子育て情報『細胞内のミトコンドリア機能異常と加齢に伴う認知機能障害の関連性を発見』

2022年3月10日 13:00

細胞内のミトコンドリア機能異常と加齢に伴う認知機能障害の関連性を発見

まず、アルツハイマー病のマウスでは、アルツハイマー病患者特有のアミロイドβの濃度が高く、月齢とともに徐々に増加することが確認されました。アルツハイマー病に関連するタンパク質である、アミロイドβ1-42が脳の海馬で多く検出され、海馬におけるアミロイドβ1-42の凝集が、アルツハイマー病の遺伝子改変マウスの認知機能障害を引き起こすことが確認されました。
また、活性酸素によるミトコンドリアの損傷が神経細胞の生存と密接に関係しているのではないかという仮説を検証するため、アンチエイジング作用を示すニコチンアミドヌクレオチドアデニル基転移酵素(NMNAT-3)など、いくつかの主要なミトコンドリア酸化酵素の数値を測定しました。アルツハイマー病の遺伝子改変マウスでは、NMNAT-3の数値が低下する一方で、より高い酸化の指標であるニトロチロシン(3-NT)の数値が加齢とともに上昇することが判明しました。
これらによって、酸化がミトコンドリア機能障害を引き起こし、最終的に認知機能障害につながることが明らかになりました。

■今後の展望
細胞内にあるミトコンドリアを活性酸素から守ることができれば、ミトコンドリアの機能と認知機能を維持できる可能性があります。今後は、脳の変化を早期に発見するための診断マーカーの開発や、ミトコンドリアという物質において、高い抗酸化作用を示す化合物の研究を進めていく計画です。

■論文情報
著者 :芝浦工業大学大学院修士課程 吉田直樹
芝浦工業大学大学院修士課程 加藤優吾
杏林大学保健学部臨床検査技術学科准教授 高津博勝
芝浦工業大学システム理工学部生命科学科教授 福井浩二
論文名:Relationship between cognitive dysfunction and age-related variability in oxidative markers in isolated mitochondria of Alzheimer’s disease transgenic mouse brains
掲載誌:Biomedicines
DOI :10.3390/biomedicines10020281

■芝浦工業大学とは
工学部/システム理工学部/デザイン工学部/建築学部/大学院理工学研究科
https://www.shibaura-it.ac.jp/

日本屈指の海外学生派遣数を誇るグローバル教育と、多くの学生が参画する産学連携の研究活動が特長の理工系大学です。

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