子どもが失敗しないよう親が先回りしてスクを排除してない? 不便な方が考える力がつく理由
海外のサッカー少年少女の親って、日本と何か違うの?と気になるとき、ありませんか?
2023年夏、東京都葛飾区、墨田区で活動する「クルゼイロサッカースクール」の小学生たちが、ブラジル遠征を慣行。2週間弱の遠征でトップチームの施設を訪れ、ブラジルの子どもたちと合同練習を行い、汗を流しました。
そこで感じたブラジルの親について、クルゼイロジャポン指導部門責任者の小林ヒロノリコーチに、話をうかがいました。
「ブラジル遠征で感じた、保護者のあり方」とは日本とどう違うのかご紹介します。
(取材・文鈴木智之)
(写真提供:クルゼイロジャポン)
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■意外!?ブラジルの親の方が過保護
(写真提供:クルゼイロジャポン)
クルゼイロサッカースクールの小林コーチは、ブラジル遠征で感じたこととして、「ブラジルの保護者と日本の保護者の関わり方の違い」を挙げます。
「ブラジルの親の方が、日本より過保護だと感じました。家族を大事にして、守るという気持ちが強いんです。クラブも『親御さんは、しっかりお子さんを守ってあげてくださいね』と伝えているそうです」
その背景には、ブラジルの社会環境があると分析します。
「ブラジルは社会基盤が整っていない部分が多いです。街には危険な場所もありますし、電車やバスは日本のように、時間通りに来ません。そこで何もせず、ただ待っているだけだと、生活はスムーズにいかないわけです。周りの人に訊いたり、調べて、スムーズにいく方法を見つけなければいけない。
停電も多いので、電気が消えたらこういうアクションを取ろうとか、いろんな経験をしているから、柔軟に行動することが体に染みついているんですよね」
■不便な方が自分で考える力がつく?子どもがすね当てを忘れても届けない理由
(写真提供:クルゼイロジャポン)
不便さがあるからこそ考え、実行する。それが自分で考えて行動すること、すなわち自立につながるのかもしれません。
小林コーチは「日本は安全で快適な素晴らしい国です。そんな環境で育った子どもを自立させるために、どういう働きかけをしなければいけないのか。そこは常に考えています」と明かします。
「それならば、わざと不便な形を作り出す方がいいのか。