(前後関係)があり、ファクター(事実)があります。そこに理解を示し、歩み寄り、選手のバックグラウンドを知ろうとすることは、とても大切なことだと思います。罰するのは、その後からでも遅くないからです。

■これまでと違う日本人が育っている。大人も進化し続けないと指導の質が上がらない

――時代の流れとともに、求められる指導者像や選手へのアプローチは変わってきていると感じますか?

はい。時代の流れは早いので、指導者は敏感に感じ取り、変化していく必要があると思っています。
フットボール界だけ、指導現場だけで物事は測れません。社会の潮流や教育現場の流れなども鑑みることが大切です。近年、日本は教育方針が大幅に変わりました。いまの子どもたちが大人になる10年、20年後は、これまで私達が知っている日本人とは違ったタイプが育っているでしょう。しかし、それに対応する我々上の世代は、昭和の教育を受けている人が大半です。これまでとは違う日本人が育っているのに、育てる側の人間がついていけないと誤差が生じます。

――前提条件が違う人達同士、ミスマッチが生じるわけですね。

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