気になるサッカーと勉強の両立。「スポーツ」と「勉強」パフォーマンスを高める方法は同じ?
それまで勉強に励んでこなかった丹羽さんは「そんな選択肢もあるんだ」と思うと同時に「陸上中心の生活をしてきた自分に、勉強なんてできるのだろうか」と、不安が頭をよぎったそうです。
「そうしたら植松が『じゃあ、勉強の仕方だけ教えたるわ』と言ってくれたんです」
そこから植松さんの家に通い、「勉強の仕方」を教わる日々が続きます。
「5日間ほど通っていたと思うのですが、彼が高校時代に使っていた参考書を見せてくれて、勉強の仕方を教えてくれました。そのときに『賢い人って、こうやって勉強するんや』と衝撃を受けまして」
植松さんは高校時代、強豪校の野球部に所属し、寮生活をしていました。丹羽さんによると「高校時代、限られた勉強時間で成果を出すために、どうすればいいのかを考え続けてきた」そうです。
植松さんに勉強の仕方を教わり、受験勉強に取り組むことにした丹羽さんでしたが、その時点で、高校を卒業してから半年が過ぎていました。
「勉強の仕方を教わったのが9月の頭だったので、センター試験までには5ヶ月ほどしかありませんでした。残された時間は少なかったですが、何をどうやって勉強すればいいかを教えてくれたので、それならできるかもしれないと、勉強をする気になれたんです」
目指したのは大阪大学。
植松さんと同じ大学です。「推薦で大学に行けず、親に迷惑をかけたのもありましたし、学費のことを考えて」の決断でした。
丹羽さんはそこから、植松さんに教わった「入試の日から逆算して記憶する方法」や「問題演習のやり方」「問題集の意味と目的」など、勉強をする上で必要なことをベースに猛勉強。模試の偏差値41からスタートし、5ヶ月間の勉強の末に、合格を勝ち取りました。
「そこで気がついたことがあります。それは『いかに意味のある勉強をするか』です。たとえば漢字を10回書きなさい、これには意味があるのかな。何のためにやってるのかを、いま勉強していることに対して言えますか? スポーツをしている子は、いま練習していることに対して、どんな意味があって、どんな目的があるかを言えますか? 僕らが運営しているアカトレでは、そこに対する考え方や目標設定を重視しています」
無駄なことを長時間するのではなく、意味のあることに集中して取り組み、パフォーマンスを高める。
これはサッカーの練習にも通じるところです。
「アカトレのテーマは『自学力』なのですが、自分で学び取る力に関わってくるのが『目的意識』です。