くらし情報『長崎島原に伝わる食、「いぎりす」ってなんだ?』

長崎島原に伝わる食、「いぎりす」ってなんだ?

を食べさせてくれるという郷土料理店「中屋」を紹介してもらった。

訪ねてみると、島原城を目の前に望む昔ながらのみそ蔵を改装した店で、おかみさんが手作りの料理でもてなしてくれる。

早速頼んでみると、薄茶色の四角いかまぼこのようなものが運ばれてきた、中に小さく刻んだ具が入っている。

「いぎす草は有明海で6月ごろに採れる海草です。

その乾燥させたものを鍋で煮て溶かし、味つけした野菜や魚を入れて固めたのがいぎりすです」。

いぎす草自体は味がないそうで、中に入れる具材がおいしさのポイントになるとか。

中屋では細かく刻んだニンジンと白身魚を煮てほぐしたものを入れている。

かつては各家庭で作られていたが、手間がかかることから今では手作りすることは少なくなったという。


ではでは、いただいてみよう。

ひと口目の感じは少しざっくりしたもの。

磯の香りが漂うが、味の印象はぼんやりしている。

そこで酢じょうゆをつけてみた。

おっ、味が引き締まり、具材の野菜や魚の風味が口の中に広がる。

さらにふた口、三口と食べ進めると塩加減もちょうどよく感じられてきて、酒の肴にいけそうだ。

色々調べてみると、いぎりすのルーツは四国の今治地方に伝わる「いぎす豆腐」

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