くらし情報『東北大、極低温でも形状記憶合金として利用できる超弾性の銅合金を開発』

東北大、極低温でも形状記憶合金として利用できる超弾性の銅合金を開発

そこで研究チームは今回、極低温域における各種合金の超弾性の調査を実施することにしたのである。

超弾性合金は、変形する時の荷重は除荷する時の荷重より高い特徴がある(画像1)。今回の研究で、各種超弾性合金を用いてさまざまな温度での超弾性が調査された。すると、極低温域ではこの荷重差が大きくなることが主な原因で、超弾性が得られにくくなることがわかった。

例えばニッケル-チタン合金では、液体窒素温度(-196℃)以下において荷重差が大きくなり、超弾性特性が得られにくくなるという具合だ(画像2)。一方、東北大学で開発が進められてきた銅-アルミニウム-マンガン合金では、極低温でも荷重差がほとんど増大せず、良好な超弾性を得られることが確認されたのである(画像3)。

今回の成果により、これまで、室温近傍で利用されてきた超弾性合金の、低温での利用が可能になる。宇宙などの極低温環境においての超弾性利用のほか、超伝導周辺技術、液体窒素、液体水素、液体ヘリウムなどの低温冷媒を使用する機器や液化天然ガス(LNG)設備などにおけるシール材としての利用も期待できるという。
また、銅-アルミニウム-マンガン合金はニッケル-チタン合金よりも加工性や切削性に優れ、板や複雑形状での利用が可能であるという特徴も有するとした。
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