自身も体罰指導を受けた経験を持つバレーボール協会川合俊一会長が「選手を伸ばすためには暴力指導は絶対ダメ」と言い切る理由
「だけど、時間はかかりますよ。何か一つの時代があって、それが変わるって大変なことですから。スポーツ界が体罰禁止と声をあげ始めたのが、ここ10年ぐらいですよね。当時、体罰をしていた人が40歳だとして、まだ50歳。なかなか一気には変わらないです。それでも、バレーボール協会としてもそうですし、私としても、指導者に会うたびに『バレーボールの指導とはね――』と言い続けていくしかないんです」
■ミスにいちいち怒っていたら競技が成り立たない
川合会長は「バレーボールはミスありきのスポーツ。ミスのたびに怒っていたり、イライラしてもしょうがない」と諭すように言います。
「我々はイライラするスポーツの指導者なんだから。
ミスしたからって、いちいち怒っていたら、バレーボールという競技は成り立ちませんよ」
これはサッカーも同じでしょう。足を使ってプレーする時点で、ミスをする可能性は大いにあります。
「ミスをするのは当たり前で、じゃあどうすればミスをしなくなるんだろうと考えるのが、指導者の仕事です。選手がミスをするのであれば『自分が指導できていなかったんだな』と、自身の指導内容に目を向けてほしい。バレーボール協会としても、指導をアップデートするための情報提供は続けていきますから」
■競技団体を超えて暴力をなくすことがスポーツの価値を高める
川合会長はサカイク読者に向けて、バレーとサッカーの垣根を越えて、次のようなメッセージをくれました。
「残念ですが、いまなおスポーツ界には暴力、未暴力があります。スポーツや競技団体の垣根を越えて、暴力をなくそうと努力することは必要だと思いますし、それがスポーツの価値を高めることにつながると思います。ぜひスポーツ界で連携して、暴力をなくしていきましょう」
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